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NO.62 大阪チタニウムテクノロジーズ

お客様の声 NO.62 大阪チタニウムテクノロジーズ

Guest Speaker

株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ
取締役 専務執行役員 一瀬 正人 氏(写真左)
システム部長 三角 龍平 氏(写真右)


株式会社大阪チタニウムテクノロジーズは、日本で初めてスポンジチタン製造の工業化に成功し、世界でも数社しかない航空機エンジン用の高品質スポンジチタンを提供している会社の一つである。その技術力は、まさに世界のトップクラスだ。スポンジチタンやポリシリコンなど高度な技術が要求される金属製造にはどのような難しさがあり、それを担う人材はどのように育成するのか。また、付加価値の高いシステムを提供することで存在価値を高めていきたいシステム部の取り組みはどのようなものなのかなどを伺ってきた。

日本で初めてスポンジチタン製造の工業化に成功


──大阪チタニウムテクノロジーズ(以下OTC)の主力事業について教えてください。

当社は1952年に、日本で初めてスポンジチタン製造の工業化に成功した会社です。その頃は大阪チタニウム製造株式会社という名称でした。以来60年以上、世界のチタン製造のリーディングカンパニーとして、スポンジチタンの製造を続けています。

1960年からはポリシリコンの製造をスタートし、チタンとポリシリコンという現代文明を支える素材を供給しています。なお、スポンジチタンは中間材料であり、これを板・パイプ・棒などに加工するメーカーが当社のお客様となります。

──スポンジチタン製造は、アメリカ、ロシア、中国など世界でも数ヵ国でしか行われておらず、また日本では貴社を含めて2社しか製造していないと聞いています。なぜ、これほど少ないのでしょうか。

チタンの原料であるルチル鉱石には、酸化チタン(二酸化チタン、TiO2)という成分が含まれており、これからチタン(Ti)を取り出します。ところが、酸素とチタンの結びつきがきわめて強く、分離させるのが難しいのです。

また、スポンジチタンの量産化は、世界的に見ても第2次世界大戦後に実現しました。つまり、チタン自体がまだ新しい金属で、製造プロセスが今でもバッチ式(反応炉で1炉1炉製造する方式)なのです。高品質のスポンジチタンを安定的に製造するためには、高い技術力が必要になってきます。つまり、製造そのものが難しいことと、その上さらに熟練工のノウハウが必要なこと――この二つが参入障壁となっているのです。

航空機エンジン用のスポンジチタンメーカーは世界に数社


──チタンというと、私たちはゴルフクラブやメガネフレームなどを思い出すのですが、貴社のスポンジチタンはどのような用途に使われているのでしょうか。

航空機や船舶用のプレート式熱交換器、発電プラント用の配管など、高品質が要求される分野で使われています。軽く、強く、さびないというチタンの性質が、これらの分野で重宝がられています。

航空機では、主にエンジンの部品材料として使われます。また、航空機のボディは、以前はアルミ合金(ジュラルミン)でしたが、省エネタイプの新型機種では炭素繊維が主体になっています。この炭素繊維とともに構造材としてもチタンが多く使われています。航空機は大きな気温差の中を飛行するので、ボディもかなりの伸縮を繰り返します。炭素繊維とチタンは熱膨張係数が同じぐらいなので、航空機のボディの素材として、とても相性が良いのです。

航空機産業は今後成長が見込まれる分野であり、チタンの需要も増えることが予想されています。当社は、このトレンドに乗りながら、シェアも増やしていくことを計画しています。

──高品質と言いますが、ポイントはどういうところにあるのでしょうか。

スポンジチタンの製造では、最終用途によって強度や加工性などの性能を出すために、酸素や鉄などの微量の不純分を一定値以下にコントロールする技術が必要になります。この規制の最も厳しいものが航空機エンジン用のスポンジチタンです。

このスポンジチタンを提供するためには、取得するのが非常に難しいエンジンメーカーの認定が必要です。認定を受けているメーカーは世界に数社しかありませんが、当社はそのトップメーカーであると自負しています。

──医療用にもチタンが使われています。こちらはいかがですか。

医療用のチタンも、航空機用などと同等の品質が求められており、当社も当然提供しています。ただ、需要は、航空機や船舶用よりかなり少なくなります。

設備だけではスポンジチタンの製造はできない


──スポンジチタンの製造は難しいということでしたが、素人にもわかるように説明していただけますか。

化学的なプロセスを説明します(図1)。

先ほど、先ほど、チタン原料には酸化チタン(TiO2)が含まれており、チタンと酸素を分離するのが難しいとお話ししました。ですが、コークスと一緒に加熱した中に塩素を吹き込むと、コークスの中の炭素が酸化チタンの中の酸素と反応して二酸化炭素(CO2)となり、同時に塩素とチタンが反応し四塩化チタン(TiCl4)になります。この工程を塩化と言います。

四塩化チタンは常温で液体なので、蒸留を繰り返すことにより純度を向上させることができます。蒸留した四塩化チタンからチタンを還元するためには、還元剤としてマグネシウムを使用します。マグネシウムが塩素と結びついて塩化マグネシウムとなり、残りがチタンとなります。塩化マグネシウムは、塩化用の塩素と還元用のマグネシウムに電気分解し再利用します。

チタンの製造工程

図1. チタンの製造工程

──伺った限りでは、自動化できそうにも思えますが。

素人目にはそう映るかもしれませんが、炉の温度管理や反応速度の制御、あるいは機器のメンテナンスなどに高度なノウハウが必要になります。また、塩素は毒物ですし、マグネシウムは爆発しやすい物質です。つまり危険物が多いので、その取り扱いにも長じていなければなりません。

熟練工の「暗黙知」のかたまりであり、設備だけ持っていても、とても作れるものではありません。

ポリシリコン製造の始まりは副産物の有効活用だった


──もう一つの主要事業である、ポリシリコン製造についても教えてください。

スポンジチタンを製造するプロセスの中で、副産物として塩化ケイ素が発生します。それを有効利用するためにポリシリコンの製造を始めました。最初は副産物の有効利用でしたが、現在では原料は輸入しています。

製造のプロセスもスポンジチタンとよく似ています。原料の金属シリコンを、トリクロロシラン(SiHCl3)という常温で液体の塩化物にして蒸留するところなどそっくりです。ただし、純化のレベルはチタンよりはるかに上で、11N(99.999999999%)というレベルが求められます(半導体用)。

還元のプロセスでは、密閉された反応炉の中に「種棒」と呼ばれる細いシリコン棒を立て、加熱後ガス化したトリクロロシランと還元剤の水素を吹き込み還元反応によって高純度のシリコンを生成させます。生成されたシリコンは種棒に堆積され太く成長します。

──どのような会社がお客様なのでしょうか。

ほとんどが半導体用のウェハーを製造している会社です。半導体産業もまだまだ市場成長が見込まれている、有望な分野です。

技術伝承の取り組みはこの10年で


──チタン製造もポリシリコン製造も極めて高度な熟練が要求されることが理解できました。人材育成はどのように行っているのでしょうか。
 
現時点では、OJT(On-the-Job Training)、つまり先輩社員が現場で教えるのが最も有効な教育の方法です。固定的な熟練工だけでは人件費がかさみますので、必要に応じ臨時従業員を雇用しています。彼らにもOJTで教育していますが、一通りのことができるようになるまでには半年はかかります。

──「暗黙知」が多いということでしたが、技術伝承はどうされているのですか。

それはまさに、当社の組織的課題となっています。現在の中核技術者は50歳前後で、定年まで10年ぐらいあり、仕組みを含めて考え始めたところです。システムで解決できる部分やサポートできる部分についても今後検討していきます。

「New Challenge Best Quality」


──2014年に「New Challenge Best Quality」というブランドスローガンを制定されました。この制定には、どのような背景があったのでしょうか。

このスローガンは現経営陣が策定したトップポリシーをさらにイメージさせる伝達力・共感力のあるものとして制定したもので、トップの大きな思い入れのあるものです。

2008年9月のリーマンショックまでのチタン業界は、チタンの需要も価格も毎年大きく上昇し、今では考えられないような営業利益率を達成していました。ボーイング787などがチタンを大量に使う計画もあり、供給が逼迫しているような状態でした。

ところがリーマンショックを境に、それまでの旺盛な需要には仮需が含まれており、サプライチェーンの中に大量の在庫が滞留していることが判る一方、航空サービス業界でいわゆるLCC(格安航空会社)が登場し価格破壊が進みました。それがどんどん川上に伝播していきました。価格破壊の波は、チタンの主要エンドユーザである航空機メーカーから最上流に位置する素材メーカーである当社にもすぐに及んできたわけです。

チタンの市場は鉄やアルミとは比較にならないほど狭い市場です。その一方で、チタン業界は当社のような中間材メーカーがあり、次に当社のお客様である展伸材メーカーがあり、その次に部品メーカーがあり、という具合にエンドユーザまでのサプライチェーンが長く、いったん不況になると在庫調整に大変な時間がかかります。実際、2014年の稼働率は50%程度でした。リーマンショック後の在庫調整がようやく昨年になってほぼ完了したという状況なのです。

さらに中国の台頭があります。リーマンショック前には、中国製のスポンジチタンはわずかでしたが、現在では世界最大の生産国です。中国製の品質の一定しないスポンジチタンでも、それを安く買って、その中から高品質の部分だけを使えば、トータルで安く済むからです。

このように、事業環境の変化が激しい業界であり、しかもリーマンショック前のフィーバーはあり得ないという前提でコスト競争力を強化していかなければなりません。これまでと同じことをしていたのではダメだ、失敗を怖れずチャレンジしていこう、というのが「New Challenge」ですね。

ただし、当社の強みは「高品質」ですので、品質の確保は大前提であり、挑戦しながらも「Best Quality」を死守しなければなりません。「Best Quality」は製品の品質はもちろんですが、それだけではなく人の仕事も含めたトータルでの品質のことです。

当社は、この人の仕事も含めた高品質を強みに取引先と強固な関係を築いていますが、それに甘えることなく、さらにコストパフォーマンスの高い製品を提供することで、現在のポジションを盤石にしたいと考えています。

──具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか。

当社のスポンジチタンの製造方法は、1940年代に開発されたクロール(Kroll)法と呼ばれるものです。他にも製造方法はありましたが、現在では唯一の製造方法と言っていいでしょう。将来は新しい方法が開発されるかもしれませんが、現時点ではクロール法が一気に変わってしまうような革新的な変化は難しいと思います。

ですので、結局は炉の温度を何℃にするのが最も効率的なのかというような地道な試行錯誤の積み重ねをするしかありません。スポンジチタンを製造するには、大量の電力を使用しますが、微妙な温度変化で電力原単位(使用量)も変化します。温度以外にも色々な要素があり、それらの組み合わせが膨大にあるため、まだまだ最適解までの伸びしろがあると考えられます。

大量のデータを組み合わせてシミュレーションするというようなことであれば、システムは大きな貢献ができるのではないかと考えています。

スポンジチタン1tを作るための労働生産性の高さも電力使用量の少なさも、当社はおそらくすでに世界一だと思いますが、この中期計画では、3年間で電力使用量をさらに14%、労働生産性を46%改善するというチャレンジ目標を掲げて取り組んでいます。

これからのシステム部の役割と取り組み


──「New Challenge Best Quality」というブランドスローガンにおいて、システム部の役割や取り組みはどういったものになるのでしょうか。

社内ユーザに対する「Best Quality」は、しっかりしたサービスを提供することです。そのためには、システムのより一層の安定稼働が必要です。また、事業環境の変化に合わせてタイムリーなサービスを提供することも重要です。これらは、時代に関わらず求められることでしょう。

「New Challenge Best Quality」の究極の目的は、市場全体の成長を上回る企業成長を遂げて、品質とコストの両方の競争力を高めるということです。そのためにITが貢献できることは大いにあるはずで、システム部としても一層の努力をしていくつもりです。

ただ、正直に申し上げると、システム部の体制、体力の問題で、これまではシステムの保守と運用だけで手一杯の状況でした。ここ数年間で、主要取引先の一つであり大株主でもある神戸製鋼所さんに人材とノウハウの支援をいただき、ようやく体制が整ってきたという状況です。

今後は利用部門から言われたので考えるというスタンスではなく、生産性の向上に資するような、利用者の付加価値を高めるサポートを、システム部から積極的に仕掛けていこうと思っています。

大阪チタニウムテクノロジーズ システム部の皆様とマシンルームにて

大阪チタニウムテクノロジーズ システム部の皆様とマシンルームにて

IT戦略の切り口は二つ


──ここまで、OTC 全体の話ということで一瀬専務に伺ってまいりました。以降は、システムについてより詳しく三角部長にお伺いしたいと思います。一瀬専務からは、システムの安定稼働とタイムリーなサービス提供を旨に、利用部門に積極的に提案していくことがこれからのシステム部の役割だということでした。これらを実現するための戦略として考えていらっしゃることをお聞かせください。

戦略の切り口は大きく二つあります。

一つは、ニーズにどう応えるかという切り口です。これは、主力事業における製造、生産管理、品質保証に対応するシステムをどうしていくかということです。

もう一つは、シーズとしての切り口です。つまり、どのようなITインフラを整備しユーザに提供するかということです。これには、大きな課題が三つあります。次のとおりです。

1. 社内スタッフの業務効率化
2. TCO(Total Cost of Ownership)低減を目的とした仮想化、クラウド化
3. 情報セキュリティレベルの向上

よりきめ細かい管理へ


──それでは、順番に伺います。まず、主力事業のニーズに応える戦略について教えてください。

スポンジチタンは、砂利ぐらいの大きさに粉砕したものをドラム缶に詰めて出荷するのですが、お客様には、このドラム缶を何本かまとめたものを一つの単位として納めています。

現在の生産管理システムがどのような管理をしているか、詳しくお話しすることはできないのですが、例えば、管理する単位を今よりもさらに細かくする等、生産管理というもののレベルをもう1ランク上げようと活動しています。

お客様との契約、製品の製造、実際のハンドリング(搬送・輸送)、人による確認、品質保証といった様々な実務の局面において、より高品質な管理が実現できるように、製造・生産管理・品質保証の各部門に働きかけているところです。

──製造関係で、お客様のニーズに応えるための対応もありますか。

あります。お客様ごとや品質ごとの対応は頻繁に行っています。

例えば、製品にはお客様に納める際の特定の単位ごとに検査証というものが付いています。通常は検査したデータの代表的な内容のものしか表示しないのですが、お客様によっては表示項目を追加して欲しいという要望があります。

当社が、炉の温度等を細かく試行錯誤して生産性や電力効率を高めようとしているのと同じように、当社のお客様も様々な工夫を重ねながら生産性を上げようとされているのです。そのための支援をすることによって当社との関係性をさらに深めるのが狙いです。

同じような要望としては、お客様への納品物の一部の文字色を変更して欲しいと言われることもあります。例えば、ある品種の時には文字色を変えて目立たせて欲しいという要望です。そうすることで、お客様側のミスが減り、その分お客様の生産性が向上します。

どちらも製品品質以外の面でお客様に付加価値を提供するもので、こういったことには、システム的な対応が必須であることも多く、今後もできる限り迅速に対応していくつもりです。

一瀬氏、三角氏

「労働生産性や省電力性では、当社はすでに世界トップレベルですが、さらなる改善にチャレンジし続けています」一瀬氏(写真右)
「きめ細かい付加価値を提供するために、システム部からも積極的に提案していきます」三角氏(写真左)

可視化ツールを検討


──シーズとしてのIT戦略の1番目、「社内スタッフの業務効率化」について具体的に教えてください。

最新のBIツールを導入して業務や経営の状況を可視化することによって、経営や管理業務を効率化するための情報提供をしていこうというものです。

──BIツールに求める要件はどのようなものですか?

生産管理システム等のデータベースからのデータ抽出や加工等ももちろん必要な機能ですが、それ以上に当社にとって必要なのは、表計算ソフトからデータを抽出したりプレゼンテーションソフトと同様の表現力を持っていたりすることです。

現場の暗黙知を形式知化していく必要があることについては、先ほども話がありましたが、当社の場合は表計算ソフトやプレゼンテーションソフトなどのOfficeファイルに多くの暗黙知が残されています。ただ、検索性や一覧性が低いためごく限られた範囲での共有しかできませんでした。これを解決するためのBIツール導入を検討しています。プレゼンテーションソフトにある豊かな表現力を持ち、過去から蓄積されている表計算ソフトの中のデータを抽出でき、ある意味Officeファイルを統合する機能を持っているツールです。アシストから様々な情報提供をしてもらい、また関係部門へのデモを支援してもらっています。

BIツールを活用して、まずは営業と経営のデータを共有することを考えています。経営で言えば、IR関連のデータを含んだ資料を作る際に、どの図表やグラフのデータが最新なのかがわからなかったり、役員層向けの説明資料としては過去からの一貫性を保つために使用するデータやその定義の確認に長時間を費やしたりしています。

また、現在では表計算ソフトでグラフを作成して、それをプレゼンテーション用のファイルにコピー&ペーストしていますが、これは二度手間ですので、データベースから直接データさえ連携すればプレゼンテーションができるようにしたいと考えています。

BIツールを導入することで、いま言ったような様々な時間や手間が大きく削減できると期待しています。営業と経営など一部の業務で効果が出たら、全社に展開していきます。

今検討しているツールは、インメモリで動作するので高速なのも気に入っています。分析処理で待たされると思考が途切れてしまいますが、そのようなことはないだろうと期待しています。

新発想BIツール QlikView

図2. 新発想BIツール QlikView

仮想化は3割完了、クラウド化はこれから


──シーズとしてのIT戦略の2番目は、「TCO低減を目的とした仮想化、クラウド化」でした。現状ではどこまで進んでいるのでしょうか。

仮想化に取り組み始めたのは5年ほど前からです。現在3割のサーバが仮想化されました。仮想化基盤には、VMWareを使っています。仮想化は現状のモニタリングを実施し、問題点と対策をまとめながら進めていきます。VMWareにもっと精通し、運用のプラットフォームは何が良いかなども検討していく必要があると考えています。

クラウドについては、メールとスケジューラのサービスを利用しています。これはスマートフォンやタブレット端末を社外で使っている時に情報漏洩しないようにすることが狙いです。もう一つ、SaaSのFAXサーバの利用を始めようとしています。電子ファイルを作成すると自動的にFAXを送信してくれるので送信間違いがなくて情報漏洩の心配もないですし、手間も省けて便利な上に、ペーパーレスにもつながります。クラウドについては、まずはSaaSの活用から進めていきます。

技術的な対策だけでは情報は守れない


──シーズとしてのIT戦略の最後は、「情報セキュリティレベルの向上」でした。セキュリティに関して、具体的な問題が出てきているのでしょうか。

今のところ被害は受けていませんが、ファイアウォールやプロキシサーバ等のログを見ていると、当社も組織的なところから狙われているのではないかと思われます。

一般論で言っても、セキュリティに関するリスクの発生ポイントは、インターネットのサイト、社内漏洩、外部からのアタックなど多極化し、日々リスクが高まっている状況です。

これらのリスクは、ITによる技術的な対策だけでは回避することはできません。社員教育による情報セキュリティポリシーの徹底も欠かせません。

社員の情報セキュリティに関する知識レベルと実態を知るために定期的にアンケートを実施しています。例えば、「見知らぬ相手からメールが送られてきた時に開封したことがありますか」というような内容です。

ただ、このような教育だけで怪しいメールを誰も開封しないようになるだろうと期待していては、情報セキュリティは確保できません。開封してしまう社員がいることを前提に対策を立てておく必要があります。

──そういう意味では、技術的な対策も必要ですね。具体的にはどのような対策をされていますか。

情報セキュリティ管理においては、まず実際に起こっていることを把握する必要があります。

そのために、当社では2007年3月、端末操作とサーバアクセスのログを一元管理する目的で、アシストからLogstorageを購入しました。

その後、別ベンダーから購入していたJP1/NETM/DM(端末資産管理、操作ログ出力)、JP1/NetMonitor(不
正接続監視)および秘文 AE Information Cypher/秘文 AE Information Fortress(持ち出し制御、暗号化、端末操作ログ出力)の3製品のサポートをアシストに切り替えて、情報セキュリティ関連ソフトウェアの窓口ベンダーを一本化しました。

さらに2008年からは、アシストのIT全般統制に関してのコンサルテーション・サービスを受けています。これらの施策を通じて、既存の機器のしっかりとした運用保守に努めています。

システム部の存在価値を高めるために


──システム部には、現在三角部長以下、プロパーが13名、派遣社員が3名おられると聞いています。多くの課題がある状況でこの人数では大変だと思う一方、社員数(2014年3月現在で臨時従業員を含めて約850名)と比較すると多いとも言えます。

おっしゃる通りです。ただ、この人数になったのは、ここ数年のことで、それ以前は4~5名の部員しかおらず、現行システムの運用保守だけでも四苦八苦していました。もちろん、これだけの人数を継続的に配属してもらうには、システム部の存在価値を高めていく必要があると思っています。

──どのようにして存在価値を高めていこうとされているのでしょうか。

役員や他部門の部長が集まる予算会議などでは、常にシステム部の活動に理解を得られるようなプレゼンテーションを行っています。

また、年に6回、4~5部門の若手から中堅の社員が、社長・役員・部門長が居並ぶ前で、自部門と自身の取り組みを発表する場があります。スタッフの育成が狙いなのですが、この場も最大限に活用させてもらっています。

──部員の育成はどのようにされているのでしょうか。

やはりOJTが主体です。

ですが、ITの基礎、OSやDBなど基本ソフトウェアの概念や使い方、業務アプリケーションの設計やテストなど基本的なIT関連知識や、BIツールの活用やIT統制など部門のテーマに関わることについては、外部研修も活用して教育しています。

──システム部の存在価値を高めるために、部員に期待するのはどのようなことでしょうか。

システム部の役割には、守りと攻めの部分があると思います。守りは、安定稼働の実現と、ユーザからの要望に応えるための改善です。攻めは、ITインフラを最新化しながらTCOを削減して新しいビジネスを創生するためのプラットフォームを整備することと、それらを活用しながらユーザの先を読んで提案できるようになることです。

現状は、守りの部分に半分以上のパワーが割かれています。攻守のバランスが適正化すれば、システム部の存在価値は自然と高まるはずです。

その意味から、現在の部員は「ユーザはシステムをどう使えばいいのか」、「ユーザはどのようなデータが欲しいのか」、「何をインプットして何をアウトプットすればいいのか」といった、直接的なユーザニーズの把握はよくできていると思います。これは守りの部分です。

これからは、まずシステム部門として最新のITを追い続け、それを社内に取り込んでいくことです。また、並行してユーザ業務そのものの理解も深めていって欲しいですね。「なぜ、そのデータが必要なのか」、「そのデータをどの業務でどのように役立てているのか」といったユーザニーズの背景をしっかりと把握することで、システム部から積極的に提案ができるようになると思います。これが攻めの部分です。

守りのコストは半分以下にして、新たな付加価値を提供していくことが、システム部の大きな使命です。

──他に課題はありますか。

アプリケーション・ソフトウェアだけでなく、OSやミドルウェア、ハードウェアなどを様々なベンダーから購入しています。そのための手間やコストはかなり大きいと思っています。将来的には、統合を進めながら、標準化を図っていくつもりです。

とは言え、それぞれに最適なベンダーを採用している面もあるので、いきなり減らしていくことは困難です。クラウド化が解決への一つの道筋だと考えています。

アシストの評価


──アシストをどのように評価しておられますか。

トラブル対応がしっかりしている会社ですね。対応が迅速で、最後まで責任を持って対応してくれます。根本解決をしないうちに何となくうやむやにしてしまうベンダーも中にはあるようですが、アシストに関してはこのような話を聞きません。

──アシストのそのような姿勢を示す具体的なエピソードを教えてください。

JP1/NETM/DMで、PCのログオン/ログオフの履歴を採取したかったのに、上手くいかないことがありました。

JP1の開発元へのエスカレーションが必要です。このような場合、開発元にきちんとエスカレーションをして開発技術者を上手に引き込まないと原因究明ができないこともありますが、アシストは見事に突きとめて報告してくれました。

ユーザ目線で考えてくれるというのでしょうか、製品サイドの都合ではなく、常に当社にとって何が重要か、どうするのが最適かといった姿勢を感じます。

──アシストに対して、改善して欲しいところはありますか。

先ほどのユーザ目線について、あまりにもそれが行き過ぎて当社の社員のように振舞うので、アシストとの境が曖昧で困るという部員もいます。最低限で構わないので、ユーザとベンダーの境界はきっちりしていただければと思います。

また、ハードウェアが絡む案件、つまりSI(システムインテグレーション)的な対応をしてもらえないのは少し残念です。業態的に難しいのは理解していますが、例えばプライムベンダーとしてシステムインテグレーターをコントロールするなどのやり方もあると思っています。ぜひ検討をお願いしたいですね。

──アシストに対して、期待されることは何でしょうか。

一つは多種多様なセミナーが豊富で、しかも無料のものが多い。部員からも好評です。もう一つは、IT統制やセキュリティなど困ったことを相談すると、その道のプロをすぐに連れて来てくれる。

この二つは、ぜひ継続していただきたいですね。


取材日時:2015年8月
大阪チタニウムテクノロジーズのWebサイト

現在、大阪チタニウムテクノロジーズ様でご利用いただいている製品、サービス
  ・統合運用管理ツール / JP1
  ・セキュリティ・ツール / 秘文
  ・統合ログ管理システム / Logstorage
  ・高速インメモリBIツール / QlikView
  ・各種プロダクト技術支援サービス

担当者の声


担当者の声


大阪チタニウムテクノロジーズ様はチタニウムの技術では世界でも稀有な存在であり、是非ともお付き合い願いたいお客様でした。担当させていただいた当時は、お取り引きがない新規のお客様で、最初にいただいた案件は残念ながら失注し悔しい思いをしました。しかし、後にその案件の製品サポートをアシストに切り替えていただくことになり、その時の喜びは昨日のことのように思い出されます。それから気がつけば10年来のお付き合いで『お客様の声』にご登場いただける関係にまでなりました。これもひとえにお客様がアシストにチャンスを与えてくださり、長所を引き出していただいた賜物と感謝申し上げます。

お客様も今までのお付き合いの中で大きく変化されました。特にここ数年の厳しい市場変化に対応するためのお取り組みや投資と、それを支えるためのIT部門の強化を積極的に行ってこられました。それに伴いアシストへのご要望もツールの販売、サポートやセキュリティ系のコンサルだけでなく、SIベンダー的な役割をご期待いただくようになりました。アシストにとって簡単なことではないかもしれませんが、このお客様の声に応えていくことがお客様とアシストの将来の発展につながることだと考えています。

これからも、どのようなことでも一番先にご相談いただけるお客様のベストパートナーを目指し、より一層ご信頼いただけることを心がけて活動して参ります。

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