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Postgres Vision 2017参加レポート

Postgres Vision 2017参加レポート

イベント開催地ボストン

2017年6月26日~28日、昨年に続き2回目となるEnterpriseDB社主催の国際イベント「Postgres Vision 2017」(http://postgresvision.com/ )が開催されました。EnterpriseDB社(EDB社)が本社を置く米国マサチューセッツ州ボストンが会場となった、本イベントの様子をレポートします。

デジタルトランスフォーメーションを成功させるポイントは「アジリティ」


ニューイングランドの首都と言われイギリスの街並みに似たボストンは、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)など世界的に有名な大学のある学術都市としての側面も持っており、知的かつ落ち着いた雰囲気のある街です。今回は大学が多く集まるケンブリッジ地区のホテルが会場で、300名近い参加がありました。

初日の基調講演ではEDB社CEOであるEd Boyajian氏が登壇し、昨年と同じく「デジタルトランスフォーメーション」をキーワードに、それをけん引する上位25%の企業は残りの75%の企業と比べて、最大800%の収益・利益を達成しているというグローバルに活動するコンサルティング系企業の調査報告を交え、今後のビジネス変革において成功するポイントは「アジリティ」にあると強調していました。これに対応できるデータベースとして、さまざまなデータ型やEDB Arkなど豊富な機能を備えたEDB Postgresが最適であると述べました。

EDB Arkは、さまざまなクラウド環境にEDB Postgresの高可用性構成をDBaaS(DB as a Service)として展開し、GUIコンソールで一元管理できる製品です。昨年10月のPostgres Vision 2016で製品リリースがアナウンスされて以降、新しいサービスの効率かつ迅速な開発、提供をサポートする製品として、Amazon AWSやOpen Stack上での利用を検討する企業が増えています。

EnterpriseDB社CEO Ed Boyajian氏

EnterpriseDB社CEO Ed Boyajian氏

アジア地域の金融系システムにおけるEDB Postgresの採用


昨年のマスターカード社の活用事例に続き、金融系システムにおける採用事例としてDBS銀行(旧シンガポール開発銀行)のEDB Postgresへの移行事例が紹介されました。同行では、オンプレミス環境のAIX上で稼働するOracle Databaseをプライベートクラウド 環境のLinux上のEDB Postgresへ移行することを決め、シンガポールとアジア諸国の各基幹システムを順次リプレースする3年にもわたる大規模プロジェクトを進めています。その他、企業におけるアジャイル開発の運用モデルを題材にしたパネルディスカッションに、世界最大の旅行比較系サイト「Trip Advisor」のエンジニアチームトップの登壇もありました。

また、今回、「Postgres Rocks」(https://community.postgresrocks.net/ )と呼ばれるユーザーフォーラムの開設が大々的にアナウンスされました。Postgres Rocksを通じてPostgresユーザー間での情報収集や情報交換に加え、開発者に向けてEDB PostgresやPostgreSQLの技術的な相談も自由に書き込むことができ、Robert Haas氏をはじめEDB社に在籍するPostgreSQL開発コミュニティの主要メンバーと直接やりとりできるチャンスもあります。このようなユーザーと開発者をつなぐ機会の創出は、EDB社がPostgres開発の主要コントリビュータとしてだけでなく、ユーザーがエンタープライズシステムで必要とする機能をユーザーの声を反映する形で取り込んでいくという、エコシステムにおけるリーディング企業としての活動の一環と言えます。

次期バージョン 10の注目機能


EDB Postgresは毎年メジャーバージョンがリリースされており、技術セッションでも基調講演での流れを汲み、PostgreSQLのコミュニティのコミッターであり、EDB製品開発者でもあるRobert Hass氏からは、PostgreSQL 10の新機能の中でもパフォーマンス改善の観点でパラレルクエリの改善/拡張、リモート環境で集計を行うFDWプッシュダウンや拡張統計などが紹介されました。

セッションの様子

セッションの様子

また、2ndQuadrant社CTOの Simon Riggs氏のセッションでは、PostgreSQLの開発ロードマップが紹介され、今後、PostgreSQLでもプロシージャやSQL文レベルのロールバック、自律型トランザクションのサポートなど、商用RDBMSと近しいトランザクション処理の実装が予定されています。加えて、昨今話題のビットコインの中核技術と言われる「ブロックチェーン」に対応するための「Historical Query」と呼ばれる技術の実装も検討されています。これは、すべての変更履歴を保持し、さらに過去のデータ改ざんを防ぐために行データへタイムスタンプを格納する仕組みです。この新しい仕組みによって、未来の社会基盤となる可能性を秘めたテクノロジーでのPostgresの活用に期待したいと思います。

アメリカならではのレセプションイベント
「ボストンレッドソックス vs ミネソタツインズ」


イベント前日にはレセプションイベントとして、メジャーリーグ球場の中で最も古い歴史を持つフェンウェイパークで、地元ボストンレッドソックス vs ミネソタツインズの試合観戦というアメリカならではの粋な計らいがありました。

メジャーリーグ観戦の様子

メジャーリーグ観戦の様子

観客スタンド最上階でBBQ&ビールを楽しみながらのメジャーリーグ観戦は野球好きにはたまらないひと時で、観戦中、EDB社 CMO Keith Alsheimer氏から「アメリカでは、両チームのサポーターは観客スタンドで入り混じって応援するのが一般的」と聞き、各チームのサポーターが固まって応援する日本文化との違いに驚く場面もあったりと、ビジネスの枠を超えてEDB社主要メンバーとパートナー、セッションスピーカーが親睦を深める貴重な機会となりました。

EDB本社で実施した有意義なディスカッション


イベント終了後の翌日、ボストン郊外にあるEDB本社を訪問しました。EDB社コーポレートカラーのオレンジを基調とした明るいオフィスで、ミーティングスペースには、レッドソックスをはじめボストンを拠点とするスポーツチームの名前がついており、地元愛を感じました。

EDB本社オフィス

EDB本社オフィス

EDB本社オフィス

EDB本社では、暗号化や全文検索など日本のユーザが実装を強く望む機能のエンハンスメントリクエストをはじめ、より質の高いサポートをお客様に提供するための体制整備など、有意義なディスカッションの場を持つことができました。メーカーの主要メンバーとの距離が近く、要望を伝えやすい関係性を強みとして活かし、今後も日本のお客様にEDB Postgresをより安心して選択・導入いただける環境づくりを継続したいと思います。

執筆者紹介

高瀬 洋子

高瀬 洋子(Yoko Takase)

株式会社アシスト データベース技術本部

アシスト入社後、Oracle Databaseのサポート業務を経て、2009年よりPostgreSQL、EDB Postgresのサービス立ち上げに参画。2017年4月にイギリスから日本へ拠点を戻し、海外イベントで得た情報などを活かしてEDB Postgresの啓蒙活動を担当。

高瀬の紹介記事はこちら

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