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JP1ユーザ会10周年特別対談 日立製作所 x アシスト

JP1ユーザ会10周年特別対談 日立製作所 × アシスト


松田 芳樹様

株式会社 日立製作所 情報・通信システム社
ITプラットフォーム事業本部 開発統括本部 事業主管 松田 芳樹様

1985年日立製作所入社。2003~2008年はJP1の開発責任者として、JP1ビジネスを推進。昔はピッケルを持って山を登っていましたが、今はクラブを持って芝生の上を走るのが趣味。



株式会社アシスト 
システムソフトウェア事業部 技術統括部長 蝦名 裕史

1990年アシスト入社。ジョブ管理/監視/サービスデスクなどの運用管理ソフトウェアの技術責任者としてお客様の声をフィードバック。年に数回のゴルフに一喜一憂する平均よりちょい下(自称)のゴルファー。

蝦名 裕史

2014年は統合システム管理ソフトウェア「JP1」が誕生して20年、ユーザ会が発足して10年という節目の年。常に国内市場をリードしてきた先進的な技術開発の背景には、パートナーと一緒にお客様の課題解決に取り組む日立製作所の伝統的な設計思想があります。そして、No.1ディストリビューターとしてお客様をサポートしてきたアシスト。お客様の声に最大限応えながら、両社で切磋琢磨し、JP1が国内トップシェアを誇る製品に育ててきた軌跡を振り返りました。

JP1ユーザ会

先人の良いものを受け継ぎ、次の世代がさらに成長を加速


蝦名: 松田さんは、2003年に中央研究所からソフトウェア事業部に異動されてJP1の開発責任者になられましたが、当時一番苦労されたことは何でしたか。

松田(敬称略): 苦労ではないですが、意識改革は必要でした。研究所時代は、最先端のテクノロジーをどのように実現するかという研究に集中できました。でも、JP1の開発責任者の立場になると、それだけでは成り立ちません。

蝦名: どのような意識改革だったのでしょうか。

松田: 研究所では研究物のプロトタイプを作り、それを製品化するところまででしたが、製品開発では、例えば製品をリリースした後に製品に不具合が出れば、すぐにお客様を訪問して対処します。設計した製品のフィードバックをいただき、サポートも必要です。作るだけでなく、使う場面を想定して最後まで責任を持って対処しなければならないという取り組みはやはり大変でした。

蝦名: 私がJP1を担当する以前は、海外製のソフトウェアが優れていると一般には考えられていました。ところが、システム運用管理の分野に関しては、JP1を始めとして国産のソフトウェアが主流になっています。なぜ海外製品はこの分野でシェアを伸ばせなかったのでしょうか。

松田: 国内のシステム運用管理における主要なニーズは、ジョブスケジューリングです。多岐にわたるバッチジョブの自動化が重要と考えられているので、そこに強みを持っているベンダーが生き残っています。JP1はそこを核として、周辺系のモニタリングへと拡げました。逆に、海外製品はモニタリング分野が中心で、ジョブスケジューリングを重要視していません。JP1はジョブスケジューリング(以下、JP1/AJS)で圧倒的な優位性を持っていたのでシェアを伸ばすことができたと考えています。

蝦名: 2008年にストレージ部門に異動されて、またミドルソフト分野の事業主管として2013年にJP1を見る立場に復帰されましたが、当時と大きく変わったのはどんな点でしたか。

松田: 一番大きかったのはライバルが変わっていたことです。以前は、いわゆる製品ベンダーがライバルでしたが、今はAmazonなどのクラウド事業者が運用管理の領域でライバルになりつつあります。サーバを購入するお客様はこれまで通りJP1をお使いいただいていますが、最近では急激にクラウドへとシフトし始めています。JP1は運用管理分野のトップである以上、クラウドの分野でもJP1がトップになるようきちんとリーチしていきたいと思っています。

蝦名: JP1が誕生してから20年になりますが、常にトップの座でビジネスを継続してこられた理由は何だとお考えですか。

松田: いち早くこの「オープン系統合運用管理分野」に参入したため、最先端のお客様のフィードバックを得ることができたことですね。トップになるとさらに情報が集まりやすくなり、そこでまた先手を打つと上手くいくという好循環に入ります。先輩方に頑張っていただいたおかげです。
蝦名:先人の良いものを受け継いで、次の世代がさらに成長を加速させたということですね。

これまでもトップ、そしてこれからも・・・


蝦名: トップを走り続けるのは大変です。どこかで守りに入ってしまうとすぐに追いつかれてしまう。後発製品でも時間さえあれば機能追加はできる時代なので、トップランナーはさらにそのスピードの上を行かなければなりません。

松田: JP1の場合、ジョブスケジューラをコアな部分として、他社に追従されないよう徹底的にそこに注力してきたのが大きいと思います。Version9では、JP1/AJSを完全に作り直しました。当時は、もはや機能拡張だけでは不十分で、最初から作り直さないとその後の圧倒的な開発力、技術力が継承できない、という思いが開発チームにはありました。トップを守り、開発や技術力を継承するために、コアの部分に最大限の投資をしたのです。モニタリングのような分野はトップに牽引されて伸びていけると考えていました。常にトップにこだわり続けていたんです。

蝦名: 当時、JP1/AJS2はその分野でもトップ製品だと思っていましたが、それでもJP1/ASJ3として作り直された。基盤部分を作り直す決断は大変な覚悟がいると思います。相当な体制で挑まれたのではないですか。また、JP1/AJSを生み出した当時の方々はもういらっしゃらなかったのではないですか。

松田: 日立の技術力を高めるためには、製品を作り直すという経験が不可欠だと考えました。製品を作り直せば性能が良くなるという自信はありましたが、目の前にはお客様がいらっしゃいますので、互換性や操作性の継承は必須です。かなりの緊張を強いられました。製品の主要な部分を設計した担当者がまだいらっしゃいましたので、次の世代に引き継ぐためには、このタイミングを逃すと手遅れになる、と思いました。

蝦名: JP1ユーザ会も10周年を迎え、これまでやってきたことを、どのように次の世代に引き継いでいくか、というのが課題です。たとえば、10年かけてマネージャを育成するなど、うまく経験や仕事を引き継いできた会社が生き残っていると思います。松田さんは、どのようにお考えですか。

松田: 後継者育成のためには、後継者となりうる人の情熱と、その人が成長できるような経験をさせてあげることが大事ですね。特に、技術力というのは、一からもの作りを行う経験がなければ、継承することはできないと思います。新しいものを設計しようという時には、それまで継続してきたことでもリセットするくらいの勇気と決断が必要です。

蝦名: それまでやってきたことを一度リセットすると、スピードや品質が落ちてしまうと思うのですが、貴社ではどのようにそれをリカバリーしてこられたのでしょうか。仕事を受け継ぎながら、さらにパフォーマンスを出していくのは容易ではないですよね。

松田: それなりの覚悟を決めてやること、そして、ある程度の期間を確保して、綿密に計画することが必要だと思います。たとえば、JP1 V9というメジャーバージョンの設計は3年がかりで集中させてもらいました。その間は目立った機能拡張はできませんが、新しいものを作るためには、1年やそこらでは到底無理だという覚悟でした。

蝦名: 御社がJP1を販売開始してから20年経ちましたが、ここまで継続できたのはすごいことですね。

松田: ミドルソフト製品をオープン化(UNIX、Windows)し始めたのが1991年頃です。それから、DB、システム運用管理、グループウェアと次々と製品を立ち上げました。人の年齢にすると20歳を迎えますが、私が担当したのは小学生高学年の頃で、まだまだ伸び盛りの時期でした。開発体制も今では人員が2倍位に増員されています。製品を立ち上げたメンバーは相当な努力をしたはずですから、私たちももっと頑張らなければならないですね。

JP1の歴史


次世代に引き継ぐもの。スピード感を持ち、「YES」「NO」をはっきり言うこと


蝦名: JP1/AJSは海外シェアでもトップになり、貴社としてもグローバル展開に積極的に取り組んでいらっしゃいます。松田さんは海外赴任も経験されていますが、外から見た日本のITはどのように見えるのでしょうか。

松田: 作るスピード感、やり直すスピード感が海外(米国)はとても早いですね。日本ではすべてにおいてスピードが足りない気がします。ここは大きな課題です。JP1の海外戦略は、大きく2つの方向性があります。1つは、JP1のブランドを海外に展開して日本国内と同じようにお客様に使っていただく環境を提供すること、もう1つは、Hitachi Command Suite(ストレージ)に組み込んでシステム管理という枠組みで海外に進出することです。

蝦名: 話は変わりますが、これからの10年をどのようにお考えですか。

松田: 直近ではクラウドやソーシャルでもJP1が当たり前のように利用されることを目標とします。日立は、社会イノベーションというキーワードを掲げていますが、将来的には、ITインフラではないところにもJP1を持っていきたいですね。

蝦名: システムだけでなく、情報、社会インフラまで管理できるようなJP1ですね。ところで、アシストとのビジネスを振り返っていかがですか。アシストは「お客様にとって最高を提供する」という基本姿勢を持っています。日立さんに10年以上色々なことを言い続けてきたのも、必ず答えを出していただけたからだと考えています。日立さんの期待にもアシストは応えられているのでしょうか。

松田: もちろん期待に応えてくれるからこうやって長い付き合いをしてきたし、私が蝦名さんとよくお話をするのは、お客様の評価=JP1の評価をダイレクトに聞くことができるからです。これまでのように、お互いが切磋琢磨しながら、良い関係ができているという正のフィードバックを続けていきたいですね。今、重要なのは、次の世代にもこれを伝えられるか、という点です。こういう関係は、どちらかが一方的にお願いすればやってくれる、という勘違いになりがちですから。

蝦名: お客様の声をダイレクトに伝えることもありますし、フィルターをかけることもあります。どうすればお客様の声を製品開発に反映していただけるかを、あらゆる観点で吟味しながら拡張要求を行っています。先ほどのスピード感というお話にもつながりますが、「Yes」も「No」もはっきり言える関係を含めて、今後も継承していかなければと思っています。

JP1ユーザ会は今年で10周年を迎えましたが、参加されているマネージャ層の皆さんの今の課題は、やはり、次の10年にどうやって継承していくかということです。そのためにも、より一層、お客様-アシスト-日立製作所という三位一体を強化していきたいですね。

最後に、JP1ユーザ会へのメッセージをお願いします。

松田: 日立では、JP1というワンブランドでユーザ会を作ることは難しいので、アシストでユーザ会を運営していただけるのは、とてもありがたいです。10年間継続しているというのは、お客様のニーズにマッチしているということだと思います。継続は力なりですからね。

蝦名: 今、ユーザ会では若い世代によるワーキンググループの活動も始まっています。今後もお互いの強みを活かしながらトップを維持するためにも、ご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。

(対談日:2015年1月)

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