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NO.69 アットホーム

お客様の声 NO.69 アットホーム

Guest Speaker

アットホーム株式会社
取締役 情報戦略部門 部門長
山本 治 氏(写真中央)

情報システム部 管理運用グループ グループ長
磯田 信親 氏(写真右)

情報システム部 管理運用グループ インフラ設計チーム チーム長
宮之原 秀雄 氏(写真左)

※ご所属部署、お役職は取材当時


アットホーム株式会社(以下、アットホーム)は不動産情報を流通させるプラットフォームを提供している会社である。同社ビジネスの根幹のシステムを支える情報システム部の運営体制や、システム開発方針について伺った。

不動産情報流通のプラットフォームを提供するアットホーム


──アットホームについて教えてください。

アットホームは、不動産事業者を対象とした、物件情報流通サービスと不動産業務の支援サービス、消費者を対象とした不動産情報メディアを提供しています。当社を不動産会社と間違われる方もいらっしゃるのですが、アットホームは不動産会社ではなく、不動産情報を流通させるプラットフォームを提供している会社です。そのプラットフォームを、全国にある5万4000以上の不動産店が利用しています。

当社が物件情報を流通させることで、情報を提供する不動産事業者にとっては物件の早期成約が、情報を入手する不動産事業者にとっては多くの物件を取り扱うことが可能となります。また、物件を探す消費者は、1軒の不動産店を訪問するだけで、別の不動産店が取り扱う物件情報も閲覧することができます。年間の登録物件数は、消費者に公開されるものが約2200万件、不動産事業者に公開されるものが約900万件となっています(※物件がB to BとB to Cの双方に登録されている場合があります)。

当社は創業当初より、物件情報を不動産事業者から預かり、他の不動産事業者に配布する「ファクトシート・リスティングサービス(図面配布サービス)」を中心に事業展開をしてきました。2017年で創業50周年を迎えますが、根幹となるビジネス・モデルは創業当初から変わっていません。現在も、営業担当者が加盟店を3日に一度訪問して物件情報を集め、ファクトシートに落とし込んで指定のエリア加盟店に配布しています。また、IT化にもいち早く取り組み、ATBB(at home Business Baseの略)という加盟店専用の不動産業務総合支援サイトを構築。不動産流通情報の入手の他、物件情報を登録すれば、即日、不動産事業者向けやエンドユーザ向けメディアに公開することもできます。

アットホームの事業領域

アットホームの事業領域

不動産事業者に必要なモノ/コトをすべて提供


──不動産事業者には、具体的には、どのようなものを提供されているのですか。

多岐にわたりますが、前述のATBBというシステムが挙げられます。不動産業務の効率化をインターネットで支援するシステムです。4万3000店以上の不動産店が導入しており、アットホーム不動産情報ネットワークに登録されている常時70万件以上の客付可物件情報の検索を入手、物件情報の登録や公開の管理など、日々業務に欠かせないものになっています。他の多くのITサービスとも連携しており、例えば、帳票の作成や入金処理、契約から退室までを一貫して管理する「賃貸管理システム」とリンクさせ、管理している物件が空室になることが確定した段階で、自動的に空室情報を公開できるようになっています。

また、不動産業を行うに当たって必要なインフラだけでなく、例えば、クレジット・カードの引落サービス、設備や家電の保証サービス、のぼりの制作、物件の図面を収納するラックの販売など、不動産事業者が必要とするモノ/コトはできるだけ提供するようにしています。さらに、長年にわたる膨大な不動産関連データから、成約事例や相場情報など、様々なデータ提供も行っています。例えば、成約情報を分析して、どのエリアの業者がどのエリアの物件に興味を持っているかといった傾向を把握し、それらの情報を加盟店にフィードバックするなど、売上げアップにつながる情報の提供もしており、このような取り組みが、顧客満足度の向上につながっていると考えています。

不動産事業者向け商品紹介サイト

不動産事業者向け商品紹介サイト

店頭・店内ツール等の販売サイト「アットホームショップ」

店頭・店内ツール等の販売サイト「アットホームショップ」

自由度の高い体制に


──貴社のビジネスを遂行するに当たって、情報システム部が果たす役割について教えてください。

顧客満足度をアップするために、システムの安定稼働はもちろんのこと、不動産事業者が望むシステムや機能をスピーディに提供することです。現状、必要なサービスをタイムリーに提供できるようになっていると自己評価はしています。しかし、これまで以上のボリュームのサービスを提供することになった場合には、まだ自分たちだけでは対応できないように思います。そうなった場合でもスピーディに対応できるように、人材の育成や体制作りを進めていく予定です。

「最近、各グループからの相談が少なくなっていますが、これは彼らが責任を持って業務に取り組んでいることを表しており、良い兆候だと考えています」山本氏

「最近、各グループからの相談が少なくなっていますが、これは彼らが責任を持って業務に取り組んでいることを表しており、良い兆候だと考えています」山本氏

──人材育成や体制作りでは、どのような点に気を付けられていますか。

4つのことに気を付けています。1つは、各人の裁量を広く認めるようにしています。物品の購入やプロジェクトの方針などをグループ長の判断に任せるようにしたところ、グループ長も各メンバーに裁量を与えるようになり、その結果、情報システム部の各メンバーが自ら責任を持って業務に取り組むようになりました。裁量が与えられると責任も発生するので、しっかりと考え、生じた結果に対して対応するようになったからだと思います。自分たちで考えて取り組んだことが失敗したとしても、自ら原因や有効な対処法を見つけ、次につなげています。

2つ目は、裁量の幅を広げることとも関係しますが、エンジニアが求める環境を提供するようにしていることです。例えば、従来はコストを重視しハードウェアを購入していましたが、現在はエンジニアに自由に決めさせ、彼らが仕事をしやすい環境を整えられるようにしています。

3つ目は、失敗することを恐れずチャレンジする姿勢を持つことを推奨しています。そして、それをバックアップするため、チャレンジして失敗したとしても、責めない/責められない体制にしています。チャレンジに関しては、情報システム部では、最新の技術を積極的に採り入れるようにしており、日本では実績のない海外製品であっても、カタログ・スペックから判断して有益であることがわかると導入しています。日本でのファースト・ユーザでも構わないとの気持ちで導入し、自分たちで運用して問題点を探っていく姿勢でいます。

例えば、サーバの仮想化が可能になった頃に、当社では管理運用グループが中心となって、いち早く仮想サーバを導入しました。当初は導入に時間がかかりましたが、仮想サーバが一般的になった頃には、導入だけでなく運用の経験も蓄積されていました。このような先進的な取り組みは、情報システム部内の他のグループにも良い影響を与え、部内全体が大胆な決断ができるようになってきています。

4つ目は、プロジェクト発足にあたっては、高いモチベーションで臨むことができるよう、希望者を募り、中心となって担当してもらうようにしています。自ら挙手したものについては徹底的に追求してもらうので、クオリティ面でもスピード面でも良くなりました。また、各人が得意な専門分野を持つようになっています。

──エンジニアに高い自由度を認める体制にした理由は何でしょうか。

情報システムの分野では、ソフトウェア、ハードウェアの変化が速く、常にフォローしていないとあっという間に置いていかれてしまいます。そのような状況で、情報収集を指示して、報告させて、検討して、実行するという段階を踏んでいると、時間がかかってしまい対応が遅くなります。特に新しい技術や日本における実績がないツールであれば、時間をかけても有益な情報は得られません。それらを採用した場合のリスクは、普及するか否か、使えるか否かの2点ですが、現場の裁量を認めて導入の判断をさせれば、使えるか否かの点については自分たちで努力して使えるようにするのでリスクではなくなります。

自由に動ける人員を配置し、組織の柔軟性をアップ


──現在、アットホームではシステムを基本的に内製されていると伺いました。

はい、情報システム部が担うアットホームの根幹のシステムはすべて内製しています。システム構築だけでなく、データセンターの選定、データセンターに設置するハードウェアや利用するソフトウェアの選定といった一連のプロセスを情報システム部で手がけています。一般的には、これらはベンダー会社に任せて、情報システム部は監督やバックアップに注力することが多いと思いますが、それではタイムリーにサービスを提供することができません。

当社も以前は、ベンダー会社に機器やソフトウェアの選定から構築まで一括で発注し、保守もお願いしていました。しかし、それではシステムの内容について詳細に把握できないため、提示された期間や費用を検証できませんでした。そうなると、どうしても把握していないことや管理できない部分が発生し、情報システム部が会社から求められている役割を十分果たすことができないと考え、すべてを情報システム部で内製することにしました。他方、従来は部内で行っていた、サーバの夜間監視などはアウトソースして社員の負担を減らしています。

「これまでにないボリュームのサービスを情報システム部だけで提供できるようになるために、チャレンジを続けていきたいと思います」磯田氏

「これまでにないボリュームのサービスを情報システム部だけで提供できるようになるために、チャレンジを続けていきたいと思います」磯田氏

──最新の製品情報を調べるチーフアーキテクトの方がいると伺ったのですが、どのようなことをされているのですか。

厳密にはチーフアーキテクトではありませんが、自由に動けるマネージャを10名置いています。情報システム部にはグループが6つありますが、マネージャはどのグループにも属していません。各人が経験や知識が豊富で専門の領域を持っており、案件があれば案件に携わりますが、通常は情報収集をして知見を広げてもらっています。

以前は「情報システム部 ── グループ ── チーム」のラインしかなく、扱う案件が固定化されてしまっていました。しかし、顧客満足度向上という目標を掲げた結果、扱う業務が広がり、従来の縦割り的な思考ではカバーできないことが増えてきました。例えば、加盟店の情報システム部が相談に乗って欲しいと依頼してくることがあります。そのような依頼に対応する場合、事前にどのグループに任せるのが適当か判断することはできません。かと言って見当違いのグループの人員に担当させると、お客様の満足度が低下してしまうことにもなりかねません。そこで、幅広い知識を持ったマネージャに前さばきをしてもらっています。また、新しいプロジェクトを始める際には、情報を集めてある程度の道筋の目処をつけるという役割を果たしてもらっています。それにより、お客様との対応やプロジェクトの進行がスムーズになりました。

オープンソース・ソフトウェアを積極的に活用する理由


──オープンソース・ソフトウェア( 以下、OSS)を積極的に活用されていると伺いました。商用パッケージ・ソフトウェアとはどのように使い分けられていますか。

基本的に、開発はOSSを利用するようにしています。以前は商用パッケージ・ソフトウェアをメインにしていましたが、時代の流れがOSSに向かう中、商用パッケージ・ソフトウェアを使っているとエンジニアが負担に感じてしまいます。新しいことにチャレンジしてもらうためには、ツールで負担を感じるような状況は避ける必要がありました。

また、優秀なエンジニアに入社してもらうためには、エンジニア受けする環境を整える必要があります。商用パッケージ・ソフトウェアを利用していると、優秀なエンジニアが入社を躊躇することにもなりかねないので、現在は主流となっているOSSに軸足を置いています。データベースは、MongoDB(※1)を活用しています。

  • 1 MongoDB
    NoSQLに分類される、オープンソースのデータベース。対障害性とスケーラビリティに優れ、またNoSQLでは珍しくインデックスをサポートしている。


──コスト削減の目的もあったのでしょうか。

OSSを利用することでコストは削減できますが、これは二次的な効果で、無料にこだわっている訳ではありません。利用しているOSSについて知識が蓄積されていない場合には、運用に当たって有償のサポートを受けた方が効率的なことがあります。そう判断した時は、積極的に有償サポートを受けて、知見の蓄積、スキルのアップに努めるようにしています。
 
──MongoDBの活用に力を入れられている理由は何ですか。

実は、MongoDBが良いと決めて使い始めたわけではありません。当社で最も重要な物件情報が各システムに散在していたため、それを一元管理することにし、そのアーキテクチャをどうするかを検討しました。1年半にわたって実験し、その結果、MongoDBとApache Solr(※2)を選びました。とは言え、従来のデータベースではできたことでMongoDBではできないこともあり、どこまでならできなくても許容できるのか、従来実現できていた機能に近づけるためにはどのようにすれば良いのか等、1つひとつ詰める作業をしています。

  • 2 Apache Solr
    オープンソースの全文検索システム。


──OSS にされて、情報システム部の方たちの反応はいかがですか。

自由度が高く、柔軟性があるため、エンジニアはOSSにして良かったと喜んでいます。OSSを利用すると自分たちで考えて解決することになります。これは手間が増えるようにも見えますが、知見が増え、次の開発や運用に応用できるためメリットとなっています。

今後の情報システム部の方向性 ~働き方を変えていきたい


──今後の情報システム部の取り組みの方向性について教えてください。

今後取り組みたいと考えていることは3点あります。まず、常にチャレンジを続けられるような体制を確立することです。通常、チャレンジしたことに目処がついたら、そのことについて粛々とブラッシュアップしていきたいと考えてしまいがちですが、それではそこで成長が止まってしまいます。半分くらい達成した段階で、次の課題に挑むような体制にしたいと考えています。

次に、今は、9時から17時20分まで全社員が会社にいる仕組みになっていますが、働き方の多様性を認めていきたいと考えています。働き方を変革することで考え方や視点が変わり、日々の業務にも良い影響が出ると期待できるからです。

最後に、情報システム部に対する社内の信頼を高めていきたいと考えています。現在、すべてのシステムやインフラに情報システム部が関与しているわけではなく、部門によっては直接ベンダー会社とやり取りすることもあります。その場合、情報システム部には事前に情報が来ないので、セキュリティ上の問題が生じた時に対応が後手に回ってしまいます。また、コスト的にも適正なのかといった検証が不十分になる可能性もあります。したがって、どのようなシステム/インフラであっても、情報システム部を通してもらえるように全社に依頼しています。ただ、事前に知らせてもらうためには、社内における情報システム部の信頼性を上げる必要があります。その一環として、情報システム部の考えや姿勢を理解してもらうために、ハードウェアの購入時には購入理由を公表しています。

アットホームにとってのアシストとは


──貴社にとってアシストはどのような存在ですか。

何かあったらすぐに相談できる身近な存在です。相談しやすいだけでなく、そのレスポンスが速く正確なので、頼りになります。JP1 のバージョンアップについては何度も質問しましたが、都度、適切なアドバイスをもらえました。

また、アシストは、新しい製品情報や技術情報、他社の導入事例などを提供してくれるので助かります。従来利用していたシステム監視ツールでは実現できず困っていることについて質問した際には、実現可能なツールをいくつか紹介してもらえ、導入のレクチャーもしてくれました。一般的にベンダー会社は、自社の製品ありきですが、アシストは私たちの立場に立って役立つ情報を提供してくれるので、とても有難いですね。

「アシストフォーラムなどで講演させてもらったり、他社との情報交換をさせてもらったりして、とても勉強になります」宮之原氏

「アシストフォーラムなどで講演させてもらったり、他社との情報交換をさせてもらったりして、とても勉強になります」宮之原氏

──アシストフォーラムなどで何度もご講演いただいています。

アシストフォーラムやJP1 ユーザ会 などで講演して自ら積極的に情報を発信することで、様々な業種業態の企業のシステム担当者と情報交換ができるようになりました。そのおかげで、まだ表面化していない課題やその対処法を事前に把握するといったことも可能となりました。そのような機会は、単に製品を購入するだけでは得られません。知見を広げるという点からも非常に役立っています。また、講演のような情報発信を行うためには、自らが抱える課題を明確にしたり、整理する必要もあり、それもメリットだと考えています。

──今後のアシストへの期待について教えてください。

今のスピーディな対応、相談しやすい体制を今後も維持して欲しいと思います。また、先ほども述べましたが、アットホームの立場に立った情報の提供、課題解決のための提案を引き続きお願いしたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。


取材日時:2016年11月
アットホームのWebサイト

現在、アットホーム様でご利用いただいている製品、サービス
  ・統合運用管理ツール/JP1
  ・千里眼イベント管理 for JP1
  ・特権ID 管理/ CA Shared Account Manager
  ・エージェントレス監視ツール/ HPE SiteScope
  ・リレーショナルDBMS/Oracle Database
  ・各種プロダクト技術支援サービス

担当者の声


担当者の声

アットホーム様とは2011年末のJP1保守切り替えがきっかけでご縁をいただきました。お付き合いはわずか5年ほどではありますが、ユーザ会はじめ弊社のイベントで事例発表のご協力をいただくなど、大変お世話になっております。改めてこの場をお借りして御礼申し上げます。

他社に先駆け、不動産情報サービスの仕組みを築かれたアットホーム様。過去の風習にとらわれず、常に新しいものにチャレンジされています。また社風だとは思いますが、常に社員の皆様が活き活きと楽しそうにお仕事をされているお姿は印象的です。

モチベーションを高く保ち、スピード感をもって、顧客満足度向上のために採算を度外視してでもお客様の要望に対応されているアットホーム様を表すのに「カッコいい」という言葉がまさにぴったり当てはまると思います。

今回の取材を通じて、「相談がしやすく、対応が速いことがアシストの強み」とおっしゃっていただきました。とても嬉しく思います。

今後もこれまで以上に速い対応を心がけ、アットホーム様の「最高のために」、メーカーの目線とは一線を画したアシストならではのご提案ならびにご支援を目指して参ります。

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