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IT資産のインベントリ情報をJP1で自動収集。
住友商事グループが利用するサーバ運用情報の可視化を実現

住友商事株式会社

導入製品/サービス…
JP1  


総合商社として世界各地で事業を展開する住友商事株式会社(以下、住友商事)では、JP1によってグループの共通ITインフラサーバ構成情報を収集。IT資産情報を集約することで、運用情報の可視化を実現した。JP1を採用した経緯と狙い、効果などについて詳しく聞いた。

情報化推進プロジェクト「SIGMA21」


1999年より、中期経営計画を5期10年にわたって着実に実行することで改革と成長を成し遂げてきた住友商事グループ。同グループでは、企業ビジョンを具現化するための戦略実現ツールとしてITをとらえており、住友商事のIT企画推進部は、グループ全体のIT戦略を企画・立案するという重要な役割を担っている。

「IT企画推進部では、800社におよぶグループ会社における『IT活用の最大化』をビジョンとして掲げています。具体的には、中期経営計画をトータルでサポートするため、1999年より『SIGMA21プロジェクト』を立ち上げ、情報インフラを整備・構築してきました」と、IT企画推進部システム統括チームのリーダーを務める新藤氏は説明する。

SIGMA21における情報インフラとは次の3つに分類される。

  • SIGMAは、「Sumitomo corp. Information & Global Management systems Architecture for the 21st century」の略称です。

新たな成長シナリオ「FOCUS'10」を実現するために


一方2009年からは、住友商事グループの新たな10年を見据えた新中期経営計画「FOCUS'10(フォーカステン)」がスタートした。

「FOCUS'10では、新たなステージにおける成長シナリオを確立することにより、変化を成長につなげる価値創造企業を目指しています。そのため、健全性や効率性を再強化しつつ、価値創造力を高めることで中長期的な成長を図ること、そしてビジネスごとの特性や強みを活かし、多様な道行きを通して全社の成長につなげることを、基本方針としています」(新藤氏)。

当然、SIGMAシステムもFOCUS'10をサポートするために、さらなる進化が求められた。しかも、2009年はSIGMAシステムにとって転機となるタイミングでもあったと、IT企画推進部システム統括チーム アーキテクチャ整備ラインリーダーを務める植田氏は語る。

「2009年から2010年は、ERPのバージョンアップをはじめ、リースアップによるハードウェアなどのインフラの入れ替えが本格化する時期と重なります。しかも、2002年の稼働以降、一部の領域では技術や標準が陳腐化しているところも目立つようになっていました。

そのため、新しい技術や標準を積極的に取り入れることで、コンプライアンスの強化といった社会環境やビジネス情勢の変化などにも、柔軟かつ迅速に対応できるインフラへと進化させるためのSIGMA高度化プロジェクトの方針を打ち出しました。

また同時にこのような取り組みを実践することで、ITコストの最適化を成し遂げたいという狙いもあります。コストの最適化とは、運用コストを削減するだけでなく、その削減コストを戦略的なIT投資へと振り向けることです」(植田氏)。

さらに新藤氏によれば、本社内における利用から開始したSIGMAシステムは、ここ数年で国内の事業会社や海外への展開が一巡していたため、利用者からさまざまな改善案や要望が寄せられるようになってきていたという。

「ビジネスの現場からは、営業力を拡充させるために事業部門や地域組織間を連係できるようIT基盤を強化してほしいという要望が、経営者からはグローバル・グループ経営を可視化・迅速化させるような仕組みへと高度化してほしいという声が上がってきていました。そのため、迅速に新しいITサービスを提供できるインフラへとSIGMAシステムを発展させていくことは、住友商事グループ全体が競争力を向上させるために取り組まなければならない重要なテーマであると再認識しました」(新藤氏)。

IT資産情報と構成情報が一元化されていなかったときのイメージと課題

このような背景のもと住友商事のIT企画推進部では、「ビジネス価値の増大」と「標準化の推進」という2つの軸を見据えて、インフラの全体最適を実現し、SIGMAシステムを高度化させる取り組みを開始した。

「ビジネス価値の増大とは、経営戦略や要件の変化に迅速かつ柔軟に対応でき、利用者にとっても利便性の高いIT基盤を実現すること。一方、標準化の推進とは、標準化されたルールやプロセスを拡大させることにより、これまで以上に効率的で高品質なオペレーションを確立することです。そして標準化が進めば、ITに関連する固定的なコストも削減できるはずだと考えました」(植田氏)。

しかし、これまでのSIGMAシステムでは、IT資産情報と構成情報が一元的に管理されていなかったため、このような構成の変更に迅速かつ柔軟に対応するのは容易ではなかったと植田氏は説明する。

「システムの導入から終結まで、IT資産はマニュアルベースで管理されていました。しかも、IT資産情報と構成情報が別々の管理者の元で管理されていたので、システムの変更や棚卸しをするための調査や分析にも多くの時間と手間がかかっていました」(植田氏)。

IT資産情報と構成情報の一元管理イメージと期待効果


このような課題を解決するため、運用情報を一元化し可視化するための新しいIT資産/構成管理システムが構築されることとなった。

「IT資産のライフサイクル管理を通じて運用情報を可視化すれば、ポートフォリオとしてIT資産を管理できるようになります。その結果、ITサービスの提供を迅速化し、ビジネスの拡大を支えることができると同時に、どのカテゴリにどの程度のIT投資が必要かを的確に判断し、最適な投資を行うための情報を正確かつ迅速に手に入れることができるようになります」(新藤氏)。

新しいIT資産/構成管理システムのポイントは以下の3つ。

「検討初期の段階では、情報の一元化と可視化の実現に重きを置いていました。しかし、検討の途中でいくら優れたシステムを構築しても、正確かつ最新の構成情報が簡易に収集される仕組がないと運用が属人化し、PDCAのサイクルが回らなくなると感じました。」(植田氏)。

そのため住友商事では、IT資産管理機能と構成情報管理機能をそれぞれ独立した形で整備し、データを連係させることでIT資産/構成管理システムの最適化を図ることとした。

「IT資産管理と構成管理、それぞれの分野で優れた製品を組み合わせることで、システムの価値を高めることができます。また、IT資産のライフサイクルの視点からみても、2つのシステムが疎結合の状態で連係する仕組みさえ作っておけば、将来的にそれぞれ独立して機能を向上することができるので、IT投資としても最適化することができます」(植田氏)。

そこで、IT資産管理と構成管理の仕様や要件をそれぞれRFP(提案依頼書)にまとめ、4社のベンダーに提案を求めたという。

構成情報管理システムの技術要件


RFPに記載された構成情報管理システムの技術的な要求事項は多岐にわたった。その中でも特に重視した要件は、「マルチプラットフォームに対応」していることと「データ連係が容易」なことだった。

「当社では、Windows系サーバとUNIX系サーバ、Linux系サーバを適材適所で利用しています。そのため、マルチプラットフォームに対応していることは必須要件となります。

また細かい部分では、ソフトウェアのバージョンのインベントリ情報までは収集できる製品が必要だと考えていました。

データ連係に関しては、シンプルかつ標準的な仕組みでデータを連係できることを要件として挙げました。IT資産管理機能との連係が密結合であったり、特別な仕組みや制限があると、最終的に手間とコスト、そして導入までの時間が掛かってしまい、拡張性の低いシステムになってしまうからです」(植田氏)。

このような技術要件のほかにもサポート体制や費用といった点を考慮し、各ベンダーから受けた提案を相互比較した結果、機能要件をほぼカバーし、総合的な評価も高いアシストからの提案が採用されることとなった。

アシストが提案したのは、「IT構成情報の収集」「ソフトウェア配布」「クライアントセキュリティ対策」などを備えた「JP1/NETM/DM」と、JP1/NETM/DMで収集したIT構成情報を格納し、さらに自動採取できないような管理情報をあらかじめ登録し、統合的に管理するための製品「JP1/NETM/AIM」をベースとした構成情報管理システムである。

SIGMAシステムでは、JP1/NETM/DMによって管理対象サーバのハードウェアやソフトウェアなどの構成情報が自動収集され、JP1/NETM/AIMによってデータ連係時に最適なデータ状態を保つための加工が行われている。

JP1を採用することを決定した4つの理由


JP1を採用した理由について、SIGMAシステムの構築・運用を担当する住商情報システム株式会社の東村氏は、「マルチプラットフォーム対応」「CSVによるデータ連係」「ベンダーのサポート」「コスト」という4つのポイントを挙げた。

「JP1は、当社が利用しているほとんどのサーバOSやアプリケーションに標準対応しており、さらに標準で対応していない一部のアプリケーションなどへは、アシストが機能を追加することでカバーしてもらえました。

データ連係に関しては、CSV形式のデータを用いて構成情報管理システムへとインベントリ情報の受け渡しができるため、汎用性が高いと判断しました。

そしてサポートは、これまでSIGMAシステムのジョブ管理システム(JP1/AJS2を採用)などの構築、運用などをサポートしてもらってきたので、アシストなら手厚いサポートが受けられることは経験的にわかっていました。またJP1の導入実績も豊富で、標準では対応していないインベントリ情報へもカスタマイズ対応をしてもらえるなど、JP1を知り尽くしているという印象も強く、安心して構築・運用のサポートをお願いできると考えました。

最後にコストですが、JP1のライセンス費用は他の製品と比べてリーズナブルでした。しかし、製品のライセンス費用がいくら低くても、導入や保守に費用がかかるようでは最終的にコスト高になってしまいます。その点、アシストからの提案は、導入や保守だけでなく、追加機能への対応などを含め、総合的にもコストパフォーマンスに優れたものでした」(東村氏)。

さらに東村氏は、アシストのサポート力とプロジェクトに対する協力体制によって、実際の構築作業を予想していたよりも順調に進めることができたと説明する。

「アシストが直接担当している構成情報管理システムだけでなく、IT資産管理システムに関しても理解していただき、データ連係がスムーズにできるよう丁寧な対応をしてもらえたのでとても助かりました」(東村氏)。

JP1による構成情報管理システムの導入効果


JP1による構成情報管理システムの導入効果に関して植田氏は、狙い通りインベントリ情報を迅速かつ正確に収集できるようになったと高く評価している。

「これまでは、IT資産に関する分析をしたいと思うと、その時点から情報を調べはじめなければならなかったので時間も手間もかかっていました。
JP1による構成情報管理システムを導入してからは、インベントリ情報の収集が自動化され、常に最新の情報を元に情報を分析できるようになったので、資産の統合、転用、リプレース、廃棄といった判断を的確かつ迅速に下せるようになりました。
また人手を介することが無くなったので、コスト削減効果も大きいと感じています」(植田氏)。

実際、システムの稼働後は、当初の収集サイクルより高い頻度でインベントリ情報の収集を行っているが、SIGMAシステムのパフォーマンスに影響するような負荷がかかることはなく、30分ほどでサーバ情報の収集を完了することができるという。

今後の課題は、IT資産管理/構成情報管理システムをどう横展開していくかだと新藤氏は語る。

「現状はSIGMAのサーバおよそ200台がインベントリ情報収集の対象となっていますが、今後は対象範囲を拡大していきたいと考えています。
また将来的には、海外も含めた住友商事グループ全体をカバーできるようになれば理想的です」(新藤氏)。

IT資産をポートフォリオとして管理し、情報を正確かつ迅速に分析できる仕組みを取り入れたことで、SIGMAシステムは今後、高度化が加速していくことは間違いない。その仕組みをJP1が支えている。

※ 記載の担当部署は、取材時の組織名です。
※ 取材日:2010年1月

会社名 住友商事株式会社
設立年月日 1919年12月24日
資本金 2,193億円(2009年3月31日現在)
事業所数 国内26カ所、海外120カ所(65カ国)(2009年4月1日現在)
従業員数 単独 5,148人(2009年4月1日現在)、連結 70,755人(2009年3月31日現在)
事業概要 全世界に展開するグローバルネットワークとさまざまな産業分野における企業・消費者との信頼関係をベースに、多様な商品・サービスの国内販売、輸出入および三国間取引、さらには国内外における事業投資など、総合力を生かした多角的な事業活動を展開。
URL http://www.sumitomocorp.co.jp/

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