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~広島から世界へ、Be a Driver!~
ITでモノづくりを支え、ブレークスルーを目指す

対談×トップ・インタビュー:マツダ株式会社 大澤 佳史様


独自のブランド戦略と技術力で、広島を拠点にグローバルで活躍するマツダ株式会社。2014年には、「アクセラ」がワールド・カー・オブ・ザ・イヤーとワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーの世界トップ3に選ばれ、2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤーには「デミオ」が選ばれるなど、世界的に高い評価を獲得されています。同社ITソリューション本部長 大澤 佳史様をお訪ねして、大塚辰男がお話を伺いました。

大澤 佳史様 プロフィール

大澤 佳史 様
マツダ株式会社 ITソリューション本部長

1985年マツダ株式会社に入社。一貫してIT部門を担当、システム企画統括部長などを経て、2012年より現職。広島県出身。




大塚(以下色文字):今日は好調な業績でV字復活を果たされた業務改革プランについてのお話などを伺いたいと思っています。まずは大澤様のプロフィールをお聞かせください。

大澤様(以下略):社業が、大変な時期から随分回復しました。これも、厳しい時にもブレることなく、1つずつ成すべきことを成し遂げてきたことが成果として現れてきているのではないかと思います。私は入社以来ずっとITに携わっています。フォードへの出向、新工場の立ち上げや数多くのシステム構築を行い、近年は中国のプロジェクトも担当しました。2012年より現在のITソリューション本部で全体のIT戦略の立案とそれに基づくIT化の推進を行っています。国内、海外にも多くIT部門があり、様々なシステム構築を行っています。モノづくりの基盤となるそれらのシステムを支えるのが仕事であり、ミッションです。

SKYACTIVによる革新


──貴社の“快走”を支える「構造改革プラン」を拝見しました。SKYACTIV(スカイアクティブ)によるビジネス革新は技術面の変革ではなくビジネスそのものの改革を牽引する、とありますね。

弊社が目指しているのは、マツダらしい魅力ある商品を提供し、お客様に「走る歓び」を感じていただくことでお客様の満足を最大化すること。燃費が良いだけではなく、乗って楽しい、運転してワクワクするようなクルマを提供することが厳しい競争の中で当社が生き残るポイントだと思っています。性能を上げると燃費が悪くなり、燃費を上げると性能が悪くなるというような相反することが多々ありますが、どちらをとるかではなく、性能を上げて燃費も上げることにチャレンジしてブレークスルーを実現したのがSKYACTIVです。

──快適な走りと環境性能を追求し、技術面に限らずあらゆるところでブレークスルーを行った結果がこの業績であり、カー・オブ・ザ・イヤーの受賞につながったのですね。

どうしたらお客様に喜んでいただけるかということを考える時、「ブレークスルー」を常に意識しました。設計や生産技術など、あらゆるところで相反するものがありますが、それをどう突破してより優れたものを作り出していくかを社員1人ひとりが考えた結果だと思います。CX-5、アテンザ、アクセラ、新型デミオといずれの商品も一貫性があり、社外の方からも最近はデザインが良くなったとの評価をいただいています。「Be a Driver.」というコミュニケーション・スローガンも、自分の行く道を自分の意志で選ぶ、そんな人に選んでいただき、実際に乗られて、良かった、楽しいな、と感じていただきたいという思いで使っています。

大澤 佳史様


新興国市場での拡大を目指す


──フォードや中国でのお仕事に携わられていますが、グローバルにビジネスを行う上でお国柄による違いはありますか。また今後はさらに現地の生産や販売体制を強化されていかれますか。

海外では「郷に入れば郷に従え」ですね。例えば中国ではITについてお酒を飲み交わしながらお互いに信頼感を醸成し、システムを作った思い出があります。互いに本音で話すことを何度も繰り返してシステムを作ったという感じです。海外は、欧米豪に加え、新興国での販売拡大がポイントとなります。2014年1月に操業を開始したメキシコ工場での生産拡大により海外生産比率を高め、また東南アジアなどの新興国市場での生産/販売の拡大も図っていきます。

──貴社のIT戦略についてお聞かせください。システムにおいてもキーワードはブレークスルーですか。

構造改革プランでは海外の多くの工場や販売拠点のシステムを短期間に立ち上げることがここ数年の最大の課題でした。システムを同時進行で作ると品質が下がり、コストは上がりますが、限られたリソースの中でいかにIT部門がユーザのため、最終的にはお客様のために良いものをお届けするか、それが最大のチャレンジでした。そのために社内で何度も議論を重ね、決めたのがコモン・プラットフォームの構築です。コモン・プラットフォームというのは、アーキテクチャなどシステムの基盤となる仕組みはできるだけ標準的なものを作り、同じものを展開していくという考え方です。ここで重要なのは、コモンにするのはプラットフォームだけだということです。これまでの我々のシステムの作り方は、個別最適というか、現場ごとにシステムを実際に使うユーザが知恵を出し合い、システムに織り込んでいくという方法をとってきました。つまり工場や販売拠点ごとで、良くも悪くもシステムを1つひとつ作るやり方です。一方で世の中には、すべてを1つにインテグレーションするという考え方もあります。今回採用したのはシングルでも個別でもなく、共通化を進める一方で、各拠点で独自に工夫や改善を加える余地を残し、標準的な部分とユニークな部分のバランスを上手くとっていこうという考えです。

──このようなやり方は他社でも採られている方法なのでしょうか。

シングルに統合している会社もあると思いますが、マツダでは現場の人間の知恵や工夫を尊重し、システムに採り入れることが大切だと考えました。コモン・プラットフォームにして良かったと思うのは、どこかの拠点でベスト・プラクティスがあればそれを他の拠点で融通できる点です。基盤がばらばらだと他所では使えませんが、同じシステム、言語、アーキテクチャの上で作り上げることで、良い知識や経験を持つ人に他の地域で活躍してもらうこともできる土壌ができました。

──日本のノウハウを、コモン・プラットフォーム上でグローバル展開されているのですか。

日本のやり方がすべてだとは思っていません。実際、日本より海外の方が販売台数は圧倒的に多く、販売店のお客様との関係作りのノウハウも進んでいます。全体の仕組みや考え方は本社で準備し、グローバルの仲間たちと一緒に議論していくのですが、中味については必ずしもすべて本社が主導するのではなく、ある拠点に良いものがあればそれを上手く使うという考え方です。逆に言うと、世界という市場で我々がやっていくためには、どこかに良いものや優れた人がいれば、それを皆で活用し、育てていかなければいけないということです。そのためにコモン・プラットフォームを作り、その上で仕事を進めていくという手法です。具体的には、ツールとしてオラクル社の製品を中核に採用しています。全部日本で手作りしたシステムを海外展開する場合には英語に翻訳する必要が出てきますので、すでにグローバル・スタンダードになっている製品を共通言語として海外に出す方が受け入れられやすく、むしろ海外の方が熱心に取り組んでくれています。

──IT基盤を提供し、グローバルに色々な国の方々を巻き込んで展開するという戦略ですね。

巻き込むというより、海外の方も自信を持ってやっていて、今は日本が引っ張られているくらいです。そして各拠点が知恵を出し合い、スピード感を持って仕事をするために欠かせないのがコミュニケーションを密にとることです。

大塚 辰男


広島に軸を置きつつ世界へ


──そして、今後は広島からグローバルなマツダへ変身されるわけですね。

当社は開発から生産まで7~8割は国内で、海外工場はその補完という位置付けできました。しかし為替変動への対応力強化や効率的な生産体制の構築などの観点から、海外で50%造るという計画を打ち立てています。ただそうなった時、モノ造りも物流ネットワークも広島をハブとしてスター型に動くのではなく、ネットワークでつながっていくようになると思います。それをいかに素早く準備するかが我々の大きなチャレンジです。速度の面でITがビジネスを阻害することはあってはなりません。

──それがIT部門としてのブレークスルーですね。

海外生産を増やしても年85万台の国内生産は維持するというプランです。日本の雇用を減らさず海外の生産比率を上げるのですから販売台数を増やすしかありません。近年の円高基調で、経営そのものまでが為替変動に左右されてはならないということを浮沈の歴史から学びました。今は円安になっていますが、今後もブレることなく海外生産とのバランスをとりながら、一喜一憂せず、お客様に愛していただけるクルマ造りを続ける体制を築いていく、そのためのITであり、ブレークスルーは欠かせません。

──アシストとは長いお付き合いをいただいております。改めて弊社へのご要望などをお聞かせください。

1990年頃、アシストカルクのユーザで、当時それを推進するリーダーでした。ところが先日トッテン会長から1970年代からすでに当社とメインフレームパッケージで取引をしていたと伺い、あらためて長いお付き合いをさせていただいていることを再認識した次第です。アシストの強みは、変化の先を読み取り、世界の良いモノを独特の感性で発掘してユーザの状況に合わせてお客様目線で提案していることだと思います。またメーカーに縛られることなくフリーな立場で提案できることも強みではないでしょうか。これまでも色々ご提案いただき、使わせていただいていますが、今後、自動車のIT化も進んできます。また、ITを駆使することでお客様とのつながりも変わってくると思います。IT部門に求められる役割も、より戦略的なことにフォーカスされてくる。そんな時、世界にこういうソリューションがある、こういう使い方がある、といったことを発掘してご提案いただければと思います。現在のIT部門は、ビジネス課題の解決に向けて対応するのが精一杯の状況ですが、いずれは変化や革新を自律的に作り出せるようになりたいと思っています。ぜひそのご支援をいただければと思います。

──ぜひ貴社のブレークスルーのお手伝いをさせてください。本日は誠に有難うございました。

(対談日:2014年12月)


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