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プレミアムインタビュー マネージャーが自ら率先して 新たなチャレンジを

2018年04月03日

■プロフィール
1993年アズビルに入社。AS/400やLANを担当した後、福祉関連システムの運用開発に携わる。
J-SOXのレガシーシステム運用を経て、2014年に運用管理グループでSAPシステムに従事。
クラフトビールとゴルフをこよなく愛し、2017年にはビール検定2級合格。

アズビル株式会社 松原様

アズビル株式会社はazbilグループの中核として、“計測と制御”の技術をもとに、人々の安心・快適・達成感と地球環境への貢献を
めざす「人を中心としたオートメーション」を追求しています。
建物市場でビルディングオートメーション事業を、工場やプラント市場でアドバンスオートメーション事業を、ライフラインや健康など
の生活に密着した市場においてライフオートメーション事業を展開しています。同社のIT施策全般を担当する業務システム部は5つの
グループによって構成されており、中でも松原氏がグループマネージャーを務める運用管理グループは全社ITガバナンスの要としての
重要なミッションを担っています。



「SAPのクラウド運用」という先進的な取り組みへのチャレンジ

SAP ERP、AWSのクラウド基盤上へ早期導入は業界でも先進的な事例として話題になりました。

当時私はインフラ部門のマネージャーを務めていたのですが、メンバーが皆インフラのトラブル対応に追われて、それ以外の仕事に十分な時間を割けずにいました。この課題を解決するには、システム基盤をオンプレミスからクラウドに移行して、運用工数を減らすしかないと判断したのです。そこで上層部にクラウド移行を進言することにしたのですが、いくら運用工数が減っても社員の人数が同じだと、全社レベルのコスト削減効果は現れません。そこでデータセンターコストや電気代など、目に見えにくいコスト削減効果を一つずつ積み上げて、数値化した上で経営陣に進言した結果、クラウドの採用が認められました。

歴史ある大手企業の御社が先進的な取り組みを率先したことに驚かれる方も多いかと思います。

正直、起案した張本人である私自身が一番驚いています(笑)。弊社は良くも悪くも、とても保守的な社風ですから、新しいチャレンジにはどうしても慎重になってしまう傾向があります。しかし今回のプロジェクトでは、たとえ保守的な社風であっても、根拠と理屈をきちんと整理して提示すればきちんと話が通るんだということを学びました。

基幹システムだからこそクラウドのメリットが生きる

当時も今も、基幹系のクラウド事例はまだまだ少ないですよね。

そうですね。普通はまず、開発環境やテスト環境でクラウドを試して、ノウハウを蓄積しながら本番システムを徐々に移行していくと思いますが、弊社の場合は真っ先に基幹システムをクラウドに乗せました。将棋でいえば、対局が始まった途端に王手を指すようなものですね。こうした大胆な取り組みが可能だった理由の一つとしては、既存システムの移行ではなく、新規システムのビッグバン導入だったということがあります。
もう一つの理由は、東日本大震災でBCPの重要性があらためてクローズアップされたことにあります。オンプレミスで万全の災害対策を施すには多額のコストが掛かりますが、クラウドならBCPをコスト効率よく実現できますから。

かつてはクラウドに対して、セキュリティ上の懸念を抱くユーザーも多かったかと思います。

確かにかつては「枯れたシステムの方が安全だ」と言われていましたが、今日では逆に「枯れたシステムはセキュリティリスクがあるので、新しくしなければいけない」「クラウドアプリケーションの方がセキュリティは堅牢だ」という風潮に変わってきています。便利機能をゴリゴリ作り込むよりも、スタンダードなアプリケーションに乗せ換えてもいいのではないでしょうか。
SAP ERPはその最たるものですし、弊社ではOffice 365も導入しています。IT部門としても、クラウドの活用によってインフラ運用の手間が削減できますから、その分、生産性の高い業務により時間を割けるようになるでしょう。

マネージャーが自ら率先して新たなチャレンジを

現在、運用管理部門を率いる上で、どんなことを心掛けていますか。

若い人たちが、より活躍し成長できる場をどれだけ提供できるかが、マネジメントにとって極めて重要なミッションだと考えています。「今どきの若い者は…」とこぼすのではなく、柔軟な発想ができる若い人たちのアイデアを積極的に登用するべきだと思いますし、それを可能にする仕組みを整えていきたいですね。
また、マネジメントが自ら新しい取り組みに率先してチャレンジしていくことで、その背中を見て若手も自ずと新しいことに興味を持ってもらえるのではないかと信じています。

具体的な取り組みの例を教えていただけますか。

一つには、積極的に社外に足を運んで他社の方たちと話をするよう、皆に勧めています。もともと弊社のIT部門のメンバーは外に出る機会が少ないのですが、社外のいろんな人たちと交流すれば自身の知見を広げられますし、コミュニケーションスキルを磨くこともできます。より社外のセミナーや勉強会などに参加しやすいよう、かつて義務付けられていた「参加後のレポート提出」も廃止しました。レポートの提出が面倒だからといって、なかなか外に出なくなってしまうようでは、それこそ本末転倒ですからね。

ルーチンワークから人手を解放して新たな分野へチャレンジ

システム運用をどのように変えて行きたいですか。

手順書の内容をただなぞるだけの仕事はどんどん自動化して、もっと面白い分野に人手やお金を掛けていきたいですね。
IT部門に求められる役割も、かつての「業務効率化」「コスト削減」だけではなく、最近では新しいビジネスやサービスのアイデアも求められています。そうした取り組みに注力するためには、クラウドや自動化の仕組みをうまく活用することで、運用のルーチンワークからどんどん人手を解放していく必要があるでしょう。

IT部門を通さず、業務部門がクラウドサービスを導入するケースも増えてきているようですね。

確かにIT部門は、ビジネス現場のスピード感をイメージしづらい面があると思います。その結果、「IT部門に頼んでもどうせ待たされるばかりだから、自分たちでやってしまえ」と業務部門が判断してしまうのも無理のないことです。アマゾンやグーグルの方と話をすると、彼らの考えるビジネスのスピード感には本当に驚かされます。そういう会社と今後、世界のマーケットを舞台に戦っていくためには、現在のスピード感では勝負にならないと感じています。
ただし、スピード感だけを重視していては、セキュリティ対策やITガバナンスの面で統制が取れなくなってしまうので、IT部門を「スピード重視の部隊」と「ガバナンス重視の部隊」に分けても良いかもしれません。そうして、どんどん新たなチャレンジに取り組める環境を整えていきたいです。

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