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~アメーバ経営で攻めの経営~
事業シナジーをもとに「変革と挑戦」を

1995年、京セラの経営情報システム事業部が分離独立して誕生した京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)。システムの設計/構築から、データ・センター、通信基地局の建設、経営コンサルティング、さらに太陽光発電システムの提供までをカバーする同社は、2012年3月期には連結売上高が1,000億円の大台を突破しました。同社社長の佐々木節夫氏をお訪ねし、KCCSの現在と未来、その経営哲学などについて大塚辰男がお話を伺いました。

京セラコミュニケーションシステム株式会社
代表取締役社長
佐々木 節夫 様

株式会社アシスト
取締役社長
大塚 辰男

大きな強みはワン・ストップ・サービス


大塚
京セラの経営情報システム事業部が分離独立して誕生した京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)の佐々木様を本日はお訪ねしています。KCCS設立当時からのメンバーのお1人と伺っています。ご経歴をお聞かせいただけますか。

佐々木様
1981年に京都セラミック(現、京セラ)に入社しましたが、その頃の京セラは売上1,000億円、社員数3,450人という規模でした。情報システム部門に配属になり、86年から92年までサンディエゴの京セラインターナショナルへ出向、93年に帰任して95年にKCCS設立に伴い出向しました。97年より経営情報システム事業本部副本部長としてSE部隊全体の統括に携わり、2000年に取締役に就任して転籍、昨年4月に社長を拝任しました。

大塚
KCCSは2012年3月期に連結売上高1,000億円を達成され、佐々木様が京セラに入社された頃と同じ売上規模になられたわけですが、貴社の事業領域、また特長と強みはどのようなところにあるのでしょうか。

佐々木様
KCCSグループにはICT事業、通信エンジニアリング事業、経営コンサルティング事業、環境・エネルギーエンジニアリング事業の事業領域があります。京セラの情報システム部門を基盤として立ち上げたのがICT事業で、通信エンジニアリング事業は95年に合併した京セラ電子機器が基になっています。ICTは「情報を守る、つなぐ、活かす。そして経営を伸ばす。」というコンセプトの下、ソリューションの開発や導入はもちろん、費用対効果や、ソリューションを活用いただくことでどれだけ効率化が図れるかなど、お客様の経営とシンクロする企業経営の視点でサービスを提供することを意識しています。また、ICTが企業の情報基盤なら、通信エンジニアリング事業は社会の通信基盤と言えます。スマートフォンやタブレット端末の普及で通信インフラへの要望は常に変化を続けており、無線基地局のエリア・シミュレーションやオプティマイゼーション、またICT事業とのシナジーによる付加価値サービスで多様化する社会の通信基盤の構築/運用を支援しています。

経営コンサルティング事業部は、京セラの「アメーバ経営」の導入と運用を支援しています。環境・エネルギーエンジニアリング事業は、メガソーラー発電など環境エネルギー分野へ広げていこうというものです。2012年度に立ち上げ、2013年度より本格展開予定です。

当社の事業を強みという視点から見ると、KCCSグループの事業を融合することで、経営やシステムからインフラ構築までの垂直統合型サービスを提供できることでしょうか。親会社である京セラからモノ作りの部分、KDDIからはワイヤレスやブロードバンドと、トップ・レイヤーからフィジカル・レイヤーまで総合的にお客様にご提案できることは大きな特長だと思います。

セキュリティとグローバル化


大塚
昨今は通信エンジニアリング業界もIPに、ICT業界はクラウドへと向かっており、情報通信技術はますます渾然となっていますので、今後さらに強みが発揮しやすくなりますね。セキュリティ事業も積極的に強化されていますが、その戦略についてお聞かせいただけますか。

佐々木様
当社のセキュリティ事業は、ウイルスなど外部脅威から情報を守るための脆弱性診断や改ざん検知などの対策ソフトやソリューションがメインでしたが、近年内部からの情報流出などを防止する製品/サービスへの需要が増えたため、内部統制、情報漏えい対策などのソフトウェアを開発/販売するエムオーテックス社を昨年11月に子会社化しました。これによって内外双方の脅威から企業の情報を守るトータル・セキュリティを実現することが可能になります。さらにエムオーテックスのソフトウェアを用いて海外市場での本格的な事業展開を図ることも目的の1つです。スマート・デバイスが消費者だけでなく企業にも普及すればセキュリティは必要不可欠となります。セキュリティ分野で存在感を出すために、日本だけでなく中国や東南アジア市場も視野に入れ、高付加価値のセキュリティ管理サービスを創出していくことを目指しています。

大塚
京セラと言えば、企業の経営再建などで「アメーバ経営」が話題になりましたが、貴社で提供されているアメーバ経営の管理ツールについてお聞かせいただけますか。

佐々木様
アメーバ経営は経営コンサルティング事業として提供しており、グループ会社であるKCCSマネジメントコンサルティング(以下、KCMC)が担当しています。KCMCでは、アメーバ経営を支えるERP「The Amoeba」を開発/提供しています。一方、KCCSでは今後グローバルに広がるグループ会社の連結経営管理が重要となることから、経営の見える化ツールとして連結経営管理ソリューション「GreenOffice Profit Management」(以下、GOPM)を提供しています。これはアメーバ経営のノウハウをベースにした事業経営に必要な部門や取引先などのセグメント別業績管理を可能にするソリューションです。一般的なERPやお客様の既存システムから日々の実績データを取り込み、管理会計ベースの関連会社の事業遂行状態をタイムリーに集計できます。KCCSではこれに導入コンサルテーションや運用支援も合わせて提供しています。

大塚
コンサルテーションにはアメーバ経営の理念といったことなども含まれるのですか。

佐々木様
アメーバ経営の理念に関するコンサルティングは、先ほどのKCMCが担当しています。しかしながら、企業理念や哲学、KPIなどは企業によって独自のものをお持ちのところも多いです。そこで、当社ではアメーバ経営を目指されるかどうかは別にして、仕組みとしてこの連結経営管理ソリューションGOPMを提供しています。BIツールとも連動しているので企業内にある数値を使って、それぞれの事業部門が設定したKPIに対してどのレベルまで把握するか、といったことも作り上げることができます。

物心両面の幸福を追求


大塚
佐々木様が経営者としてKCCSにおいて実践されているアメーバ経営についてお伺いします。現場の社員1人ひとりが自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現するためにとられている手法や仕組みについてお聞かせください。

佐々木様
京セラグループには、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という企業理念があります。これにそって各部門のリーダーが日々の業務を遂行しています。例えば部長であれば部員の、課長なら課の部下の幸せを具現化するのが役目なんだ、ということです。社長、部長、課長と責任の範囲は違っても同じことを追求し、それが全メンバーに行き渡れば本当の意味で全員参加の経営になります。リーダーが自分の組織のミッションを明らかにし、全員が共有する考え方を持って、経営数値を基に話をするのです。

先ほども月次会議があったのですが、社内の管理会計ツールとして「時間当たり採算表」を用います。これを使って先月はどうだった、今月はどうか、ということを議論しているのです。当社では予算ではなく、予定に対して実績はどうだったかということで「予実管理」と呼んでいます。全従業員の共通認識は、経費は予定以上使わない、売上は予定以上出す、つまり「売上最大/経費最小」です。こういった会議を統括本部でも事業本部でも、さらにより小さな部門でもすべてのアメーバが同じ指標を使って行います。社長も現場リーダーも、範囲や権限は違っても同じ考え方で、同じやり方で経営を行う、これがアメーバ経営です。

先ほど、強みは垂直統合型サービスを提供できることと申しましたが、もう1つの強みはわが社の社員です。「やり切る力」はどこよりもあると思っています。利益の源泉はどこにあるのかと言えばお客様以外にはありえません。先ほど申し上げましたように毎月採算が出るのですが、私はそれを“お客様からの通信簿”だと考えています。お客様に対してきちんと仕事をやりきらなければお金はいただけません。いかにお客様に付加価値を提供し、利益を上げるかを考えるということを、当社の社員は頭だけではなく身体でも理解できていると思っています。これがアメーバ経営、当社の強みです。

また常々予定は部門、つまりアメーバ・リーダーの意思表示だと言われます。世の中の景気がどうだからではなく、あなたがどこまでやりたいのかを集計したものが全社の予定となるわけです。例えば、年次計画を立てても景気などを理由に業績予想を半減する企業があるかもしれませんが、私たちはこのような状況であっても、何としてもやりきらなければならないと考え、予定達成に向かって行動します。

大塚
アシストも全社でぜひそうした取り組みを実現したいですね。全員参加という連帯感、一体感を醸成するのは何だと思われますか。

佐々木様
それは社風であり、社員のDNAに染み付いている、としか言いようがありません。仕事だけでなく、会社行事なども全員参加が原則です。当社は創立以来、毎年運動会を実施していますが、これが実に盛り上がります。関連会社対抗で行いますが業績の良い部門はやはり強いですね。リーダーの役割はメンバーの物心両面、と言いましたが、物だけでなく、心の幸福というのがポイントです。仕事にやりがいがあるか、楽しく仕事ができているか。そこまで考えるのがリーダーの役目なのです。

大塚
貴社の今後の事業展望をお聞かせください。

佐々木様
1,000億円という1つの目標にしていた売上に到達したので、次のステージに向かうということで昨年から「変革と挑戦」をキーワードに据えました。事業構造だけでなく心の変革も目指していきます。同じことをしていては今までと同じようにしか増えず、売上を倍にしようとするなら事業構造改革に倍、心の変革に倍、つまり4倍の努力をしなければ達成しないと考えています。ICT、通信エンジニアリング、経営コンサルティング、そして環境・エネルギーエンジニアリング事業のそれぞれの強みをシナジーという形で調和させながら、さらに事業を拡大していこうと考えています。また、グローバル展開として当社のお客様の海外展開をご支援すること、あるいはお客様の経営効率化のお役に立つことなどを通して、お客様にとってICTベンダーから真のビジネス・パートナーになることを目指していきたいと思っています。

大塚
貴社の「情報を守る、つなぐ、活かす。そして経営を伸ばす。」というコンセプトはアシストが目指しているサービスでもあります。ICT分野は様々なキーワードが登場し変化も激しい中で、社会やお客様のニーズに合わせてアシストもアメーバのように柔軟に形を変えつつも、強さを備えた組織であり続けたいと思います。本日はお忙しい中、誠に有難うございました。

佐々木 節夫 様(ささき せつお)様 プロフィール

京セラコミュニケーションシステム株式会社 代表取締役社長

1981年、早稲田大学理工学部卒業、京都セラミック株式会社(現、京セラ)入社。米国勤務などを経て95年、京セラコミュニケーションシステム設立時に出向し、新規システム開発事業部長に就任。専務取締役などを歴任し、2012年4月より現職。

取材日:2013年1月


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