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事例

導入事例

クラシエフーズ株式会社

めざしたのは社内運用可能な
データの「見える化」。
経営の強い思いをWebFOCUSが実現。

2007年6月、コーポレート商標をカネボウフーズ株式会社から変更したクラシエフーズ株式会社。“もっと美味しくて楽しい暮らしへ。"をコンセプトに、健康や安全にこだわった独創的な食品を提案している同社は、新基幹システム構築が一段落した2006年、データの「見える化」を新たなテーマに掲げ、社内で運用可能なデータ活用システムの導入を模索してきました。そうした中、データを見せやすく視覚的にわかりやすいWebレポーティング環境を構築できるWebFOCUSの存在を知り、2ヶ月弱という短期間で導入を決断。次のアクションにつながるWebレポートのあり方を見極めた末に、2007年7月全社展開に踏み切りました。

健康や安全に留意した独創的な食品を提案
 2007年7月、トイレタリー・コスメティックス、薬品、食品などを擁するカネボウ・トリニティ・ホールディングス株式会社は、クラシエホールディングス株式会社へとコーポレート商標を変更したのをご存じでしょうか。クラシエという言葉は、「四季の変化や日々の生活の中で、弊社グループ製品を通じてお客様の心を晴れにする。そんな健やかで、快適な楽しい“暮らしへ”」というグループの願いを込めて命名されました。同グループは、日本の美しい四季の、その変化のなかで、人々が毎日営む大切な“暮らし”に徹底的にフォーカスした製品を提供しています。
 そうした中、食品事業を担うカネボウフーズ株式会社もまた、2007年6月とグループのなかで、ひと足早く、クラシエフーズ株式会社として新しいスタートを切りました。同社がめざすのは、“もっと美味しくて楽しい暮らし"です。主要製品は「甘栗むいちゃいました」「フリスク」「プルジュレ」など。毎日をちょっと幸せにしてくれる、健康や安全にもしっかりこだわった独創的な商品の提案がモットーです。

新たなテーマ、データの「見える化」
 2005年、クラシエフーズは企業情報システムのダウンサイジングを決断しました。これは全国7拠点に分散していた同社の販売会社を組織統合するのと相前後して進められ、以降、同社はシステム基盤をオフィスコンピュータからWindows環境へと移行させながら、次々と基幹システムを再構築してきました。2006年には最終プロジェクトであった販売管理システムが完成し、次世代基幹システムが勢揃いしました。一段落したところへ、同社の情報システム部門であるロジスティクス部には新たなテーマが浮上しました。それはデータの「見える化」です。新基幹システムには、日々の企業活動の成果である業務データが蓄積されていきます。それらは業務の現状を把握したり、将来を予測する上で重要な情報の宝庫です。さらに、それらのデータをチェックして、公正にビジネスが行われているか検証することも必要です。
 これまではエンドユーザーからそのようなニーズが寄せられると、各基幹システムの開発を担当したシステムインテグレータに対して、そのたびにアドオン開発の依頼を出していました。そのため、コストがかかり、設計・開発に時間がかかり、エンドユーザーに提供するまでに1ヶ月ほどかかることもまれではありませんでした。また、新基幹システムは業務によって適材適所で開発されているため、パッケージ製品もあれば、まったく一から開発されたものもあります。システムインテグレータも異なるため、システムの壁を超えて透過的にデータを見るのが困難でした。

 こうした問題を解決するため、ロジスティクス部ではデータウェアハウスの構築に乗り出しました。異なるデータソースから必要なデータを抽出して一元的に格納し、エンドユーザーからのアクセスに備えるこの仕組みはデータの「見える化」を実現する上で非常に有効な手段です。しかし、そこであるべきデータモデルを確立するまでにはそれなりに時間がかかります。エンドユーザーに対して教育研修も必要です。クラシエフーズ株式会社 ロジスティクス部 課長 大川文朗氏は、データウェアハウスの整備を進める一方で、定型的な情報に関しては迅速に開示できる体制を早急に整える必要があると判断しました。
  
エンドユーザーが見てわかる仕組みが必要

 この目的を実現するため、ロジスティクス部が最初に行ったことは、データベーステクノロジーに長けた開発者の確保でした。それが、クラシエフーズ株式会社 ロジスティクス部 佐藤大悟氏です。SQL言語に習熟した同氏が加わったことで、要望されたデータを、基幹システムのデータベースに直接アクセスして取り出すことができ、CSVファイル形式でエンドユーザーに手渡せるようになりました。しかし、データの「見える化」という点では今ひとつインパクトがなく、そこからのデータ加工にはある種のテクニックが必要です。そうした折、同社のもとへ送られてきた電子メールの中にアシストが扱う営業支援ツールの案内がありました。その詳細情報を入手するつもりでアシストのホームページを見ていくうちに、大川氏はWebFOCUSを発見します。これが構想を実現するツールではないかと推測した同氏は、さっそくアシスト開催のWebFOCUS定期セミナーを受講しました。そのときのことを大川氏は次のように述懐します。
大川氏「もしかしたらエンドユーザー自身がデータ加工できるツールかもしれないと思い受講しました。セミナーでサンプルを自分で作ってみて、予想通り、視覚的にわかりやすく、簡単な検索ならすぐに構築できることを実感しました。また、セミナーを通じて出てきた疑問に対してもアシストは的確に答えてくれました。さらに深い要求にどこまで対応できるか、とことん可能性を追求してみたくなりました」
 大川氏がアシストに導入を検討したいと伝えたところ、実稼働環境でのパイロットシステムの構築を提案されました。そこでの検証を通じて、大川氏はWebFOCUSの可能性を確信するに至ったといいます。評価した理由は、守備範囲の広さ、そして社内標準ツールとして利用可能な汎用性でした。
大川氏「WebFOCUSはデータベーステクノロジーに習熟していなくてもある程度のデータ検索システムが作成でき、さらにベテランのデータベースエンジニアが扱えばスクリプト言語を使った高度な作り込みも可能です。また、作成した検索ロジックはわかりやすい形で閲覧可能なので、必要であれば作成当事者以外の担当者が引き継いで開発することができます。そのためノウハウが属人的にならず、社内に蓄積・共有可能です。これらの点を評価してWebFOCUSの導入を進めたいと思ったのです」

左から
株式会社アシスト 情報活用支援事業部 勝田陽
株式会社アシスト 情報活用支援事業部 小林晴一
クラシエフーズ株式会社 ロジスティクス部 課長 大川文朗氏
クラシエフーズ株式会社 ロジスティクス部 佐藤大悟氏
株式会社アシスト 情報活用支援事業部 浅田知明

 大川氏はこのような仕組みを一から新規開発した場合のコストを、システムインテグレータからのヒヤリングにより見積もっていたといいます。それと比較検討すると初期導入コストは約1/3でした。また、データ検索が必要になるたびに開発を外部に依頼することを考えると、ランニングコストは大幅に削減可能です。さらに、WebFOCUSがプロセッサライセンス体系を取っており、将来的に全社員に広めていく場合にも低コストで実現できる点も大きなプラスとなり、社内稟議は難なく通過しました。大川氏のセミナー受講からその間約2ヶ月弱。極めて迅速な意思決定でした。

早期立ち上げのためアシストが導入支援
 WebFOCUSの社内導入にあたって、ロジスティクス部は、アシストのWebFOCUS有償支援サービスを利用することにしました。新基幹システムすべてがすでに軌道にのっていたことから、エンドユーザーが気軽にデータ検索できる仕組みを可能な限り早く立ち上げたいと思ったからです。有償支援サービスでは、まずアシストのエンジニアがロジスティクス部から要求仕様を聞いてプロトタイプの開発を行い、そのプロトタイプをベースに実データでの検索結果から仕様を再確認しながらロジックを確立していくという、まさにロジスティクス部とアシストの二人三脚で構築していく形で進められました。
大川氏「自社開発でスキルを徐々に習得しながら試行錯誤で仕組みを作っていくという方法もあったのでしょうが、最初からデータ検索に求めたものが高度で、また立ち上げを急いでもいたのでアシストに協力を仰ぎました。手伝ってもらってよかったと思います。初心者が陥りやすい穴のようなものを回避でき、さくっと立ち上げることができました。導入支援サービスを利用しなかったら、社内利用はもっと遅れていたでしょうね」
大川氏はこのように語っています。

リアルタイムデータがビジュアルに見える
 WebFOCUSをインフラとしたデータ検索システムは、2007年2月にカットオーバーを果たしました。以降、2007年7月の全社公開まで、特定の所管部門をテストケースにこの仕組みの最も効果的な利用法を研究されました。
 たとえば、事業企画部門で見ているレポートの一つに営業利益速報があります。これは総収益から諸経費を引いた純利益をいろいろな単位で見られるようにしたものです。地域別、支店別、営業担当者別、月別、商品グループ別、単品別など、さまざまなデータ軸があります。 
 一方、業務部門では入金管理レポートを出力しています。これは売掛金の消し込み業務支援のために開発されたもので、業務担当者は銀行からの報告とこのレポートを付き合わせてデータの整合性をチェックします。また支払い予測レポートは、いつどの取引先にいくらの支払い金が必要になるかを見るためのもので、主に支出管理に利用されています。
 当初、利用が特定の所管部門に限られていたのには理由があります。やみくもにレポートの数を増やすよりは、公開したレポートをもとにした人のアクションのあり方を一つひとつじっくり考え、それが確実に効果を上げることを検証しながら進めたいと考えていたからです。
大川氏「データを提出することは簡単ですが、ボリュームありきだとは思っていません。どんなにレポートの種類が多くても、使われなくてはまったく意味がありませんから」
 公開が決定されたレポートは、基本的に全社員が閲覧することができます。これは社内の一部だけがデータにアクセスできる状況は健全ではないとの考えからです。
 実際に使ってみて再認識したWebFOCUSのメリットもあるようです。それは基幹システムのデータベースに直接アクセスできる点です。一般的に、データ検索システムは基幹システムデータベースのパフォーマンス劣化を防ぐために、データ検索専用のデータベースサーバーを構築します。そのため、基幹システムのデータベースと専用データベースサーバーの間でデータ転送が必要で、どうしてもタイムラグが生じがちです。しかし、WebFOCUSによるアクセスはデータベースに負荷をかけないため、直接接続することができます。これにより、その時点で最新のリアルタイムデータを取得することができるのです。大川氏も“営業利益のような企業経営に直結するデータは、リアルタイムであってこそ意味がある”と評価しています。
 またWebFOCUSのグラフ化機能は、データの「見える化」が求められていたこともあって、経営層に好評です。レポート画面を自ら操作して見たいデータだけをグラフ化したり、ロジスティクス部に対し“こうした方がもっと見やすくなる”とアドバイスも出るほどだとか。単に数字だけでなくグラフで視覚的にわかる利点は大きいようです。
 今や社内のデータ検索要件をとりまとめレポート作成を一手に引き受けている佐藤氏は、WebFOCUSの使用実感を次のように語ります。

佐藤氏「SQLを知っている人間には非常に使いやすいツールですね。スクリプト言語もSQLライクな作りなので、いったん理解してしまえば、スムーズに使いこなしていくことができます。また、プログラムの再利用もしやすく、データベース付属の検索ツールで作っていたときのものはWebFOCUS上でも活用しています。日次、月次レポートなど、定期的に作成する必要のあるものも再利用性の高さを活用して、効率よく作ることができます」

 アシストへの要望は? との問いに佐藤氏は次のように回答しました。

佐藤氏「これからもWebFOCUSの最新情報を迅速に届けていただければと思います。あとはできれば、WebFOCUSのヘルプが日本語になるといいですね(笑)」

情報をベースに活動する社内文化の醸成をめざして
 大川氏は新しいデータ検索システムへの期待を次のように語ります。
大川氏「これでデータの『見える化』の基盤は整ったと思います。これまで以上に情報をベースに活動する文化を醸成したいですね。とにかくデータにアクセスする。そして行動を起こす。そういう企業風土を構築していきたいと思います。その結果として、社員が活動の成果に敏感になったり、企業統治の観点からデータの正しさを自ら検証してみようとする姿勢が生まれてくればと思います」
 念願だったデータの「見える化」を、WebFOCUSで実現したクラシエフーズ。活動の進捗・成果をデータという「事実」で検証する企業風土をさらに確固たるものにしようとしています。
  
(2007年7月現在の取材内容です)

■ユーザープロフィール

クラシエフーズ株式会社
本社:東京都港区海岸三丁目20番20号
設立:1993年7月30日
資本金:18.1億円
従業員数:350名  (2006年3月現在・販売会社社員含む)
URL:http://www.kracie.co.jp/