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情報誌『アシスト』

2007 SEP/OCT 2007/09/01
誌上セミナー ウェブハロー


組織営業力強化のための「営業報告の活用法」
~効果的な報告システムの実装方法~【その7】

新本 幸司
株式会社アシスト 営業力強化事業推進室 室長
新本 幸司

ここ数回のコラムでは、主に行動の最適化に関して解説してきました。このあたりで一旦本題に戻り、営業報告およびシステム構築に目を向けてみましょう。


■ 報告システムを再考しよう ■

コラム【その2】でも触れましたが、営業状況は顧客との接点において刻々と変化し、営業報告とは変化する事実(5W2H)を共有するものです。しかしながら、5W2Hのうち幾つかの情報は、顧客との接点以前に確定しています。例えば、いつ(WHEN)、誰が(WHO)、どこに(WHERE)訪問するといった情報は、期初や月初に計画されますし、どこの誰に(WHERE)、何をする(WHAT)などの情報はアポイント確定段階で決定します。シンプルに考えると、これらの情報はそのまま顧客コンタクト情報として再利用できます。

しかしながら、日報システムを“訪問後の報告入力システム”として構築すると、訪問前に使用するシステム(例えばEXCELを利用した訪問計画やスケジューラ)との多重入力が発生してしまいます。

それだけではありません。“できる”営業マンは、訪問前の準備や作戦の時間を大切にします。事前準備をしっかり行うことで、顧客との面談時には自分の描いたストーリーに沿って商談を進めることができるのです。逆に、顧客へ訪問した時に初めて何をしようかと考える営業マンは、よほどの天才でない限り、高い実績を期待することはできません。訪問前にこそ、営業力を向上させるポイントが潜んでいるのです。

つまり「報告システム」とは、訪問前(PLAN)と訪問後(SEE)双方のプロセスを網羅し、訪問前には事前準備として“頭で考える”ことを促し、訪問後には仮説と実際との差異を“もう一度頭で考える”という導線を支援する仕組みである必要があります。


■ 計画対象となる訪問 ■

営業には、<1>買い手に働きかけて“見込客を創造”する、<2>モノを売り“顧客を創造”する、<3>満足を得て“顧客を保持”するという3つの使命(活動)があります。3つの活動はマーケティング・プロセス、セールス・プロセス、サービス・プロセスと言い換えることもできます。この活動において、訪問を計画する必要があるのは<1>と<3>の活動です。<2>の活動は案件をクローズする活動(提案営業の場合)ですので、計画せずとも訪問が集中します。では、どの程度の活動量を計画すればよいのでしょう。<2>の案件クローズは、当該営業期の売上(営業評価)に直結しますので、まずはこの活動を検討してみましょう。

例えば、弊社の場合、営業マンは週に15件の活動(顧客との接点)目標を持っています。営業期(サイクル)は4ヵ月なので、以下の数式が成り立ちます。





次に案件クローズに必要な活動量[a]は、以下の2つの計算式で算出できます。





  すなわち、訪問計画対象の活動量は、 240 - [a] となるのです。この活動量を<1>と<3>の活動に割り当てます。<1>の活動目的は新規案件の発掘で、<3>の活動目的は既存顧客からの追加案件の発掘にありますので、<1>と<3>の活動は、ともに案件発掘に費やす活動量であるといえます。

ここまでをまとめますと、営業マンの売上予想額は、以下の数式で検討することができます。






案件発掘率、案件獲得率、平均受注単価は、過去の実績値から導き出すことができます。したがって活動総数が共通化されると、営業活動における課題(案件発掘率、案件獲得率、平均受注額など)が明確化され、どの変数を改善すれば営業マンにとってインパクトが大きいのか判断できます。

では、訪問計画を立案してみましょう。以下、アシストが販売/サポートする営業支援パッケージ「ウェブハロー」の訪問計画ビューを用いて説明します。営業支援パッケージが、営業マンの行動管理をどのように実装しているのかをご確認ください。また訪問計画の立案に関しては、コラム【その4】以降で解説した顧客セグメント手法をご参考にしてください。






各営業マンに提供される営業カルテの一機能である訪問計画ビューでは、営業マンの担当顧客が表示され、顧客セグメント情報や個人で管理する顧客重要度、または住所や未訪問期間などの条件で並び替えることで、ヌケ、モレのない効率的な計画立案を可能にします。

さらに一定以上の未訪問期間がある顧客は、営業ポータルにメッセージを表示し訪問を促します。このようにしてラフな計画を立案し、場合によっては営業マネージャとの計画合意(コーチング)を経た後、スケジュール一括登録ボタンを押すことで、スケジュールが自動作成されます。そして計画されたWHEN(訪問日)、WHERE(訪問先)、WHO(担当者)などの値は自動で後工程に引き継がれます。


■ スケジュールの活用と訪問前準備 ■

次の画面は、同じく「ウェブハロー」のスケジュール登録ビューです。訪問計画は案件発掘(前述の<1>と<3>)に対して実施しますが、スケジュールは案件クローズを含むすべての活動を登録します。






スケジュール情報には、4W(WHEN、WHERE、WHO、WHAT)の情報が登録され、各種マスター情報と連携することで、マウス・クリックのみのカンタン操作を実現しています。この画面をご覧いただくとご理解いただけると思いますが、このスケジュール情報だけでも立派な顧客コンタクト履歴として活用できます。また標準化された営業アクション(展示会フォローや見積り提出、クレーム対応など)がスケジュール一覧にて「見える化」されるため、予定(訪問前)段階でチーム・コミュニケーションが促されます。

さらに、個々の営業アクションに活動ナレッジが連動するため、何をするのか(WHAT)を指定した段階で、WHATに対応したどのように(HOW)までも検討することが可能になります。つまり訪問前段階において、「事前に考える」という導線を仕掛けることで、面談(営業)の質を格段に高めることを可能にします。これで個別の訪問(DO)に、事前準備(PLAN)のプロセスを取り入れ、活動報告(CHECK)段階では事前検討した活動ナレッジ(HOW)を検証/改良することで、暗黙のうちに顧客接点における小さなPDCAを実現できるのです。


■ 報告システムは営業支援システム ■

すでにスケジュール情報には4Wが登録されていますので、活動報告は残りの1W2Hを追加入力すれば完成となります。

しかしながら、訪問計画をEXCELで管理し、スケジュールはグループウェア、報告は日報システムやeメールといった運用では、同じ情報(5W2H)を何度も入力する必要があり、営業マンに多大な負荷がかかります。効果的な報告システムとは、計画段階をサポートすることで営業の質を高め、情報の再利用で営業負荷を最低限にする工夫が重要なポイントなのです。

また、顧客接点においては、クレームを頂戴したり、来年度の投資テーマといった顧客の戦略情報を得ることもあります。これらの情報は、通常の報告システムとは別のトランザクションとして管理しなければなりません。例えば、クレームであれば上位マネジメントへのエスカレーションと同時に、対応の進捗管理や同様の問題が他社にて発生する可能性を未然に防ぐといった対処が必要です。また将来の戦略情報であれば、顧客の検討時期が近づいたタイミングを見計らい積極的に提案を行うなどのアクションが必要になります。

このような「顧客の声」の蓄積と対応も、報告システムの一部として実装する必要があるのです。

本コラムのテーマである「営業報告」とは「顧客との接点情報」の蓄積を意味します。効果的な報告システムの実装とは、単に商談報告の登録/通知機能を実装するだけではなく、営業活動全体を支援するシステムとして検討する必要があるのです。




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◆◆◆ モバイルSFA活用セミナー ◆◆◆ 
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▲写真:セミナー風景

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去る8月、KDDI株式会社が主催した「モバイルSFA活用セミナー」において、弊社営業力強化事業推進室 室長 新本幸司 が「SFAが定着しない理由がここにあり!」と題して、アシストの事例を交えた講演をさせていただきました。

アシストは今から約10年前、米国で注目され普及し始めたセールス・フォース・オートメーション(SFA)システムを社内導入し、営業活動の効率化に着手しました。しかし当時のSFAシステムは、米国の狩猟型営業を支援する管理システムであったため、顧客指向を推進していたアシストには馴染まず、さらに現場にとっての管理強化や他システムとの多重入力も発生し、使われない仕組みに陥りました。

その後2000年に標榜された、地域密着型、顧客の購買代理店という会社方針に合わせ、営業力の底上げに着手、新たに営業支援システムを再構築。こうして、効果的な営業活動を行うために、顧客を起点としてすべての営業情報を統合し、事業部間、職種間のシナジー効果による業績向上を目指した「だるま」(ウェブハロー)という名称の営業支援システムをスタートさせました。

ネットワークの高速化によるモバイル対応、携帯アプリ(ウェブハローテノール)の活用や携帯メールによる「だるま」情報検索など、携帯電話をインテリジェント端末として活用し、営業の効率化を実現しています。
 


次回は、「顧客」に着目して営業活動と報告内容の全体像を検討することにしましょう。
⇒詳細は「効果的な報告システムの実装方法【その8 - 最終回】」をご参照ください。


(※これまでのコラムについては以下をご参照ください。)
効果的な報告システムの実装方法【その1】
効果的な報告システムの実装方法【その2】
効果的な報告システムの実装方法【その3】
効果的な報告システムの実装方法【その4】
効果的な報告システムの実装方法【その5】
効果的な報告システムの実装方法【その6】

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