アシストテクニカルフォーラム2015 データベース・セッション
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2015年10月22日、「アシストテクニカルフォーラム2015」を開催し、「技術」に特化したセッションで情報システム構築・運用のエッセンスをお届けしました。
全27セッションのうち、「データベース」関連のセッションについて、発表内容をご紹介します。
Postgres と歩んだアシスト5年間の軌跡
Postgresサポートサービスをはじめて5年。多くのお客様とのお取引を通じて得られた情報を元に、これからPostgresの利用を検討、更なる活用を目指すお客様に向けて成功、失敗事例を元にした「適用」「活用・展開」「人材育成」のベストプラクティスを紹介した。
「思った以上に企業浸透が進んでいないのでは?」という問題提起から、お客様の事例を交えながら原因を分析、そこから見えてきたポイントとして、OSSに対する誤った解釈や過度な期待を言及、効果の出る/出ないパターンや、プロジェクトの進め方や適用にあたってのポイントを解説。
また、Postgres浸透の最大の阻害要因は、担当者のスキル・ノウハウ&時間不足であり、結果TCO削減に繋がらないことが多い。その解決策として、複数のシステムへ継続・段階的に適用していくこと、うまく人材育成を絡めながら進めていくこと、より効率化を図るためには各種支援ツールの活用やサービス提供ベンダのベストプラクティスを利用することをまとめとして締めくくった。
(講師: データベース技術本部 課長 花谷 俊英)
◎関連製品:EDB Postgres(PostgreSQL)
Postgres Plus事例から学ぶ厳選おススメ機能
お客様採用事例を通して「信頼性」「性能」「開発」「DWH」「連携」の観点で、Postgres Plusの採用ポイントとそれを実現する技術要素を紹介した。
「信頼性」では、次世代社会インフラを支える基盤としてエネルギーマネジメントシステムの事例を紹介した。これには安定した製品品質とメーカーサポートはもとより、高可用構成となる標準レプリケーションの実績増加もそれを後押しする要素となっている。また、仮想化・クラウドと組合せることで、システム規模の柔軟性や、開発スピード向上に有用な選択肢であることを示した。「性能」「開発」「連携」事例では、各種ツールならびにOracleDB互換機能の組合せによる開発生産性アップ、「DWH」事例では、パーティションを中心に費用対効果が評価されていることを紹介。
最後に、最新動向として次期バージョンの注目機能を検証結果と共に解説、今後さらに適用領域の広がりを期待させると語り、締めくくった。
(講師: データベース技術本部
データベースエバンジェリスト 喜田 紘介 / データベースエバンジェリスト 高瀬 洋子)
◎関連製品:EDB Postgres(PostgreSQL)
- ※ Postgres Plus は、EDB Postgres の旧製品名です。
Verticaは、なぜ高速分析処理を行えるのか?
講演では、同一環境で他の汎用RDBMSと検索性能を実際にデモで比較し、汎用RDBMSで約30秒かかる集計処理をVerticaでは、数秒で処理できることを実証した。
この高い性能は、列指向やデータ圧縮といった分析系のDBで多く採用されるアーキテクチャの他、最適な圧縮が行われるようにテーブル内のデータをソートすることによって実現している。一番の特徴としては、Verticaがテーブルの内容やSQLを読み取り、自動で最適なデータソート、圧縮を行ってくれる点であり、これによりインデックスなどの複雑なチューニングは不要になる。
また、マスターノードが不要なMPP構成を実現しており、複数ノード構成時にマスターノードがボトルネックになるといった従来のMPPの弱点はVerticaには存在しない。
さらに、プロジェクションの追加というひと手間を加えることで、クエリ個別のチューニングを行うことも可能であり、これを実施すると上述したVerticaで数秒かかった処理が0.1秒で完了できる。なお、講演ではこのプロジェクション追加作業も、GUIで簡単に行えることをデモで示した。
(講師: データベース技術本部 佐伯 竜輔)
◎関連製品:Vertica
ビジネスを加速する、ストレスなき情報活用インフラ ~Vertica活用ケーススタディ~
Obama For America キャンペーン2012のビッグデータ分析でも活用されたVerticaが、どのようなビジネスシーンで課題を解決しているのか、具体的な活用事例をもとに紹介した。
情報系システムのビジネス課題を解決するVerticaの3つの特長「速い/簡単/柔軟」を実現する各機能要素を解説し、5つのケーススタディを通して、Verticaの課題解決アプローチを紹介した。「汎用データベースからリプレース」のケーススタディでは検索レスポンスの大幅改善と運用コストの大幅カット、「DWHアプライアンスからリプレース」のケーススタディではコストの抑制、「Hadoopとの連携」のケーススタディではHadoopのビッグデータ分析を高速化、「クラウドで利用」のケーススタディではインフラ構築のコストカットと予測不能なワークロードへの柔軟な対応、「WebFOCUS TurboV」のケーススタディでは性能/コスト/使い易さで全体最適なシステムの実現など、Verticaの様々な導入効果について紹介した。
そして最後に、Verticaは、分析力の向上、運用の簡素化、コストの削減を同時に実現し、ユーザー数/データ量の増加、Hadoopとの連携、クラウド環境への移行など、将来の環境変化にも柔軟に対応できるストレスなき情報活用インフラと締めくくった。
(講師: データベース技術本部 高田 京児)
◎関連製品:Vertica
Oracle Database インターナルトラブルシュート ~起動不能編~
同タイトルでの3回目のセッションである今回はデータベースが起動しないトラブルを取り上げた。
Oracle Databaseを構成する各要素を図解するとともに、起動時に行われる内部処理を各ステップで発生する代表的なエラーコードとその原因を含めながら説明した。トラブル調査ではアラートログファイルの解読が必要不可欠として、データベース起動時のログ出力の読み解き方をバージョンごとの違いを交えながら解説。実際のサポートへの問い合わせ事例の統計では、トラブルの原因の5割以上は設定ミスや操作ミス、リソース不足など事前の準備、検証によって回避できるものであった。
セッション後半では、年間約10,000件の問い合わせの中からデータベース起動失敗の代表的な事例4つをピックアップし、それぞれの発生エラー、ログ出力からの判断方法、原因、対処策を解説した。アシストでは今後もサポート事例を積極的に公開し、ユーザ還元を行っていく。
(講師: サービス事業部 坂 輝彦)
◎関連製品:Oracle Database