前回のコラムでは、最速でゴールするために、(1)近道(受注確率の高い顧客)を探す、(2)体力(営業スキル)をつけるという2つの手段を説明しました。
そして近道を探すための判断基準として、3つのガイドラインがあり、最初のガイドラインとして「顧客接点のガイドライン」を検討しました。「顧客接点のガイドライン」とは、活動量に対する指標です。営業担当者にとって有限の業務時間を、より多く顧客接点に費やすための意識付けとご理解ください。
次のガイドラインは、「顧客訪問のガイドライン」です。「量」から「質」へ目を転じます。顧客接点と顧客訪問の2つのガイドラインを利用して、営業における「見込客創出」活動を、より質の高い活動へと導きます。
「顧客訪問のガイドライン」を検討する際には、(1)お金を使っている、(2)お金を持っている、(3)必要としている、という3つの視点を利用します。
=======================
■ お金を使っている顧客
=======================
「お金を使っている顧客」とは、自社製品の売上が高い顧客を意味します。売上の視点から、自社にとっての重要顧客を定義する手法として、イタリアの経済学者であるパレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)の法則を利用した、“ABC分析”(パレート図)が有名です。ABC分析とは、顧客を重要度の高い順に、A/B/Cの3つのランクに分ける方法で、以下のような手順を踏みます。
※売上ゼロの顧客をZランクとして、A/B/C/Zに分ける場合もあります。
----------------------------------
1.顧客ごとに売上(利益)金額を集計し、金額の大きい順に並び替える
2.その順に売上金額を累計し、総売上金額に対する累積構成比(%)を算出する
3.売上金額累積構成比を基に品目をA/B/Cの3つのランクに分類する
----------------------------------
顧客重要度は売上累計構成比の上位から、70~80%をAランク、80~90%をBランク、90~100%をCランクとすることが一般的ですが、何%ごとに分けるかは管理バランス(数)に応じて変更します。
【ABC分析表の例】

このようにして作成された表をABC分析表(上図)と呼びます。さらにこの表からパレート図(ABC分析図)を作成することができます(次の図を参照)。パレート図を見れば、売上金額の80%相当を占めるAランク顧客が数の上では売上全体の10~20%を占めるに過ぎないことが分かります(80対20の法則)。つまり、重要顧客は少数であり、その顧客を重点的にフォローすると効率的である、すなわち「お金を使っている顧客」から順に活動リソースを割り当てるという一般法則が確立したのです。
【パレート図(ABC分析図)の例】

この法則に従い、「顧客訪問のガイドライン」を作成してみましょう。検討にあたり、前回のコラム例を採用し、「顧客接点のガイドライン」を月間60件と設定しておきます。また、検討例として、営業担当者が担当する顧客を45社(Aランクが5社、Bランクが10社、Cランクが30社の内訳)と仮定しましょう。

この例では、重点顧客のAランク企業には月間5件、Bランク企業には月間2件、Cランク企業には2ヵ月に1件の「顧客訪問のガイドライン」を設定しています。この訪問ガイドラインに、担当顧客数をかけるとランクごとの訪問計画となり、総和の60件が月間予定活動量になります。このとき、予定活動量と「顧客接点のガイドライン」との数に開きがあると、担当企業数か「顧客訪問のガイドライン」のどちらかを見直す必要が出てきます。ガイドライン導入当初は、設定値の妥当性が不明確な場合が多いので、あくまでも活動目安としておき、数回の営業サイクルをまわした後に設定値の見直しを行うと良いでしょう。
このような手法は、実は45年も前にW.J.ターリー・ジュニアによって提唱された、ワーク・ロード・メソッド法を改良したものです。ワーク・ロード・メソッド法には以下の目的があり、そのままガイドライン導入の目的として引き継がれています。
----------------------------------
・企業ランクに応じた、適切な行動計画の立案
・ガイドラインに沿った、適切な顧客担当数の検討
・各営業担当者への公平な仕事(役割)分担
・営業拠点ごとの適切な営業担当者の配置
----------------------------------
さて、多くの企業で活用された 顧客のABC分析と訪問の優先順位付けですが、2000年頃には上手く運用できないケースが目立ってきました。この理由は、「ABC分析」と「訪問計画」の性格に起因します。
ABC分析とは、過去の実績を基に顧客を評価/分類したものですが、これに対して訪問計画とは、将来の活動に対する目標値です。すなわち過去実績から将来を計画する手法なのです。市場が右肩上がりを続けていて、過去の優良企業が将来にわたっても優良企業であり続けるのであれば、ABC分析を基準にした計画策定で問題ありません。当然、優良企業に牽引されて、自社の業績も向上します。しかしながら、不況時や不確実性の高い時期には、過去から将来を予測することは大きなリスクがあります。
ここで顧客の評価方法に、もう1つの視点を加えます。これが「お金を持っている」という視点です。次号では「お金を持っている」視点を加えた顧客評価手法と訪問ガイドラインの修正方法に関して説明します。
⇒詳細は「
効果的な報告システムの実装方法【その5】」をご参照ください。
(※これまでのコラムについては以下をご参照ください。)
「効果的な報告システムの実装方法【その1】」
「効果的な報告システムの実装方法【その2】」
「効果的な報告システムの実装方法【その3】」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アシストは自社の経験を活かし、営業システム
構築に関するコンサルティングならびに技術支
援を提供しています。ご興味のある方は是非と
もお問い合わせください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<< ウェブハロー推進室/03-5276-5870 >>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~