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NO.33 新日本製薬

「かかりつけ通販」という独創的な販売戦略を掲げ、美と健康をサポートするオリジナル商品の開発から通信販売、そしてアフターサポートまでを一貫して行う新日本製薬グループ。同社の高品質な製品開発力と、商品だけでなく、健康面のアドバイスの他、食事や運動の提案まで行う「One to One ヘルスケア」というコミュニケーション・メッセージは、顧客から高い支持を集め、設立後わずか十数年でグループ売上高100億円を突破し、急成長企業として注目を集めている。新日本製薬グループの成長の軌跡と、急成長が故に直面した課題について、お話を伺った。

Guest Speaker
新日本製薬株式会社
業務推進部 課長 日髙 政則 氏

業務推進部 情報システム課 主任
梅本 武志 氏


1. 世界の人々の健やかな未来を創造する新しい日本の製薬会社


はじめに、新日本製薬の事業概要について教えてください。

新日本製薬は、単独で事業活動を行っているわけではなくグループとして活動していますので、新日本製薬グループ全体としての事業をご紹介し、その中で、新日本製薬の役割などもお話しできればと思います。

新日本製薬グループは、「世界の人々の健やかな未来を創造する新しい日本の製薬会社として、お客さまの満足を第一に、健康で充実した毎日の実現に貢献する」という基本理念のもと、福岡市から日本全国に機能性食品や医薬品、化粧品などを通信販売でお届けしています。

安心で安全な製品をお届けしたいという想いから、製造開発から販売、物流、そしてアフターサポートまでをグループで一貫して手掛けており、新日本製薬、新日本ビューティー、新日本医薬、新日本ロジスティクス、新日本リビングという各グループ会社が、それぞれ専門性を持って活動しています。

新日本製薬は、医薬品、健康食品、化粧品など、オリジナル商品の開発と販売、そしてアフターサポートを担っています。
新日本ビューティーでは、管理栄養士など専門知識を持ったビューティー・カウンセラーによるトータルケアのもと、美容とダイエットに特化した商品を通信販売で提供しています。

そして、新日本製薬と新日本ビューティーで取り扱う商品の製造と品質管理、新商品の企画開発を担っているのが新日本医薬です。

新日本ロジスティクスは、その名の通りグループの物流事業を担う会社です。現在、一日に出荷する商品数は1万個以上にも及びます。

これらのグループ会社は、すべて福岡県福岡市に拠点を置いていますが、新日本製薬グループとして唯一、福岡県外の山口県岩国市本郷町に「岩国本郷研究所」を開設しています。

岩国本郷研究所は、どのような研究を行っているのでしょうか。

岩国本郷研究所では、国内の自給率が低い薬用植物の試験栽培や成分分析などの研究を行っています。医薬品や化粧品の原料として使用されることの多い甘草(かんぞう)※1やムラサキなど、国内栽培が難しいとされてきた20種類もの薬用植物の栽培に成功しています。

お客様は、安心で安全な国産原料から製造される商品を望まれていますので、今後はこの研究成果をベースに、国産の原料をできるだけ多く確保し、原料の調達も含めた一貫体制で商品をお届けできるようにしたいと考えています。

※1 甘草(かんぞう)
地中海地方、小アジア、ロシア南部、中央アジア、中国北部、北アメリカ等に自生するマメ科の多年草。18種類が知られている。根(一部の種類は根茎を含む)を乾燥させたものを生薬として用いる。生薬の甘草はそのまま、またはエキスや粉末を甘味料として用いる。甘味成分としては、グリチルリチン、ブドウ糖、ショ糖等が含まれる。独特の薬臭い香気がある。欧米ではリコリス菓子やルートビア等のソフトドリンクやリキュールの原料として盛んに利用されている。グリチルリチンの甘味は砂糖の50倍もあり、低カロリーなため、欧米では甘草は健康的な食品添加物として認識されている。ただし、大量摂取した場合は副作用を生じるため、注意は必要。日本では甘草の栽培は300年以上前から行われており、江戸時代には山梨県甲州市(旧塩山市)の甘草屋敷や江戸小石川御薬園で栽培されていた。現在は輸入品の方が安価なため、ほぼ100%を海外からの輸入に頼っている。しかし、グリチルリチンの含有量が一定でなく乱獲による絶滅が懸念されることから、近年になり再び国産栽培が試みられることとなった。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋

2. 5年で顧客数も売上高も倍増


現在は、主に機能性食品、化粧品、医薬品を手掛けていらっしゃるとのことですが、もともとはどの事業からスタートされたのですか。また、福岡や九州地方には機能性食品を製造、販売されている企業が多いようですが、何か理由があるのでしょうか。

福岡や九州地方に機能性食品を製造、販売している企業が多いということですが、はっきりした理由はわかりません。確かに同業者は多いのですが、皆さん通信販売を主とされ、商圏が地元に限定されていないということもあり、競争というよりも協力したり、情報交換をすることもよくあります。抱えている悩みは皆だいたい同じですので、自然に横のつながりができていったようです。「九州発で何かやっていこう」という想いが共通していることもあると思います。

当社の場合は、創業者がもともと福岡に在住していたということで、わざわざ福岡を選んでこちらに来たわけではありません。しかも、創業時は、家庭用品の総合販売会社として家庭用調理器具等の訪問販売が主力事業だったと聞いていますので、機能性食品とは無縁だったと思います。

家庭用調理器具ですか。それが、なぜ現在のような業態になったのでしょうか。

設立から2年後に、健康食品の通信販売を開始したのがきっかけとなったようです。その時に出会ったのが「極選上海康茶」という美容茶です。現在も当社の主力商品の1つで、これまで約350万箱を販売しています。

その後、化粧品や医薬品の取り扱いも開始し、より安心で安全な商品をお届けしたいという思いから、自社で製造した品質の高い商品を、自らの手で確実にお届けできるよう、現在の事業体制を確立しました。

2009年には、グループ会社すべてのコーポレート・カラーおよびロゴ・タイプを一新しました。社名に力強い太い書体を使用することで、お客様との関係を表現すると同時に、新日本製薬ではお客様に対する熱い思いを込めて、ロゴ・カラーには赤を採用しています。

ここ数年、事業が急速に拡大していると伺いましたが、現在の従業員数と売上高を教えてください。

平成20年度の時点で、従業員はグループ全体で450名程に、売上高は約160億円になります。おかげさまで、ここ5年程で顧客数も売上高も倍以上になりました。先程ご紹介した「極選上海康茶」以外にも、ダイエット食品の「カルニチンクィーン」をはじめ、オールインワンの美容液ジェル「ラフィネ パーフェクトワン」や洗顔石けん「ラフィネ クリアソープ」といった当社製品の品質の良さが認められた結果、顧客数が伸びたと感謝しています。

今、ご紹介いただいた商品は、どのような商品で、どういった点が優れているのでしょうか。

「極選上海康茶」と「カルニチンクィーン」は、ダイエットを補助する食品としてご好評をいただいています。「極選上海康茶」は、お茶としてお飲みいただいてもとてもおいしいのですが、特に便通でお悩みの方などからご好評いただいています。一方、「カルニチンクィーン」は脂肪をエネルギーに換えやすくする成分を含んでおり、運動によるダイエット効果を高めたいという方から支持されています。

「ラフィネ パーフェクトワン」は、年齢とともに失われがちなコラーゲンを肌に届ける美容液ジェルで、角質層まで浸透して、肌にハリと潤いを与えます。しかも、たった1つで化粧水、美容液、クリーム、化粧下地の役割を果たすことができます。当社のトップセラー商品の1つです。実は私も入浴後と朝の洗顔後に愛用しています。

「ラフィネ クリアソープ」は、数多くの美容成分が配合されており、肌に優しい洗顔石けんとして好評を得ています。

当社製品の購入者の約7割がリピーターになっていただいているということからも、やはり、まずは愚直に安心で安全な製品を作り続けていくことが、大切なことだと私たちは考えています。

3. 購入していただいた商品の価値を高めるコールセンター


ダイエット補助食品や化粧品は様々な種類のものが市場に出回っており、通信販売で商品を提供する中、品質が良いというだけで商品をヒットさせることは容易ではないと思います。貴社の商品がヒットしている理由についてどう分析されていますか。

当社でもCMや広告、Webサイトなどを展開していますが、それ以外にも当社独自のデータベース・マーケティングにより様々な分析を行っています。

多くのお客様に新規購入していただくだけではなく、その後も商品を継続的にご愛用いただくためにも、商品をご購入いただいたお客様へのアフターサポートを効果的に実施することが何よりも大切だと考えています。

そのため、当社では「One to One ヘルスケア」というコミュニケーション・メッセージを掲げ、一人ひとりのお客様に最高の満足と信頼をお届けするという考え方を徹底しています。すなわち、お客様一人ひとりに対して、専門的な視点から最適な商品を提案することで、美と健康のお手伝いをさせていただきたいと考えています。

「One to One」という言葉そのものは、マーケティング分野では10年以上も前からありますが、貴社の特長はどのような点でしょうか。

先程、当社では購入者の7割がリピーターであるとご説明しました。これは、数年前から「かかりつけ通販」という当社独自のスタイルを確立した結果だと考えています。お客様の要望に合った健康食品や医薬品をお届けするだけでなく、お客様の健康を扱う企業として、お客様の健康管理まで担えるシステムの構築を目指しています。個人でできる自己管理には限りがあるものです。お客様一人ひとりと直接お話ができ、個々の健康状態まで把握できるという通信販売会社としてのこれまで培ってきたノウハウを活かして「One to One ヘルスケア」を実践しています。お客様の体質、健康状態などを管理し、予防の観点からケアしていくという考えです。商品を購入後のアフターケアはもちろん、過去のカウンセリング・データをもとに商品を紹介するトータル的なサポートで、お客様のセルフケア能力をより高めていきます。

近所のかかりつけのお医者さんのイメージで、お客様ご自身に楽しい人生を送っていただくお手伝いをさせていただく。その要となるのが、自社内に設けたコールセンターです。

最近は、コールセンターの業務をまるごとアウトソーシングしてしまう企業も多い中、貴社では、なぜ自社内の運用にこだわるのでしょうか。

24時間体制で注文などを受け付けるために、夜間と昼間の一部のみ、外部にアウトソーシングしている部分もあります。しかし、通信販売で事業を営む当社にとって、コールセンターは先程お話ししました「One to One ヘルスケア」を実践する場であり、お客様とのご縁を結ぶ重要な手段でもあります。そのような重要な経営資産を外部に任せてしまうという発想は、当社にはありません。

当社では、コールセンターのお客様担当を「コミュニケータ」と呼んでいます。当初は、より一般的な「オペレータ」という呼称を使っていましたが、「オペレータ」には、各種機材やツールの「操作」(=オペレーション)を行うというイメージがあり、当社のお客様担当の役割にはそぐわないと考え「コミュニケータ」と呼ぶようになりました。コミュニケータは、色々なツールの操作を行うのはもちろんですが、それが目的ではなく、「かかりつけ通販」のコンセプトの通り、本来の役割は、お客様とのコミュニケーションを図り、かかりつけの町医者のごとく親身にお客様の相談に応えることにあります。コールセンターのコミュニケータは、単に注文を受け付けるだけでなく、お客様に当社の商品を最大限に活用していただくための提案をしたり、お客様からの相談に応えるために高度で幅広い知識を持たなければなりません。そのことだけを考えても外部にアウトソーシングするのは難しいと思います。

貴社ならではのコールセンターやコミュニケータに関する取り組みについて教えてください。

コミュニケータのレベルを上げるための教育にはかなり力を入れています。また、ISOを取得して品質の維持と改善に努めています。具体的には、社内にコミュニケータの研修を専門に担当するスタッフが5名程いて、新人のコミュニケータに対し、約6週間の研修を実施しています。その内容は商品知識や各種ツールの操作方法の習得、トーク・マニュアルの学習、問い合わせ対応のシミュレーション訓練など多岐にわたっています。

また独自にお客様ごとの問診票を用意し、過去の商品購入履歴はもちろん、お問い合わせやご相談の内容、コミュニケータとの会話履歴などは、すべてデータベースで管理しています。1人のお客様に対して、1人のコミュニケータが対応することを基本としていますが、どのコミュニケータが対応しても、「かかりつけ通販」として対応できるようにしています。

一方、当社のコールセンターは、お客様からかかってくる電話を受けるだけでなく、当社から定期的にお客様に電話をして、何か不明なところはないか、不都合なことはないかといったことを伺うようにしています。というのも、機能性食品や化粧品は、飲み方や使い方を間違えるとお客様の求めているような効果を十分に得ることができない場合もあるからです。そのような場合は、せっかくお金を出して購入していただいた商品の価値が下がってしまうことになります。当社の製品からお客様が最大限の価値を得ることができるよう食事や運動に関するアドバイスをしたり、お客様が困っていらっしゃるのであれば、解決に向けたご提案をするために、このような活動を続けています。長い場合には数十分間もお客様と会話をする時もある程です。

また、コミュニケータの教育は継続的に行っています。お客様からのお問い合わせやご相談内容は様々です。一人ひとりのお客様に最適な応対を行うために、コミュニケータの会話の定期的なモニタリングやトーク・マニュアルの改善等を常に実施し、お客様との応対品質の向上に継続的に取り組んでいます。

4. 「円」を稼ぐのではなく、ご「縁」を稼ぐ


通信販売は、対面販売とは異なり、色々な意味で面倒なプロセスを排除し、効率性を追求するやり方もあるように思いますが。

「新日本製薬グループは、『円』を稼ぐのではなく、ご『縁』を稼ぐという意識が重要」だと、代表取締役社長の後藤がよく言います。

これは、創業してから縁あって家庭用調理器具や美容茶と出会い、また、お客様とのご縁が新日本製薬という会社を大きく発展させる要因となっていると感じているからこその言葉だと思います。効率よりも一人ひとりのお客様とのつながりや結びつきが重要だと私たちは考えています。

また実際、コールセンターなどを通じて寄せられるお客様の声が、新しい商品の開発にもつながり、問題解決のヒントとなるということを何度も経験してきています。日本全国で当社の製品をご愛用いただいているお客様と効率的にコミュニケーションできる手段がコールセンターであり、コミュニケータの存在だと考えています。コミュニケータはお客様とコミュニケーションをとりながらサポートをしていくパートナーです。「またあの人と話したい」と思っていただけるよう、お客様との信頼関係を築きながら気軽に相談できる存在を目指しています。

一方、お客様とのつながりだけでなく、私たちが事業を営んでいる福岡とのご縁も大切です。そこで、社会に貢献できる企業になることが当社の存在意義と捉え、社会貢献活動にも力を注いでいます。

社長は、「地域あっての企業、お客様あっての企業。100年続く会社にしよう、居てもらわなくては困る会社になろう」と、繰り返し言っています。

具体的には、どのような活動をされているのでしょうか。

世界の発展途上国の子どもたちの学力と文化向上を目指した海外への支援をはじめ、地元福岡の宝満山(ほうまんざん)への植林、地元プロ野球チーム「ソフトバンクホークス」の公式戦へ福祉施設の子供たちを招待するメセナシートや「シティマラソン福岡」のスポンサー活動等を行っています。「シティマラソン福岡」には、ちょうど社長が参加しようと思っていた時に協賛のお話がありまして、それ以来、毎年約200名くらいの社員が参加しています。さらには、飲酒運転撲滅運動をテーマとした映画制作の支援や会社周辺の清掃活動など、社会や地域の一員としてもっとできることはないのか、そして、これから何が必要なのか、社員一人ひとりができることを考え行動しています。

5. 月末になると、ダウンするサーバ


コールセンターの運用は、いつ頃から開始されたのでしょうか。

2003年12月に、最初のコールセンター・システムの運用を開始しました。座席数は、当時60席程だったと思います。それまでは、普通の固定電話と手書きのメモを使って、応対を行っていました。コールセンターの開設に合わせて、Oracle 9i Standard Edition (SE)を導入し、お客様の情報を管理するためのデータベースを構築しました。

続いて、3年後の2006年11月には、業務の拡大に伴い、座席数を一気に倍の120席程に拡張しました。データベースもOracle 10g SEにバージョンアップすると同時に、Real Application Clusters(通称SE-RAC)構成とし、クラスタ化を図りました。

データベースにOracleを選択した理由を教えてください。

Windowsサーバをベースにシステムを開発していましたので、2003年の導入時には、Microsoft SQL ServerとOracle 9i SEを比較検討しました。社内にOracleでシステムを構築した経験がある人間がいたことと、稼働実績が豊富であったことを考慮し、最終的にOracleを選択しました。

最近、さらにコールセンターを拡張されたと伺いましたが。

その通りです。2008年11月には、さらに80席程を追加し、200席まで拡張しました。データベースもOracle 10g Enterprise Edition(EE)へとアップグレードし、サーバもリプレースしています。

一般的に見ると、かなり短い期間でデータベースの再構築を繰り返しているようですが。

コールセンターのシステムは、お客様との直接の接点であるコミュニケータが利用します。業務中の停止が許されない重要なシステムです。しかし、私たちが予想していた以上のペースで事業が拡大し、ピーク時にはお客様をお待たせしてしまうような状況が続いてしまいました。コールセンターの品質は、なんといっても「お待たせしないこと」「つながらないという状態を作らないこと」です。そのため、コールセンターの拡張は急務でした。しかも、月末と月初になるとサーバが落ちてしまうという現象が発生するようになり、問題が発生するたびに、「この問題は一体いつ解決するんだ」と言われました。しかし、急にシステムを拡張するわけにもいかず八方塞がりの状態が3ヵ月くらい続きました。
なぜサーバは落ちたのでしょうか。

月末、月初はお客様の購買意欲が強いので、それに合わせてDM発送といったプロモーション活動を強化します。当然、それに対応できるようコミュニケータの数を増やします。当たり前のことですが、その分、アクセスが集中します。それで、サーバが落ちてしまう。状況そのものはすごく単純でした。しかし、メモリが悪いのか、CPUが悪いのか、OSが悪いのか、発生要因を特定する手段がありませんでした。

当時、複数のベンダーに相談し、システムをアップグレードする必要性は認識していました。しかし、単純に器を大きくしただけでは一時的な対応にしかすぎません。どのくらいの規模のシステムに拡張すれば適正なのか、どのようなデータベースのチューニングを行えばパフォーマンスを最大化できるのかといった根拠を伴った解決策を見出せず、対策の方向性を模索する状況が続きました。

なぜなら、2006年11月にシステムを入れ替えてから2年も経たないうちにまた再構築を考えなければならない状況になってしまったので、次のシステム拡張は絶対に失敗できないというプレッシャーがあったからです。きちんと原因を見つけ、解決策を講じなければ、また同じことを繰り返すことになってしまいます。経営陣を説得してシステムの拡張を承認してもらうためにも、まずは自分たちが納得できるような拡張計画を立てる必要がありました。

6. データベースの問題点を可視化しトラブルを回避


そのような状況の中、どのように解決の糸口をつかんだのでしょうか。

当時、システムの拡張と合わせて、データセンターへサーバを移設することも考えていました。その時に、サーバの運用管理をお願いしているベンダーに相談したところ、Oracleデータベース専門の運用監視ツール「Performance Insight(PI)」を紹介されました。その導入を担当したのがアシストでした。2008年4月のことです。

まずは、サーバの稼働状況を分析するために、PIをテスト導入する。次にデータベース診断を実施し、サーバがダウンしないようにデータベースをチューニングする。その上で、データベースを拡張する必要があると判断した時には、データベース・サーバの再構築を検討する、という段階的な提案を受けました。

そのような提案を受けて、どうされたのでしょうか。

実際にPIでデータベースの稼働状況を確認した時は衝撃でした。これまで手探りで、必要な時にはSQL文を書いて調べていたようなことが、一目瞭然でわかり、その場でSQL とSGA(Oracleが使用するメモリ領域)がボトルネックとなっているということがわかったからです。しかも、PIは発覚した問題点を解決するためのヒントも表示するので、大変便利なツールだと思いました。

PIの導入にあたっては、2週間の試用期間が設定されていたことも導入を容易にしました。本当に原因究明につながるかどうかわからない状況で、導入費用を申請するのはなかなか難しいものです。試用期間にサーバの稼働状況を把握でき、その可視化情報を持って、正式な導入申請を行うことができました。また、詳細な調査を行った結果、32bitの制限からサーバは慢性的にメモリ不足に陥っていることが判明し、これを解決するためには64bitへの移行が必要だということが明確になりました。一方、まずはサーバが落ちないようにすることが最優先事項でしたので、新しいシステムへ移行するまでの間、アシストに協力してもらいながら、サーバが落ちないようにチューニングを行い、さらに、ピーク時の運用には、コミュニケータが離席する時にアプリケーションを終了させたり、午前と午後にアプリケーションを再起動してメモリを解放したり、帳票出力する場合は事前にシステム部がシステム負荷を確認した上で出力承認を出す、といった対応策を実施しました。とにかく、サーバが落ちることを回避するために、できることは何でもやりました。

サーバをリプレースするにあたり、なぜOracle 10g EEとRAC構成を選択されたのでしょうか。

SE-RACの32bitでは、メモリの制限があり、また拡張できるノード数にも制限があるので、拡張性を考慮してEE-RACの64bitを選択しました。データベースを再構築するにあたり、「拡張性」以外にも「安定性」「耐障害性」「確かな運用体制」「コスト」「実績」という、5つのポイントがありました。

この中でも、「安定性」と「耐障害性」は、コールセンターの業務を停止させることなく、またコミュニケータに制限をかけないようにするために、最も注力すべきポイントだと考えていました。そのため、当初Oracle 10g EEをFault Tolerant(FT)サーバに導入することも検討したのですが、拡張性と導入実績が劣ることから、最終的にRAC構成とすることにしました。また、移行によるアプリケーションの改修なども避け、そのまま移行できるよう、データベースのバージョンも現行のSEに合わせて10g R2としました。

また、安定稼働を確保するため、引き続きPIによる監視を行いながら、Oracleデータベースの稼働状況を常時監視し、障害の兆候が見られたり、実際に障害が発生した時にアシスト・サポートセンターとデータベース管理者へ電子メールで警告を通知する監視サービス「iDoctor」を導入しました。この体制で、データセンターへ移設後もシステム運用担当者と連携しながら保守体制を強化する計画です。(2009年7月、データセンターへの移設は無事完了)
移行期間はどのくらいだったのでしょうか。

アシストのDODAIを適用することで、約9週間で新しいシステムを構築することができました。DODAIは、確定したシステム構成について、アシストの方で事前に検証や設計を完了したもので、パラメータ設定等だけでシステム構築ができるというフレームワークです。これまで説明してきた通り、できるだけ早い時期に短期間でシステムを移行しなければならなかったので、とても助かりました。

移行切り替えテストを何度も実施した結果、移行当日も大きな問題もなく切り替えを完了し、移行後はサーバがダウンすることはなくなりました。サーバのリプレース前から通算して連続300日以上安定稼働しています(取材日の2009年6月末現在)。

最終システム構成

7. 理想的な「One to One ヘルスケア」を実現するシステムへ


今後のシステムの拡張予定など教えてください。

まずは安定稼働を継続することが一番重要だと考えています。PIから得られる分析データを参考にしながら、システムのチューニングを随時行っていきたいと思います。

また、情報を蓄積する環境は整いましたので、今後は、データを活用する仕組みを模索しながら、お客様の状態をコミュニケータがこれまで以上に理解し、実感できる仕組みなど、より理想的な「One to One ヘルスケア」を実現するシステムへと発展させていきたいと思っています。

アシストの印象についてお聞かせいただけますでしょうか。

アシストは不思議な会社だと思っています。良い意味で営業する気が前面に見えてこないのです。製品やサービスの前に、まず人という部分が見えてきたのが大きな印象でした。まずは親身になって相談を受けるという姿勢が、当社の「One to One ヘルスケア」や「かかりつけ」とも共通する思想に基づいているからでしょうか、当社にとって安心感を与えるものでした。また、アシストの提案はメリットだけでなく、デメリットも隠さずに説明してくれますので、信頼できると感じました。実は2005年頃、東京のアシストでOracleのセミナーを受けたことがあります。これは2006年のSE-RAC導入に備えてのことでした。この時からアシストがOracleに強いということは知っていましたが、なぜか2008年までご縁がありませんでした。考えてみると、Oracleに精通した技術者が福岡の拠点にいるというのはすごく助かります。他のベンダーだとレベルの高い技術者は、どうしても東京や大阪にしかいないので、遠い存在になってしまいます。なぜ、もっと早くご縁がなかったのかと悔やまれます。

アシストはこれだけの技術力と製品ラインナップを持っているのに、最初に人の顔が見える、独特のイメージがある会社だと思います。アイデアは技術だけでは生まれてきませんが、アイデアを実現するためには技術的バックボーンが必須です。人を強く感じるアシストだからこその提案や、サポートにはとても安心感があります。

最後に、アシストへの要望などがあればお聞かせください。

まず、今回のデータベースの再構築をサポートしていただき、本当に感謝しています。しかし、安定稼働は目的ではなく、ある意味当たり前。情報システム部門としても、依頼対応型から提案型の体制へシフトしていきたいと考えています。蓄積した情報を活用し、お客様にご満足いただける仕組みなどを情報システム部門から提案していきたいと考えています。また、コミュニケータに、お客様の状態をもっとわかりやすく実感してもらうための見える化も進めていきたいですね。そのためには、BIツールの活用等が考えられます。アシストはその分野でも多くのノウハウを持っていると聞いていますので、期待しています。「One to One ヘルスケア」を一層理想形に近づけるためにも、これまで以上にご協力いただきたいと思っています。

また、セキュリティやOpenOffice.org(以下、OOo)の活用についても、ご協力をお願いしたいと考えています。自社のセキュリティ・レベルを高めていくためにも、資格取得は1つの目安になりますので、ISMSの認定取得も検討しています。アシストは、この分野でも多くの実績があると聞いています。OOoに関しては、今のところサポート面では自己解決できていますが、活用ノウハウ等の提供については、ぜひご協力をお願いしたいと思っています。




取材日時:2009年6月
新日本製薬のWebサイト

現在、新日本製薬様でご利用いただいている製品、サービス
  ・リレーショナルDB/Oracle
  ・パフォーマンス監視ツール/Performance Insight
  ・DB診断サービス
  ・データベース監視サービス/iDoctor
  ・RAC 導入・構築支援サービス/DODAIフレームワーク
  ・各種プロダクト・サポート


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