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NO.21 宇徳ビジネスサポート

宇徳ビジネスサポートでは、宇徳の社内システムの大半を自社開発している。自社開発主義を採るようになった経緯と理由を詳しく伺った。

Guest Speaker
株式会社 宇徳ビジネスサポート
情報システム部 部長
志賀 賢治 氏

情報システム部 グループリーダー
立川 彰 氏


1. 宇徳の業態 ~産業系の運輸会社


宇徳の業態を教えてください。

宇徳※1は「産業系の物流、輸送」に強い運輸会社です。産業系の物流、輸送とは、「国内外からの原材料、部品、製品の運輸」、「港湾での荷分け、積み下ろしなどの作業」、「産業重量物の輸送」などを指します。創業は明治23年。2007年には社名から「運輸」をはずし、運輸業に留まらない総合企業となることを目指しました。そのタイミングで情報システム部門も、株式会社宇徳ビジネスサポートとして独り立ちを果たしました。

宇徳の仕事で、一般の皆様に最も驚かれるのが、「橋」や「高速道路」を運ぶ超重量物の輸送です。

※1 宇徳の社名は、創業者、宇都宮徳蔵氏の名前に由来します。

2. 宇徳は、橋も高速道路も運ぶ(頼まれれば、ピラミッドも運ぶ)


「宇徳は橋や高速道路も運ぶ」とはどういうことですか。

一般の皆様は、橋や高速道路というのは現場で組み上げて作るものだとお考えかもしれませんが、必ずしもそうではありません。例えば道路をまたぐ高架橋を架設する場合には、まず工場で「桁(けた)」を作り、そしてその桁を架設現場近くで巨大なブロックとして組み上げ、その後、それらブロックをスーパーキャリアと呼ばれる自走式多軸車を活用して運び、一晩のうちに高架橋を架設してしまう。そんなことも可能です。スーパーキャリアは1輌あたり250トンの積載が可能です。様々な走行パターンが提供できます。また、油圧により荷台を上下させることもできます。

この他、発電所の建設においては、スーパーキャリアを連結して、3,000トンを超える超大型ボイラーを運び、据え付けることができます。

「超重量物の運輸」とは、「100年前だったらコロ(丸太)に載せてみんなで押して運んでいたような重いモノを運ぶこと」とも言いかえられます。もっと昔に遡りますと、4,000年前のピラミッド建設に必要だった大きな石も当時の超重量物でした。 もし今の日本でピラミッドを造るとすれば、宇徳は、いくつかに分割されたピラミッドを運んで、短期間のうちに組み上げる。そんな工事も可能かもしれません。

3. PowerBuilderとAppeonを標準開発ツールとして活用


宇徳ではアシストからどのような製品を購入していますか。

宇徳の情報システム部門である宇徳ビジネスサポート※2では、総合システム開発ツールPowerBuilderおよびWebシステム開発ツールAppeon for PowerBuilder(以下Appeon)を、アシストから購入しました。宇徳では、基幹システムと業務システムのほとんどを自社開発しています。その際は、必ずPowerBuilder(およびAppeon)を使います。PowerBuilderは使い始めてかれこれ12年になります。

※2 開発要員は、派遣社員も含めて20名弱です。

4. 宇徳では、社内システムの大半を自社開発している


宇徳のような産業物流の会社においては、情報システムはどのようなものを用意しなければならないのですか。

三つに大別して述べてみます。宇徳のような産業物流の会社で必要になるシステムは、以下のとおりです。

  1. 財務会計、人事管理などの一般社内システム
  2. 利益状況を知るための管理会計システム
  3. 見積り、受注、出荷管理、荷受け管理、検収管理などを司る運輸業務システム

先ほど「宇徳では、社内システムすべてを自社開発している」というお話がありました。今述べた3種類のシステムの「全部」を自分たちで作っているということですか。

いいえ、全部を自社開発はしていません。自社開発するのは「宇徳ならでは」が必要なシステムだけです。「宇徳ならでは」が不要な業務分野ではパッケージ・ソフトを使っています。

5. 「パッケージ・ソフトで間に合う業務分野(=『宇徳ならでは』が不要な分野)」とは


順番にお聞きします。まず「パッケージ・ソフトを使っている業務分野(=『宇徳ならでは』が不要な分野)」とは、具体的にどのような分野ですか。

大きくは、「財務会計などの一般基幹システム」と「法律で手順が決められている、極度に特殊な運輸のための業務システム」の二つです。

第一に「財務会計などの一般基幹システム」について。財務会計とは、極度に単純化していえば、「株主や税務署のための財務諸表を作成するための会計」ともいえます。そのような財務諸表には、日本全国(あるいは全世界)に共通のルールがあり、特殊な物を作る必要はありません(作ってはいけません)。つまり「宇徳ならでは」の付加価値は必要ない分野です。こうした業務分野では、一般ルールに対応したパッケージ・ソフトを導入すれば事足ります。自社開発する必要はありません。

第二に「極度に特殊な運輸のための業務システム」について。例えば「輸出入業務」のような分野では、輸出入の手続きや、船積み書類の作成などにおいて、「標準的な業務手順」が完全に確立されています。こうした特殊分野においては、その分野ごとに、それ専用のパッケージ・ソフトが存在しているので、それを使う方が得策です。「標準手順が確立されている分野」とは、「『宇徳ならでは』が不要な分野」でもあります。そうした分野には、システムの自社開発は不要です。

6. 「自社開発が必要な分野(=『宇徳ならでは』が必要な分野)」とは


では、「自社開発が必要な分野(=『宇徳ならでは』が必要な分野)」とは、具体的にどのような分野ですか。

「自社開発が必要な分野(=『宇徳ならでは』が必要な分野)」とは、大きくは「お客様ごとの柔軟な対応が必要になる業務システム」と「管理会計システム」の二つです。

まず始めに「お客様ごとの柔軟な対応が必要になる業務システム」について。お客様から運輸の仕事を依頼された場合、その仕事のための業務システムも用意しなければなりません。この時、お客様は、自分たちが慣れ親しんだ輸送手順、管理体系、帳票を使うことを希望します。

これに対し、「こちらのシステムは、そのような方式には対応していません。システム変更は不可能です(お客様の方が、こちらのシステムに合わせてください)」といった意味合いの返答をするのか。それとも、お客様ごとの変則的な要望にどこまでも対応するのか。

宇徳では会社として後者の方針を採用しています。すなわち、「お客様の要望にきめ細かく対応する」、「帳票でも画面遷移でも、お客様からの要望はとにかく受け入れる」、「お客様は普段通りの業務体系のままで良い。宇徳がそれに合わせる」というやり方です。これまでお客様からの要望をお断りしたこと(すなわち「お客様の管理体系を宇徳に合うよう変えていただいたこと」)は、ありません。

このような方針を採っている以上、一般的なパッケージ・ソフトは使えません。業務システムは自社開発し、お客様の要望に合わせて、素早く柔軟に改造しなければなりません。

しかし、そのように「お客様の要望に合わせる」やり方では、システム開発負荷があまりにも高いような気がします。かえって納期遅れなどで、お客様にご迷惑をかけたことなどはありませんか。

宇徳ではPowerBuilderを使っているのでそのようなことはありません。お客様のご要望に対し、合理的な開発負荷で、素早く対応できています。柔軟対応、変更がなされる前提でシステムを作っているのです。これについては、後ほど、詳しくご説明いたします。

7. 管理会計システムを自社開発することの意義


宇徳が自社開発しているシステムの二つ目、「管理会計システム」について、詳しくお聞かせください。

宇徳における管理会計システムの役割は図で説明するのが適切かと思います。こちらをご覧ください。

宇徳の業務システムとは、単純化して言えば、

  (1)お客様向け業務(実際の運輸作業)を行い、
  (2)その作業を、お金の出入り(受発注、見積り、請求)に変換し、
  (3)そのお金の出入りを、基幹会計システムに送り込み、
  (4)そこで利益(損失)の状況を確認し(管理会計)、
  (5)その後、最終的な財務諸表を作り上げる(財務会計)

までのプロセスを実現するシステムであるとも表現できます。

上の図で言えば、いちばん下が、先ほど説明した「お客様ごとの業務システム」です。このシステムでは、先ほども述べたとおり、お客様の希望、要望を徹底的に採り入れます。つまり、画面遷移や帳票などの「表面仕様」の部分は、システムごとにバラバラになります。

しかし、たとえ表面仕様がバラバラであったとしても、会計システムへのお金の流れという「内部仕様」は、システムごとに共通でなければなりません。宇徳では、現場の業務システムは、どんな仕様で作ろうと自由だが、そこから財務会計システムへ金額データを送り込む場合は、必ず中間システムを経由しなければならないというルールにしています。

なお、社長、役員、管理職が、その時その時の業務状況(利益状況)を数字で知りたい時は、財務会計システムではなく、中間システムの方を参照します。ということは、この中間システムは「管理会計システム」であるといえます。

この中間システム(管理会計システム)こそが、宇徳にとって最も重要な「基幹システム」であり、「宇徳ならでは」の付加価値が必要です。この管理会計システムは、すべて自社で開発しました。

8. 汎用機撤廃に伴い、自社開発主義にシフト


宇徳では、以前から重要な情報システムはすべて自社開発していたのですか。

いいえ、2000年以前の、汎用機を使っていた時代には、プログラム開発は基本的にSI会社任せでした。それが自社開発に切り替わったのは、汎用機撤廃(完全オープン・システム化)を決めた1997年頃からです。PowerBuilderの導入を決めたのもこの頃です。この「汎用機撤廃プロジェクト」での中心的な開発ツールとして使おうと考えました。

9. 汎用機撤廃を決めた経緯


「汎用機撤廃プロジェクト」とはどういうものですか。

1996年頃から、2000年になると汎用機すべてが誤動作するようになるという、いわゆる「2000年問題」が話題になってきました※3。宇徳でも対応を考える必要がありました。この場合の問題解決の方法としては、「汎用機に2000年問題修正プログラムを当てる」か、あるいは「汎用機をやめてオープン・システムに切り替える」かの二つの選択肢が考えられました。どちらかを選ぶ必要がありました。

宇徳では、社内検討の結果、後者の「汎用機撤廃」の道を選ぶことに決めました。汎用機のような重厚長大なシステムは、安定性、確実性の点では優れていますが、先ほど述べたような「お客様主体の柔軟かつスピーディな対応」を実現するには不向きです。汎用機撤廃は大きなリスクでしたが、「顧客満足の向上」という大きな成果に期待し、敢えて踏み切りました。

しかし、この汎用機撤廃の決断に対し、当時付き合いのあったSI会社は、懐疑的でした。したがって、汎用機からオープン・システムへの切替は、自社の人員を使って独力で行わざるを得ませんでした。

全社規模のオープン・システムを、短期間で一から構築するには、強力な開発ツールが不可欠です。何かよいツールはないものかと色々情報収集しました。そんなある日、PowerBuilderのことを知り、デモを見て感激し、即導入を決めた次第です。

※3 汎用機においては、年数の表現をグレゴリオ暦の下二桁を使用していました。このため2000年になると、コンピュータの内部で00年となり、それが1900年とみなされ、誤作動につながる可能性がありました(例えばデータベースを日付順に並べ替える処理をすると、順序が狂うなど)。

10. PowerBuilderがあれば汎用機は捨てられると確信する


PowerBuilderのどの点に「感激」されたのでしょうか。

PowerBuilderの画面や帳票を作るための機能である「データウインドウ」に感激しました。データウインドウさえあれば、SQLの難解な構文の知識がなくても、どんな画面、帳票でも朝飯前で作ることができます。こんな凄い機能の開発ツールがあるなら、オープン・システムはすぐに実現できる。汎用機は捨てても大丈夫だと確信しました。
先ほどから「汎用機撤廃」、「汎用機を捨てた」などの表現がなされています。宇徳は2000年を境に「汎用機を全部やめた」のですか、それとも「汎用機を段階的に縮小していった」のですか。

前者です。汎用機メーカーには「2000年を境に汎用機はもうやめる。機械は撤去。保守契約も1999年末で終わり※4」と伝えました。最初、汎用機メーカーは、宇徳は気が狂ったんじゃないかと思ったようです。「わずか2年で汎用機を全廃してオープン化するなんて、そんなことができるわけがない。機械を撤去して、保守契約も打ち切ったら、もう後戻りはできないのに、本当にいいのか」と。

しかし、我々としては「2年間でのオープン・システム開発は、かつての宇徳なら無理だった。だが今はPowerBuilderのデータウインドウがあるから大丈夫。できる」と判断しました。

※4 一部の機器の保守契約は続きました。

11. なぜPowerBuilderがあれば汎用機が撤廃できると言えたのか?


「PowerBuilder(データウインドウ)があれば、基幹システムの、オープン・システムへの短期間の移行が可能になると判断した」。その判断の詳細をお聞かせください。

そもそも論として「基幹システムを汎用機ベースからオープン・システムへ移行するとはどういうことか」を根本から考えてみます。

まず「基幹システム」といっても、結局は業務用のソフトウェア・プログラムです。乱暴に単純化するならば、「データ(データベース)」と「インプット(入力画面)」、「アウトプット(出力画面、帳票)」の三つで構成されています。インプットとアウトプットは、「利用者が直接使うところ」と考えれば、「インターフェース(利用者接点)」と総称することも可能です。

この場合、「基幹システムはデータベースとインターフェースで構成されている」と表現できます。ということは「基幹システムを汎用機からオープン・システムに移行する」という作業は、「データベースのオープン化」と「インターフェースのオープン化」という二つの作業として表現できます。

この二つの作業について、それがどれぐらい大変なのかを順番に考えてみます。

第一に「データベースのオープン化」について。この作業は、「既存の汎用機データをエイヤと新しいデータベースにコピーすることだ」と表現できます。大変ですが、やればできます。

第二に「インターフェースのオープン化」について。この作業は、「入出力画面と帳票出力画面を、必要な個数だけ作り上げることだ」と表現できます。一種の力仕事であり、毎日ひたすら作り続ければ、いつかは開発し終わります。

しかし、今回の汎用機撤廃プロジェクトでは、開発は「いつか終わる」ではなく、「汎用機がなくなる2000年までには完了」していなければなりません。つまり、高速の開発が求められます。

それは、ツール無しの手作業の開発では無理だったと思います。しかしPowerBuilder(データウインドウ)のデモを見て、「これさえあれば短期間で開発できる。汎用機が無くなる2000年までに開発は終えられる」と確信できました。そして、実際、間に合いました。

宇徳が汎用機を全廃できたのは、PowerBuilder(データウインドウ)との出会いがあったからです。

12. Appeon導入の経緯

PowerBuilderの他に、Webシステム開発ツールAppeonも導入されています。Appeonは、いつ、どういう経緯で導入することになったのですか。

Appeonを導入した経緯は以下のとおりです。

13. アシストへの評価と今後の期待


本日は様々なお話を有り難うございました。最後にPowerBuilder、Appeonの提供元であるアシストへの評価および、今後の期待をお聞かせください。

アシストは、営業が良いと思います。アシストの営業マンと付き合っていると、IT業界の全体の流れがよく分かるので助かります。

PowerBuilderとAppeonについては、今後も時代の流れに応じた形で的確に機能を進化させてほしいと思います。宇徳の情報システム部門は、これまでの10年間、PowerBuilderにはずいぶん助けられました。これからの10年も倍旧の支援をいただければと思います。今後ともよろしくお願いします。




取材日時:2008年1月
株式会社宇徳 Webサイト

現在、宇徳ビジネスサポート様でご利用いただいている製品、サービス
  ・統合システム開発ツール:PowerBuilder
  ・Webアプリケーション開発ツール:Appeon

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