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アシストJP1研修の立上げ責任者

[掲載媒体]INSIGHT NOW!
[日付]2010年10月4日


コンピュータ・ソフトウェアの販売/サポートを行うアシストで、入社2年目から主力製品の教育事業を立ち上げた藤井宏樹。駄目講師が、いかにして毎回顧客満足100%を得る花形講師に変貌したかについて聞いた。

アシストJP1研修の立上げ責任者

株式会社アシスト
教育部
藤井 宏樹

2002年3月東京農業大学、地域環境科学部卒業。
2002年4月、アシスト入社。入社早々に苦労の末、教育部の実質的立ち上げを担う。以来、運用管理ツール「JP1」の研修コースを企画/運営する。

※「JP1」の各コースは、ジョブ管理、ネットワーク管理、統合管理、資産管理、アベイラビリティ管理




アシスト入社8年目、教育部の藤井宏樹は、コンピュータのパッケージ・ソフトウェアを販売する同社の運用管理ソフトウェアJP1の研修責任者だ。これまでに彼が講師を務めた研修コースの受講者数は、述べ1,000人超。1年に約30回の研修を自ら企画、運営するが、自社のセミナールームを利用して研修を実施する「定期コース」だけでなく、講師が客先に出向いて研修を実施する「オンサイト・コース」においても変わらぬ高い評価を得ている。

入社2年目でJP1の研修事業の立ち上げ


現在、アシストの教育部では、新入社員が教育部に配属された後、講師としてデビューするまでの道筋が細かく定義され、体系化されている。製品知識の習得や、習得した知識のプレゼンテーションの練習はもちろんのこと、それ以外にも、立ち方や指示棒の持ち方から、お客様への目の配り方や声の出し方などまで、細かく指導が入る。また、教育部では、ある一定のレベル以上にならなければ決してデビューさせず、デビューまでの道筋を詳細な講師養成ステップに基づき指導が入る。デビューさせるかどうかを決めるのには、藤井自身のほろ苦い経験と、他の教育メンバーの協力のもとに8年をかけて定めた厳しい判定基準が適用されている。

だが、藤井が入社した当時は、研修を提供する教育部ができて間もない時期だったこともあり、教育部という名称を掲げながらも、自部門のメンバーを育てるための体系だった新人講師育成プランが全く整備されていなかった。

それどころか、藤井の入社後8ヵ月目には、担当の先輩社員が退社してしまい、新人の自分が、なんとJP1の研修コースの実質的な責任者にならざるを得なくなったのだ。先輩がいなくなった当初は、午後4時ぐらいになると何もやることがなくなり、自分で何をすればよいかわからなくなったという。

「このままではまずい、自分が駄目になってしまう」。

一時は途方に暮れたが、ここで投げ出せばどこへ行っても一つのことを成し遂げることはできないのではないかと一念発起した藤井。そこで自分自身を高めるために、色々な取り組みを開始する。

駄目講師からのスタート


JP1は1998年からアシストが販売/サポートする、今や売上の多くを稼ぎ出すアシストの主力製品である。多数の販売代理店がひしめく市場で、ソフトウェア自体はどこから買っても同じ、という商売を行う関係上、研修は、技術サポートとともに、他社との差別化を可能にする重要なアピール・ポイントであり、社内での位置づけは極めて重要だ。今でこそ受講者から100%の満足度を毎回得られるようになった藤井だが、「最初から、受講者から満足を得られたわけではありません。アンケート結果に書かれた受講者のコメントを見て、毎回、愕然としていました」と語る。どんなコメントが書かれてあったのだろうか。

「もうちょっと経験を積んで欲しい」

「説明するだけではなく、事例をたくさん盛り込んで欲しい」

「もっと、現場を経験した講師ならではの生の工夫や情報を取り入れられないのか」

当時駆け出しだった藤井の精一杯の努力は研修受講者の心に響くことはなかったのだ。

実務経験のない藤井にとって、現場の工夫や事例を講義に反映させることは、普通に考えればそもそも無理がある。投げ出すことも無理もない選択肢だったはずだ。しかし、 「JP1の研修コースは、自分が作ってやる」と腹を括ったのだ。

藤井はまず、受講者のコメントに対して、講師として何ができるかと3つの観点で検討し考えた。

  一、いかんともしがたい実務経験の欠落をどのように補うか
  二、受講者が何を求めて研修に参加しているのかを把握できないか
  三、新米社員でも対等に接してもらうにはどうすれば良いか

であった。新人に等しい藤井にとって、受講者である生徒は、大手企業のシステム部門で働く大先輩ばかり。それだけでハンディキャップを負っていたようなものだ。

実績がないなら、借りてでも


まず、1つ目の実務経験の欠落について、具体的には、その後どのような行動を取ったのだろうか。藤井自らの弱点を克服するために、アシスト内に存在する、JP1の技術関係者と、積極的に組織横断的な連携を取ったのだ。アシストには、製品技術に関して3タイプの技術者が存在する。運用設計や実装/導入支援をしたり、稼働後の技術支援を提供するフィールド・サポートの技術者と、JP1の利用者から技術的な問い合わせをWebや電話、電子メールなどで受け付けて回答するサポートセンターの技術者、そして藤井のような、JP1の研修講師である。

藤井は、研修以外の技術者、すなわち、フィールド・サポートとサポートセンターの技術者とできるだけ一緒に行動を取るようにした。自分から上長や他部門の関係者に働きかけ、フィールド・サポート担当者のミーティングに参加させてもらったり、フィールド・サポート担当者が客先で実装支援を行うと言えば、一緒に同行して手伝ったり、またサポートセンターのメンバーとJP1に関する問い合わせ状況について情報共有したり、積極的に取り組んだ。その結果、それまで研修の枠の中でしか物事を捉えられていなかったのが、JP1の技術について、導入前から導入後の継続利用まで、お客様目線、つまり横串で捉えられるようになったのだ。また図らずも、他部署のフィールド・サポートからも逆に、客先での製品説明の依頼が届くようになり、社内のステータス・アップにも繋がる結果となった。

さらには、JP1製品について、営業担当者の訪問ログや、サポートセンターがお客様対応で利用しているAshisuto Web Support Center(AWSC)の、お客様からの問い合わせログやアシストからの回答を、暇さえあれば熟読し、実際のお客様先で、JP1がどのように利用されているか、JP1を利用する上でどういった点で困っているかについての情報収集を徹底していった。JP1の製品知識はもちろん重要だが、現場でどう活用されているかの生の情報が、研修の現場でも大いに役に立った。こうして、当初は無理だと考えた実績や経験を自らのものとして消化していったのだ。

期待値を探る


そして、2つ目の期待値管理。藤井は、同じ受講者に同一コースを教えるチャンスは二度と巡ってこないため、受講者に満足してもらうために研修を始める前にアンケートをとることにしたのである。研修当日、研修を始める前に、参加目的や、受講者の会社での立場、当日のプログラム内容の中で何に一番興味を持っているのか、最も知りたいのは何かなど、最初に細かく確認してから研修を始めることにした。

そして、あらかじめ受講者の受講目的を確認しておき、研修中に必ず、受講者一人ひとりの名前と役職、そしてその研修目的を記憶した上で、コミュニケーションをとるようにした。お昼休みや休憩時間などに受講者と積極的に会話をし、各人の理解度を確認しながら進めるようにしたのである。加えて、事前アンケートに記載された個別の質問などについても、休憩時間を利用して、一人ひとり丁寧に対応するようにしたという。

教養を身につける・・・2日に1冊の読書


3つ目、対等に接してもらう。いくら頑張っても所詮は新米と10年以上の企業戦士という差は顔や立ち居振る舞い、言葉の節々に現れてしまう。見た目や立ち居振る舞いは気をつければある程度何とかなるかもしれないが、言葉にいたってはどうしようもない。そこで、藤井は地道ではあるが、これには教養を身につけるしかないと考えた。しかしながら教養は一朝一夕で身につくものではない。そこで藤井は時間がかかることを覚悟しつつ、習慣を変えてみることにした。

藤井の1日のスケジュールは、朝8時過ぎには出社し、研修の準備やメールのチェックを行うところからスタートする。研修を担当する日は、10時から17時過ぎまで講師を務め、研修が終わると自席に戻ってメールのチェックや、受講者にアフター・サポート・サービスとして提供している、3ヵ月間無償の質問対応、IT知識の習得、また研修の予定が入っていない時は、アシストのオリジナル研修テキストの作成等で、家に着くのは午前1時前になる。それから夕食をとり、風呂に入るともう2時近く。

それでも、本を1~2時間読むことを日課にしたのだ。

講師になりたてのころは、話し方、説明力、論理力など、講師として必要な技能を身につけるための書籍を数十冊は読んだという。今では、会社の仕事だけでは足りないため、ありとあらゆる本を、2日に1冊のペースで読んでいる。当時から8年経った現在30歳を超えたばかりといえど、引き続き、受講者である生徒は、大手企業のシステム部門で働く大先輩ばかり。人生の大先輩という謙虚さを常に意識し、読書は教養を身につけるための必須アイテムとして欠かしたことはない。

自己満足100%を目指す、自分が満足できるかという意識


藤井は言う。「顧客企業がアシストの研修を受けさせる目的は、一義的にはJP1を使いこなすことではあるものの、本来JP1を使ってやりたいことがその先にあります。つまり研修受講生一人ひとりの目線を越えた会社目線というか、ちょっと俯瞰した目的で研修を行わなければ、お客様の要求を満たすことはできません」

IT系の製品であれば、その使い方など、きちんとしたマニュアルさえ読めば習得できることが前提になっている。ではなぜ、わざわざ研修を受けに来てくれるのか?それは、お客様が求めていることを、お客様が自分で勉強して習得するよりも、「短時間で効率的に」、わかりやすく理解できるからだ、ということを肝に銘じている。操作手順は慣れれば覚えるが、その先にある、会社にとって本当にやりたいことを見据える必要がある。それによって初めて見えてくる、操作や仕組みの先にあるトータルでのシステム運用の大切さはマニュアルを読んでもわからない。そこを伝えるのだ。

藤井の目標は、お客様の満足ではなく、自分がどれだけ満足できるかにある。すなわち、受講者全員を100%満足させるだけでなく、受講者を越えた目線を持つことができているか、ひいては自分が満足できるか、常にそれを意識して研修を進めている。研修の場では、お客様が真に求めていることに全身全霊を傾け対応することを信条にしているため、1日の研修が終わると、毎回、ぐったりして何もできないくらいにエネルギーを使う、と藤井はもらした。今や受講者1,000人のベテラン講師で、同じ内容の研修を担当することも多いであろうに、である。

こうして日々たゆまぬ努力を続ける藤井にとって、受講者からもらったコメントの中で一番嬉しかったものは何かと聞くと、「これまで受講したあらゆる研修の中で、最もわかりやすく、楽しかったと言っていただけたことです」と笑顔で語った。

最後に、尊敬する人は誰かという質問に、藤井は両親と答えた。藤井の両親は2人とも今も現役の教師であり、子供の頃から、親が生徒たちにトコトンつきあっているのを見て育ったという。「先生にだけはなりたくなかった」と照れながら語る藤井は、同じ教育という分野で身近なお手本となる両親を見ていると、自分のお客様対応などまだまだだ、と言う。

藤井自身の満足度100%への道程はまだ先が長いようだが、アシストの主力製品の研修事業を軌道に乗せるという実績を手にした彼のスタイルに、学ぶべき点はたくさんあるのではないか。

(文責: 株式会社アシスト 広報部 根井 和美)


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