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AEBISユーザ会(基調講演)
事例で読み解く、『見える化が経営に与えるインパクト』
~成功する企業に見るBIシステム構築の5つのポイント~

去る2013年12月5日、アシストはAEBISユーザ会を開催し、アシスト情報活用ソリューション AEBIS製品のうち、WebFOCUS、QlikView、DataSpider Servista、Syncsort DMExpress、Dojoの5製品をご利用のお客様を対象に、最新技術動向、ユーザ事例をご紹介しました。ここではユーザ会の基調講演でご登壇いただいた、株式会社エイチ・アイ・コーポレーション  代表取締役 磯部洋様のご講演の抄録を掲載します。

エイチ・アイ・コーポレーションは、ブリヂストン、麒麟麦酒、住友生命、セブンイレブンはじめ数多くの企業で、長年にわたり経営改革や業務改革を担当し、その実績とノウハウをベースに、現在はコンサルティングからシステム開発までの一貫体制により、AEBISの活用による、経営や事業にインパクトを与える「見える化」を推進されています。

  • “AEBIS(えびす)”とはアシストが情報活用分野で長年培ってきた経験とノウハウを、ソリューション・ブランド「AEBIS:Ashisuto Enterprise BI Suite」として、“つなぐ”“貯める”“活かす”の3つの観点で体系化したアシスト情報活用ソリューション。



BIシステムの現状


リクルートが運営するキーマンズネットがBIシステム導入企業のIT関係者300名に対し行ったアンケートで、「導入企業の過半数が満足していない」、という結果が出ています。その理由の大半が「アウトプットが経営や事業に活用できていない」ことでした。その背景として「分析を行うノウハウや能力を持った人材がいない」(7割弱)、「アウトプットをどう活用すれば良いかわからない」(3割弱)といったことが挙げられています。

なぜそうなるのか。それには次の3つの理由があります。

①「進め方が(ほぼ180度)間違っている」
②「分析の対象が間違っている」
③「だから何なの?、というアウトプットが出てしまう」

それではどうすれば良いのでしょうか?

①「有効なアクションの把握」から入る

経営上、事業上の目的を実現する上で、どういうアクションが有効かをまず把握します。そしてそのアクションをとる上で有効なアウトプットは何かを見極め、最後に、それらを入手するにはどのようなツールが適切か、と進めていくのが正しい進め方です。BIシステムを導入する際、BIツールの検討から入ることが多いようですが、それでは180度方向が逆です。BIツールというのは、あくまでもツール、手段に過ぎないからです。

②分析の対象を間違えないためには、的確な対象を探る3つの質問(自問自答)をしてください。

1)まず問題(ニーズや課題)は何か?
2)それを解決するには、どのようなアクションをとれば良いのか?
3)そのアクションをとるためには、何が見えれば良いのか?

③使えるアウトプット

使えるアウトプットを出すためには、業務プロセスの一環を成すような見える化であることが不可欠です。業務プロセスに組み込まれていない場合、アウトプットがプロセスと乖離しやすくなりますので、分析のための分析に陥りやすく、「だから何なの?」といったアウトプットになってしまいがちなのです。

以上が「経営にインパクトを与えるBIシステム構築の5つのポイント」のうちの3つです。整理しますと、「正しい進め方」をとり、そのためのアクションを把握し、「的確な分析対象」を探るために自問して「使えるアウトプット」を導き出すということです。


経営にインパクトを与えるBIシステムの作り方


経営にインパクトを与えるようなアクションを見つけるには、経営上の成功方程式を見つけることが肝要です。どのような事業でも一定の実績を上げている事業であれば、必ずその事業特有の成功方程式があります。それを見つけるのです。そのためには、ベストプラクティスの視点を持った人間による深度のある現状分析が不可欠となります。

「①現状調査分析」で対象となる事業のビジネスの現状を調査分析します。そして課題を洗い出して、解決の方向性と成功方程式を描く「②グランドデザイン」、それをさらにブレークダウンする「③業務運用設計」を行います。これら3つのステップがビジネスアナリシス、ビジネスソリューションというフェーズで、経営にインパクトを与えるBIシステムを作る上ではこのフェーズが極めて大切になります。これが「経営にインパクトを与えるBIシステム構築」の4つ目のポイントになります。


何故「深度のある分析」が必要なのでしょうか。現状調査分析において抽出される課題には表層的課題と根源的課題があり、表面的な課題だけつぶしても、根源的課題にメスを入れない限り、また別な形で課題が出てきてしまうからです。この時に大事なのは、社内の論理ではなく、マーケットの論理から掘り下げることです。常にマーケットの論理、お客様の観点から見なければなりません。では何故ベストプラクティスの視点を持つ人間による分析が必要なのでしょうか。最も優れた方法のイメージを持っている人間が現状を見るのと、そうでない人間が見るのとでは見える課題も見えなくなってしまうからです。

「グランドデザイン」のポイントは、経営、事業、部門におけるビジネス・モデルやいわゆるビジネス・プロセスの成功の形(重要成功要因や成功方程式)を究明することです。


そして、最後の「業務運用設計」のポイントは、エンドユーザ(経営サイド、現場サイド)との協働です。ここで大切なのは作る側の論理ではなく、使う側の論理で業務運用設計をするということ。使う側の人たちに負荷をかけない方法やツールを探す必要があります。これが5つ目のポイントです。

以上で、「経営にインパクトを与えるBIシステム構築の5つのポイント」がすべて出揃いました。


経営にインパクトを与えるBIシステムの構築事例


それでは「経営にインパクトを与えるBIシステム構築」について、営業200名で東京を中心にOA機器の販売卸を行っているN社の事例を見てみましょう。

エイチ・アイ・コーポレーションは最初の中期経営計画の支援から入り、第1ステップの「中期経営計画の策定」と第2ステップの「新しい営業モデルのグランドデザイン」においてそれぞれ現状分析を行い、第3ステップの業務運用設計を経て、あとは通常のステップを辿りました。N社の経営目標は「年商規模を3倍強にしたい」というものでした。一定の年商規模がないとビジネスモデルが成り立たなくなるからです。そこで、まずN社のビジネスモデルのマーケット・ポテンシャルを調べた上で、現状調査分析に入りました。ビジネス・モデルの特性、商品特性、顧客の購買動機、ビジネス・チャンスの獲得要件、企業の文化風土、営業要員の資質、成功している営業要員の成功要因等を分析、把握しました。 それらをベースに3つの事業戦略と、それぞれの事業戦略ごとに3つの基本戦略を立てて、実行計画に落としていきました。

事業戦略の骨子は「全国主要都市への拠点の展開とシェア率のアップ」でしたが、それらを遂行する上で、ボトルネックがあることが現状調査分析で分かりました。拠点展開におけるボトルネックは、企業規模の拡大と反比例して利益率が下がっていることでした。つまり規模の拡大につれて営業生産性が下がっているのです。この体質のまま拡大するのは極めて危険です。そこで生産性の高い営業のやり方を確立するという基本戦略を立てました。

シェア率のアップにおけるボトルネックは、組織営業力が脆弱(ほとんどゼロ)な点でした。組織営業力を上げるためには、営業の成功方程式の構築が不可欠となります。これには、「売上増大の黄金律」、「農耕型営業モデル」、「N社のビジネス・モデルの特性」、「N社の文化風土」、「N社の営業要員の資質」、「N社の商品特性にマッチした売り方」をベースに、それらが交差した部分を見極める必要がありました。そこに成功方程式があるからです。


BIツールの課題を克服した見える化をQlikViewで実現


売上増大の黄金律は万国共通唯一のもので、売上=客数×客単価×購入回数という公式で示されます。「客数を増やす」と言うと、新規顧客を増やすという行動に走りがちですが、実は何より大事なのは既存顧客を減らさない、ということなのです。それには顧客の離脱の兆候を把握する必要があります。そのためには、「離脱の兆候の見える化」を図らなければなりません。

通常、顧客がいきなり何も買わなくなるということはなく、徐々に細っていくといった兆候が必ずあります。それを把握して手を打ち、有効なアクションに結びつけるのです。その兆候をどう把握するかについて業務運用設計でのステップにおいて詳細な設計をしました。

例えば累計購買額、購買回数、購入間隔などから既存客の離脱の兆候を把握できるようにしました。購入間隔が以前と比べて長くなっているのは、1つの離脱の兆候です。また、昨年と当年を比較して、累計購入額や購入回数がどの程度減っているかも把握します。これらにより離脱の兆候がある顧客に自動的に信号を灯し、その信号が灯った顧客について、さらに購買傾向や購入明細を分析できるようにしました。

また、利益と売上げの取引件数のマトリックスによるバブルチャートなどの見える化をすることで営業の人たちに色々な気付きが得られ、具体的なアクションができるようにしました。

N社のプロジェクトの方々と検討を重ね作成した業務運用設計書を基にSEがシステム開発を行うことになるわけですが、このステップでBIツールとして QlikView の採用を決定しましたので、業務運用設計書をSEに渡し、QlikView による概要設計を行ってもらいました。

N社にはすでに販売管理システムが入っていたので、そのデータを取り込むことが前提となりましたが、QlikViewはそのデータをCSV形式で取り込むことができると同時に、マスター・テーブルのメンテナンスをEXCELでできるというところに魅力を感じました。さらに処理速度が速くて安価、そして自由度がある。またプラットフォームであることからバグから解放される点でも非常に魅力的なツールでした。

QlikViewの特徴の1つに「非定型分析に向いている」というのがありますが、営業マンには営業活動に専念してもらうために定型分析という使い方にしました。それでもQlikViewの長所は充分にありました。

最後に


セブンイレブンはじめ数々の見える化の背後にもビジネスモデルに立脚した成功方程式があります。「的確な見える化」によって「どんな手を打てば良いのかがわかり」、それがわかるから「的確なアクションができる」。そして「的確なアクションをするから、経営上事業上の目標が達成できる」という流れができるのです。「正しい進め方による見える化」が、経営にインパクトを与える鍵を握っているのです。本日のお話が皆様のお役に立てば幸いです。




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