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国のお金
道路、鉄道、港、空港、水道、通信、警察、裁判所などは社会の
重要なインフラであり、それなしに社会や経済は機能しない。
したがって、政府によって作られ、管理され、または、少なくとも
規制されている。
お金もまた重要な公共の基盤である。お金なしの経済が想像できるだろうか?
労働を含め、あらゆる物の売買にお金が使われる。このように巨大化、複雑化し
た経済はもはやお金なしに機能することはできない。つまり、経済を機能させる
ために必要なお金を供給することは政府の基本的な役割である。少なくとも、
1世紀前まではそうであった。しかし他の国と同様に、日本もこの重要な役割
を「民営化」したのである。
下のマネーサプライについての表が示すように、日本の通貨の92%は、民間
銀行が作ったものである。
民間銀行は通貨を貸し出すことでお金の大部分を作っている。
個人や企業が銀行に融資を頼むと、銀行は預金の総額に基づいて
何もないところからお金を作り出し、貸し出すことができる。
銀行が新しく作る金は、紙幣や硬貨、金や銀など、現実に
価値あるものの形で銀行が持っているわけではない。
ただ政府が、民間銀行に預金額のおよそ100倍まで貸し出す許可を
与えているだけである。
例えば私は洋服やパソコンを同時に100人に貸し出すことはできない。
しかし、通貨に関して銀行はそれができる。なぜならただ単に
政府が銀行にその権限を与えているからだ。しかし銀行が「作った」
お金を人々が紙幣や硬貨に同時に換えようとしたら、換えることは
できない。なぜなら銀行が92円を作れば、実際には8円しか銀行には
ないからだ。通貨や硬貨に換えることができないほとんどの銀行の
貸し出しは、現実には不良債権に等しいのである。
さらに、銀行が貸し付けたお金には利子が支払われる。実体のないものを
作り出すことを政府から許された銀行は、それを貸し出すことで利益を手に
できる。ということは、その利子分を稼ぎ出す分だけ、経済はよけいに成長
しなければいけない。この点だけを考えてもほとんどの通貨が銀行の融資を
通して作られている経済社会において、経済成長がなぜいつも至上命題と
なるのかがわかるはずだ。
ここでは金利分を作るためにGDPがどれくらい成長しなければ
ならないかを示している。1981年以降、日本経済は金利のために
180兆円不足し、そのほとんどはバブルが崩壊した1990年以降に
作られている。
最後に、政府は民間銀行が作った資金のほとんどすべてを
借金し、また税収のほぼ3分の1をその債務に対する金利に充てている。
詳しくは、下の財政の表を見て欲しい。
● 民間銀行は、過去20年間に18兆円以上の資金を生み出した。
● 政府は同時期、17兆円以上の債務を作った。したがって過去20年間
に銀行が創造した資金の95%を、政府が借金したことになる。
● 政府は民間銀行から借りた資金をどうしたのだろうか。17兆円
の公的債務のうち15兆円以上(88%)を使って、それまでに借りた
金利を支払った。
● また公的債務の金利分に相当する国債費は、全税収の31%に当たる。
● 公的債務の利払い額は、国と地方の所得税合計額にも相当する。
すなわち、われわれは銀行に所得税を払っていることになり、
政府は銀行に代わって、われわれから税金を徴収しているともいえる。
これはまったくばかげている。
この問題の解決策は、通貨の発行を民間銀行から政府の手にもどし、
また政府が発行した通貨を使うことで利子をとらないようにすることである。
江戸時代の日本を含め、19世紀まではほとんどの国で通貨はそのように
作られていた。そして銀行は金庫にある金額だけを貸し出すことができる
ようにするべきだ。
政府がお金をすべて統制する権限をとりもどすことで、日本の財政は
再生され、公的債務はなくなり、一般国民や企業への税負担は大きく
軽減されるだろう。
日本の財政についての表は、これまで銀行が供給した通貨の金額と国家の財政を
示している。もし銀行ではなく、政府が1968年から経済に必要なお金を
すべて作っていれば、1968年には公的債務は消滅し、また必要な国家
歳入も5.8兆円から3.6兆円になっていただろう。
そして1968年以降、公的債務がなければ公債費もなく、翌年からの
政府歳出は減少しまた、国民の税負担は大幅に軽減されていたのである。
例えば、公的債務がなければ、全税負担の28%にあたる国と地方両方の
所得税を撤廃できたはずである。われわれは、いつ目を覚まし、これを要求する
のだろうか。
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