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アシストテクニカルフォーラム2014開催報告
Oracle Database セッション

アシストテクニカルフォーラム2014 Oracle Database セッション

2014年10月29日、「アシストテクニカルフォーラム2014」を開催し、情報システムの構築/運用に関わる最新の技術情報を、事例やデモンストレーションを交えて紹介しました。当日は900名近くのお客様にご来場いただき、盛況のうちに終了いたしました。

全27セッションのうち、Oracle Database 関連の6セッションについて、発表内容をご紹介します。

Oracle Database In-Memory 超入門

2014年7月にOracle社からリリースされたOracle Database In-Memory。本セッションでは、同製品のアーキテクチャを中心に、その速さの仕組みを解説した。

Oracle Database In-Memory は、インメモリカラムストアと呼ばれる分析SQL専用のカラム型のメモリ構造を実現している。分析SQLでは少数のカラムにアクセスするため、インメモリカラムストアにより必要最低限の情報(カラム)だけにアクセスできデータ圧縮効果も高い。さらに、最新CPUのSIMDベクター処理により効率的にCPUを活用でるため、従来の行ベースのバッファ走査と比べて圧倒的な性能向上を実現していると語った。

Oracle Database In-Memory は、データウェアハウスやデータマートに利用するだけではなく、基幹系システムのデータをリアルタイムに分析する次世代の情報活用基盤となる技術であると締めくくった。

講師:データベース技術本部 関 俊洋

100倍高速化は本当か? Oracle Database In-Memory徹底検証

Oracle Database In-Memory に対して様々なタイプの処理を実行し、主に性能検証結果を報告した。

まず、大規模なテーブルの全件検索の結合処理では、ディスク読込み型のパラレル走査の約142倍、DWH専用の列指向DWHの処理と比べても最大4倍の性能向上を確認。また、Swingbenchによるオンライン・トランザクション処理では、インメモリ・カラムストアのオーバーヘッドについて説明した。さらに、メモリ内のデータを再編成する、再ポピュレーション処理の多寡によってオンライン・トランザクションへの影響度が異なることや、時系列にデータが増加するファクト表(売上表など)の場合は、再ポピュレーションが限定的であるためにオーバヘッドが少ないことなどが紹介された。また、Oracle Database のCPUリソースマネージャやパラレル走査の自動化機能を併用することで、同時実行処理に対し、安定した性能維持を実現する検証結果も報告された。

講師:データベース技術本部 長内 麻記

Oracle Exadataと Oracle Database In-Memoryが提供する新たな価値

本セッションでは、Oracle Database In-Memoryと、Oracle Real ApplicationClustersの活用について具体例を踏まえて紹介した。

Oracle Database In-Memory の処理は、多くのメモリ領域とCPUリソースを必要とするため、Oracle Real Application Clusters で複数ノードのメモリ領域をインメモリ・カラムストアとして利用できることやノード間のパラレル処理により複数ノードのCPUリソースを活用できることが紹介された。

さらに、 Oracle Exadata Database Machineを活用することで、インメモリ・カラムストアのデータを複数ノードに複製し、ノード障害時の性能劣化を回避できること、Exadata Smart Scanなどのストレージ機能が、Oracle Database In-Memory の動作を補完するため、高可用性・高性能なインメモリ基盤をOracle Exadata Database Machineで簡単に実現できると語った。

講師:データベース技術本部 関 俊洋

Oracle Databaseの運用監視と運用ジョブはこれで決まり!

Oracle Database の監視と運用ジョブのアシストのオリジナルソリューションを開発した講演者が、監視設定のポイントと運用ジョブの重要性を説明した。

Oracle Database の監視項目として「プロセス」、「パフォーマンス」、「ログ」が存在する。ただし、何を監視対象とするのか、そしてその重要度と重要度を判定する閾値をどのように定義するかについてはノウハウが必要となる。たとえば、Oracle社がクリティカルなエラーとして公表しているORA-4031は、共有プールの空き領域不足によって発生するが、共有プールの全体の空き領域だけを監視してもエラーの発生の予兆を補足することは難しく、共有プールのサブプールに対して、共有プールの自動拡張余力が残っているかどうかを監視するなど対処が必要となる。また、DBハング状態の原因究明に必要なSYSTEMDUMPの取得を不定期ジョブとして登録するなど、非常時に迅速に対応できる準備も必要であると語った。

そして最後に、Oracle Database向けの監視設定や運用ジョブをテンプレートにした「運用スターター・パック」を活用し、安定したシステムの継続運用に貢献したいと語った。

講師:データベース技術本部 河西 大樹

Oracle Databaseインターナル・トラブルシュート ~接続不能編~

Oracle Database のサポートエンジニアが、インターナル・トラブルシュートとして、データベースへの接続不能を題材に、その原因と調査手法について説明した。

データベースへの接続不能はシステムの停止を意味するため、緊急対応が必要となるケースが約4割に達する。しかし、一度発生すると、調査範囲が広く、原因特定までに時間を要する。迅速に問題を解決するためには、データベースへ接続するステップとその仕組みを理解し、切り分け手法を学ぶことが重要となる。

そこで、「WindowsOSの受信ウィンドウ自動チューニングの影響」、「リスナーログの肥大化」、「行キャッシュロック待ち」、「TCP/IPポートの枯渇」、「SDU設定の影響」などを、データベースへの接続が不能となるサポート事例として紹介し、Oracle Net の通信詳細トレースの解析方法などを説明した。

最後に、データベースへの接続不能が発生した場合に、原因調査を迅速にするため、本セッションで説明した情報をサポートセンターと連携いただきたいと締めくくった。

講師:サービス事業部 坂 輝彦

Ashisuto’s Maximum Database Security

当社のデータベース・セキュリティの主任担当が、データウェアハウスやデータマートなど、情報活用を目的としたデータベースを安心して運用するために必要な考え方について語った。

多くのデータベース・システムの現場では、データベース管理者やデータ管理者が職責を超えたデータにアクセスできる状態にある場合が多い。安心して情報を活用するためには、最小権限の原則に基づき、データ利用者や開発者などデータベース・システムに関わる担当者には、職責に応じた情報へのアクセス権を付与することが重要となる。

現状と役割を担うあるべき姿を改めて整理し、管理者権限を制御するOracle Database Vaultやリアルタイムなデータのマスキングとデータの透過的な暗号化を実現するOracle Advanced Security、また、開発環境の実データのマスキングを行うOracle Data Masking Pack、データベース管理者とセキュリティ管理者の職務分掌を実現した監査ログを取得できるPISOなどを紹介した。

講師:データベース技術本部 渡辺 敦

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