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ソリューション研究会 情報交流会(大阪地区)
「記憶や理解力を倍増させる『図解思考力』 -図を駆使して明日からのビジネスに活用する」

2013年11月8日、アシスト西日本支社で、アシストのユーザ交流会である「ソリューション研究会」主催の「情報交流会」が開催されました。

今回は、「図解思考力」をテーマに、講師は、知的生産研究家、新規事業プロデューサーであり、株式会社ショーケース・ティービー 取締役COOの永田豊志氏にお願いしました。今回の「情報交流会」は、参加者が「明日から図を駆使して仕事に活用できるようにすること」を狙って企画され、イベントの名称通り、「交流」をキーワードに、対話形式で、また演習をふんだんに取り入れて開催されました。

講師プロフィール

知的生産研究家
株式会社ショーケース・ティービー 取締役COO
永田豊志氏

永田氏は、『図解思考の技術』や『時短の仕事術』等の生産性向上のテクニックについて多数の著書を執筆する傍ら、自身のメソッドを実践するために、Webのスマフォ向け自動変換ソリューションなどを提供するベンチャー企業、ショーケース・ティービーを経営されていらっしゃいます。


3時間のイベントの中、永田氏はマイクを片手に会場を歩きまわり、参加者に次々と質問しました。ここでは、講師と参加者のやり取りの一部をご紹介します。

まず最初の質問は、「頭の良い子はどんな子か」でした。関西人の参加者も突然の質問に沈黙する一幕もあったものの、「塾に行っている子」、「本を読む子」など色々な答えが出ました。

さて永田氏の解説は?たくさんのことを知っていたり覚えていることが頭が良い子かどうかの基準に思われがちですが、脳の記憶力には限界があるとのこと。うまく情報を記憶するにはどうすればいいのでしょうか。

「大人の世界でも、会議などで議論が空中戦になると、いつもすっと立ち上がり、ホワイトボードに議論の内容を図式化して整理する人がいるでしょう」と永田氏。確かに、そういう人が必ずいて、頭が良さそうに見えます。そうやって内容を図解で整理して情報を構造化すると、脳がそれを理解しやすくなるのとともに、後から思い起こすのも容易になるのだと言います。

では次のようなメモがあったとします。


通常は、これを箇条書きにしがちですが・・・


図解するとこのようになります。どちらがわかりやすいでしょう。


図解の良いところは次のような点にあります。

  • 一目で「構造」や「しくみ」がわかる
  • 少ない情報で効率的な伝達ができる
  • 抜け、漏れが生じにくい
  • 記憶に定着しやすい
  • 後からでもアイデアを展開しやすい
  • 報告書やプレゼンにそのまま使える

つまり、わかりやすく、覚えやすく、スピーディである、ということです。

「図解思考力」の利点がわかったところで、さあ演習です!

参加者は、紙とペンを使って、永田氏から出される演習を次々にこなしていきながら、図解の「基本ルール」を1つずつマスターしていきました。

基本ルールをマスターしたところで取り組んだのが、視聴率40%を超えた「半沢直樹」の家系図を図解してみようという演習です。

  • 半沢直樹は東京中央銀行に勤める銀行員
  • 半沢直樹は父:慎之介、母:美千子の子供である
  • ネジ工場を営んでいた父は他界、今は母が引き継いでいる
  • 半沢直樹は、結婚しており、妻は花、子供は隆博
  • 半沢直樹には、同期入社で親友の渡真利と近藤がいるが、近藤はタミヤ電機に出向させれている

皆さん、この段階までくると図解にも、ずいぶん慣れてきたようです。講師が一方的に話す内容を聞いているだけのタイプの講演会と比べると、参加者も休む暇がありません。


さて、実践編です。

今回は、実践編として「プレゼンテーション」における図解の利用を取り上げました。

ここでまた質問です。「プレゼンテーション」とは何でしょう。永田氏によれば、「伝え手が聞き手に、何らかのアクションを起こしてもらうよう提案を行うこと」とのことです。

では、プレゼンテーションがつまらない時とは、どんな時でしょう。「何が言いたいかわからない」、「知っていることをただ並べているだけのように感じる」等、わかりづらかったり、具体的でなかったり、面白くない時です。逆に、スティーブ・ジョブズのような、プレゼンテーションが上手な人の話はどうでしょうか。つまらない時の理由とまったく逆ではないでしょうか。わかりやすく、信憑性があり、共感できる内容だと言えます。

さて、皆さんのプレゼンテーションはどうでしょうか。顧客への提案書を例に挙げましょう。

先の「プレゼンテーション」の定義によれば、提案書は、顧客に、何らかのアクション(提案する内容を採用してもらうこと)を提案するものです。しかし、永田氏が見る部下の「提案書」は、「○○を買ってください」という主張ばかりで、なぜその提案を採用する必要があるのか、提案を採用するとどうなるのかの記述がほとんど含まれていないのだと言います。

なぜそのような提案書が多くなるのでしょうか。それは提案に関して、事前に綿密な構想を準備するプロセスなしに、すぐにパワーポイントの作成にとりかかるからなのだと永田氏は分析します。提案内容の骨子がきちんと確立されないままに、パワーポイントの作成にかかると、「フォント」の大きさがどうの、画像がどうのと細部ばかりが気になり、肝心の内容が欠落した、無意味に情報量の多い提案書になってしまうのだと永田氏。

提案書、すなわちプレゼンテーションで一番重要なことは、伝えたいこと、提案したいことをきちんと図解で整理し、プロット(構想)を確立することだということです。

つまり図解で示すと以下のような構想です。中味がきちんと成立した骨子を事前に準備できてさえいれば、パワーポイントに起こすプロセスは短くてすみ、生産的になると永田氏は説明しました。プレゼンは小手先の見栄えより提案力が求められている、ということなのです。


最後に、図解術向上のための、ノートの利用方法やデジカメの活用、図解したものを保管しておくことの重要性などのチップスを紹介していただき、「情報交流会」の第一部は終了しました。

そして、第一部終了後は、講師を交え、懇親会も開催されました。3時間、永田氏との対話式やり取りを楽しんだ参加者は、懇親会でも、業種や立場が異なる中、図解思考をキーワードに、今度は参加者同志の対話や交流を楽しみました。そして、ソリューション研究会幹事からの、「聞くだけではなく明日から実践しましょう」の言葉で、「情報交流会」は幕を閉じました。


ソリューション研究会とは

株式会社アシストでは、お客様主体のユーザ会である「ソリューション研究会」を運営しています。ソリューション研究会は、アシストの提供するソフトウェアおよび各種サービスをご利用いただいているお客様相互の交流を育む場として、日頃お客様が抱えておられる課題や疑問をお客様同士で討議し、意見交換を行っていただくことを目的に活動しています。ソリューション研究会は、定例会・情報交流会・分科会の3つの活動で成り立っています。

<情報交流会とは・・・>
会員相互の交流を目的にした、セミナーまたはサロン形式の会合として、年に一度開催されます。最新の情報技術動向やIT業界情報だけでなく、経済や社会問題など幅広いテーマを取り上げてご懇談いただいています。

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