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NO.22 大阪ガス

近畿2府4県、688万戸に都市ガスを供給する大阪ガス。一般消費者が普通は知らない大阪ガスのビジネスの特徴や社風、情報通信部の役割などについて、情報通信部の皆さんにお話を伺った。

Guest Speaker
大阪ガス株式会社
理事 情報通信部 部長
松坂 英孝 氏

情報通信部
インフラ技術チーム マネジャー
松本 光司 氏

情報通信部
エネルギー情報技術チーム マネジャー
出馬 弘昭 氏

情報通信部
情報サービスチーム マネジャー
中井 秀司 氏


1. 大阪ガスの概要


大阪ガスの概要についてご紹介ください。

大阪ガス株式会社(以下 大阪ガス)は、近畿2府4県(大阪、京都、兵庫、滋賀、和歌山、奈良)の688万戸に都市ガスを供給し、日本の都市ガス事業としては東京ガスさんに次ぐ規模です。

大阪ガスは、明治38年(1905年)に創業し2005年に100周年を迎えました。大阪ガスグループではエネルギー事業をコアに据え、その外側にも事業を広げています。

例えば、日本のガス事業というと普通は原料の輸入から販売までを指しますが、当社はその上流の天然ガスの採掘からLNGタンカーで輸送するところまで行います。

また、都市ガス以外にもLPG(液化石油ガス)の供給・販売、最近ではマルチエネルギー・ビジネスということで発電所を造って発電・電力供給も行っています。

エネルギー以外の事業としては、アーバネックス(不動産事業)、オージス総研(情報システム子会社)が大きく育ってきています。

皆様の身近なところでは、携帯電話のレンズの材料を提供しています。

都市ガスの原料は今は100%天然ガス(LNG)に転換しましたが、元々は石炭をコークス(石炭を蒸し焼きにしたもの)に処理した時に出るガスを利用していました。そのコークスを生産した時の副産物のフルオレン※1は液晶ディスプレイ、携帯用カメラレンズ、半導体の関連材料として利用されています。これは大阪ガスケミカルで手がけています。

※1 フルオレン
コールタールに含まれる成分の一つ。紫外線を照射すると紫色の蛍光(fluorescent)を示すことが名前の由来。液晶ディスプレイの高画質化に必要な耐熱性、コンピュータの高速化に必要な低誘電率性、光学機器にとって重要な高屈折率性などの特徴を持つ。

2. 大阪ガスの特徴

その1 設立当初は外資系だった。


大阪ガスの特徴について順番にお聞きします。設立当時は外資系だったとのことですが。

アメリカの「ガス王」といわれるブレディ財団から50数パーセントの出資を受けガス事業がスタートし、大正14年にブレディ財団が株式を売却するまでは外資系企業だったのです。

その2 「ガスビル」は登録有形文化財である。


本社ビルが登録有形文化財であるということですが。

大阪ガス本社が入るガスビルは2003年3月に竣工70周年を迎え、同年登録有形文化財に登録されました。
昭和8年(1933年)に竣工した当時は大阪で最も近代的で美しいビルと評され、「都市建築の美の極致」とも言われました。

その3 本格欧風レストラン「ガスビル食堂」


「ガスビル食堂」というのは。

ガスビルを竣工した時に8階に本格欧風レストラン「ガスビル食堂」が開店しました。

当時は都市ガスが便利な熱源として家庭に受け入れられ始めた頃で、最新のガス器具を揃えた業務用厨房のショールームという側面と、一般の方に本格的欧風料理を食べていただこうという二つの目的がありました。

ガスビル食堂は、昭和3年に北浜で開業した「アラスカ」に次ぐ、大阪で2番目に古いフレンチレストランでした。

当初は公益事業に悪影響を及ぼすとして、ガス事業以外を経営してはいけないという規則があり、別事業を始める度に今の経済産業省にあたる当時の省庁に兼業許可のお伺いを立てていました。大阪ガスにとってはガスビル食堂が最初の兼業申請でした。

その4 アロハサンタセール。


最後に、少々変わったマーケティングとは、どのようなことをなさったのでしょうか。

「アロハサンタセール」と銘打って、夏場に湯沸かし器を売るというキャンペーンを実施しました。東京オリンピックが開催された昭和39年頃のことです。当時、湯沸かし器は一般家庭にとってはまだ贅沢な商品だった時代です。

湯沸かし器というのは冬場が実需期ですが、冬になってから購入したのでは、取り付け工事が間に合わないことがよくありました。そこで、工事が空いている夏場に湯沸かし器を売ろうということで「アロハサンタセール」というのを行ったのです。

朝トラックいっぱいに湯沸かし器を積んで、団地を売って回ると夕方には全部売り切れました。このセールのポイントは、「取り付けは夏ですが、お代は冬でいいですよ」という売り方です。それが受けたようです。ここには大阪ガスが大切にしているスピリットの一つ、「常識は破るためにある」というのが生きています。湯沸かし器は冬のものという常識を少し外して発想してみようというわけです。

3. 「足・汗・頭」と「進取の気性」


アロハサンタセールのような発想の源はどこにあるのでしょうか。

源と言えるか分かりませんが、営業現場では常に「足・汗・頭(あし・あせ・あたま)」と言っています。

この意味は、「現場に足で赴いて、汗を流して実態を調べ、徹底的に考え抜くことに徹せよ」ということです。アロハサンタセールもこういう頭の使い方から出てきた発想です。

ガスコージェネレーションシステムの普及にも早くから力を入れていると伺いましたが。

これは、レストランなどの業務用のお客様や工場を運営しているお客様に自家発電機を持っていただき、ガスを使って発電して電気を利用すると共に、発電時の排熱を利用して給湯するという高効率な分散型エネルギーシステムです。発電所というのは、たいてい人が住んでいないところにあるので、その周辺だけでは利用しきれない排熱が生じます。しかも電気は、電線を通って運ばれてくる間にロスが生じます。ガスコージェネレーションシステムは、パイプラインを通ってロスなく送られてきた天然ガスを使用して必要な場所で発電して、電気と熱に変えるシステムです。

「電気の地産地消」といったところですね。

ガス事業においては、大阪ガスのマーケット規模は東京ガスさんの7割ほどですが、ガスコージェネレーションは150万キロワットと東京ガスさんと同じくらいの規模になっています。この150万キロワットという数字ですが、大型の発電所一箇所程度に相当します。

また、住宅用の発電機能付きの給湯器「エコウィル」というのがありますが、大阪ガスが中心になって普及を始めました。現在大阪ガスで約4万5千台普及しています。このマイホーム発電でも、大阪ガスは先行して取り組んできました。今後は話題の家庭用燃料電池の普及にも取り組む予定です。

なんというか、大阪ガスには、新しいものには「だぼはぜ的に」くらいついていくようなところがあって、インドネシアにガス田開発の権益を持ったのも早かったですね。

ガス田の権益を取得されているのですか。

1990年6月にインドネシアのガス田の権益を取得しました。LNGを運ぶ船は船会社と共同所有しています。また、アメリカのLNG基地や発電所(アメリカ、スペイン)に資本参加して発電事業にも取り組んでいます。国内では、2009年4月に大阪泉北のLNG基地に天然ガス発電所を竣工します。

先ほど、だぼはぜ的にと申しましたが、大阪ガスは、「進取の気性(新しいものに対して取り組んでいこうというDNA)が公益事業の中では比較的ある方だと思っています。そういうDNAを持ちながら進んできている会社だと自負しています。

4. 大阪ガスのIT部門 情報通信部の概要


大阪ガスのIT部門である情報通信部の概要についてお聞きします。一般的には情報システム部という名称が多いと思いますが、情報通信部という名称は何か理由がおありでしょうか。

「情報システム+電話も含めた社内通信を担う」ということで、情報通信部です。約30名の組織です。

現在の大阪ガスの組織設計は、極力ニーズに近いところに人を配置するという考え方がベースにあります。したがって、営業部門には営業部門のシステムスタッフがいて、必要な情報化はそのスタッフが中心になってやっています。
それに対して、情報通信部は全体最適になっているかどうか、この仕様は標準化から外れていないかというところを見る。そういう役割分担になっています。

また、情報通信部は企画部隊で、実務はオージス総研が担っています。オージス総研は子会社ですが順調に規模を拡大し、今では大阪ガス以外からいただく仕事の方が多くなっています。この4月からは、さくら情報システムをオージス総研が子会社化しました。電話関係では大阪ガスビジネスクリエイトという大阪ガスの子会社が実務を担っています。

公益事業の情報部門でありながら、グループ外の会社からも発注されるような子会社が成長してきたというところが他の公益事業者さんとの違いかと思っています。

情報通信部の役割について、さらに詳しく教えていただけますか。

情報通信部には以下の3つのチームがあります。

  ・情報サービスチーム
  ・インフラ技術チーム
  ・エネルギー情報技術チーム

この3つの中で、エネルギー情報技術チームというチームがあることが特徴です。

5. エネルギー情報技術チーム 分析専門家集団


エネルギー情報技術チームとは、「大阪ガスならでは」のチーム名ですね。どのようにことをなさっているのでしょうか。

エネルギー情報技術チームが行っているのは一言でいうとデータ分析です。このチームは、以下のような専門家で構成されています。

  ・統計解析の専門家
  ・金融工学の専門家
  ・エネルギー市場リスクの専門家
  ・CO2の専門家
  ・人間工学の専門家
  ・気象予報士

いかにもスペシャリスト集団という感じですが、例えば人間工学の専門家はどのような分析をされるのでしょうか。

通常データ分析というと数値データの分析がまず浮かびます。もちろん数値データの分析もしますが、人間工学の専門家は主に人間を分析します。お客様がどういう行動をしたとか、営業員がどういう風にお客様にしゃべっているとか、人間工学の専門家は通常の数値データにならないような人間のデータを分析しています。

人間のデータの分析とは、具体的にどのようなものでしょうか。

それでは、二つほど具体例を挙げます。

一つめは、営業トークの分析です。

人間工学の専門家が、優秀な営業員と初級の営業員、それぞれに朝から晩まで密着し行動を観察します。優秀な営業トークと初級の営業トークを比較分析することで、優秀者の営業トークのノウハウが抽出できます。このノウハウを初級者に教育することで、短期に優秀な営業員を育成することができます。

二つめの例は、イベント会場や店舗でのお客様の行動や従業員の行動の分析です。

イベント会場や店舗にカメラを設置し、お客様や従業員の動線、動作、表情や視線を人間工学的に分析します。

イベント会場での実例ですが、当初お客様の動線が左回りになるように考えてレイアウトを作りました。ところが、実際にお客様がどのように流れているかを見ると半分以上反対回りをしている。そうすると、売りたいガス機器もなかなか売れないんです。そこで、展示方法や従業員の立ち位置などを改善しました。すると8割は想定した通りに流れ、お客様が商品を見る率も4倍に増え、そして売上も3倍に増えました。そういうことをイベント会場や店舗でも行っています。

この二つは先ほどお話しした「足・汗・頭」の具体例ともいえるでしょうか。イベント会場や店舗という現場で、あるいはお客様の家に上がり込んで、というところまでをシステム部門の人間が行っているという例は他ではなかなかないのではないかと思います。人間工学の専門家は、営業トーク、イベント会場や店舗でのお客様の行動、従業員の行動からデータを抽出してノウハウにするところを担当しています。

システム部門の方が営業現場でそのようなことをなさっているとは、驚きです。次に、金融工学の専門家はどのような分析をされるのでしょうか。

金融工学の専門家は、あらゆる市場リスクを定量化することが役割です。

具体的にどのようなデータ分析をしているかというと、我々はエネルギー事業者ですので、将来どのくらいエネルギー需要があるか、また需要変更リスクがどのくらいかということをまず知りたい訳です。

2020年、2030年などの長期で日本のエネルギー需要がどうなるか、関西圏のエネルギー需要がどうなるか、関西の中では2府4県別に、業務用、家庭用、工業用でそれぞれエネルギー需要がどうなるかというのを独自の予測モデルで予測しています。

また、天然ガスの価格は原油の価格に連動します。原油は今のように高騰したり、または下がったりします。その変動リスクが実際にどのくらいあるのか、価格リスクを定量化するところも担当しています。

それでは、気象予報士はどのような分析をされるのでしょうか。

気象庁からオンラインで気象データがリアルタイムで入ってきます。気象予報士はそれをもとに独自の予測を行っています。

どのような予測かといいますと、暖房器具の売上は気温と相関がありますので、その相関を分析して販売台数を予測します。「この週末、この地区では何台くらい売れそうです」という販売台数予測を各営業店に出す等の情報提供をしています。

このように、社内でのデータ分析のニーズに専門的に応えているというのがエネルギー情報技術チームの仕事です。

エネルギー情報技術チームはいつからあるのですか。

エネルギー情報技術チームは元々はエネルギー技術研究所の中にありました。1985年、研究所で情報分野の研究を始めて以来、20年以上の歴史のあるチームです。2006年6月に情報通信部に統合しました。

情報通信部に移した意図はどのようなことでしょうか。

グローバルな企業では、中央集権的な情報システム部が多いと思います。しかし、大阪ガスでは極力現場に近いところに情報化のスタッフを配置しています。エネルギー情報技術チームが行っているデータ分析を大阪ガス全体に役立てていくためには、BI(ビジネスインテリジェンス)のインフラが必要です。インフラを整えるのはインフラ技術チームの役割です。このBIのインフラとして利用しようとしているのが、アシストさんから購入した WebFOCUS です。そこにエネルギー情報技術チームの分析も載せていこうとしています。中央集権的な仕組みではなく、「極力ニーズに近いところに人がいて、そこでデータを活用する」のが狙いです。そのような仕組みを提供するためには、エネルギー情報技術チームも情報通信部にある方が都合が良いという訳です。

こういった取り組みが全体最適化であり、グループ全体でのITの徹底活用に繋がる訳ですね。

そういうことです。

6. インフラ技術チーム 共通基盤構築と標準化推進が役割


それでは、次にインフラ技術チームについて教えてください。

今申し上げたBIインフラの整備も含め、インフラ技術チームは大阪ガス全体のIT基盤(ネットワーク、サーバ、パソコン等)や標準ソフトウェアの決定等、IT全般の共通インフラを企画する部署です。インフラということでは、情報化の面だけではなく電話も担当しています。IP電話対応携帯電話を使った内線電話網の構築も担当しました。

IP電話対応携帯電話での内線網構築はスムーズでしたか。

スムーズかと言われますと確かに色々と小さな困難はありました。しかし、なんとか初期の目標には到達しましたし、思った成果も得られました。5千台を超える無線IP電話機導入台数は世界最大級と言われています。

IP電話対応携帯電話での内線網構築に関しましては失敗例も耳にします。そういった新しい技術をすぐに導入して実用化することができるのは、「進取の気性」の好例でしょうか。

そうかもしれません。社風として新しいものが好きなんですね。新しいことに取り組むのも誰も止めないという風土があります。

新しいもの好きが社内で通るということですね。

通りますね。もちろんIP電話対応携帯電話の導入で、年間4億6千万円のコスト削減も実現しており、目標通りの効果が出ています。過去の例でもきちんと効果を出しているので、新しい取り組みも通るのだと思います。

7. ワークスタイルの変革 フリーアドレス


以前から内線網を無線化したいという要望はあったのでしょうか。

いいえ。内線電話の無線化が最初にあったのではなく、ワークスタイルを変えていこうという発想が先でした。ワークスタイルの変革というのは、例えば、無線LAN環境を整備して自分のノートパソコンを持ち歩き、いつでもどこでも必要な時に情報を活用して仕事ができるようなユビキタスオフィスを実現し、業務の質とスピードを向上するといったことです。そう考えた時に、内線電話だけが事務所に固定化されていて人間に付いて来ない。その辺をなんとかできないかと考えている時に、NTTドコモさんから内線電話に対応した携帯電話が発売されるという話がありました。無線LAN対応のFOMAを発売するという発表です。ちょうど電話交換機を換えなければならない時期でもあり、「じゃこれでやってみようか」ということになりました。ですので内線電話の無線化については、たまたまいろいろなタイミングが合致したという感じですね。

そういうことだったのですね。ではフリーアドレスの導入も早いほうだったのでしょうか。

フリーアドレスの導入としては特段早いわけではないと思います。社内でフリーアドレスという試みが海のものとも山のものともわからない段階で、「机の上から紙をなくそう」と情報通信部で導入したのが2003年頃でした。その後、2005年頃から全社的に無線LAN環境を整備し、順次IP電話対応携帯電話を含むユビキタスオフィス環境の展開を進めました。

8. 情報サービスチーム 全体最適化の旗振り役


最後になりましたが、情報サービスチームについて教えてください。

情報サービスチームは主に大阪ガスグループにおける情報化企画の立案と推進を担当しています。予算策定やそのフォローをメインに、セキュリティポリシーの策定と推進も行います。ITガバナンスという面からは内部統制、J-SOX対応なども含まれます。

例えば、次期グループウェアの計画策定や推進についてですが、これまで、現場や営業などでその都度、掲示板や文書管理ソフト、メールソフト等をバラバラに導入してきました。これは全体で見るとコスト増になってしまいます。それを見直して、統一的で使いやすいグループウェアを作ろうとしています。大阪ガスのセキュリティのレベルアップと並行して、低コストでセキュリティレベルの高いグループ情報サービスの提供を進めていこうという訳です。

また、コミュニケーション改善の一環としてオフィス統合も計画し、先ほどの内線網の無線化やフリーアドレスの導入など、新しいワークスタイルの確立も推進していきます。併せて、ユビキタスオフィスの展開も重要なテーマで、無線LANや携帯機器を活用し、ITによるさらなる業務改善を目指します。

このように、大阪ガスとグループ会社を含めた全体最適化を推進するのが情報サービスチームの役割です。

9. 現場業務にITをどう役立てていくか


全体最適化の一つかもしれませんが、最前部隊である営業や検針の現場などでITをどのように役立てたいですか。

一つは、携帯型の機器の活用です。業務アプリケーション自体は、各事業部門で作っています。それをどこでも使えるようにしていきたいと考えています。最近では、PDAなどの携帯機器、デジタルペンなど様々なツールが出てきています。そういったものを業務で活用するための支援を行っていきたいと考えています。

例えば携帯機器を使うための認証基盤の共有化や、新しい機器をどのように業務に活かすかといったヒントの提供などです。昨年は、これまでパンフレットなどの紙情報でお客様に見せていた商品情報を、iPodや携帯で見せるなどの活用もできるのではないかという提案を行いました。

IT化の試みはコスト面ではどうなのでしょうか。

どこの企業もそうでしょうが、2000年頃から、ITへの新規投資より従来のシステムの運用保守費が増えてきました。大阪ガスではITの固定費を落とす取り組みを行い、2000年から昨年2007年の間で本社だけで30%のコストダウンを実現しました。

大阪ガスグループ全体としては、全体での情報化費用が上がらないようにどうバランスを取っていくかという取り組みを始めたところです。

大阪ガスでやっている「質を落とさずにコストを落とす」取り組みをグループ全体に広めていこうとしています。サーバ統合、IP電話、サービスサイエンスや行動観察などの取り組みをグループ企業にも広げていくことは全体最適という意味で重要だと考えています。

10. アシストとの付き合い


それでは、ここからは少し、アシストと大阪ガスとの関係についてお聞きします。先ほど、「BIインフラとしてWebFOCUSを利用している」というお話がありました。具体的にはどのようにお使いでしょうか。

今は、月例レポートなどデータを決められた形でレポーティングする使い方が多いですね。WebFOCUSのレポートを一旦ユーザ側でExcelに落として、自由に加工する使い方です。

しかし、サーバには様々なデータがあります。それらのデータを徹底活用できているかというと、今はそうではありません。今後は、より分析的なことに使いたい。それがサービスサイエンスとしてのデータ分析によるリスク軽量化、シミュレーションなど、エネルギー情報技術チームのミッションに繋がってくる訳です。そういった観点でWebFOCUSの活用範囲を広げられないかと思っているところです。

例えば、どんなことをお考えでしょうか。

最近話題になっているGISとの連携です。ガスの導管網を管理しているマッピングシステムも地図情報としてWebFOCUSとの連携ができるようになったと聞いています。ユーザ部門でもやりたいという声があがっていますので、試してみたいと思っています。

ここでも「進取の気性」が発揮されている訳ですね。ところで、阪神大震災の時にもお役に立ったそうですが、どのように役立ったのでしょうか。

震災の時に利用していたのはWebFOCUSではなく、前身のFOCUSでした。復興作業をやろうとした時に、通常のシステムではまかないきれないところがありました。

例えば、一旦停めたガスを巡回して開けて回る作業を行うために巡回リストが必要になります。それ以外にも、それぞれの部門で復旧作業をするためにたくさんのリストを作らなければなりませんでした。

これらのリストはすべて通常業務外のリストです。それらのリストを出すために、その都度システム開発をしていたのでは間に合いません。FOCUSではそういったリストを簡単に作ることができ、大変助かりました。

ご説明ありがとうございました。ところで、WebFOCUSはどういった部門でお使いでしょうか。

ユーザは全部門に及んでいます。一般的にはこういった情報系のレポーティングツールはある程度停止が許されるものですが、大阪ガスにおいてはこのシステムが止まると業務が止まる。つまり基幹系の位置付けとして利用されています。

なるほど。非常に重要な位置付けのシステムということですね。他にはWebのコンテンツ・マネジメント・システムであるNOREN も導入いただいています。NORENを導入した時期とそのきっかけについて教えてください。

NORENを導入したのは、2007年12月です。動機は、大阪ガスWebサイトがいまひとつだったことです。外部調査機関のランキングを見てもひどい状態でした。「大阪ガスのWebはユーザビリティが悪い」などと書かれていました。

そこで、接客の窓口の一つであるWebをなんとかしないといけないと考え、バラバラだったところを標準化しようと考えました。そこを効率化するツールはないかと探していた時に、NORENを紹介されました。今は、Webに掲載されているプレス発表情報のところに使っています。

今後どのようにお使いになる予定でしょうか。

大阪ガスのWeb全体に広げて行く計画です。その後はグループ会社のWebにもどんどん使っていこうということで検討をしています。大阪ガスの関係会社は133社ですが、うちWebがあるのは70社です。それらのWebを制作している会社も関西ビジネスインフォメーション他グループ内に何社かあります。今はそれぞれが個々のノウハウで制作しています。NORENを活用することで、それらのノウハウを一箇所に集めて運用していけると期待しています。

SEO※2の技術にしても、大阪ガスだけでいいというものではないので良いものはグループ全体すべてに適応するような方向で進めていきたいと思っています。ここでも目指しているのは「全体最適」です。

※2 SEO(Search Engine Optimization 検索エンジン最適化)
検索エンジンを対象として、より上位に表示されるようWebページを書き換えること。また、その技術。

11. アシストへの評価と要望


アシストに対する評価はいかがでしょうか。

アシストさんとは約30年ほどの長い付き合いですが、特に次の点を評価しています。

1.メーカーに依存しないところ。
その時々の一番良いソフトを提案してもらえるところがありがたい。特定のメーカーのソフトだとサーバの指定など限定が出てくることもありますが、そういうものがないところが良いですね。

2.ユーザの立場に立った提案であるところ。
最近ではOpenOffice.orgの活用提案はありがたかったです。
足を運び、ニーズを聞き、何をすれば一番良いのかと考え抜いた提案をしてもらっていると思っています。

アシストへの要望があればお聞かせください。

自社のIT力が相対的にどのあたりなのかということは、我々にはわかりにくいところです。アシストさんは他の会社さんもたくさん知っているわけですから、アシストさんから見たIT力のランキング表があっても良いのではないかと思っています。アシストさんの視点から見た大阪ガスを生の声で教えていただけたらありがたい。

色々なセミナーがありますけれど、我々も含めて人が集まるのは企業の取り組み事例を発表する内容のセミナーです。守秘義務の関係があり難しいとは思いますが、他のユーザさんがどうしているかということをもっともっと教えていただけるとありがたいです。

12. 大阪ガスが目指すこと

最後に今後の目標などについてお聞かせください。

実はエネルギー業界も外から見るほど楽ではなく、5年先10年先には、事業環境はさらに激変するだろうと見ています。関西地区での都市ガス事業をコアにしながら、グローバルな展開にも積極的に取り組んでいくことになると思います。
大阪ガスは厳しい事業環境下でもポジティブに「積極的楽観主義」で進んでいきます。アシストさんにもより一層のご協力をお願いしたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。




取材日時:2008年4月
大阪ガスWebサイト

現在、大阪ガス様でご利用いただいている製品、サービス
  ・リレーショナルDB/Oracle
  ・Webレポーティング・ツール/WebFOCUS
  ・コンテンツ・マネジメント・システム/NOREN
  ・高速アンロード・ユーティリティ/CA Fast Unload for Distributed Database
  ・超高速データ加工ユーティリティ/Syncsort DMExpress
  ・BIツール/Cognos PowerPlay
  ・各種プロダクト・サポート

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