何日も解明できなかったOracle Databaseのトラブル原因を1時間で特定
アステラス製薬株式会社
- 導入製品/サービス…
- Oracle Database iDoctor監視サービス
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大手医薬品メーカーのアステラス製薬は、日本と欧米で個別に運用してきた安全性情報管理システムのグローバル統合を進め、カットオーバー直前にOracle Database
のトラブルに見舞われました。そこをアシストのサポートサービスで乗り切った同社は、本番運用後にアシストの「アシストあんしんサポートサービス」「iDoctor監視サービス
」を導入し、同システムの安定的な稼働を実現しました。
解決、快結。アシストの「超サポ」
サポートの究極のミッションは、お客様に真摯に接し、「解決」すること。問題を「解決」することで、お客様に「快く」感じていただき、それがきっかけでお客様と深く結ばれることをアシストは望んでいます。
重要なのは、お客様に「快く」思っていただけるよう「解決すること」。それがアシストのサポートが目標にしている「解決、快結」です。
導入のポイント
1.何日も解明できなかったOracle Databaseのトラブル原因を1時間で特定
2.Oracle Databaseを24時間365日体制で監視する万全のサポート体制を構築
3.トラブルの予兆を検知しその場で対応することでシステム全体の安定稼働を実現
課題
- テスト環境で利用していたOracle Databaseのハングアップに直面
- パッケージソフトとOracle Databaseの相性に起因するデータベーストラブルが続出
- ミッションクリティカルシステムにふさわしいさらなる安定性の確保
対策
- Oracle Databaseライセンスを購入したアシストの標準サポートサービスを利用
- アシストのサポートサービス「アシストあんしんサポートサービス」を利用
- アシストのOracle Database監視サービス「iDoctor」を導入
効果
- 何日も解明できなかったOracle Databaseのトラブル原因を1時間で特定
- Oracle Databaseで起こり得るトラブルを先回りして対処できるように
- トラブルの予兆を検知、先行対応することでシステム全体の安定性が飛躍的に向上
医薬品メーカーにとっての生命線「安全性情報管理システム」
2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して発足したアステラス製薬株式会社(以下、アステラス製薬)は、国内の医薬品市場において常にトップクラスのシェアを持つ国内屈指の大手医薬品メーカーであるとともに、近年では欧米をはじめとする海外市場においても年々存在感を増しつつあります。
同社が社内で運用する数多くの情報システムの中でも、特に重要度が高いものとして位置付けているのが、「安全性情報管理システム」です。アステラス製薬が世界中で販売するすべての医薬品の副作用情報を臨床試験段階から収集し、集中管理する役目を担っています。同システムの重要性について、同社 情報システム部 ビジネスソリューショングループ 課長代理 デシパンデ・アビジット氏は次のように述べます。
アビジット氏
創薬メーカーの当社にとって、市場に供給する薬の副作用情報は時に患者の命にも関わる重篤な情報となるため、常に適正かつ迅速に扱う必要があります。そのため法律でも、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度として、副作用情報を収集・評価してから一定期間内に、その内容を当局へ報告することが義務付けられています。安全性情報管理システムは、こうした業務を下支えする極めて重要な役割を担っています。
このように、多くの人の健康を守る、わずかなダウンタイムも許されないミッションクリティカルなシステムと位置付けられる安全性情報管理システムですが、同社ではかつて、その運用に課題を抱えていました。きっかけは、2005年の会社合併です。
日本と欧米で別々に運用していたシステムを統合
合併当時、山之内製薬が運用してきた安全性情報管理システムを日本国内で使い、藤沢薬品工業が運用してきたシステムを欧米で使うという方針がとられました。この方法は当初はうまく機能したものの、グローバル化が進むにつれ徐々に非効率な面が目立ってきたといいます。
アビジット氏
欧米での売上げが伸びるにつれ、欧米で運用している安全性情報管理システムへの入力作業やデータ量が急激に増加し、それに伴い、日本と欧米で同じ情報を二重入力する手間や、入力ミス・漏れの問題が持ち上がってきたのです。またグローバルでの情報連携も大きな課題となりました。
そこで同社は2011年より、安全性情報管理システムのグローバル統合の検討を始め、長期間かけて慎重に業務設計とシステム設計を進めた後、2013年夏にはようやく新システムの総合テスト直前までこぎ着けました。しかしここで、テスト環境で利用していたOracle Databaseが徐々にスローダウンし、ついには応答しなくなるという大きな問題に直面しました。
アビジット氏
新システムで採用したアプリケーションパッケージ製品がサポートしていたのは当時のOracle Databaseの最新バージョンで、さらに24時間365日安定稼働が必須のシステムであるため、可用性を考慮してReal Application Clusters(RAC)構成で実装したのですが、実はこの構成が世界で初めてのケースだったのです。アプリケーションの開発元にも問い合わせましたが何日経っても解決策を得られず、すでに本番稼働までのスケジュールが決まっていて時間の猶予が全くなく困り果てていました。そこで、Oracle Databaseのライセンスを購入したアシストに相談したところ、フィールドエンジニアをすぐに派遣していただき、関係者を集めた対策会議の中でわずか1時間のうちに原因を特定してくれたのです。
こうして本番システムリリース遅延の最大のピンチを何とか乗り切った結果、新たな安全性情報管理システムは2014年4月に無事カットオーバーを迎えることができました。
「アシストあんしんサポートサービス」、「iDoctor」で万全の監視体制を
その後も、採用したアプリケーションパッケージ製品とOracle Databaseのバージョンの相性から、たびたびアプリケーション開発者には解決できないOracle Databaseのトラブルが発生しました。「このままでは、全社がグローバルで利用している安全性情報管理システムを安定して運用および提供することができない」ことを危惧した同社は、再びアシストに相談しました。
アビジット氏
Oracle Databaseがトラブルを起こす際には、なんらかの予兆が事前にあります。これを確実に捉え、先回りして対応できれば、トラブルの発生を未然に防げるはずです。「そんな仕組みができないか?」とアシストに相談したところ、「アシストあんしんサポートサービス」と「iDoctor監視サービス」を紹介していただきました。
「アシストあんしんサポートサービス」は、Oracle Databaseライセンスの標準的なサポートサービスに高度なサポートサービスをパッケージングして提供する、アシスト独自の有償サービスで、顧客企業のシステム構成を熟知したアシストの専任サポートチームがきめ細やかに対応します。また、「iDoctor監視サービス」は、企業のOracle Database環境を24時間/365日リモートで監視し、障害やその予兆を即座に検知し、リアルタイムで通報します。この2つのサポートサービスを組み合わせることで、Oracle Databaseに発生する何らかのトラブルの予兆を逃がさずに捉え、すぐに専任のサポートチームが対応を行えるため、システム全体の安定性および可用性を飛躍的に高めることができます。
同社は早速、この2つのサポートサービスを導入し、同社の運用担当チーム(DBA)と、同社のシステム構成を熟知したアシストの専任サポートチームが密接に連携することで、Oracle Databaseのトラブルを未然に回避することができました。その結果、安全性情報管理システムの安定性は飛躍的に向上したといいます。
アビジット氏
これらのサポートサービスを導入した後は、大きなトラブルはほぼ皆無です。唯一、Oracle Databaseのアップグレードを行った際に、不運にも新バージョンのバグに起因するトラブルに見舞われましたが、これもアシストの迅速なサポートのおかげで速やかに解決できました。逆にアシストのサポートサービスを導入していなかったら、と思うと今でもゾッとします。文字通りの「アシストあんしんサポートサービス」です。
今後はグローバルレベルでのサポートサービスにも期待
こうして、医薬品ビジネスの根幹を担う安全性情報管理システムについては安定稼働を実現しましたが、今後も同社が国内のみならず、海外マーケットにおいても、より一層ビジネスを成長させていくためには、引き続き安定運用が不可欠となります。そのためにも、「アシストにはぜひこれまで通り、高いレベルのサポートをお願いできればと思います。また当社は今後、他のシステムのグローバル統合も進めていく予定であり、日本国内のみならず海外におけるシステム運用の品質が、当社のビジネスにとって大きな意味を持ってきます」とアビジット氏は話します。
アビジット氏
海外で運用するシステムでもOracle Databaseは多く使われているので、それらのサポートの課題に今後取り組んでいく必要があると認識しています。そのためにもアシストには日本国内のみならず、グローバルレベルでのサポートもぜひ検討していただけるとありがたいと思っています。
システムのライフサイクルの中で本番運用期間は約8割に相当し、本番運用でのトラブルは、開発時のトラブルとは比べものにならないほどビジネスに大きな影響をもたらします。同社では、安定したシステムの運用があってはじめて投資の回収や会社およびビジネスに対して価値や貢献ができると考えていることから、運用保守に最も注力しています。
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お客様情報
※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。
会社名 | アステラス製薬株式会社 |
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概要 | 「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念(存在意義)に掲げ、研究開発型のグローバル製薬企業として積極的に事業展開を図っています。 |
本社 | 東京都中央区日本橋本町2-5-1 |
創業 | 1923年 |
資本金 | 103,001百万円(2016年3月31日現在) |
従業員数 | 17,217名(2016年3月31日現在、連結ベース) |
URL | https://www.astellas.com/jp/ |
取材日 | 2017年2月 |
関連製品/サービス
iDoctor監視サービス
iDoctor監視サービスとは、Oracle Databaseシステムの稼動状況を監視するサービスです。障害およびその兆候が見られた場合にはお客様と当社サポートセンターに警告が通知され、当社サポートセンターからお客様へ対応方法を連絡します。
- データベース稼動状況のリアルタイム監視
- データベース監視コストの削減
- サポートセンターを活用した迅速な障害対応
Oracle Database
Oracle Databaseは、高い性能と信頼性を誇る業界標準のRDBMS(リレーショナル・データベース管理システム)です。アシストでは1987年にOracle Databaseの取り扱いを開始し、35年以上に渡ってお客様のデータベース構築/運用を支援しています。
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