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アシストフォーラム ITサービスマネジメント


去る7月、東京、名古屋、大阪、福岡の全国4箇所でアシストフォーラム2013を開催いたしました。全国で27社のお客様に事例をご発表いただき、多数のお客様のご来場を賜りました。

ITサービスマネジメントの事例に関して、6社様にご発表いただきましたので、ご紹介させていただきます。


運用業務の見える化によりJOBの安定運用と継続的な課題解決を実現


講師:アットホーム株式会社
   情報システム部 情報管理室 管理運用グループ
   システム設計チーム チーム長 宮之原秀雄氏(写真右)
   運用管理チーム   チーム長 岡田利樹氏(写真左)



 アットホーム株式会社は、不動産情報メディアと不動産業務ソリューション等の業務を通じて、不動産にかかわる、すべての個人/企業に役立つサービスを提供しており、全国47都道府県、約5万店の加盟店不動産会社に利用されている。事業領域は、不動産会社間情報流通サービス、消費者向け不動産情報サービス、そして不動産会社の経営をサポートする業務支援サービスの三つに大きく分かれている。

 アットホームでは、JP1/AJS3でジョブ管理を行っていたが、目視チェックのため運用負荷が高く、見逃しもあった。また稼働ジョブの総数、稼働時間、エラーの件数/詳細、稼働率などの情報を収集して稼働実績を把握するのにも時間がかかっていた。さらに、運用実績の報告を行うにも、集計や報告書の作成に非常に手間がかかっていた、と言う。

 そのため、同社では、運用イベントの集約と見える化を実現するソリューションとして、アシストから「千里眼イベント管理 for JP1」を導入。ジョブの実行結果イベントを「JP1/Integrated Management(JP1/IM)」に集約することで複数のJP1/AJS-Viewを立ち上げての確認が不要となり、ジョブの稼働状況を一つの画面で把握することができるようになった。また、エラー発生時も、JP1/IMの自動アクション機能にて復旧時間を短縮。集約した稼働実績を視覚的に見やすくするため、JP1/IMサーバに集約したイベントをQlikViewにインポートして表示するようにした。

 その結果、「エラー件数と発生日時」、「日別、時間帯毎の起動ジョブ数」、「ジョブの稼働時間」などの必要情報を即座に可視化できるようになったということだった。

導入製品:JP1QlikView


「コスト削減」と「安定稼動」を両立したシステム移行の勘所をご紹介


講師:いすゞシステムサービス株式会社
   運用サービス本部 技術管理部
   田村智行氏



 いすゞシステムサービス株式会社は、いすゞ自動車株式会社の全額出資の子会社で、いすゞグループの情報システム全般の運営を担っている。JP1は本社/工場系の34システムで利用されている。講演では、2010年に行われた販売会社向けシステム(グループ企業30社が利用)のハードウェア老朽化に伴うシステム・リプレースについて話された。

 リプレースにより、ハードウェア面では、サーバ台数を半減、ストレージは三分の一に削減して費用面では40%の削減を実現された。ソフトウェア面では、OSやミドルウェアのバージョンアップを行ったが、非互換項目とパフォーマンス面等への注意を徹底するために、500以上の項目について事前テストされ、手戻りをなくすことを実現された。

 いすゞグループにおいては最大規模のシステムだったが、わずか二年でリプレースを完了し、その後も安定稼動を続けている。JP1は、ジョブ管理と監視で利用しているが、特にV7からV9にバージョンアップしたことによりパフォーマンスの改善が実現できたことが大きいという。

 今後はBCP、ITIL、グローバル対応などのテーマに取り組んでいくという。

関連製品:JP1


クラウド時代を支える運用管理のITサービス品質向上


講師:株式会社宇部情報システム
   情報処理サービス部
   コンサルタント 登根浩氏


 アシストJP1ユーザ会九州支部幹事で、JP1エバンジェリストの株式会社宇部情報システム 登根浩氏は、アシストフォーラムでの登壇が今回で十一回目となる。

 今回のテーマは三つ。

 1. ITは「所有」から「利用」へ!
 2. 運用管理は「守り」から「攻め」へ!
 3. クラウド時代を支える運用管理の課題

 中でも「3. クラウド時代を支える運用管理の課題」について現状の運用プロセスを整理/分析した結果機能毎の分散管理や属人化、品質重視の確認作業によるコストや待ち時間の増大、現行システムの維持と新システム受入に追われる運用の実態が明らかとなった。

 JP1等の運用ツールによる自動化・効率化で解決すべき課題であるが急激なシステム増加と共に運用作業量も増加し、改善する時間すらない状況である。そこで手段が目的化している作業をチェックし「減らすこと」「変えること」を目標に運用カイゼンに取り組んだ。運用管理の移管プロセスを定義し作業ローティションやマニュアル電子化に取り組んだ。

 今後の課題としてはマニュアル電子化した作業の自動化。JP1/AO等の運用自動化ツールに期待している。

 攻めの運用管理として、運用の専門家が活躍できる場、アジャイル開発でも注目を集めているDevOpsに取り組んで行きたい。ユーザにとって迅速・簡潔であり、且つ長期的に値を提供できるITサービス構築がこれからのクラウド時代に求められている。

関連製品:JP1


テスト工程の自動化で効率UPだけでなく品質向上も同時に実現!


講師:NTTコムウェア西日本株式会社
   開発部 関西開発第3プロジェクト
   担当課長 藤川佳也氏



 NTTコムウェア西日本株式会社は、NTTグループの基幹ネットワークの構築や情報システム開発を通じて、IT社会のビジネスニーズに応える高度な技術とノウハウを蓄積してきた。現在の課題として、システム開発全体の工数と比較すると、総合テスト工数の比率が高いこと、またテスト作業における属人性も高いことからテスト工程のプロセス見直しと自動化という施策を推進することとなった。

 特にレグレッションテストが全体のテスト工程の24%と比率が多く、三つの阻害要因(状態/環境/エビデンスの差異)を解決することで自動化を促進し、生産性/品質向上を実現したノウハウを藤川氏より発表いただいた。

 自動化の箇所はHP QuickTestProfessionalを採用して改善を図った。具体的には、総合テストを三つのカテゴリにわけ、基本リグレッションテストを中心に、二段階のフェーズでプロセスを見直し、二つのリグレッションテストを統合することで工数削減ができることを見極めて、テスト準備プロセスが不要であることを分析し改善を図った。

 効果として自動化にてテスト実施工数の3.7%の削減、プロセス改善によりテスト準備工数の7.3%を削減、合計で11%の工数を削減した。またカバレッジ向上も当初の43.5倍の拡大を達成した。

関連製品: HP Unified Functional Testing software
     
※HP QuickTest ProfessionalとHP Service Testが統合されました。


システムの見える化により、安定稼働とコスト削減を同時に実現!


講師:株式会社中部プラントサービス
   情報システム部
   担当課長 谷正大氏(写真左)
   主務   鈴木健治氏(写真右)



 中部電力グループの株式会社中部プラントサービスは、電力の安定供給を支えるために、発電設備の建設・メンテナンスを行っている。また電力で培った豊富な経験と技術力を最大限に活かし、ガス供給設備、石油・化学プラント設備、環境・廃棄物処理設備などの分野へも積極的に展開を行っている企業である。

 1992年に情報システム部が発足し、当初はホスト系の開発手法を取り入れていたが、1996年頃からオープン系の開発手法に切り替えていった。その際、システム間の連携処理に多くの課題があり、複数の定型業務を自動化し管理できるよう運用管理ソフトの導入を決断。様々なソフトを検討した結果、「JP1」を採用することになった。

 しかし「JP1」を導入するにあたり、システム毎に処理結果の見方が異なるなど考慮しなければならないことが多く、まずはルールを決めることが必要と考えた。講演では、そのルール作りにおけるポイントであるシステム連携処理の見える化や効率化への改善を紹介するとともに、アシストにサポートを切替えたことによって保守費用の削減や運用業務改善ができたことの説明があった。

 「安定稼働」と「コスト削減」を目指している運用担当者の方にとって、参考になったのではないかと思われる。

関連製品:JP1


JENNIFERを入れてすぐに分かった!悩み続けたレスポンス低下の原因


講師:東亜建設工業株式会社
   管理本部 
   情報システム部長 野呂泰仁氏



 東京アクアラインの海ほたるや羽田空港D滑走路など、日本を代表する大規模建築の土台を支える事業を担う東亜建設工業株式会社は、アシストの取り扱うWebアプリケーション監視ソフトウェア、「JENNIFER」のファーストユーザである。

 出納管理システムのオープン化(Java化)をきっかけに、それまで潜在的に抱えていた積年の問題が深刻な問題に発展した経緯と、その調査の難しさ、煩雑さなど、苦労された点を話された。その調査・分析作業は四ヶ月以上に及んだという。野呂氏によると、当初、JENNIFERを検討し始めた段階では「そこまで期待していなかった」という。

 ところが、何もしないよりは・・・と、試使用を始めたところ、わずか一週間で問題特定と対処が完了したという。また、JENNIFERの特徴的なインターフェースが問題の調査・分析を容易にした点や、現在では開発担当者もJENNIFERをシステム性能の維持に活用している点についても言及された。

 セッションの最後にアシスト担当者がJENNIFERのデモンストレーションを実施し、性能の悪いアプリケーションを特定する一連の流れを紹介した。

導入製品:JENNIFER


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