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事例

導入事例

競争の激しい製薬業界において、MRの短期的目標達成に向けた指標となるKPIをPowerPlayで算出。「2分の1のMRで、超大手製薬会社と勝負するには知恵と武器が必要。KPIが稼働実績を押し上げ、まさにデータが人を動かす」

【導入製品:Cognos PowerPlay】
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

 日本ベーリンガーインゲルハイムは、ドイツのインゲルハイムに本拠を置く、世界でトップ20に数えられるベーリンガーインゲルハイムのグループ企業。世界45カ国に152の関連会社を持つ。日本市場のビジネスは、1955年に鎮痙剤「ブスコパン」の販売提携したことからスタートした。あらゆる領域の医薬品をはじめ、ガン、ウィルス疾患、免疫疾患などの分野で、新薬の研究/開発を推進。Cognos PowerPlayを採用したSFAの導入により大手に匹敵するMR活動を実現した。

競争の激しい製薬業界で企業価値を向上
 
   日本ベーリンガーインゲルハイムは、株式を一般に公開していない
ファミリーカンパニーであり、株価など短期的な指標に大きく左右されることがない。そのため、将来を展望した長期的な戦略に基づき、企業としての社会的責任を果たすための最善の企業活動を実行できる利点がある。その着実な歩みにより、現在では製薬業界における売り上げ規模で、トップ20位内のポジションにいる。
 しかし、競争の激しい製薬業界において、今後さらに企業価値を高
めていくためには、1500人を超えるMRを有する超大手製薬会社と市場で競争をしていかなければならない。
 「われわれは、大手の2分の1の人員で、大企業と競争していかなけ
ればいけません。正面から力勝負を挑んでも勝てないのは明白です。
そこで、なんとか大手に負けないための武器を持つことが必要でした。それがビジネス・インテリジェンス(BI)ツールなのです」と話すのは、テクノロジ&サービスマネージメント、天川猛氏。
 少ない人数で大手製薬会社と競争していくためには、「いかに売り上げを伸ばしていくか」「いかに利益を上げていくか」「いかにコストを削減していくか」という3つのポイントが重要であり、BIツールに期待されたのはこの3つのポイントの定量化だ。
 「売り上げを向上するためには、これまでの営業状況がどうだったのか、何をすれば売れて、何をしないと売れなかったのかを分析することで売り上げが変動する要因を見つけ出し、情報として提供することで次の営業に生かすことができる仕組みが必要でした」と天川氏。
 売り上げが目標に達した場合には、コストを削減することで、利益率
をさらに向上することが可能になる。どこにコストがかかっていて、どうすれば削減できるのかを分析し、情報として提供する。このような仕組みを実現するにはBIツールが不可欠だ。そこで日本ベーリンガーインゲルハイムでは、1998年にPowerPlayを採用した。
 現在、PowerPlayは全社的に導入されているが、中でも特徴的なのがMR活動を支援するための効果的な情報提供や活動実績の正しい評価、精度の高いターゲットマーケティングの実現、柔軟に組織変更に対応できるシステム環境の実現を目的とした新しいSFA(Sales
Force Automation)システムだ。
 
PowerPlayでSFAからベストプラクティスを導き出す  
 
   PowerPlayが導入される以前は、AS/400上で稼働するレポートシステムで、200種類に及ぶ定型帳票システムが構築・運用されていた。このシステムは、組織変更の頻度が低いことという前提に基づいたシステムであったため、組織変更のたびにシステムの修正が必要になるという課題を抱えていた。
 また、データベースも拡張や変更の繰り返しにより、しだいにデータ構造が硬直化しはじめ、必要な情報を自由に取り出すことが難しくなっていたために、データを自由に抽出し、加工、活用できる環境が望まれていた。
 そこで日本ベーリンガーインゲルハイムでは、SFAシステムを構築しベストプラクティスを導き出すための仕組みを実現した。つまりMR活動を最適化するための方法論の確立だ。
 このプロジェクトでは、MR活動におけるベストパフォーマーを選出し、その行動をすべて分析。MR活動におけるベストプラティクスを構築している。
 このベストプラクティスにより、売り上げに対する大きな目標を設定し、「情報を必要としているドクターに会いに行ったのか」「何回行けばいいのか」など、MRに効率的なアクティビティを確保するための情報をPowerPlayにより提供することが可能になっている。
 そのSFAシステムも時間が経過するごとにさまざまな要望がユーザから寄せられるようになり、経営トップ自らが現場のヒアリングを行うなど、改革の機運が高まり日本独自のSFAに関する改革プロジェクトがスタートした。このプロジェクトは、後にグローバルCRMプロジェクトの一環であるメイプルプロジェクトに統合された。
 「メイプルプロジェクトは、2003年にスタートしています。目指したのは、ダーゲティングの概念の改革や、長期的な目標達成のためのMR活動全般におけるアクティビティのさらなる向上です」と話すのは、マーケティング&セールスシステムズの荒木悟氏。
 メイプルプロジェクトでは、従来のターゲティングの概念を大きく変え、一人のドクターを複数のMRが担当するテリトリー制度を導入。制度を支えるCRMも導入された。
 
KPIでMRの短期的目標達成の指標を
 
  日本ベーリンガーインゲルハイムでは、MR自らに目標達成を意識した主体的な活動を行わせる事で、更なるパフォーマンス向上を実現している。この意識付けに、PowerPlayを活用したKPI(Key performance indicator:主要業績評価指標)が行われいる。算出されたKPIでは、短期的な売上目標を実現するために、この1週間で何をしなければならないのかという指標を導き出すことができる。「過去の行動がどう結果に結びついたのか、はっきりと出てくるのがKPIの魅力です」 と天川氏。
 PowerPlayを使用して算出されたKPIに基づきMR活動をすることで、個人差はあるものの確実に成果が上がることをすでに実証している。このKPIの指標は、週次が4種類、月次が1種類で設定されており、MRが短期で目標を修正しながらより大きな目標に向け活動するための指針を提供することが可能となっている。
 「KPIにより、MRの稼動実績が向上しています。現実の数値に基づく指標を提供することで、大きな効果を期待できます。まさに、データが人を動かすと言っても過言ではないでしょう。PowerPlayを採用した最大の効果は、目標に対する評価を、MRおよびマネージメントクラスそれぞれに必要な形で目に見える形にできたことです。」と荒木氏は話している。
 メイプルプロジェクトの第1フェーズは、2004年4月、5月にパイロットテストが行われ、MRの感触を得た上で6月より本番稼動している。
 
ITリテラシ教育と戦略評価の啓蒙が課題
 
 「現在、ユーザは、PowerPlayを使用したデータ分析に非常に満足しています。これまで、Microsoft Excelなど、2次元の世界で苦労して行っていたデータの分析やレポーティングを、PowerPlayを使用することで、分析したい軸を自由に設定し、瞬時に切り替えて見ることができるからです」と天川氏。
 しかしその一方で、いくつかの課題も残っている。例えば、「PowerPlayは何でもできるからと、明細データまでキューブに登録してしまうのが現状です。これを続けると、データ分析のパフォーマンスに影響を及ぼします。パフォーマンスが悪くなると、ユーザはシステムに対し途端に見向きもしなくなります」と荒木氏。
 「今後は、情報活用におけるITリテラシの差を埋めるべく、継続的に教育を実施していくほか、マーケティング戦略の正しい評価を啓蒙し、システムをより有効に利用してもらえる環境を整備していく計画です」(天川氏)
 
- システム概要 -

 

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

本社

兵庫県川西市矢問3丁目10番1号

創業

1961年6月30日

資本金

72億円

従業員数

1,727名(2004年1月1日現在)

売上高

796億円(2004年3月期)

事業内容

医薬品の研究開発、輸入、製造、販売/医薬品原末および中間体などの輸出入、販売

URL

http://www.boehringer-ingelheim.co.jp/