本稿は2004年3月にアシストが主催した「情報活用フォーラム2004」において株式会社ティー・シー・エフ 営業技術部の内田睦滋様、東三希様よりご講演いただいた内容をまとめたものです。
株式会社ティー・シー・エフは設立以来、経営情報システムの設計・開発、システムのコンサルタントおよび教育、オープンシステムのインテグレーション、パッケージソフトの企画・開発・販売等を行っております。1985年より、アシストのメインフレームFOCUSの開発サポートを行い、エンドユーザの皆様の情報検索のシステム構築をお手伝いしてまいりました。WebFOCUSが販売されてからは、それまでのWebのノウハウを駆使して、WebFOCUSを活用したシステム開発を行っています。そして2003年に汎用検索ツールとして販売を開始したのがDataSurfingです。
株式会社ダイヤモンドシティ様について
今回システム開発を行ったダイヤモンドシティ様は、ショッピングセンターの開発会社で三菱商事株式会社様、イオン株式会社様の共同出資で1969年に設立、東証および大証に一部上場され現在13箇所で全国展開されています(2004年2月現在)。ダイヤモンドシティ
様のショッピングセンター開発は次のコンセプトで行われています。
- 生活者にとってより便利で、より快適で、より豊かな都市生活を具現化するお手伝い
- 常に変化する生活者のライフスタイルに訴求する、他に類例をみない「魅力」と「情報」を満載し、期待に応える大規模なショッピングセンター開発
- モノ、コト、情報、サービスの充足を求める生活者に対して、生活設計、生活文化を提案し、支援する生活デザインセンター開発
- 地球環境との共生を大切に考え、常に街づくりの観点からショッピングセンターを開発
そしてそのコンセプトに合った、「魅力」のある、さまざまな「情報」を満載したテナント様を多数誘致しています。テナント様の多くは売上に応じた賃料等が設定されていますので、テナント様の日々の売上は自社の営業収益に直接繋がることから、株式会社ダイヤ
モンドシティ様にとって非常に重要な指標になっています。
システムの概要
今回開発したシステムは、新売上分析システムで、システム開発は2003年夏にスタートしました。この売上分析システムからの売上データを用いて、各ショッピングセンターごとにダイヤモンドシティ様の売上管理担当者がテナント管理を行い、単純な売上実績の集計から昨年度対比、予実対比、さらにはテナント系資産としてこれまでの実績と今後かかる実績をシミュレーションして傾向を分析し、それらを定型帳票や汎用帳票という形で提供しています。
システムの開発課題
既存の管理システムを刷新する上での改善課題に挙がったのは、データのアクセス制限をかけ、ユーザを特定するため新たなユーザID・パスワードの管理が必要であること、データアクセスに時間がかかるため、5秒以内でアクセス可能なシステムにしたいということでした。さらに、管理資料の不足に対応するために、本社および営業担当者が手作業で作成している管理資料を簡単な手順で作成可能にすること、業務負荷となっている予算入力をExcelシート取り込みの形にすることも要望にあがりました。その他に、データの参照権限をショッピングセンター・テナントごとに付与する等の要件も出されました。これらをもとに8月に売上分析システムの開発を開始し、カットオーバー予定が10月1日と、実質2ヵ月という短い開発計画でスタートしました。
WebFOCUSの選定理由
各ショッピングセンターで運用するためにWebのシステムであることが求められたため、すでに使いやすいツールとしてメインフレームFOCUS が評価されていたことから、Web版であるWebFOCUSが採用されました。その理由としては、ユーザ依頼ベースで様々なレポートを簡単に作成できるレポーティングツールであること、セキュリティ面でもユーザの権限によるレコード単位のアクセス制限の機能があること、ユーザビリティにおいて画面に表示したり、PDF、Excelなどに簡単に切り替えができること、さらに開発ツールとしての高い柔軟性が挙げられます。
開発経緯
2ヵ月間という短い開発期間にもかかわらず、検索処理時間の短縮、管理資料不足、多数の定型帳票の必要性といった問題を、WebFOCUSの高い生産性によってクリアすることができました。また標準的帳票作成、ユーザID・パスワード管理、アクセスレベルの制限管理、非定型検索などについては当社のパッケージであるDataSurfingで対応し開発工数を削減しました。予算入力はJavaで開発しています。
こうして予定通り10月1日に優先度の高い40帳票の約半数がリリースされ、11月1日以降に順次残りの帳票がリリースされました。現在の運用状況は汎用的な検索についてはDataSurfingを使用し、ユーザ自身がリクエストを作って保存し、効率良く活用することで100以上のリクエストが実際に作成されています。
WebFOCUS導入の効果
利用者であるダイヤモンドシティ様からは、開発ツールとしての柔軟性の高さならびにユーザビリティの高さを評価いただいています。「低コスト、短期間での開発」という点でも約400名のユーザ登録がありますが、WebFOCUS、DataSurfingともにCPUライセンスでユーザ数に依存しないた、低コストで開発が可能でした。
応答時間の短縮はご要望どおり5秒以内をクリアしました。約3,000のテナント様から最低でも1日3,000件以上の明細データが発生します。それを蓄積して何年分かの比較等を用いますので、何百万件という件数になります。それらを直に検索すると当然時間がかかってしまうのでデータベース自体のチューニングや集計方法など、定型帳票に合わせた形でテーブルを再設計し提供するような形にしました。
また今まで手作業でデータをExcelに打ち込んでいたものがすべてシステムから出力されるため、管理資料作成業務量の削減という面でかなりの効果がありました。
DataSurfingについて
DataSurfingは株式会社ティー・シー・エフがWebFOCUSで開発した汎用検索ツールです。DataSurfingでは検索したい情報をユーザが自分で表示項目や抽出条件を指定して検索します。指定した抽出条件はDataSurfingのシステム内にリクエストとして保存され
再利用が可能です。
DataSurfingの画面のインタフェースはhtmlとJavaスクリプトを使用しており、またお客様のニーズに合わせてカスタマイズも可能です。DataSurfingは簡単な設定ですぐに検索が可能で、出力結果の画面イメージからそのままExcelファイルに出力・加工したり、また切り口を変えた分析やデータの細分化分析などを行う、OLAP検索ツール的な要素も併せ持っています。またブラウザからの直接印刷ではなくPDFファイルに出力が可能です。
一般的に検索ツールの対象ユーザはシステムに精通し、深いデータの分析など、自由に思うような形で検索したいという「パワーユーザ」と、売上高や経営コストについて常に情報分析を要求される「各部の管理担当者」、そしてボタンひとつですぐに結果を見たいという「経営者層」に分けられます。DataSurfingはこれらのユーザの中で特に「経営者層」と「各部の管理担当者」向けに作られた検索ツールです。
今後の展開
株式会社ダイヤモンドシティ様では現在ショッピングセンター単位でのシステム展開を行っていますが、将来は全テナント様に向けた情報提供を予定しています。またショッピングセンターも関西、九州、関東地方でも順次拡張を続けていく計画とのことです。
当社はWebFOCUSとDataSurfingを利用して、有効かつわかりやすい汎用検索システムの構築と、WebFOCUSの特性を活かした短期間かつ低コストで、皆様にお役に立つシステム開発をご提案してまいります。
| ユーザ情報 |
パートナー情報 |
| (株)ダイヤモンドシティ |
(株)ティー・シー・エフ |
設立: 1969年3月20日 |
設立: 1973年4月5日 |
資本金: 49億7520万円 |
資本金: 5000万円 |
本社: 大阪市中央区久太郎町2丁目4番11号 クラボウアネックスビル9階 |
本社: 東京都墨田区錦糸2丁目14番6号 |
新浦安事業所: 千葉県浦安市入船1丁目5番2号 |