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Windows Server 2008/2008 R2サポート終了に伴うCitrixバージョンアップ

Windows Server 2008/2008 R2サポート終了に伴うCitrixバージョンアップ

◎このページの目次

はじめに

2020年1月14日にWindows Server 2008/2008 R2がサポート終了(EOS)を迎えます。このEOSに向けて、今まさに次の選択を迫られているのが、Citrix XenApp(以下、XenApp)6.5ユーザです。

XenApp6.5は既にメーカーサポートが終了していますが、6.5から7.xにおいてアーキテクチャ等が大幅に変更したこともあり、XenApp6.5ユーザの多くは、最終対応OS* (2008/2008 R2)のサポート期限まではXenApp6.5を使い続けようと、バージョンアップ検討を先延ばしにしてきました。

そんなXenApp6.5ユーザに、今、待ったなしの選択が迫られています。

  • *XenApp6.5はWindows Server 2012 R2 以降のOSに対応していません。

7.xへのバージョンアップか、それとも、このまま塩漬け延命か

アシストは2001年のCitrix製品の取り扱い開始以来、多くのお客様のバージョンアップをお手伝いしてきました。前述したように、6.5から7.xにおいてアーキテクチャ等が大幅に変わったため、バージョンアップにあたっては今まで以上に注意が必要です。今回、多くの現場経験を誇るアシストならではのバージョンアップのノウハウを、本ページでいくつか紹介します。

また、どうしても塩漬けを選択せざるを得ないお客様についても、アシストではご支援可能です。こちらについては本ページ文末にて、弊社独自のCitrixサポートサービスについて紹介します。

バージョンアップ用モジュールの入手に関するチェックリスト

XenApp6.5から7.xへのバージョンアップを検討するにあたり、まずはバージョンアップ対象の製品モジュールの入手方法等について整理します。

(1)Select(LTSRを含むバージョンアップ権)が有効かどうかを確認

■ Selectが有効な場合

現在のXenApp6.5と同じライセンス数&エディションで、バージョンアップ用モジュールの入手が可能です。

■ Selectが有効でない場合

はじめに、次のどちらかを選択します。
1)買い直し
2)リインステイトメント* (遡及料等のペナルティを払うことで最新版の入手が可能となる制度)


ここで 1)買い直しを選んだ場合には、対象ライセンスとエディションを選択します。
・XenApp6.5と同じベース(ライセンス数&エディション)を選択
・XenDesktop Enterprise/Platinum Edition* のユーザ/デバイスライセンスを選択

  • *1 :リインステイトメントの金額には「①失効期間の遡及費用、②遡及手数料、③再開日から1年以上5年までのSelect費用」が含まれます。遡及対応ができる上限は失効期間が5年までとなります。遡及時点の契約状況により、個別見積対応となります。
  • *2 :XenDesktop Enterprise/Platinum EditionにはXenApp機能が含まれます。XenDesktopの場合、XenAppにはなかったユーザ/デバイスライセンスの選択が可能です。XenAppは同時ユーザライセンスのみでしたが、用途によっては利用ユーザ数ないしデバイス数で課金するタイプの方が、費用面においてお得な場合があります。

(2)バージョンアップ先の製品バージョンの決定

従来のCitrix製品は、メジャーバージョンごとにライフサイクルを設定していましたが、2016年1月11日に保守に関する新サービスオプション「LTSR(Long Term Service Release)、CR(Current Release)」 が発表されたことを受け、アシストではLTSRへのバージョンアップを推奨しています。

2019年10月現在、7.15LTSRが最新となるため、本ページはXenApp6.5からXenApp7.15LTSRへのバージョンアップ前提で記載しています。

※Citrixの製品ライフサイクルについては、こちら をご覧ください。


上記(1)(2)をご確認いただいた後、バージョンアップ用モジュールの入手方法や移行対象のライセンス選定等については、現在のCitrix購入ベンダー様、もしくはアシストまでお問い合わせください。

XenApp6.5と7.xの違いについて

1.IMAからFMAへ - コア技術(アーキテクチャ)の変更

MetaFrameXP~XenApp6.5まで実装されていたアーキテクチャであるIMA(Independent Management Architecture)が、2013年にリリースされたXenApp7.xから、XenDesktopのアーキテクチャであるFMA(FlexCast Management Architecture)に統合されました。

アーキテクチャと構成の違い

アーキテクチャと構成の違いは、上図の通りです。
・XenApp6.5は管理とRDSが一緒
 →管理機能とRDS機能が包含されたサーバ複数台で構成すれば、容易にシステムの冗長構成が組めました。
・XenApp7.15は管理とRDSが別々に構成されている
 →管理機能をDelivery Controllerに統合し、管理機能とRDS機能を実行するサーバを分離して構成します。

2.関連用語の変更

用語 XenApp6.5 XenApp7.15
アーキテクチャ IMA FMA
管理単位 ファーム サイト
データベース データストア サイトデータベース
ワーカーの管理 ワーカーグループ デリバリーグループ
Webコンポーネント Web Interface StoreFront
管理機能 XMLサービス、データコレクタ、IMAサービス Delivery Controller
管理コンソール App Center Citrix Studio、Citrix Director

3.主な機能比較

XenApp6.5で提供していた機能の中には、XenApp7.15で廃止されたものやOS側で代替されるようになったものもあります。また、UIで提供する機能についても細かな違いも出てきています。

ここでは主な機能比較を紹介しますが、実際にお使いの機能がどのようになっているのかについては、個別にお問い合わせください。

Web InterfaceとStoreFrontの機能面での違い

サーバ構成上大きな変更はありませんが、機能面の変更点について注意が必要です。

項目 Web Interface(XenApp6.5) StoreFront(XenApp7.15)
Citrixコンポーネントの同居 Windows NLBの場合、不可 Windows NLBの場合、不可
サイトの種類 XenApp Webサイト StoreWebサイト
XenApp Servicesサイト(PNAgent) XenApp Servicesサイト(PNAgent)、
Storeサイト
複数台の管理 個別管理 サーバーグループ管理(一元管理)
バックアップURL XenApp Servicesサイトのみ利用可 無し
アドレス変換(NAT)対応 代替アドレス、変換アドレス Citrix Gateway(NetScaler Gateway)

ローカルホストキャッシュ機能の違い

XenApp6.5および7.15の両バージョンで「ローカルホストキャッシュ」という同一名称の機能が実装されていますが、仕組みは異なるため、その違いを把握しておく必要があります。

ローカルホストキャッシュ機能の違い

XenApp7.15のローカルホストキャッシュ機能の場合、サイトデータベース障害によりダウンタイムが発生するため、可用性要件に応じてSQL Serverの冗長化を検討する必要がありますので、ご注意ください。

XenApp7.15へのバージョンアップに向けた注意点

XenApp6.5と7.15ではアーキテクチャが全く異なるため、バージョンアップというよりもXenApp7.15での新規構築としてお考えください。

XenApp6.5と同一要件を満たす場合にも、サーバ構成は一から見直しが入りますが、それ以外に考慮に入れるべき注意点をまとめます。

サーバ構成上の注意点

・ドメイン環境が必須
・コンポーネント同居時の制限あり
 -StoreFrontサーバをWindows NLBで冗長化する場合、StoreFrontとDelivery Controllerの同居不可
 -SQL Serverのミラーリングを組む場合、SQL ServerとDelivery Controllerの同居不可

移行に関する注意点

・設定移行について
 →各設定ごとに移行可否の確認、移行不可の項目は代替策の検討が必要
・ICA Clientについて
 →バージョンアップおよびクライアント側の接続先切替タイミングの検討が必要

バージョンアップに向けて必要な一連のタスク

アシストでは、XenApp7.15LTSRへのバージョンアップを検討されているお客様に、設計から導入作業までの技術支援および、インシデントフリーのヘルプデスクサービスを提供します。

バージョンアップに向けて必要な一連のタスクは、表のとおりです。お客様と連携しながら、無事にバージョンアップ作業が終わるようご支援いたします。

カテゴリ 内容
事前検討事項 サーバ構成検討
既存XenApp6.5の設定確認(パラメータ移行用)
システム切替計画の検討
ライセンス関連 Citrix ライセンス/保守(同時/ユーザデバイス)
→現在の保守の状況により、ライセンス買い直し、遡及などの対応が変わる
Microsoft Windows Server OS
Windows Server CAL(接続ユーザー/デバイス)
→サーバOSのバージョンのCALが必要
Remote Desktop Service CAL(接続ユーザー/デバイス)
→サーバOSのバージョンのCALが必要
SQL Server
→冗長構成を組む場合
構築作業 インフラ構築(OS、ネットワーク等)
XenApp構築、設定移行
テスト アプリケーション動作検証
周辺機器動作検証(プリンタ、外部デバイス等)

※なお、全てのタスクをアシストが実施するわけではございません。

最後に

​今後具体的にバージョンアップをご検討される際には、是非アシストまでご相談ください。

また、バージョンアップ作業が完了した後においても、弊社フィールド技術よりサポートセンター技術に対しXenApp7.15LTSR環境の設定内容等の引継ぎを行いますので、稼働後の問い合わせ開始もスムーズに対応できます。

さらに、アシストのサポートセンターではバージョンアップ後のXenApp7.15をより有効活用してもらえるように便利な新機能の紹介や、細かな設定レベルでのXenApp6.5と7.15の違いについてもご案内します。使い続けるCitrixだからこそアシストのサポートセンターをご活用ください。



アシストのCitrix保守サポート

アシストは、2001年からのCitrix製品取り扱い実績と854社(2021年12月末現在)を超える企業をサポートしてきた経験をもとに、お客様の環境や運用に合わせた最適なサポートサービスをご提供します!

Citrix認定資格を有するエンジニアが、障害対応(原因の切り分け含め)から設定方法、仕様に関するあらゆるお問い合わせに対応し、お客様の製品活用と安定運用をご支援します。豊富な顧客基盤と技術ナレッジを有しているため、メーカーサポートが終了したバージョン(CPS4.5やXenApp6.5など旧バージョン)をご利用されているお客様のサポートも可能です。(実際の問い合わせ対応例はこちら

また、アシストのサポートサービスは問い合わせ回数に限りのある「インシデント制」ではありません(回数無制限)。気兼ねなく「Citrix社認定スペシャリスト」のサポートをご利用ください!

アシストのCitrix保守サポート

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Citrix製品について詳しく知りたい方へ

本ページで紹介したCitrix製品のバージョンアップやお見積もりのご相談に限らず、製品紹介やデモンストレーションのご依頼など、Citrix製品に関することなら、なんでもお気軽にお問い合わせください。

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