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情報誌『アシスト』

2007 MAY/JUN 2007/05/01
誌上セミナー ウェブハロー


組織営業力強化のための「営業報告の活用法」
~効果的な報告システムの実装方法~【その5】

新本 幸司
株式会社アシスト 営業力強化事業推進室 室長
新本 幸司

前回のコラムでは、パレート図を利用した顧客のABC分析および、顧客訪問のガイドラインについて説明しました。さらに、過去実績から将来を計画する手法は、市場の変化に対してリスクを伴うという問題提起も合わせて行いました。

今回のコラムでは、「お金を使っている」という視点(過去実績)に、「お金を持っている」という視点(将来の拡販余地)を加え、顧客訪問のガイドラインを改善してみましょう。



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 ■ お金を持っている顧客
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「お金を持っている顧客」とは、自社にとって拡販余地の高い顧客と捉えることができます。拡販余地の捉え方は、業種業態によって異なります。例えば、製造メーカーや卸業であれば、営業先(小売)の保有店舗数や売上高、人口密集地域のカバー率など、システム・インテグレータであれば、顧客の売上高や情報化投資比率などが判断基準となります。

ここで、前回のコラムで説明したABC分類(過去の取引実績)と、将来に向けた拡販余地の視点から、顧客を再分類してみましょう。分類する手段としてPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)を参考にします。


【PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)】

PPMとは、ボストンコンサルティンググループが1970年代に提唱した手法で、市場の成長率を縦軸に、競合他社との相対的マーケットシェアを横軸に表現した4象限のマトリックスにて、製品や事業のポジションを把握し戦略立案に活かす手法です。







次の表は、前回のコラムで仮設定した営業担当者のランク毎の担当顧客数です。Aランクに属する顧客が5社、Bランクは10社、Cランクは30社と設定されています。この例とPPMを転用して、横軸にABCランク別の顧客数(過去実績)を、縦軸に拡販余地(将来予測)を設定し顧客を再評価してみましょう(ここでは拡販余地に関する詳細な評価方法は割愛します)。







次の図が4象限に顧客を配置したものです。右側から順に、ランクの高い(取引実績の多い)顧客が並び、上部から下部へ拡販余地の大きな顧客が並んでいます。またA(●)B()C(○)ランク毎に、色を分けてプロットしています。


【ABC顧客を再マッピング】






マトリックス分析とABC分析との違いは、攻める顧客グループと守る顧客グループを明確に定義付けできるところにあります。拡販余地の大きな上部2象限が「攻める」対象顧客、取引実績の大きな右側2象限が「守る」対象顧客となります。ABC分析では、「守る」顧客グループに対して重点的に計画立案していたことに「気づき」ます。

では、この4象限に対してガイドラインを検討してみましょう。


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 ○ 右上象限(花形セグメント)
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ここに配置される3社は、取引実績が大きく、また取引期間も長いと想定されるので、関係構築もできているでしょう。今後の取引発展も期待できる顧客グループです。したがってこの顧客グループには、今まで以上の活動パワーを配分し、競合他社の介入を防御しつつ(守り)、取引を発展させるためのアプローチ(攻め)が必要になります。


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 ○ 右下象限(金のなる木セグメント)
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ここの12社は、取引実績は大きいが今後の伸びがさほど期待できない顧客グループです。しかし自社製品の顧客内シェアが高く、関係構築もできていると想像できます。ある意味、仲の良い顧客なので、営業担当者の訪問数が片寄る傾向にあります。

この顧客グループには、競合他社の介入を防御し取引高を維持する(守り)ために、現状と同レベルの活動パワーは必要ですが、電話やeメールを活用して訪問数を減少するといった効率化は検討すべきです。また、ベテラン/中堅営業から若手/新人営業に担当変更して、顧客に営業を育成してもらうといったことも検討できます。


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 ○ 左下象限(負け犬セグメント)
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ここの20社は、取引実績が小さく今後の伸びも期待できない顧客グループです。したがって訪問計画の対象とはせず、顧客からの問い合わせ対応を中心とした活用にシフトしたり、電話やeメールを活用して効率化に努めます。


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 ○ 左上象限(問題児セグメント)
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最も考慮が必要なのが、ここに配置された10社の顧客グループです。ABC分析ではほとんどがCランクに属する顧客ですが、拡販の可能性が大きな顧客グループです。このセグメントを攻略することが、業績向上に多大なインパクトがありますが、自社製品の顧客内シェアは低く、関係構築もできていない(つまり訪問しづらい)顧客と言えます。

この問題児セグメントへの計画策定のために、「お金を使っている」、「お金を持っている」という2つの視点に、「必要とされている」という視点を加えてみます。


次号では、「必要とされている」視点から問題児セグメントを評価し、訪問ガイドラインを修正します。
⇒詳細は「効果的な報告システムの実装方法【その6】」をご参照ください。


(※これまでのコラムについては以下をご参照ください。)
効果的な報告システムの実装方法【その1】
効果的な報告システムの実装方法【その2】
効果的な報告システムの実装方法【その3】
効果的な報告システムの実装方法【その4】

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