Quality Center
テスト情報共有をさらに円滑に行うためのQuality Centerの通知機能 ~警告ポップアップ機能~
開発やテストというフェーズにおいて、プロジェクトメンバー間での情報共有は重要です。「どのモジュールがどのように変更されたのか」「どのテストが完了したのか」「新規で登録された不具合がないか」という情報を即座に共有しておかないと、不具合の対応が遅れたり、アプリケーションのビルドに合わないテストを実施したりと無駄な工数がかかることがあるでしょう。
Quality Centerには、プロジェクトメンバー間で情報の通知、報告を行う機能がいくつか用意されています。これらの機能には、「不具合変更時の電子メールによる通知」、「コメント欄を利用した会話」、「フォローアップ機能」、「警告ポップアップ機能」などがあります。
電子メールでの通知やコメント欄を利用した操作を利用されているお客様は よくお見かけしますが、フォローアップ機能や警告ポップアップ機能を使用 しているお客様は少ないようです。
しかし、これら通知・報告の機能をそれぞれ組み合わせて使用することで、作業の指示や状況の報告、情報の共有などを行うことができ、より効率的なテスト工程管理を行うことができるようになります。
本ページでは、これら通知・報告機能の中から「警告ポップアップ機能」 についてご紹介します。
警告ポップアップ機能の警告ルールと責任者
警告ポップアップ機能は、Quality Centerで事前に設定された4つのルール(条件)に合致した時、警告メッセージを発行する機能です。さらに、それぞれのルールには責任者が決められており、その責任者に対して、警告と同時に電子メールを送信する機能が選択できます。 4つの警告ルールと電子メールの送信対象となる責任者は以下の通りです。
警告ルール(条件) | メール通知先 |
---|---|
要件が変更された時、リンクされているテストケースに警告します | テスト計画の設計者 |
不具合のステータスが「修正済み」に変更された時、リンク元のテストラボのテストに警告します | テスト実施の責任者 |
テストの実行が成功した時、リンク先の不具合に警告します | 不具合の責任者 |
要件が変更または削除された時、関連する要件と子要件に警告します | 要件の作成者 |
警告ポップアップ機能の設定手順
- (1)Quality Center画面の左上のメニューから[ツール]-[カスタマイズ]を選択し、[警告ルール]のリンクをクリックします。警告ルール設定画面でルールの設定及び責任者に電子メール送信を行うかどうかを指定します。
- (2)使用する「ルールの詳細」行の[関連づけられたエンティティの警告]および[電子メールを送信]欄のチェックボックスをチェックし、最後に下方の[保存]ボタンをクリックして警告ルールの定義を保存させます。
警告ポップアップ機能の操作と表示例
要件の情報が変更された際に警告ルールがどのように発生されるのかを説明します。
ここで説明する要件、テスト計画、テストラボ、不具合は次のように関連付いているものとします。
- (1)要件管理モジュールにて、要件ID3、4、5について「確認済み」項目の値を「レビュー済み」に変更したとします。
- (2)要件3、4、5の情報が変更されたことにより、これらの要件からリンクされているテストケースの左側に赤い[!]の警告印が表示されています。 [!]印をクリックすると、警告メッセージがポップアップ表示で現れます。
つまり、要件の情報が変更された時、リンクされているテストの設計者に対して警告しています。これは、要件に変更があった場合、テスト内容の変更も考えられるからです。電子メール送信の指定がされている場合、メールも同時にテストの設計者に送信されます。メールのサンプル画面は以下の画面を参照ください。
その他にも、不具合ステータスが"修正済み"になった時、リンク元のテストラボ(インスタンス)の責任者に警告を出し、再テストを依頼することや、テストの実行が成功(Pass)した時に、不具合の責任者に クローズの要求をする、といったように、一連の作業の流れの中で「警告ポップアップ機能」は効率的に動作します。
このように何かしらQuality Centerの情報が変更された場合に、自動的にツールが関係者に通知してくれるので、連絡漏れがなくなり、要件に合致したテストの設計や実施が徹底できるようになり、不具合の対応スピードも上がります。
VBScriptカスタマイズによる通知
Quality Centerでは、VBScriptによるカスタマイズも可能です。
Quality Centerが標準で持つ通知機能では実現できないことであっても、VBScriptでカスタマイズすることにより、様々なイベントでの通知を行うことができます。
例えば、テスト担当や不具合担当に割り当てられた時点で、その担当者にポップアップメッセージを表示させることもできます。
「警告ポップアップ機能」やカスタマイズによる通知方法は、電子メールの受信ができない環境でのテスト作業に非常に有用な情報通知の手段にもなります。