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利用者サイドに寄り添い鈴与グループの革新を支えるITと人

対談×トップ・インタビュー:鈴与システムテクノロジー株式会社 佐藤 滋美 様


物流事業に始まり、食品、エネルギーや建設、航空事業、さらにはJリーグ清水エスパルスの球団運営など、多岐にわたる分野で国内外約140社の関連企業を有する鈴与グループ。その多様な事業の情報システムの開発、運用、保守を一手に担っているのが鈴与システムテクノロジー株式会社です。業務効率化やコスト削減につながるIT基盤の構築に加え、デジタルテクノロジーなど技術革新への対応が求められる中で、ITの「普及」と「活用」を宣言しています。

佐藤 滋美 様 プロフィール

鈴与システムテクノロジー株式会社 代表取締役社長

2013年6月から現職。NTTデータ時代、シリコンバレーでの2年間は次々とIPOする企業を目にして刺激的ではあったが情報収集・発信のみだったため不完全燃焼。「実現力」の重要性を体感。以降、その見識と経験を基に企業経営にあたっている。日課は朝晩の散歩。


常に挑戦し、過去に勝る発展を遂げてきた事実こそが誇りとなりうる


大塚(以下色文字):鈴与様は長い歴史と様々な業種業態を持つグループ各社を擁しています。その中でIT事業の中核を担っている貴社の役割についてお聞かせください。

佐藤様(以下略):鈴与は創業1801年、今年で218年となります。200年以上の継続の歴史があるということは注目されていますが、グループ代表は常々、「歴史は古いから価値があるのではない。常に努力し挑戦し過去に勝る発展を遂げてきた事実こそが誇りとなりうる」と言っています。ここで言う挑戦とは、具体的にはその時代に合った事業創出にチャレンジしてきたことです。例えば国内で初めてのツナ缶詰の製造や、マヨネーズのラミネートチューブ化に成功したこと。清水港では全国に先駆け共同利用型の港湾システム(清水港 VAN)を導入したこと。これは地元企業が共同で船積み、コンテナ搬出入をするものです。また県下初の理工科系大学「静岡理工科大学」の開学や日本初の地域と地域を結ぶリージョナルジェットネットワーク※1の確立など、鈴与の歴史は革新の連続と言っても過言ではないと思います。

当社は1990年に設立され、鈴与グループの事業に必要な業務システムの構築と運用を担っています。現在はITで事業を成長させる時代です。事業とITは密接不可分で、システムは作って終わりというわけにいきません。成長させながらシステムも事業に合わせて変えていく迅速性が求められる中で、当社は事業会社に寄り添って鈴与グループの革新を支えることをミッションとしています。

清水港

清水港
富士山を望み、三保半島に抱かれる清水港。鈴与グループは江戸時代、交通の要衝として繁栄したこの地で1801年に、前身である廻船問屋・播磨屋与平が創業しました。

袋井物流センター

袋井物流センター
鈴与グループは、国内でも有数の物流センター・ネットワークを持つ物流企業。全国に約140もの拠点を構えています。


リージョナルジェットネットワーク

※1 リージョナルジェットネットワーク

地方都市同士をつなぐ航空会社「フジドリームエアラインズ」は2009年7月、静岡空港を拠点に小松、熊本、鹿児島への定期航空路線を開設。現在は東北、北海道まで範囲を広げ、日本を空で結んでいます。


──おっしゃるようにITの浸透がビジネスの進化に深く関わるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の時代と言われていますね。貴社でのお取り組みや現状をお聞かせいただけますか。

一言で言うと、少し先を見ながら準備していくのが我々の役目です。例えばDXが話題ですが、鈴与グループとして2016年に発表した「中長期経営計画2020」において、まずは日常の業務やデータのデジタル化、そしてごく普通にITを利用する習慣を身に付けることを宣言しました。グループ全体でのITの底上げを最優先にしたのですが、ITが浸透し、情報化が進めばデータ活用の機会が増え、データ分析ができる人材が必要になってくるだろうと考え、その時に需要に応えることができるように「デジタル・デザイン・ラボ」という組織を作りました。この3年間はBI、RPAなどの専門技術者を育成したことで、ITが浸透した今、ユーザーサイドからの需要に応えてそうした人材を支援やサポートに回すことができるようになりました。また、「2025年の崖※2」というテーマが近年注目されていますが、鈴与グループの崖はどうかが社内でも話題に。その際は、2年前に作り始めた、グループ140社がそれぞれ保有するITシステムを見える化した資料「IT白書」が活きました。少し先の準備をしたことで、具体的に意味のあるシステム計画やセキュリティ対策が打てるようになってきた訳です。

※2 2025年の崖
既存システムの複雑化・ブラックボックス化により、将来の競争力強化のためのデジタル・トランスフォーメーション(DX)が実行できない場合、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性を指摘する経済産業省のレポート。


どんな場合でもオープンでフェアであること


──社長として会社を牽引していく上で、心がけている点はなんでしょうか。

オープンでフェアであることです。オープンというのは情報開示、談論風発、ノーサイドということで、物言える企業風土を特に重要視しています。というのは、システムの運用は常にリスクと隣り合わせであり、リスクの兆候が見え始めた段階でいかに早くアクションを起こすかがとにかく重要だからです。そのためには悪いことこそ隠蔽しない風土が必要です。耳障りな発言であっても、その発言をした社員の覚悟に敬意を表し、そして議論し尽くしたら結果を尊重し、後に引きずらないことが大切ですね。

鈴与グループでは「基本指針」という冊子が社員全員に配られています。これは企業理念である「共生(ともいき)」の考え方を理解し、組織内での自身の役割を全うしようとする意識・態度を醸成するためのものです。この第一項に「歴史の審判に耐えうる正々堂々の経営を行う」という言葉があります。不祥事や隠蔽事件の多い昨今ですが、どんな場合でも説明責任を果たせる経営をしていくために常に社内にも社会に対してもオープンでありたいですね。

モチベーション3.0の実現を目指し、社員の本気をサポート


──オープンな社風を大事にするというのはアシストも同じ想いです。アシストでは「超サポ愉快カンパニー」を企業ビジョンに掲げています。貴社が社員の元気やモチベーションアップのために取り組んでいることはありますか。

「モチベーション3.0※3」という言葉があります。インセンティブや報酬のように外部から与えられるものがモチベーション2.0であるのに対し、3.0ではあくまでも内面から湧き出る動機に重きを置いています。多くの組織は2.0の手法に偏りがちですが、ではどうすれば3.0を生み出す環境が作れるのか、それを模索しているところです。具体的には、夢の実現や挑戦を促し、キャリアの積み重ねを支援する職場づくりを進めることが基本になると思います。

※3 モチベーション3.0
『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』ダニエル・ピンク著。従来のモチベーションやインセンティブの手法、「アメとムチ」を基本にした外発的動機づけだけでは、効果を期待できないばかりか致命的な欠陥があると指摘しています。


モチベーション3.0とも関連しますが社員の成長のためには本気度が重要です。本気でやろうとすることは阻害せず、強力に支援をしたいと思っています。働き方改革では生産性という概念を持ち込みがちです。時間が短いことがすなわち生産性向上を意味するため、経済学的に言うと時間をかけることはマイナスのイメージがあります。しかし、モチベーション3.0の世界では時間をかけることは決してマイナスではなく、失敗でしか学べないことも多いのです。本気になるまでには時間がかかります。そこを見守ることができるか、許容できるかが重要になるでしょう。鈴与グループの企業理念は「共生」です。社会、顧客、社員が幸せになる事業でなければいけません。最終的には、20%のゆとりを作ることを目指しています。

──素晴らしい取り組みですね。アシストでも、社員が愉快に仕事を楽しめるからこそお客様に最高のサービスを提供できると考えています。本日はどうもありがとうございました。

(対談日:2019年7月)

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