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鴨川だより~いま、なぜ武士道か~

株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン

先日、ある雑誌が「武士道」の特集をするということでインタビューを受けました。

私が日本に初めて来たのは昭和44年です。その頃は武士道、仏教、儒教、古神道といった価値観や道徳が特に話題になることはなかったような気がします。なぜなら、それは人々の生活の中であまり意識されることなく日本社会の根底に流れていたから。しかし私がそう思ったのは、まったく違う文化のアメリカで生まれ育ち、教育を受けてきたからかもしれません。

取材の様子


聖徳太子の時代から、日本には十七条憲法という成文法がありました。現在の憲法とは違い、役人のための心得であった十七条憲法が最も強調したのは『和』の大切さです。時代背景として中央集権国家を確立したいという思いがあったのかもしれません。それでも、和を尊び、私利私欲に走らず思いやりを持てという道徳は日本人の規範として6世紀から寺子屋教育の時代を経て、昭和20年まで生きていたのではないかと思います。

第二次大戦敗戦とともに、GHQによってこれらの道徳を教えることは禁じられました。戦後教育しか受けていない日本人が、綿々と日本人に流れていた価値観を忘れたのは、“教えられていないものは伝わらない”のですから当然の帰結だったのでしょう。

インタビューで武士道の話をしたので、その日家に帰って久し振りに『武士道』を取り出して読んでみました(武士道の原文は英語です。ちなみに本棚に3冊もありました)。武士道には、仏教、儒教、神道の教えをもとに、「武士」という身分の高い人のとるべき規範が書かれています。贅沢や自分勝手なふるまいは教えなくても誰でもできるものですが、節制や禁欲、温順さ、他者への情けや優しさというのは、教え、手本を示して伝える必要があると武士道では説かれています。まさにその通りだと思います。

武士道に書かれているのは、人が振舞うべき絶対的な道徳基準です。それは論理を超えたもので、正しいことは正しい、間違っていることは間違っている、という善悪の区別を持つことが大前提なのです。武士の教育の目的は人格を作ることであり、頭がいいとか知的だとか、弁論に長けているといった能力はそれよりも重要ではないということ。アメリカで教えることはこの逆であり、だからこそ武士道をはじめとする日本の道徳を知った時はすごく感動し、アシストを作ってからはこのやり方を取り入れました。

共に働く仲間と同じ価値観を持つために作ったのが企業理念『哲学と信念』です。お客様にとって最高の会社になること、従業員にとって最高の会社になること、そして協力会社にとって最高の会社となることを目指す。競合他社との比較でなく、アシストとしてできる最高を目指すのが私たちの究極の目的です。また日常のなかでそれを行動に移すためにボトムアップで「セブンハート」という7つの行動指針も作りました。武士道が Way of Samurai なら、セブンハートは Way of Ashisuto と言えるでしょう。

機会があれば新渡戸稲造の『武士道』をお読みいただければと思います。アメリカの価値観に洗脳される前の日本の精神がそこには記されています。いろいろな意味で、今の日本に必要なものなのではないでしょうか。

ビル・トッテン



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