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NO.19 十勝農業協同組合連合会

農業王国、北海道十勝の全24農協を支援、指導する十勝農業協同組合連合会 電算事業部の皆さんに、十勝の農業における情報システムの役割について詳しく伺った。

Guest Speaker
十勝農業協同組合連合会
電算事業部 部長
福井 悟司 氏

電算事業部 電算課 課長
三津原 勝 氏

電算事業部 電算課 考査役
青谷 宏昭 氏


1. 十勝農協連 ~ 総出荷額2,400億円の十勝の農業を支援する団体


十勝農業協同組合連合会(以下、十勝農協連)の概要を教えてください。

北海道十勝支庁管内には合計24の農協があります。十勝農協連は、それらの農協を支援、指導する立場にある団体です。

各農協への支援、指導とは具体的にはどのようなことをされるのですか。

十勝農協連は、十勝の農家6,000戸が、日本の消費者に安全でおいしい食品を提供することで、厳しい競争社会を生き残り、「誇り」と「高収入」の両方を得ることができるよう支援、指導する団体です。

まず「厳しい競争社会を生き残る」という点について。十勝支庁の全農家6,000戸のうち97%が専業農家で、ほとんどが副業を持ちません。ですから、本業をなんとかしないと、という切迫感があります。昨今、食肉や菓子製造における偽装が社会問題になりました。偽装などは論外ですが、仮に衛生上の不祥事がもし十勝で起きたらどうなるか。長年築き上げてきた十勝ブランドは失墜し、農業以外に収入のない専業農家は路頭に迷いかねません。そうした事態を起こさぬよう、十勝農協連では、衛生面の仕組みづくりを強化しています。

例えば、Oracleを使って構築した生乳のタンク内温度の継続データ取得。温度異常の際の農家への緊急アラートなども衛生強化の取り組みの一つです。詳細は、後ほど述べます。

次に「(農家が)高収入を得る」という点について。平成18年の十勝農協全体の出荷額(企業でいうところの売上高)は2,400億円でした。ここ20年の間、連続して2,000億円超えを果たしています。十勝支庁管内の農家数は合計6,000戸。各農家の年商は、平均して一戸当たり4,000万円程度。そこから餌代や設備費など経費を差し引いた年収は約1,200万円です。農家一戸当たりの働き手の数は2人~3人。ということは一人当たり年収は400万~600万円となります。大きくは普通の会社員と同じぐらいの収入といえるでしょう。

しかし、我々は、農家の人に、もっと高収入を得て欲しいと考えています。農業は、自然と向き合い大地から収穫を得る、やりがいある仕事ですが、一方で、例えば酪農農家の平均労働時間は年間2,200時間に及びます。朝6時、夜6時と一日二回の搾乳を一年中休まず行う厳しい仕事です。十勝の冬は、昼でも零度を下回る厳冬ですが、それでも休まず乳を搾ります。このように真剣に働いている人々に、ぜひ堂々と高収入を得てほしいと考えています。

おいしい食物を作って人に喜ばれる、やりがいのある農業を、北の大地に実現するための団体。それが十勝農協連です。

2. 十勝の農産物のあらまし


十勝の農産物のあらましを教えてくだ さい。

十勝支庁管内の農業は、畑作と酪農が半々ぐらいです※1

まず畑作について。主に、麦、豆、ビート、じゃがいもなどを作っています。例えば豆ですが、京都の老舗菓子店のほとんどが十勝産の小豆(あずき)を使っています。今度、京都のお菓子を食べる時は、ラベルの原産地表示をご覧ください。北海道十勝産あずきを使用と書いてあるはずです。

また、スティック砂糖などに使われる、サラサラのグラニュー糖。あれも国内消費の約半分が、十勝産のビートを原料にして作られています。畑作では、小麦、じゃがいも、豆類などほとんどの産物において、北海道内の産出量ナンバーワンです。

次に酪農。十勝は日本の酪農の中心地です。道内の生乳生産の25%は十勝が担っています。古くから明治乳業の十勝バター、十勝ヨーグルトなどの最終商品において、十勝という地名が、産地ブランド名として使われています。

※1 十勝の土地は、80 %が火山灰に覆われていることもあり、稲作には適していません。

3. 十勝の酪農における情報システムのあらまし


ここからは、酪農に焦点を当ててお聞きしたいと思います。まず総合的な質問をします。おいしく安全な十勝の牛乳作りを実現するために、十勝農協連の情報システムは、どのような役割を果たしていますか。

情報システムは、牛乳づくりにおいて、重要な役割を担っています。思いつくままに、システムを考える上で重要なキーワードを挙げてみます。次のとおりです。

1. 昭和56年にシャープのポケット・コンピュータを使って飼料の最適化方法を計算したのが情報化のはじまり
2. ライバル(先生)はアメリカ、カナダ。一頭一億円の種牛を輸入したこともある
3. 良い土で良い草を育て、それを良い牛に食べさせる。そうすれば良い乳がたくさん得られる
4. 餌代は一円でも安い方が良い
5. トレーサビリティは畑作作物が先行
6. 牛乳(液体)は、畑作作物(固体)に比べトレーサビリティが困難
7. 牛乳で衛生事故が起きた場合、原因農家が莫大な賠償金を払わねばならない
8. 生乳のタンク内温度の継続データ取得。温度異常の際の農家への緊急アラート

それぞれのキーワードについて順番にお聞きします。キーワードその1、「昭和56年にシャープのポケット・コンピュータ(ポケコン)を使って飼料の最適化方法を計算したのが情報化のはじまり」についてお聞きします。ポケコンで何を計算されたのですか。

ポケコンを使って、乳牛にどんな餌をいつどのぐらい与えるのが最適なのかという飼料設計、栄養設計の計算を行いました。こうした計算には、線形計画法という応用数学の手法を使うのが有効です。一番最初はソロバンや計算尺、その次は電卓を使って、計算していましたが、とても大変でした。当時、同様の計算を畜産大(帯広畜産大学)では、メインフレームでFORTRANを使ってプログラミングしていました。しかし、私たちにはとてもそんなお金はない。

そこに来てポケコンが発売された。これは有り難いと思い、すぐに購入し、それまで電卓で手計算していたことを、BASICでプログラムを組んでコンピュータに計算させました。当時の記録媒体はカセットテープです。なつかしいですね。

昭和56年(1981年)の日本ではコンピュータ使用はまだまだ一般化していませんでした。大企業ではすでに基幹業務等にメインフレームを使用していましたが、ポケコンは、どちらかというと一部のマニアが趣味でプログラムを組んでいたというイメージです※2。なのにその頃、ここ北海道の十勝において、農協連がポケコンで線形計画法に基づく飼料設計の計算をしていたという。正直いって、驚きです。

うーん、こちらの正直なところとしては、驚かれても困ります。当時の私たちにすれば、「電卓でしんどい思いをしていたところに、ポケット・コンピュータという安くて便利な物が出てきた。使わない手はない」という意識でした。他が使っているかいないかは意識しませんでした。こんなことだから十勝モンロー主義※3などと言われるのでしょうか。

技術革新、生産革新を実行せねばならないと常に思っていました。海外の酪農先進国に追いつき追い越さねばならないという危機感です。

※2 当時、ポケット・コンピュータは高性能電卓として製造現場での所要量計算や工事現場での構造計算の他、コンピュータ言語の教材としても利用されました。

※3 北海道の農業は、明治時代に開拓民が来て、開拓したのが始まりで、もともと独立心が強い。中でも十勝の人々は、特に独立心が強く、何でも自分でやりたがり、自己完結しようとする。これを「十勝モンロー主義」と言います。

4. ライバル(先生)はアメリカ、カナダ。一頭一億円の種牛を輸入したことも


その危機感が、キーワードその2、「ライバル(先生)はアメリカ、カナダ。一頭一億円の種牛を輸入したこともある」につながるのでしょうか。

はい、そうです。世界における酪農の先進国はアメリカとカナダです。十勝は、牛一頭当たりの乳量などの生産性指標において、まだまだ先進国に及びません。技術を高め、追いつき追い越さねばなりません。

一頭当たりの乳量を上げるには、まず、良く乳を出す良い遺伝子を持つ良い牛を確保せねばなりません。その遺伝子を確保するために、昭和47年には、アメリカから一頭一億円の種牛を買いました。昭和47年はまだオイルショック前の1ドル360円の時代です。当時の1億円は今の4億円ぐらいに相当します。

当時の十勝農協にとって大きな金額でした。しかし酪農の生産性を高めるために、敢えて投資に踏み切りました※4

※4 その後、国内の乳牛改良の進歩により、国産種雄牛も先進国と方を並べる水準に達しています。

次のキーワードその3、「良い土で良い草を育て、それを良い牛に食べさせる。そうすれば良い乳がたくさん得られる」とは、どういうことですか。

一億円を投資して外国から得た良い種牛。その遺伝子を基に良い牛をたくさん殖やす。それら良い牛に、良い土(土壌)で育てた養分豊かな良い草(餌)を食べさせる。そして遂に良い乳が得られる。単純な図式ではありますが、これを実現するには、各農家の経験やカンだけでは不十分です。良い餌とは、どんな成分がどれだけ含まれている餌で、それを、どのタイミングでどれだけの量を牛に食べさせるのが最適なのか。正しい答を得るためには、科学的な計算が必要になります。これらを総称して「飼料設計」と呼びます。

正しい設計ができたら、今度はそれを正しく実行しないといけません。十勝全体の22万頭の牛一頭一頭に、本当に適切な給餌がなされているのかどうか。例えば、体重が○○キロの牛には、これぐらいのタンパク質が必要といった基準が本当に守られているのかどうか。農家からの報告や、実際に得られた生乳の分析を通じて、理想と現実とを照らし合わせます。このようなデータの照会作業においては、データベースなど大規模情報システムが必要になります。

そして理想と現実にズレがあれば、そのズレを正すようにします。こうして農家と農協が一体になって、十勝の酪農の品質と生産性を高めていくのです。

キーワードその4、「餌代は一円でも安い方が良い」とは。

酪農も経済行為です。同じ栄養基準、安全基準を満たすことができるのなら、餌代は一円でも安い方が良い。工業製品などで、同一品質が確保できるのなら、原価は1円でも安い方が良いと考えることと同じです。

ここまでの説明で、酪農において、大規模なデータ収集と正確な分析が不可欠であることがお分かりいただけたと思います。ポケコンの後、昭和60年に国のパイロット事業としてやっと自前のメインフレームを持つことができました。検乳組合とデータ交換を行うシステムを作り、計算能力、分析能力の向上を図りました。このように生産性向上のために、情報化には継続的に投資し続けてきました。酪農王国十勝の酪農を支える生乳分析システムは、最先端の設備であると自負しています。

キーワードその5の「トレーサビリティ」とは、どのようなことでしょうか。

酪農は経済行為であると先ほど述べました。しかし、農業は人の口に入るものを作る行為ですから、安全、安心は、経済に優先して重要です。特に最近では、食の安全、安心に対する消費者の関心が高まっています。輸入作物への不安の裏返しで、国産作物への期待が高まってきていると感じています。

この様子を見て「よし、十勝の農業は安心、安全を今までにも増してさらに強化しよう。安心、安全で輸入作物に勝とう」と考えるようになり、いわゆる「トレーサビリティ」に力を入れるようになりました。ここで一つ説明をしておきます。十勝の農業関係者はトレーサビリティという用語はあまり使いません。むしろ生産管理、生産履歴管理という言葉を使います。

消費者から見ると、トレーサビリティとは生産、加工、流通のルートが一貫して分かること、つまりどの産地で取れた作物が、どのような風に加工されて、どのような流通ルートを通ってお店までやってきているのかが分かることでしょう。

しかしながら、我々、生産者(農家)から見ると、牛(遺伝子)、土(肥料、農薬)、餌(栄養)などの管理は可能ですが、いったん加工工場に牛乳を納めてしまうと、消費者の皆様には誠に恐縮なのですが、その後どうなるかを管理することは、我々には不可能です。

ここでお話しするトレーサビリティとは、牛を育てて乳を搾って加工会社に納めるまでが話の範囲となることを、あらかじめご理解ください。

では、「トレーサビリティは畑作作物が先行」とは。

まず2002年に、畑作農家の皆さんが、紙ベースで生産履歴の記帳を始めました。「○月○日。小麦をまいた」、「○月○日。どんな肥料をどれだけまいた」、「○月○日。どんな農薬をどれだけまいた」、そういったことを帳面につけて、それを農協で集計分析し、ポジティブ・リスト(安全基準)と照らし合わせて適当なのかどうかを調べました。

2003年までは、そうした付き合わせ作業を人の手と目に頼って行っていましたが、あまりに膨大な作業であり、これはたまらんということで電算化することにしました。そうして2004年にはOracleデータベースなども導入し、豆やビートなど畑作作物に関するトレーサビリティの作業は相当に合理化されました。

しかし、そうして畑作のトレーサビリティが合理化される一方で、酪農の方のトレーサビリティは紙ベースが続いていました。

5. 牛乳(液体)は、畑作作物(固体)に比べトレーサビリティが困難


酪農のトレーサビリティが畑作に遅れを取った…。その理由を示すのが、次のキーワードその6、「牛乳(液体)は、畑作作物(固体)に比べトレーサビリティが困難」でしょうか。

はい、そうです。土や飼料の管理は、畑作と同じようにできます。問題は最終産物である生乳を得た後の管理です。これがジャガイモなど個体であれば、一個一個の来歴を追うことも不可能ではありませんが、酪農(牛乳)の場合、相手が液体なので、いったん混ざってしまうと、区別がつかなくなります。このためトレーサビリティの実現は非常に困難です。取り組みは続けていますが、今なお試行錯誤の途中であるというのが正直なところです。

そもそも生乳(液体)の場合、トレーサビリティ以前に品質管理が大変です。ジャガイモなど固体の場合は、もし腐ったジャガイモがあれば、それを取り除けば話はすみます。しかし、液体である牛乳の場合、バルクタンクの中に、出荷に問題のある生乳が混入すると、一気に菌が繁殖して、全部の牛乳がダメになります。これは、とても恐ろしいことです。

その恐ろしいことというのが、次のキーワードその7、「牛乳で衛生事故が起きた場合、原因農家が莫大な賠償金を払わねばならない」でしょうか。

そうです。どうしてそうなるのかを順番に説明いたします。

1. 酪農家は通常、1日2回、搾乳する。搾った生乳は、各農家のバルクタンク(大きなタンク)に貯蔵します。
2. 1日1回、または2日に1回、ミルクローリー車が各農家を巡回し、バルクタンクに貯まった生乳を集め、
  地元の乳業工場に納入します。
3. もし、ある農家のバルクタンクの冷蔵装置が機械的トラブルで壊れ、生乳の温度が許容範囲を超えて
  上がったとしたら、無念なことではありますが、その生乳は廃棄しなければなりません。
4. さらに問題になるのは、ミルクローリーに集乳された後で、問題が発覚した場合です。その場合、例えば
  10戸の農家から集めた生乳が、全量廃棄となります。
5. その場合は、生乳の品質管理で不手際のあった農家(原因農家)が、残り9戸の農家(搭載農家)に対し、
  損害賠償をしなければなりません。

これは本当に恐ろしい事態です。年間2,200時間働いて、良い土、良い餌、良い牛を育てて、良い乳を搾ったはずが、最後の最後で全量廃棄となる。とてつもないダメージです。


この最悪の事態を起こさないために、「生乳タンク内温度の継続データ取得。温度異常の際の農家への緊急アラート」が重要になるのです。

牛乳の汚染事故は、牛乳のサンプル検査だけでは防げません。農家側のバルクタンクの冷却スイッチの入れ忘れなどの人的ケアレスミスが原因となることもあるからです。こうしたケアレスミスによる牛乳の品質劣化を防ぐために、以下のような仕組みを作りました。

1. 酪農家1,600戸のバルクタンク一つひとつに温度センサーやハードウェア・センサーを付けます。
2. そして一定時間おきに、バルクタンク内の生乳の温度を計測し、そのデータを、ネットワークを通じて
  中央(帯広)のデータベースに集めます。
3. もし温度異常が見つかった場合、冷蔵装置の故障の場合もありますが、スイッチの入れ忘れということも
  あります。直ちに、農家の携帯電話に知らせます。

このシステムは、アシストから購入したOracleを使って構築しています。酪農家の努力の結晶である牛乳を無事出荷できるかどうかに関わる、ミッション・クリティカルなシステムです。ですから、このシステムを安定稼働させるための、アシストの皆様の日頃のサポートと技術支援は、十勝の酪農家のために、とても役に立っています。

6. 最初はアシストを「ただの問屋」だと思っていた


ここまでのお話で、十勝の農業における情報システムの重要性がよく分かりました。次は、十勝農協連とアシストの関わりに焦点を当ててお聞きしたいと思います。十勝農協連はアシストから何を購入していますか。

十勝農協連は、アシストから、主にOracleデータベースを購入しています。情報系システムでデータベースが必要になった場合は、基本的にはアシストからOracleを買って使います。

同じOracleであってもアシストから買うべきだと思っています。アシストのサポートがないと、先ほど述べた、牛乳温度監視データベースのようなミッション・クリティカルなシステムを構築できないからです。

Oracleの他には、JP1やCognosReportNetなどをアシストから購入しています。

アシストのことを一番最初に知った時には、「外国製の便利なソフトを売る販売会社。単なる問屋」だと思っていました。それが付き合いを重ねる中で、「技術と信義を併せ持つ良い会社」だというように、印象が変わってきました。

そのあたりの経緯をお聞かせください。

まず、十勝農協連のプラットフォームの変遷を整理すると以下のようになります。

1. 1985年(昭和60年)、メインフレーム導入
ついに自前のメインフレームが手に入りました。それまでは、個体や牛群の検定成績データを得るには、札幌の検査協会にデータ集計を依頼して一ヶ月程度、待たなければなりませんでした。自前のメインフレームを導入してからは、データは検定日※5の翌日に農場で帳票印刷できるようになりました。自主独立の前進です。

2. 1993年(平成5年)、各農家へのFAX送信を開始
国のモデル事業として、平成5年に生産者への情報伝達システムを開始しました。メインフレームの導入により、帳票を打ち出すまでの時間を一日に短縮できました。でも、その一日のタイムラグをもっと短縮したい。ならば農家にFAXを導入し、帳票を自動配送すれば早いじゃないかという話になりました。正確には、帯広の中央メインフレーム→24農協の各地のオフコン→各農家へFAXという構造です。この事業の情報基盤であったFAX端末は当時の富士通に製作をお願いしてPCとFAX機を融合させた十勝農業支援向けのオリジナル機でした。これを生産者7,400世帯に配布しました。

3. 1998年(平成10年)、農家にWindows98パソコンを導入。Oracleも導入
その後、平成10年、国の補助事業としてマルチメディア事業を開始しました。FAXによる情報共有の場合、農家が自分でデータを加工できないという弱点がありました。そこで情報化モデル農家(約500軒)にWindow98パソコンを導入し、分析結果データを、ExcelやWordを使って自由に加工してもらおうと考えました。オフコンとパソコンは直接接続できないので、オフコンのデータを一旦Oracleに入れることにしました。これがOracle導入の発端です。
この事業の農協への支援では、当時主流だった富士通メインフレームのK端末をPC化し、またLAN化を実施しました。職員用パソコンも一人一台に近くなってきました。こうなると職員としては、ちょっとしたデータはCSVで取得して、後は自分なりにチャート化したりグラフ化したりしたくなる。エンドユーザ・コンピューティングの始まりです。

このようなエンドユーザ・コンピューティングを実現するには、各ユーザがOracleから自由にデータを抽出できるような仕組み(BIツール)を用意しなければなりません。そのツールの購入が、アシストとの付き合いの始まりです。この時点では、先にも述べたとおり、アシストのことは単なる販売店と見なしていました。しかし、その後、製品のサポートを受ける中でアシストに何度かびっくりさせられ、「この会社はただの問屋じゃない。すごい」と印象を改めました。

「アシストに何度かびっくりさせられた」とは具体的には。

最初のびっくりは、BIツールの使い方講習会の講師に、他のエンドユーザを連れてきたこと。二度目のびっくりは、他社がサポートできないと宣言した製品のサポートを、アシストが引き受けたことです。

順番にお聞きします。最初のびっくり、「BIツールの使い方講習会の講師に、他のエンドユーザを連れてきた」とは。

購入後、手探りで自主勉強しましたが、なかなか使いこなせない。困ったなと思い、アシストに相談したところ、講習会を開いてくれました。その講習会が良かった。

エンドユーザにいかに使わせるかという視点のノウハウは、情報系のツールを活用するにあたり不可欠です。
基幹系のシステムはそれなしには業務がストップするシステム。不便でもイヤでも使わなければならないシステムと定義できます。一方、情報系のシステムはそれがあれば業務が便利になることは確か。しかし無いなら無いで、(業務が)不便になるものの、ストップしたりはしないシステムと定義できます。ということは、情報系のシステムが使いにくかったら、誰も使わなくなります。

アシストは、このことをよく理解していました。そして講師としてすでにノウハウのあるエンドユーザを連れてきて、我々に、ツールの社内浸透の勘所を伝授してくれました。まさに情報活用支援です。

こういう素晴らしい研修を提案、セッティングしてくれたアシストに対し、「この会社は、ただの問屋とは違う。教育、研修という付加価値がある」というように認識を改めました。

アシストに対しての二度目のびっくり、「他社がサポートできないと宣言した製品のサポートを、引き受けた」とは具体的には。

1999年~2000年頃、Oracleがよくフリーズしました。当時Oracleは、アシスト以外の会社(A社)からハードとセットで購入していたので、A社にサポートを求めたところ、A社では復旧できませんでした。

困ったなと思い、アシストに相談したら「その問題なら解決可能です」と明言してくる。しかも「A社がサポートできないというのなら、アシストがサポートしましょう」と言って、サポートを引き受けてしまいました。

実際、アシストがサポートするようになってから、Oracleのフリーズは確実に減りました。

最近になって分かったことですが、当時のアシストは、現場でOracleの実装に携わってきた分、A社が知らないことでもよく知っていた。なるほど、サポートを自信を持って引き受けたのはそういうわけだったのかと。

結局その時は、Oracle本体はA社から買い、サポート契約はアシストという変な購入形態になってしまいました。それでは申し訳ないので、後に、ライセンスもサポートもアシストに一本化しました。

こうした実績を通じて、アシストの優れた技術力とユーザ寄りの姿勢が、次第によく分かってきました。もう単なる問屋とは思いません。アシストは十勝農協連にとって「すごい情報活用パートナー」となりました。

※5 乳牛検定制度に加入している農家は、毎月1回検定員が検定期間に訪れ、一頭ごとの泌乳量の計測や乳成分分析のためのサンプル採取を行い、個体や牛群の能力の計数による把握が可能となります。

7. ソフトウェア商社としてのアシストへの総合評価


アシストをお選びいただいた経緯を詳しくご説明くださり、ありがとうございました。さて最後に総論の質問です。ソフトウェア商社としてのアシストへの総合評価をお聞かせください。

アシストは、「技術力、サポート力」、「信頼、信義」の2点で他のソフトウェア販売店に優っています。これは、今まで述べたとおりです。

さらに詳しく述べるならば、我々エンドユーザにとってのアシストの価値は、「不確実性の高い外資系メーカーと、我々との間のバッファー役」、「情報洪水の中での羅針盤役」、「パッケージ・ソフト活用のノウハウを教えてくれる」という3点になります。

第一の価値、「不確実性の高い外資系メーカーと、我々との間のバッファー役」について。外資系のソフトウェア会社は、時として、予測できないことをします。こうした不確実性に振り回されないためにも、アシストのような「確実な会社」が、中間に存在してくれることは、我々からすれば大変心強いことです。

第二の価値「情報洪水の中での羅針盤役」について。十勝農協連は今後も、最新技術をどんどん取り入れて、もっと情報活用したいと思っています。しかし世の中には情報が多すぎるし、メーカーは皆、自分の都合の良いことばかり言う。どれが本当か分かりません。アシストは、そうした雑多な情報のジャングルの中で、我々を正しい方向に導いてくれる案内役のような会社です。

第三の価値、「パッケージ・ソフト活用のノウハウを教えてくれる」について。これは、基幹系システムと情報系システムの対比に基づいた価値でもあります。基幹系の場合、プログラムはどうしても手作りになります。一方、情報系では、コスト削減の意味でも、パッケージ・ソフトを積極活用したい。しかしパッケージの場合、いろいろ注文がつけられるオーダーメイド開発と違い、出来合いの製品を使うしかない。そんな時に、どんな製品を、何を基準に選び、買った後、どう使いこなすべきか、どうやって社内エンドユーザに浸透させるか。アシストはそういうノウハウを教えてくれます。ユーザは買ってからが勝負ですが、アシストは全国レベルでの経験と引き出しが多い。特定ベンダーにべったりではなく、いろいろな情報を提供してくれます。いろいろな情報を間口広く集めたり、世の中の技術トレンド等を集めるのに、アシストの広報誌『アシスト』も深くなく浅くなくちょうど良いと思います。

8. 今後の期待


アシストへの今後の期待をお聞かせください。

アシストの製品はどちらかというと大企業向けの製品が多いと感じています。しかしこれまでのアシストから受けた製品やサービスを見ますと、中小企業は大企業以上にアシストのようなサービスを必要としているのではないかと感じます。是非、国産の良い製品をアシストが取り扱い、アシストならではのサービスを提供して欲しいと思います。




取材日時:2007年11月
十勝農業協同組合連合会Webサイト

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