TOP>製品/サービス>カテゴリから探す>品質強化対策>LoadRunner>技術情報>負荷テスト時のサーバモニタリング方法 ~Linux編~

LoadRunner

負荷テスト時のサーバモニタリング方法 ~Linux編~

負荷テストを実施する際には、テスト計画段階で負荷テストの結果を評価をするための材料となるデータ収集項目、その取得方法、および判断基準について検討しておくことが大切です。

(例)

  • データ収集項目:レスポンスタイム、サーバリソース、アプリケーションリソース、など
  • 取得方法 :負荷テストツールの付属モニタ、監視ツール、アプリケーション付属の統計ツール、など
  • 判断基準 :レスポンスの9割が7秒以内であること、CPU使用率の平均が70%以下であること、など

本ページでは、サーバリソースの項目と判断基準の一例、およびLoadRunnerのSiteScopeモニタを使用した取得方法をご紹介します。

「LoadRunnerで負荷テストを実施していたけれどデータ収集にはあまり活用していなかった」というお客様、是非参考になさって下さい。

  • 今回ご紹介する方法は以下の環境を前提にしております。
      LoadRunner9.51
      SiteScope for LoadRunner9.51
      RedHatLinux5.3

サーバリソースのデータ収集項目と判断基準の一例(表1)

No カテゴリ 収集項目 判断基準 備考
CPUリソース CPU使用率 平均70%以内 PU時間あたりの占有比率。この値のみでは判断せず、実行可能キューの結果とあわせて評価する。
CPUリソース 実行可能キュー(実行されているものも含む) システムのCPU個数以下であること システムのCPU個数の2~3倍以上になった場合、CPU過負荷と判断する。
vmstatのr値を確認する。
メモリリソース Memory
(free/buffers/cashed)
各項目が枯渇しないこと それぞれvmstatのfree値、buffer値、cache値を確認する。
メモリリソース Memory
(swap使用率)
頻繁に変動しないこと Linux/UNIXの場合、メモリにswap領域を確保しており、その使用率が初期値から変動しないことを確認する。
Freeコマンドを利用する。
ディスク DISK I/O I/O待ちに費やしたCPU使用率時間の比率が10%を超えないこと 10%を超える場合には、I/O処理の制約でシステムに応答遅延が発生している可能性がある。vmstatのwa値を確認する。またiostatコマンドを使ってボトルネックを特定する場合もある。


 

基準値に関してはあくまで一般的な値であり、運用実績のあるシステムであれば、運用中のデータも参考にできます。また新規システムの負荷テストの場合、取得したデータを基礎値として運用に活かすと良いでしょう。


LoadRunnerのサーバリソース取得方法

LoadRunnerに付属する監視ツールSiteScopeを使用して上記項目の取得方法をご紹介します。

  • SiteScopeモニタを使用する場合には、別途SiteScopeをインストールする必要があります。


モジュールはLoadRunner本体メディアの以下のパスにございます。ライセンスキーは別途申請する必要がありますので、弊社サポートセンターへお問い合わせ下さい。

<LoadRunnerインストールDVD>\LoadRunner9.5\Additional Components\Sitescope


≪手順1≫SiteScopeにて監視対象サーバを登録

スタート>プログラム>HP SiteScope>Open HP SiteScope LRを実行し、SiteScopeを起動します。

SiteScopeの起動画面

図1.SiteScope 新規UNIXサーバ登録


≪手順2≫SiteScopeにて監視項目の設定


▽テンプレートを使用する場合
SiteScopeに標準で用意されている項目があり、表1にあるCPU使用率、Memory(free/buffers/cashed)はテンプレートを利用することができます。
※ここではCPU使用率の取得方法を例にご説明します。

図2.CPU使用率の取得方法


▽スクリプトモニタを使用する場合
SiteScopeの標準設定で取得できないデータは、スクリプトモニタを利用することで取得可能です。上記項目では②、③、⑤、⑥はスクリプトモニタをご利用下さい。

※ここではDisk I/Oを取得する方法をご紹介します。上記項目はすべてvmstatコマンドを含むスクリプトを実行して取得しますので、Disk I/O以外のリソース情報を取得する場合は、適宜読み替えて下さい。

図3.スクリプトモニタ設定方法


≪手順3≫LoadRunnerでの設定方法

SiteScope側での監視対象モニタの設定後、コントローラを開きSiteScopeモニタの設定を行います。

図4.コントローラでの監視対象サーバの登録

図5.SiteScopeモニタ設定画面



このように、LoadRunnerは負荷テスト実行を自動化できるだけでなく、実行結果の評価に役立つデータ収集も簡単に行えるので、性能分析がスムーズに行えます。



ページの先頭へ戻る