プレミアムインタビュー 変化の多い今だからこそ、自分を成長させるために積極的にチャレンジして欲しい
2017年11月06日
■プロフィール |
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いすゞシステムサービスは、システムの企画、設計、開発のみならず、運用、保守までを含めたトータルソリューションを提供しています。製造業に要求される高品質なシステムの安全性確保のノウハウ、実績を活かし各方面へ幅広く展開し、お客様のシステムライフサイクルをサポートします。
同運用サービス本部は、いすゞ自動車、いすゞ販売会社およびいすゞ関連会社の運用設計、システム運用、保守、国内外のネットワークなど各種サービスで培った広範囲の業務知識と、最新ITスキルを生かして、個々のお客様にご満足頂ける様々なサービスを提供しています。
経験を積みながら、上司や先輩から学んだこと
入社当時、どんなことを目指していたか教えてください。
入社当時は、車の実験やテストドライバーをやってみたいなと思っていました。新人研修の時に「情報システム部」配属と言われました。
当時まだ「情報システム」という言葉が一般的じゃなかったので、どういう部門なんだろうという印象でした。メインフレームしかなかったですし、インフラとか運用の区分けもまだ無かった時代です。技術者はプログラミングをしたら運用もするし、インフラの面倒やオペレーションもしていました。当時の技術者は何でも一通りやっていました。まじめな社員でしたね。
技術の習得には苦労されましたか?
当時使っていたバロースというマシンで、先輩にプログラムの作り方やオペレーションの仕方を教えてもらったり、研修所に通って何とか覚えていきました。生産管理や部品管理などのシステムがありましたが、業務用のパッケージ(ソフトウェア)は、ほとんどなかったので、COBOLで作り込んだり、コンソールからいろんなコマンドを打ち込んだりして実機で習得した気がします。
当時の上司がとても厳しくて、コンピュータに対しても自負をもった方でした。ものすごく怒られていた記憶ばかりです(笑)。何度も泣きましたね。何でできないんだろうって自分が腹立たしかったし、周りに迷惑をかけたっていう悔しさもありました。ただ、自分が大きなミスをした時には、上司や先輩が一生懸命フォローしてくれましたし、今思えば、経験を積みながら鍛えてもらったと感謝しています。
膨大な運用情報から読み取るチカラ
その後、コンピュータの環境も大きく変わりましたね。
UNIXが登場した時は、「変わったな」と思いました。メインフレームでは、スケジューラ位しかパッケージは使ってなかったのですが、UNIX機を導入することでプログラム開発も内製が追いつかなくなった部分もあり、パッケージを採用するようになりました。
運用業務も変わりましたか?
パッケージを利用し始めたことでオペレーションや管理がとても便利になりました。その半面、手組みだと見えていたことが見えづらくなってしまい、若手技術者が業務の流れを1から10まで理解することが難しくなってきたと思っています。
技術的な専門性は高まっていますが、他の領域に触れる機会がなかなか作れません。例えば、運用部門は実際にデータベースに触る機会もあまりありません。システム全体を俯瞰できれば、いざ障害が起きた時に、どこに原因があるのかという予測を立てることもできます。プログラミングやオペレーションの経験があれば、どこがポイントなのかという察しがつきますが、専門分野が限定的になってしまうと、システム全体を徹底して調査するスキルがなかなか身に付きません。
自分たちの専門スキルを高めながら、必要な周辺スキルを習得することで本当の意味での生産性をあげることができると期待しています。
運用業務の改善活動のためには何が必要ですか?
オンラインからバッチ処理まで昔では考えられない膨大な情報を高性能なコンピュータで処理しています。運用はルーティン業務が多いというイメージもあるので、もっと積極的に新しいことをやろうと言っています。たとえば、運用部門には様々な情報(運用データやログなど)が集まってきます。この情報を活用して、どのようにビジネス貢献ができるかを考えてほしいです。運用情報のビッグデータ活用で何か色々できそうな気がしませんか。小さな改善の積み重ねとイノベーションの組み合わせが今の生産性を大きく変えると思っています。若い技術者には日頃から、運用に関わる膨大な情報から読み取る力を身につけてほしいです。
先輩から受け継ぎ、次の世代へ継承するもの
メンバー育成の秘訣は何ですか?
何にでもチャレンジする機会を作るようにしています。いろんなメンバーがいるし、得手不得手もあるので、すぐに成果が出る人もいれば、時間がかかる場合もあります。なるべくチャンスを与えるようにして、自分なりにチャレンジをしながら学んでほしいです。
ただ温かい言葉をかけるだけではなく、仕事のやり方を見せることも大事です。また、ミーティングの後には課題の振り返りや提案のポイントについて色々話をするようにします。そうすることで成長につながると思いますし、メンバー個人の生産性があがることで、部門全体のパフォーマンスもあがるでしょう。私もそう教わった気がします。
お手本になる上司がいらっしゃったのですね?
尊敬する上司には何人も巡り合えました。トラブルの時にわざわざ出張先から戻ってくれて、フロントに立ってくれたりしました。いろんな失敗をしていたのですが、かばってくれるわけでもなく、励ましてくれるわけでもなく、ただ仕事のやり方を見せてくれているといった感じです。今の時代には合わないのかもしれませんが、見せながら、やらせながら教えるというスタイルだったように思います。いまの若手社員には、私の経験談だけではなかなか理解してもらえないことがあります。自分が体験したことがないから実感がないのです。だから最近は、若い人たちに要求するだけではなく、「自分たちも変わらなければならない」と感じています。
相手に「分かりやすく」伝えるということ
JP1ユーザ会では、いつもお話の輪の中心にいらっしゃいましたね。
JP1ユーザ会を盛り上げたい一心で、参加しているメンバーの方々に色々と話しかけているうちに、気がついたら大きな輪ができていました。運用のメンバーはなかなか他の会社の運用の方と交流する機会がありません。だから、ユーザ会を通して、同年代の技術者から刺激をもらうことで、また一段と成長できます。
運用担当者は、もっとコミュニケーションスキルを身につけるべきです。取引先との交渉の場面でも、流行り言葉を並べたり、専門用語を使うのではなく、なるべく相手にとって「分かりやく」伝えるチカラを持ってほしい。そのために、自社だけではなく、色々な会社の人とも交流しながら刺激を受けてほしいですね。