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哲学と信念

序文

■哲学と信念の歴史■

『哲学と信念』は、これまでに何回か改訂されてきました。

最初に執筆されたのは1983年6月22日付『Second Decade』で、それは1985年10月19日付の『アシスト:哲学と信念』(初版)として大幅に改訂されました。その後、1993年6月30日に第二版としてさらに改訂され、本版は2002年6月14日に第三版として公開されたものです。

主な改訂個所は、この『哲学と信念』の最後に掲載しました。


■『哲学と信念』を執筆した理由■

私が『Second Decade』を執筆したのは、アシストの価値観を文章で明確に表す必要があると感じたからです。言い換えると、「アシストの道徳」を確立したいと思ったのです。

創業から1983年くらいまで、社員数は100名に満たず、社員のほとんどは同じ事務所で顔を見ながら一緒に仕事をしていました。全員の名前と顔がわかり、何の仕事をしていて、どんな人で、どんなことを考えているのか、そんなことまでわかる程、長い時間を共に過ごしていました。ですから、その頃までは、私が社員に何を期待しているのか、何をして欲しいのかを、わざわざ文章で説明する必要はなかったのです。

その後、1984年頃から社員数が急速に増えたため、社員一人ひとりの顔を見ながら、それぞれの社員と交流を深めるのが難しくなってきました。

そのため、私が考える「アシストの道徳」を、まず『Second Decade』として執筆しました。それを他の役員に読んでもらい、方向性や内容が適切か、足りないことはないかなどを、皆で納得するまで議論しました。その後、それを全社員にも読んでもらい、社員からのフィードバックも反映させて完成したものが初版の『哲学と信念』です。

もし社員が私の書いたことに納得できなければ、それを改訂させるよう私を説得するのは社員の責任でした。それができないのであれば、または『哲学と信念』の内容に納得できないのであれば、アシストを辞めてください、と私は言いました。
こうした過程、また複数の改訂を経て、そしてIT業界における様々な変化も反映して、現在の『アシスト:哲学と信念』があります。ですから『アシスト:哲学と信念』(現行版)は、私ビル・トッテンが原稿を書きましたが、その後全社員によって積み重ねられた議論や意見交換の内容を反映した、アシスト全社員の『哲学と信念』だと思っています。

この文書中に「私は」という言葉があれば、それは「私たちは」に置き換えて読んでください。これは、「私の」哲学と信念ではなく、「みんなの」哲学と信念なのです。


■『哲学と信念』とは何か■

アシストの社員は、この『哲学と信念』をアシストの聖書だとか経典などと呼ぶことがあります。私自身は、これはアシストの道徳であると思っています。どのような名称であっても、この『哲学と信念』は我々アシストの社員の考え方や行動の基本として心に銘記すべきものであると思っています。

しかし、アシストの社員の皆さん、またはこれからアシストの社員になる皆さん、どうかこの『哲学と信念』を制約事項と捉えないようにしてください。これは「道徳」であり、規範にすべき内容であることに間違いはありませんが、これまで改訂を繰り返してきたように、もし全社員が合意すれば、全社員が合意した時にだけ、これからも必要に応じて改訂をしていってください。


■一番大切なこと■

この『哲学と信念』に書かれてある内容にそって商売をしている限り、アシストは、これから数百年、またはそれ以上にわたって永続できると、私は自信を持っています。

どうかそれを目指して、次の3つの目標に向かって、これからも良い仕事をしてください。


どんなに技術が進歩し、社会がどんなに変わろうとも、お客様はいつも正直で、誠実で、有能で、思いやりのある「人」と取引したいと思うはずです。私たちはそのような人になることを目指しながら、これからも人を「アシスト」する「アシスト」であり続けましょう。

2012年3月1日

株式会社アシスト
代表取締役会長 ビル・トッテン

01 はじめに


本章では、「哲学と信念」を執筆した目的と理由、そして社員一人ひとりにこれをどう活用して欲しいかを述べます。

本書の目的

本書について全社員にやってほしいこと

この「哲学と信念」に関して各自にやってもらいたいことは次の3つです。

以上の3つを行うことによって、アシストがその目標を実現するために必要な社内の合意が得られるはずです。自分が働く会社の環境を良くするも悪くするも、みなさん自身にかかっています。本文に関するみなさんからの意見、質問、反論を待っています。

02 アシストとは


本章では、アシストとは何か、そしてアシストの基本的目標とは何かを定義します。

アシストは、コンピュータ・ソフトウェアを必要とする、人または組織に、ソフトウェア製品やサービスを販売します。

コンピュータ・ソフトウェアの販売は、今後も長い間、世界で最も面白く、魅力ある商売であり続けるでしょう。アシストはこの商売において最高の企業になるという目標を達成するまで、あるいはこの商売よりも魅力的な商売に出会うまでは、ソフトウェア販売と関連サービスの提供に事業領域を限定し、それ以外の分野には手を広げません。

03 アシストの目標


アシストの目標は次の3つです。

ここで「最高」を強調したことに注目して下さい。我々の目標はこの業界のすべての点において最高になることなのです。規模、収益性、商品の品質、サービスの質、労働環境といった特定の指標においてではなく、すべてにおいて最高を目指します。またここでいう「最高」とは競合他社と比べてということではなく、自社としてできるだけ最高を目指すということです。

目標の優先順位について見てみましょう。


上記の優先順位は、あくまでもお客様が第一であり、社員や協力会社よりもお客様が常に優先されることを忘れてはなりません。われわれがビジネスを続けられるのはお客様のお陰であるのです。つねにお客様にお役に立っていれば、お客様もアシストにビジネスをくださるでしょう。

04 目標を実現するために


目標を実現するために、アシストの社員は次の2つのことを目指さなければなりません。

  • 一人ひとりが、コンピュータ・ソフトウェア業界において最高の人間になるように努めること
  • チームとして、コンピュータ・ソフトウェア業界で最高の組織となるよう努めること


(1) 最高の人間

アシストが行うことにはすべて人が関係しています。商品の販売権は「人」から取得するのであり、また商品の販売先も企業ではなく、そこで働く人です。また社員はみな他の社員と協力して仕事を行います。われわれは製品やサービスを利用してくださる人を支援しますし、またアシストのビジネスに不可欠なものを提供してくれる人に依存しています。人間は、自分が好感を持てる人、尊敬できる人から商品を買いたいと思うであろうし、そのような人に自社が開発した商品を販売して欲しいし、一緒に仕事をしたいと考えるものです。

追補:人バッジ

従って目標を実現するためにしなければならないことの1つは、コンピュータ業界の中で可能な限り最高の人間、すなわち、次のような人間になるよう努力することです。

  • 一番温かくて、気の利く人間
  • 一番役に立つ人間
  • 一番正直な人間
  • 一番有能で知識ある人間
  • 一番よく働く人間

お客様は、いつも次の過程を経て商品を購入されます。

すなわち、商売は人と人との間に成立するということです。人と商品、あるいは人とサービスの間ではありません。これは対お客様だけではなく、商品の仕入先、採用する学生、銀行、新聞記者など、関係するすべての人についていえることです。


(2) 最高の企業

目標を実現するために2番目にしなければならないことは、業界の中で最高の会社としての地位を保ち続け、さらに高めていくことです。最高の企業になるには次のことを行う必要があります。

  • 最高の人間を雇い、教育し、やる気を起こさせること
  • 最高のコンピュータ・ソフトウェアの販売権をとること
  • これら商品をお客様のニーズに最高に合わせて提供すること
  • 最高の資料を作ること
  • 最高のサポートやサービスを提供すること
  • どの企業よりも熱心に正直に、販売、サービスをすること

そして以上のことを達成するには、常に変わりゆくお客様、開発会社、そして社員の抱える問題やニーズを的確に把握し、他のどの会社よりも一生懸命働いてお客様のニーズを満たし、また問題を解決していかなければなりません。我々がどんな人間であるか、我々が他人に対してどのように接しているか、我々がチームとしてどのように協力して働いているか、こうしたことこそ商売をする上で一番大切なことであり、商品やサービスそのものよりも重要なことなのです。

05 人


人はアシストにとって一番重要な財産です。アシストは、やる気があり、熱心な社員が、彼らの能力や努力によって可能となる最大の潜在能力が達成できるような環境を提供します。

アシストは安定に甘んじるよりも、成長やチャンスを望む意欲的な人に適した会社です。簡単な仕事よりも、やりがいのある仕事をしたいと考える人に向いています。長期的に考えれば、こうした社員がいる会社こそ、一番安定した、報酬の高い仕事を社員に提供できるのだと私は確信しています。企業がすべきことは社員を安定に甘んじさせるのではなく、社員が意欲的に働けるよう刺激的な環境を提供することだと考えます。

アシストの人間に関する目標は次の4つです。

  • 優秀で熱心な若者を雇う
  • 社員を教育する
  • 社員を意欲的にさせ、刺激を与える
  • 精神的にも金銭的にもできるだけ多く報いる

(1) 優秀で熱心な若者を雇う

アシストは次の6つの条件を満たしている社員を雇いたいと考えます。


(2) 社員を教育する

アシストはコンピュータ・ソフトウェア業界で働くために必要な技術力を伸ばし、かつ総合的な力がつくよう社員を教育します。会社として社員教育のための最高のプログラムと設備を全社員に提供するよう務めますが、社員は会社から与えられる教育プログラムや設備を最大限に活用しなければなりません。ただし、それだけでは不十分であり、社員自身が自己向上のために努力する必要があります。


(3) 社員に意欲的にさせ、刺激を与える

人を伸ばし、かつ楽しく働かせる最も良い方法は、彼らが日々刺激を感じる環境を提供すると同時に、いかにうまく課題に対処できたかをすぐに評価することだと私は考えます。私が知る限り、これが最もうまく機能しているのはスポーツ・チームだと思います。スポーツ・チームは試合に勝つためにチームとして日々練習しています。そして試合の度にすぐ結果が出ます。勝利した場合は大きな喜びと満足につながるのは言うまでもありません。結果重視型の人は次の試合に勝つためにより一層努力をするはずです。

アシストは、スポーツ・チームのように、常にチームを組織し、それぞれに数多くの挑戦を与え、意欲を持たせると同時に、すぐに結果を知らせるようにします。具体的には、アシストの全社員に、自分のチームを勝利に導くための重要な仕事を行わせ、責任とその遂行に必要な権限を与え、目標を達成すれば高い報酬を得られるようにしています。アシストが行っていることは、チーム・プレーヤーのための競技であり個人種目ではありません。


(4) 精神的にも金銭的にもできるだけ多く報いる

アシストは社員に対し、コンピュータ・ソフトウェア業界でできる限り最も面白い、やりがいのある仕事を提供し、高い報酬を与えようと考えます。ただし、アシストは費やした時間にではなくて結果(実績)に対して報酬を与えるべきだと考えています。そうでなければ能率の悪い人の方が得をすることになるからです。アシストは各社員が規則に縛られ、指示通りに仕事をこなさなければならないといった環境ではなく、それぞれの社員が頻繁に新しい挑戦を行い、それを成功させるために発奮し、その結果がうまくいったかどうかがすぐにわかるような組織作りをします。

またアシストは金銭的にも社員の貢献に報います。人をやる気にさせるための方法はお金だけではありませんが、社員の貢献に対して報酬で報いることは極めて重要であるとアシストは考えます。アシストの成功を作るのは社員です。それなら、その成功に対する報酬を得るべき人は誰でしょうか。社員に他なりません。この理由でアシストは1972年の設立以来、結果重視型の賞与制度を維持し続け、会社の成長や安全(財務対策)のためにとっておかなければならない分を除いてほとんどすべての収益を、それを生み出した社員に還元しています。

アシストは次の2通りの方法で、この結果重視型賞与制度を提供しています。


この結果重視型賞与制度をアシストの全社員が納得し、アシストは公正な会社だと考えてくれることを私は希望しますし、そう思ってくれると信じています。

アシストは、とりあえず生活に必要な給料を稼ぐだけのために働いている人に安定した楽な環境を提供するつもりはありません。むしろ面白くて挑戦的、刺激的で満足でき、かつ高い報酬の得られる仕事を求める人に対してそれを提供していくつもりです。言い換えれば、アシストは安定性ではなくて、無限の機会を与えようとしています。しかし、アシストは社員の成功を保証してはいません。成功を勝ち取れるかどうかは、社員がいかに好機を生かせるかにかかっています。

06 全社員が営業マンおよび管理者


アシストでは全社員が営業マンかつ管理者でなければなりません。その理由を以下に説明します。

(1) 営業

全社員が、お客様がアシストからソフトウェアを買って下さるか否かの決定に影響を及ぼします。

  • アシストにお客様から請求書や契約書の件で、あるいは製品に関する問合せで電話がかかってきたり、あるいはお客様がアシストに訪問してきたとします。アシストの社員が温かく対応し、正直で商品知識に富み熱心だったら、お客様は商品を買いたくなるでしょう。そうでなければ商品は売れません。
  • お客様は、アシスト誌、Webコンテンツ、ユーザーマニュアルなどアシストが作成した文書を読みます。それらが読者のために役立つようにと十分考慮され、有益な情報に富んだものだったら、お客様はアシストの商品を買いたくなるでしょう。そうでなければ商品は売れません。
  • お客様のところへ営業マンが商談に行きます。お客様は営業マンが親切か、正直か、役に立つか、有能か、知識が豊富か、熱心かを判断して商品を買って下さるでしょう。そうでなければお客様はアシストから商品を買わないでしょう。
  • アシスト社員がシステムの導入や教育、あるいはユーザーサポートのためにお客様を訪問した時、お客様は私達がいかに親切で、やさしく正直で、有能で知識が豊富かを判断してアシストからまた商品を買いたいと考えるでしょう。そうでなければ商品は売れません。

このようにお客様がアシストから商品を買うかどうかの判断に、全社員が影響を及ぼしているのです。

ここで私が言いたいことはアシストでは全社員が常に営業マンだということです。全社員が行うすべての行為が、追加注文につながるか、あるいは取引終了につながるかを左右するのです。全社員が営業マンであり、我々の行動はいつでも営業に貢献もすれば、妨げにもなりうるのです。


(2) 管理者

アシストは管理を主な仕事とする人の数を最少にとどめた組織が望ましいと考えます。こういった組織をつくるには、全社員が自己管理を行い、自分のチームそしてアシスト全社のために貢献できるよう責任を持つことです。自己管理ができる社員とは、下記のようなことができる人を指します。

  • ソフトウェア業界において最も優秀で役に立つ人になるために自分で勉強し、トレーニングした
  • アシストにとって最高の人を雇い、教育しヤル気を起こさせた
  • アシストのために世界で最高のソフトウェアの販売権を獲得した
  • 商品をお客様のニーズにうまく適合させることができた
  • 本当に必要としているお客様へ正直に商品を売ることができた
  • 商品を買って下さったお客様が最高の価値を得られるようにした


アシストの社員すべてが常にこれらのことを実行できたら、誰も他の人を管理する必要はありません。我々全員が平社員であり管理者でもあるのです。生産性の高い人が他の人の管理に時間を割かなければならないのは実にもったいないことです。また自己管理能力を持つ人を他の人が管理するというのは、できる人にとっては屈辱でもあると思います。

07 スペシャリスト


アシストでは全社員が営業マンですが、実際は複数の職種に分かれています。その中で「営業マン」と呼ばれる人は、可能な限り見込客や既存のお客様を訪ねて商品を買って下さるように薦める人たちです。営業マンはその時間のほとんどを見込客やお客様の訪問に費すため、営業活動以外の電話対応、資料作成、システム導入、ユーザー教育、ユーザーサポートなどを行うことはできません。

アシストは設立後の10年くらいは、社員のほとんどが営業マンでした。そして「営業」が一番大切な仕事でした。その理由は、

  • アシストは当初どこの企業ともまったく取引がなかったため、最初の商品を買っていただくことが最大の仕事でした。収益のほとんどは新規のお客様からの売上で、既存ユーザーからの追加購入はほとんどなかったのです。
  • 扱っていた商品は単純なものだったのでお客様の日常業務に大きく影響せず、またサポートも容易でした。よってアシストが提供するサポートの質、徹底さ、速度はあまり問題にはなりませんでした。

しかし、時代は変わったのです! 今日、我々は次のような状況に直面しています。

  • 日本企業の多くがアシストから複数の商品を買って下さっています。新規のお客様を獲得することも重要ですが、既存のユーザーにアシストの他の商品を売ることも極めて重要です。事実、売上の4分の3以上は既存のお客様からの売上によってもたらされています。
  • アシストの扱う商品はより複雑になり、お客様の日常業務に大きく影響を及ぼすようになってきました。商品サポートは難しくなり、同時にサポートの質や速さが非常に重要になってきました。
  • 多くのお客様が、もはやソフトウェア製品しか提供できない企業では満足できなくなっています。ツールや部品だけではなく、問題解決のためのコンサルティングやその他のサービスを必要としています。したがって、アシストにとっては、お客様の要求をきちんと理解し、その要求に対応するための手段を考え、その要求を満たすための製品やサービスを提供することが、ますます重要になってきています。

これは問題ではなく好機です。当初、アシストが競合他社に差をつけることのできるものといえば最高の商品と販売力だけでした。今はこれに加えて、最高の質と徹底したサービス、かつ迅速なサポートを提供することで他社と差別化することができるのです。そしてこれは、日々継続したサービスを長期にわたり提供することにより、ソフトウェア業界において最も親切で、正直で、知識に富む優秀な人間であることを示す絶好の機会でもあるのです。私達がお客様にそれを明示できれば、お客様はもっとたくさんの商品を買って下さるでしょうし、他のお客様にもアシストの商品をすすめて下さるかもしれません。

時代の変遷とともに、アシストも変わっています。職種別で見ると、820名の社員のうち214名(2011年4月現在)が完全な「営業マン」です。それ以外の社員はスペシャリスト、つまり資料の作成や商品の導入、ユーザー教育、ユーザーサポート、コンサルティングを主な仕事とする人達や、会社全体にサービスを提供する経理、総務、人事などです。

このように、アシストの中で何かの分野でスペシャリストになることは営業マンになることと同様、重要で魅力的なことです。アシストでは社員一人ひとりがアシストで行う仕事のうち1つ以上の技術的、技能的な面で最も優秀な、知識のあるいわゆるエキスパートになって欲しいと思います。ここで重要なことは、どんな職種に従事していても最高のスペシャリストをめざし、努力することによって結果的に営業に貢献することができるということです。

08 効果とサービス


アシストのお客様が必要としているものは、ソフトウェア製品そのものではありません。お客様が必要としているのは、ソフトウェア製品によってもたらされる効果です。アシストが実際にお客様に提供しているのは、ソフトウェア製品に加えてお客様が望んでいらっしゃる効果を確実に手に入れることができるようにサービスを提供することです。

  • 商品を売り込む際には、その商品の技術的な機能を取り立てて話すよりも、その商品を使うことにより得られる効果を強調することの方がずっと重要です。
  • ユーザー・ガイドやリファレンス・マニュアルは、アシストの商品から最大限の効果を引き出す道具となります。したがって、これらを書く時には、その目的を見失わないようにしなければなりません。ユーザー・ガイドやマニュアルを作るにはただ単に商品の特徴や機能を文書化するだけでは不十分です。教育コースやセミナーについても同様のことがいえます。


アシストの社員全員がお客様が最大限の効果を得られるようにするために、最大限のサービスを提供することを常に心がけていれば、お客様はアシストと関係を持つことを喜び満足してくださいます。そしてさらに多くの商品を購入して下さるでしょうし、同僚や他社にもアシスト社あるいはアシストの商品を推薦して下さるでしょう。商売は正しく行えば簡単なものであり、必ず満足感を与えてくれます。

09 成長


売上を伸ばすことがアシストの目標ではありません。先に示したように、アシストの目標は以下の3つのみです。

  • コンピュータ・ソフトウェアを購入するお客様にとって最高の会社になること
  • コンピュータ・ソフトウェア分野で働く者にとって最高の会社になること
  • 協力会社にとって最高の会社となること

アシストは上記の目標を達成した分だけ、成長することができると信じています。その理由は3つあります。

  • お客様は最高の販売会社からソフトウェアを購入したいと考えています
  • 人々は最高の会社で働きたいと考えています
  • ソフトウェア製品の開発会社は最高の代理店を通して商品を販売したいと考えています


私達が目標を達成することができれば、最高の人がアシストに加わり、最高の商品の開発会社がアシストに商品の販売を依頼してくれるようになり、お客様がアシストの商品を欲しがるようになるでしょう。つまりアシストは成長していきます。言い換えれば、私達の目標は会社を成長させることではありませんが、商売のあらゆる面において最高になるという目標を目指すことが、自動的にアシストを発展させることになるのです。

10 成長するために


会社を大きくすることがアシストの目標ではないということを忘れてはなりません。あくまでもアシストの目標は最高を目指すことであり、それを実現したときにはじめてその見返りとして会社が大きくなるのです。成長自体は真の目標ではありません。会社を大きくすることそのものを目標にするという誘惑に負けてはいけません。
特に、以下の3つの点を忘れてはなりません。

11 全社員に期待すること


私はこの哲学と信念を書くにあたり、非常に多くの時間を費やしました。そしてこれを読む人すべてがその人なりに評価し、批判し、反論できるように非常に明確に自分の考えを記したつもりです。私がアシストの社員全員に望むこと、そして期待することは次の5つです。

私が皆さんに期待すると同じように、あるいはそれ以上に皆さんは私に期待して下さって結構です。私を含めてアシストの社員全員が一丸となることができれば、アシストはソフトウェア商品の業界で最高の企業となることを信じて疑いません。

(追補)人バッジ


社章を制定しバッジを作った理由は各人が少なくとも1日1回は「アシストは人を重要視した会社である」ということを思い出して欲しいからです。

  • 人はアシストの唯一の財産です。
  • 社員相互の協力と助け合いがなければ、誰も会社を成功させることはできません。
  • 商売は人と人との間に成立します。

我々は企業に商品を売っているのではなく、その企業で働く人に売っているのです。彼らは、おそらく次の段階を経て、我々の商品を購入するのだと思います。

重要な点は、購入者は先ずアシストの人に好感を持ち、会社を信用し、そして最後に商品を選ぶということです。言い換えれば、人を通して会社にも商品にも興味を持ったということです。

企業の担当者が我々の商品を選んで下されば、彼らが自分の会社に我々の商品を購入するよう説得してくれます。我々が企業に商品を売るのではなく、企業の担当者が売って下さるのです。なぜなら彼らが我々に好意を持ち、信頼しているからにほかなりません。彼らを裏切ることはできません!

同様に我々は開発会社と取り引きしているというよりは、むしろその企業を経営したり、そこで働いている人との人間的なつながりの上に取引が成り立っていると言えます。なぜでしょう? それは、彼らが我々を信頼しているからです。彼らを裏切ることはできません!

銀行の取引についても同様なことが言えます。アシストが銀行から資金を借りられるのは、アシストの担当者が良い人間関係を築いてきたからです。銀行が担当者を信頼しているから、必要な時に、融資するように銀行側を説得してくれるのです。そして我々は銀行員の信頼を裏切らないよう努力してきました。もう1つの例は、新聞や業界誌の記事です。これらの記事も、決して新聞や業界誌の会社が書いたわけではなく、記者(すなわち人)によって書かれたものです。彼らに与える我々の印象ひとつで違った内容の記事になることもあり得ることです。

我々が多額の費用をアシスト誌のために費やしている理由は、それが、商品を購入した、あるいは購入するであろう企業で働く人に役立ちたいからです。営業マンに、週15件のセールス・コールを課しているのも、ソリューション研究会を運営しているのも、たくさんのアシストサロンやセミナーを行っているのも、よりよい人間関係を築くためです。人は商品購入の際、顔見知りの人から、そして自分に好意を持ってくれる人から買いたいものです。たとえセールスにつながらなくても、客先を訪問したり、彼らと共に楽しいひとときを過すことにより、我々も彼らに好意を持ち、そして彼らを大切にしていることを示しているのです。

以上のことから、人に対する態度や人との上手な付き合い方が、商品のサービスや質と同様、大変重要なことがわかるでしょう。こちらから客先に出向くことができ、迅速に問題を解決することができるならば、相手側に書類の郵送を依頼するようなことはすべきではありません。

電話の応対も大変重要です。電話をかける時には、いつも自分の言っていることを相手の人はどのように受け取るかを考えながら話すべきです。

  • 人と良い関係をつくる。
  • 人に信頼される人間になる。
  • 人はどういう印象を持つかを常に考えて行動する。

各人が以上のことに努力すれば、アシストが、そしてあなた自身が成功することは間違いありません。あなたにとって大切なすべての人とうまくいくはずです。人というのが、私達の生活においてどれほど重要なものか、そして人との接し方こそがあらゆる面で我々の成功と幸福のカギであるということを、忘れてはなりません。毎朝、バッジをつけるたびに、そしてバッジを見るたびに、このことを思い出して欲しいと思います。

主な改訂内容


1.『Second Decade』(1983年6月22付)から、『哲学と信念』(初版)(1985年10月19日付)への改訂

  • 数値目標の削除
  • 時間の変化によって変わる部分を削除


2.『哲学と信念』(初版)(1985年10月19日付)から、『哲学と信念』(第二版)(1993年6月30日付)への改訂

  • ダウンサイジングの影響やパソコン・ソフトウェアの取り扱いを考慮し、事業ドメインを以下の通り、大企業中心から個人まで含む市場に拡大
    「アシストは必要とするいかなる人や組織にもコンピュータ・ソフトウェアを販売する」
  • プライオリティの変更
    Unix版などのオープン・システムの取り扱い開始にともない非独占販売を開始したため、目標の優先順位を「お客様、サプライヤー、社員」から「お客様、社員、サプライヤー」に変更


3.『哲学と信念』(第二版)(1993年6月30日付)から『哲学と信念』(第三版)(2002年6月14日付け)への改訂

  • 目標について、以下を補足。
    「またここでいう「最高」とは競合他社と比べてということではなく、自社としてできるだけ最高を目指すということです」
  • 「男性と女性」の項をすべて削除
  • パソコン・ソフト取り扱いに関連して、追補として掲載していた「コンピュータ1人1台時代の到来」などを削除
  • 特定の製品名に関する記述を削除

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