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情報誌『アシスト』

2004 2004/09/01
NOREN新バージョン発表記念   NORENユーザ事例

アシストではNOREN新バージョン発表を記念してセミナーを開催し、ユーザ事例として、「日立グループにおけるWebブランド戦略 ~超巨大Webサイトに挑む“プロジェクトH”の軌跡~」と題して株式会社日立製作所 ブランド戦略室部長 須藤雅紀様のご講演、ならびに「日立製作所におけるWebブランド戦略 ~Webサイトリニューアルとコンテンツ管理システムの役割~」というテーマでのディスカッション(株式会社日立製作所 Web戦略センタ センタ長 橋本和徳様、同社Webマネジメントセンタ センタ長 浜野俊二様、サイエントジャパン株式会社 取締役副社長 王子田克樹様、有限会社CreatorsNet 代表取締役 菅原裕様)を行いました。本稿はその内容を編集部でまとめたものです。

日立製作所におけるWebブランド戦略


 今回ユーザ事例をお話しいただいた日立グループは、2003年度連結売上高が約8兆円、従業員約32万人という大規模な企業グループ。情報通信システム、電子デバイス、電力・産業システムを始め様々な事業を手がけており、グループ企業が多岐にわたることからお客様向けWebサイトも多数存在していたという。

 創業90周年を迎えた2000年、「ブランドで選ばれる企業・日立」を目指して、「HITACHI」ブランドの価値を向上させるブランドマネジメントを新たに導入することを庄山悦彦社長自らが発表した。企業経営のグローバル化が進展し、知識社会へと進化する経営環境のもとで企業がより一層の躍進を遂げるためには、競争優位性を発揮し、企業価値の最大化を図っていくことが必要不可欠だとして、これに対応すべく企業ビジョンの象徴であるブランドを経営資源の一つとして活用することとなった。2002年4月、経営戦略部門に「ブランド戦略室」を発足させ、本格的な取り組みが開始されたという。


■ ブランド戦略展開の背景 ■

 ブランド戦略室部長 須藤雅紀氏は、ブランド戦略の推進をグループ展開した背景には、HITACHIブランドの存在感の希薄化があったと語る。企業の成長に欠かせない成長因子としてのブランドイメージには「強い技術力」、「研究開発力が旺盛」、「新製品開発に熱心」、「先進性がある」、「将来性がある」、「海外競争力がある」等が挙げられるが、これらの企業イメージワードのスコアが近年低下し、それにあわせて日立の全体的なブランドアイデンティティの低下が大きな課題になっていた。さらに連結経営、グローバル化、株式時価総額重視、無形資産重視といった事業環境の変化やステークホルダーの質的な変化など、市場や経営環境が大きく変貌を遂げる中で、日立自身が新時代の成長企業へ変革していくためにも、その駆動力としてブランド戦略の展開に至ったという。

 こうして日立は経営の一環としてブランドマネジメントを本格的に推進し、HITACHIブランドの理念を社員が理解・共有し、一貫した企業活動を継続的に行うことでブランド価値を向上させ、ステークホルダーに「ブランドで選ばれる日立」となることを目指すと宣言した。次なる時代を常に見据え、時代の要請を敏感に察知した新しい製品やシステム、サービスを提供することによって生活と社会に息吹を吹き込み、より生き生きしたものにしていくという思い“HITACHI Inspire the Next”を新しいコーポレートステートメントとして打ち出したのである。


■ Webブランド戦略 ■

 なぜブランドマネジメントにWebなのかという点について須藤氏は、Webサイトが企業の顔として機能する存在になっていること、Webがブランド形成の多様な接点の集約メディアである点を挙げた。さらにTVや新聞広告は一方的なプッシュメディアであるのに対し、プルメディアであるWebサイトはブランドパーソナリティを形成するのにより有効であることに気づき、Web戦略を確立したという。

 Web戦略に着手する以前の日立のWebサイトは、トップページ、事業部、関連会社、海外のサイトと、個々には自己完結した質の高いものであってもWeb戦略の欠如、全体ガバナンスおよび責任者の不在等、全体をマネジメントする部門がなかった。そのために、様々なデザインが存在し、したがってブランドの観点からいうと統一感がない、目的のページや情報にたどり着くために複数のサイトを経由しなければならないといった問題があったという。これらを解決するためにブランド戦略室が中心となって日立ブランド価値の向上とビジネスへの貢献を図り、グループ全体の競争力を強化するという目的のもとでWeb戦略が確立され、Webマネジメント運営責任体制が構築された。

 Webサイト自体が「日立の製品・サービス」であるとの認識から、HITACHIブランドのビジョンとそのエッセンスである“Inspire the Next”を感得させることで各ステークホルダーに体験価値を提供できるようにと、1から3のフェーズに分けてブランドの価値向上を図ることとした。

 サイト運営上の問題を解決する1つの方法として日立製作所はアシストの提供するコンテンツマネジメントシステム(CMS)であるNORENを導入。Web戦略センタ センタ長 橋本和徳氏は、CMS導入のポイントとして、コンテンツ制作に関するガイドラインを策定し、コンテンツ制作者にそれを正しく理解してもらうための教育の重要性を強調した。さらに、CMSツールは魔法のツールではないとし、日立では具体的なWebサイトの運用体制に基づいて段階的な展開を行っていると語った。

 Webマネジメントセンタ センタ長 浜野俊二氏は、NORENの基本概念であるテンプレートによりデザインやナビゲーションを統一するという考え方を適用し、デザインガイドラインを織り込んだサイト単位のテンプレートを「日立標準セット」として作成し、文字や画像を入力すればサイトが完成するというところまで用意したという。NORENの導入は2004年3月で27サイト、今後さらに展開を図る予定である。

 NORENの導入でグローバルに展開する6万ページのWebサイトのガバナンスの徹底とコンテンツの品質向上に着手した日立製作所は、今後さらなる効率性の追求と共にコスト削減を目標に掲げて、よりビジネスに直結した品質の高い企業価値あるいはブランド価値に寄与するサイト運営を目指すという。