ソリューション
運用部門のさらなる挑戦!!自動化からはじめる業務"カイゼン"
第2回 ランブック・オートメーションの4つの効果
2016年11月17日
ランブック・オートメーションの効果
「運用業務の自動化」へのニーズが高まる中、ここ数年国内外含めて様々な自動化を促進するソリューションがリリースされています。いわゆる「ランブック・オートメーション(Run Book Automation)」(以下、RBA)と呼ばれる分野です。「ランブック」とは、運用オペレーションや操作手順をまとめたドキュメント類で、RBAはこれらの手順化された手動オペレーションを自動化するためのソリューションです。 |
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- ※RBAはシステム運用に限定されたソリューションではありませんが、本稿では敢えてシステム運用と限定して記載しています。
代表的な効果としては、次の4点が挙げられます。
(効果1) オペレーション工数の削減
従来、人手で行ってきた作業などを自動化することによるオペレーション工数および時間の短縮です(※作業内容や回数によっては人手の方が早いケースも稀に有)。慢性的な人員リソース不足の課題を抱えるユーザにとっては大きな効果となります。
(効果2) オペレーション品質の向上
RBAによる自動化の推進で、当初見落としがちになるのが、オペレーション品質の改善です。定常運用時に発生する障害の要因の7~8割が「変更作業」に起因していると言われています。「変更作業」時を含めて、単純な「オペレーション・ミス」や確認漏れによる誤判断、作業漏れなども挙げられます。あらゆる対策を施したとしても、人手で行う以上完全に作業ミスを防ぐことは困難であり、そうした意味でも定型作業を自動化することは、オペレーション品質を常に均一に保つという観点で大きな利点となります。
(効果3) システム運用の標準化の促進
RBAの導入/展開を推進する場合、まずは、ITプロセス(=運用手順)を標準化していくことが成功の近道となります。もちろん、標準化しなくとも、今ある運用手順を自動化することは可能ですが、運用ポリシーやルールが統一されない状態で自動化を推進しても、後々の運用を考慮すると得策ではありません。自動化を成功させるための過程で自ずとシステム運用のポリシーや標準化が形成されていきます。
(効果4) 作業統制の強化
意外な面として挙げられるのは、内部統制対策やセキュリティ対策面での効果です。作業オペレーションを自動化することで、作業の統制を行ったり、職掌を超えたサーバ利用などの統制対策を行うこともできます。必要な作業をRBAサーバからの実行指示により行うこともできますので、重要なサーバでの不要な端末操作やアクセスなどをなくすこともできます。
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第3回では、RBAソリューションの展開を成功させる3つのステップと、知っておくべき注意点をご紹介します。