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Oracle OpenWorld 2014視察記

Oracle OpenWorld 2014視察記


Cloud No.1企業を目指し、着実に歩みを進めるOracle Corporation。特に、SaaSでは、すでに競合他社を圧倒するサービスを展開しており、わずか2年間でマーケット・リーダーに上り詰めるなど、Cloudビジネスの基盤整備に集中して投資していることが容易に想像できた。SaaSだけでなく、SaaSを補完するための、PaaS、IaaSの環境も同様に整備されており、Oracle Cloudの提供体制は整った。Oracle OpenWorld 2014のキーノートに登壇した誰もが、「Cloud」と「Innovation」を繰り返し強調していたことが印象的であった・・・。本稿は世界145ヵ国から60,000人が参加したと言うOracle OpenWorld 2014に参加した筆者の所感である。

野邊 尚幸(ノベ ナオユキ)プロフィール

株式会社アシスト データベース技術本部

2007年11月、株式会社アシスト入社。中日本地区でデータベース環境の構築や運用トラブルの解決といったフィールド・サポート業務を経験し、現在はOracle Database Applianceを中心にデータベース製品のプリセールスを担当している。


9/28(月)~10/2(木)、Oracle社が主催する世界最大級のITイベント「Oracle OpenWorld 2014(以下、OOW2014)」に参加した。米国や世界各国におけるOracle Corporation(以下、Oracle社)のビジネス戦略の情報収集が目的だ。

街中の様子

Moscone Center


9/27(土)、東京を出発し、カリフォルニア州 サンフランシスコに到着。評判通り、メイン会場のMoscone Centerを中心に、街中がOracleロゴやイメージ・カラーの赤色に染まり、その様子がOOW2014のムードをより一層盛り上げた。Moscone Centerの入り口には、昨年のアメリカスカップで優勝したOracleチームUSAのヨットが屋根のように飾られていたのが一際人目を惹いていた。

開催初日:9/28(日)


いよいよ初日。OOW2014の開幕を飾るキーノートに参加。先日、Oracle社のCEOに就任したMark Hurd氏、Safra Catz氏が登壇し、OOW2014の見どころやOracle Cloud戦略について説明した。「革新の速さ」に同調すべく、新しい取り組みが次々に発表された。続いて世界各地区のOracle Excellence Awards 2014発表へ。Oracle Excellence Award JAPANでは、SPECIALIZED PARTNER OF THE YEARのSPECIALおよびSUPPORT部門でのアシストの受賞も発表された。

Oracle Excellence Award JAPAN

Oracle Excellence Award JAPAN


続く夕刻のオープニング・キーノートでは、Oracle社のCTO兼会長に就任したLarry Ellison氏が登壇。とても70歳とは思えない力強い口調で、Oracle Cloud戦略について語り出した。まずはSaaS、PaaS、IaaSの3つのレイヤーすべてでCloudサービスを展開すると発表。SaaSでは、CX、HCM、ERP分野のアプリケーションが競合他社よりも充実しており、すでにこの1年間で、2,000社以上の新規顧客を獲得したと言う。また、PaaSでは、データベースとJavaアプリケーションをワンボタンでCloudに移行できるとの説明があり、3日目のOOW Tuesday Afternoon Keynoteで自らデモを見せてくれるとのアナウンスがあった。さらに、バックアップ運用やパッチ適用が自動化され、Oracle Data Guard(以下、Data Guard)やReal Application Clusters(以下RAC)も供給されるなど、IaaSやオンプレミスでデータベースを構築するよりも簡単に安く環境を利用できるとのことであった。IaaSは、Amazon Web ServiceやMicrosoftと同じ料金設定になっており、従量課金となっている。最後にCloud基盤の革新として、Oracle Engineered Systemsのラインナップが紹介された。

開催2日目:9/29(月)


ビッグデータとクラウドのセッションでは、Oracle社のEVPであるAndy Mendelsohn氏が登壇。この1年間はかつてないほどの革新があり、多くのOracle製品をパブリック・クラウドに移すことができた。データベースをCloudで統合する場合、VMで統合してしまうと管理するサーバ数が変わらず運用負荷が同じになってしまう。スキーマ統合の場合は、アプリケーションへの影響が懸念されるため、マルチテナントを活用して欲しいとのこと。映像でマルチテナントのカスタマー・レビューの紹介があり、プロビジョニングが高速である点とパッチ適用が簡略化されることをアピールした。次に、Zero Data Loss Recovery Appliance(以下、Recovery Appliance)の概要説明があり、Oracle Database In-Memoryの紹介へと続く。何故、今In-Memoryなのか?との問いかけの後、処理速度が速くなるということは、その分多くの処理を実行できるため統合に繋がる、結果的にTCOが下がると解説した。また、競合他社の製品は、OLTP と分析のどちらに適しているかを選択して設計する必要があるが、Oracle Database In-Memory は、クエリと OLTP を両立するミックス・ワークロードを実現しているため、簡単に利用できる点も嬉しいとのこと。最後に、Oracle SQLは、様々なタイプの構造化、非構造化データに対応してきた経緯を説明した上で、Oracle Big Data SQLは、Oracle Databaseだけでなく、NoSQL、Hadoopにも同時にアクセスできることを強調。Hadoopは、原始的なセキュリティしか実装していないが、Oracle Big Data SQLにより、Oracle Databaseのセキュリティ・レベルが適用できると説明して締めくくった。

午後Oracle Database In-Memoryのセッションに参加したが、600名程度収容可能な大会場は早々に満席となり、Oracle Database In-Memoryへの関心の高さが伺えた。Oracle Cloudで提供されるOracle ApplicationsはすでにOracle Database In-Memoryに対応しており、大幅なパフォーマンス向上が実現したと発表された。

続くRecovery Applianceセッションでは、Recovery Applianceは、リアルタイムREDO転送による同期を採用しており、DataGuardで培った技術の応用となっている。これにより、DBサーバ側の負荷を最小限に止めバックアップを意識しない運用が実現される。今後、ますます重要となるビジネス・データの保護を、アプリケーションへの影響なしに実現できる点を強調した。なお、Recovery Applianceは、10gR2以降のすべてのプラットフォームのバックアップに対応しているとのこと。

開催3日目:9/30(火)


午前のキーノートに参加。Oracle社のEVPであるThomas Kurian氏が登壇。過去の2年間は、これまでとは比較にならないほどデータが増加している。この勢いは今後も加速し、2012年に90億であったインターネット・デバイスは、2020年には500億になり、データは50倍に成長するとのこと。また、世界人口の87%がモバイル加入者となり、モバイル・データは78%増大する。新しいソフトウェアの90%はパブリック・クラウドから提供され、2017年には$107Bの市場規模に成長する。この新しい流れに対応すべく、Oracle Big Data Analytics戦略が発表された。また、Oracle Cloud戦略に触れた。最後に、2年前はゼロであったOracle Cloudを、現在は1日6,200万人が利用しており、230億トランザクションが実行されているとの報告があった。全世界19のデータセンターにある400PBを超えるストレージでサービス提供が行われているとのこと。Oracle Applicationsを利用したいが、自社では管理したくないと考えているのであれば、Oracle Cloudサービスを利用して欲しいと締めくくった。

そしていよいよ午後のキーノート。昨年のアメリカスカップ優勝の劇的なシーンが映し出され、Ellison氏が登壇。

キーノート

Ellison氏


初日同様、再びOracle Cloud戦略について力強く語った後、Ellison氏自らが、データベースとJavaアプリケーションの移行デモを披露。「簡単さ」を強調した分かりやすいデモであった。Cloudへの移行では、バージョンアップの度に発生していた改修の課題を克服し、低コストで簡単な移行の実現を目指すと言う。最後に、SaaS プロバイダー上位20社のうち19社が Oracle DatabaseとJavaを前提にしていることが報告され、データベースがOracle Cloud戦略の中核を成すと語った。

続く、Japan Special SessionにTim Shetler氏が登壇。Engineered Systemの次の進化は、Software on Siliconへの対応となる。ソフトウェアの機能をプロセッサに組み込むことで、処理を高速化することができる。例えば、In-Memory Query AccelerationやHardware Decompressionなどに適用できるとのこと。次に、Oracle Exadata Database Machine(以下、Exadata)の概要紹介があり、データベース統合でExadata機能の有無によって、どれ程の違いが出るのかが報告された。Exadata機能を無効にした場合は、40データベースの統合が限界だが、Exadata機能を有効にすると、160データベースまで統合できる上、平均レスポンス時間も速いとの結果であった。また、ExadataはOracle Database In-Memoryに対応していることが 報告され、ExadataとOracle Database In-Memoryは最適な組み合わせであると締めくくった。

開催4日目:10/1(水)


4日目、Oracle社およびシリコンバレーの有名企業の視察に参加した。まずは、Apple社を訪問。敷地が広すぎて規模感が全く掴めなかった。またセキュリティが厳しく動ける範囲が限られていたのが少々残念だった。次に、Intel社を訪問。Intel Museumが併設されており、マイクロプロセッサーの歴史などが確認できた。続いて訪れたのは、Google社。こちらも、広大な敷地を有しており、Googleカラーの自転車で自由に社屋を行き来できるようになっている。自転車は1,300台程あるそうで、7人の専属整備士がメンテナンスしているとのこと。

Google社

Googleカラーの自転車


次に、シリコンバレー発祥の地として有名な、HPガレージを訪問した。普段はガレージの入り口が閉まっているそうだが、偶然にもVIPの視察があり、ガレージの入り口が開いていた(左下の写真)。

HPガレージ

Oracle社


最後に、Oracle社を訪問(右上の写真)。ドラム缶状の社屋の存在感と湖面に映し出される美しい景観は、これまでに訪問したどの企業をも圧倒する存在感を有していた。

Oracle社の社員食堂でランチをとった後、午後のJapan Networkingセッションに参加。日本オラクル社長の杉原氏が登壇し「OOW2014のキーワードはCloud、Big Data、Engineered System、Mobileの4つでありOracle社はCloudでNo.1になる」と力強く訴え、今日からOracle社の転換期だと締めくくった。続けて、日本オラクル株式会社の三澤氏が登壇。昨年4兆円の売上を達成し、IBM社に次ぐ規模にまで成長しているOracle社の企業力を強調。Oracle Cloudでも、SaaS、PaaS、IaaSそれぞれ最高のものを提供していくので、安心してCloudビジネスを利用して欲しいとのこと。インターネット・アーキテクチャから、Cloudアーキテクチャへの移行が始まる2015年。今後はパブリック・クラウドとオンプレミスの融合がカギとなるだろう。最後は、Engineered Systemの概要紹介で締めくくりとなった。

開催5日目:10/2(木)


Oracle Database In-Memoryとオプティマイザに関するセッション等に参加した。Oracle Database In-Memoryの概要紹介とOracle Database In-Memoryに関連するオプティマイザ統計についての説明があり、初期化パラメータ設定による影響や、ヒント句を利用する場合の注意事項など、Oracle Database In-Memoryを利用する際の勘所が伝えられた。続けて、ディメンジョン表とファクト表を結合して集計を取るクエリの実行計画が映し出され、ステップ毎の詳細説明があった。

最後に


今回のOOW2014はOracle Cloudを中心とした内容だったが、一昨年、昨年に発表されたOracle Cloud戦略がより具体化されていた。Oracle Mobile やExtend SaaS Applicationsなど、CloudでMobileコンテンツを柔軟に開発できる仕組みや、安全かつ容易にCloud利用できる見せ方に、Oracle Cloud戦略の抜け目のなさを感じた。またこれまで個々の機能として提供されていたMultitenantやOracle Database In-Memory、Oracle Engineered Systemなどが、すべてOracle Cloudを実現するためのパーツとなっており、その巧みなビジネス展開に脱帽した。2020年までにCloud No.1企業になるという目標を掲げる日本オラクルが、日本市場でどのようにサービス展開するのか注目していきたい。2015年は、Oracle社にとって大きな転換期になるとの発表があったが、日本市場でCloudへの移行が加速すれば、アシストのビジネスにも大きく影響する。2020年に向け、アシストにとってもビジネスの大きな転換期なのだと感じた。

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