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セミナー開催報告:AI×ビジネス=見えてきたAI活用の最適解~夢物語ではない、ここからが本当のAI時代の業務改善~

AI×ビジネス=見えてきたAI活用の最適解~夢物語ではない、ここからが本当のAI時代の業務改善~

2017年8月24日にアシスト本社にて、続いて9月12日にアイアクト本社にて、アイアクト様と共催セミナーを開催いたしました。お申込み受付開始から1ヶ月後には両日とも満席となるほど、非常に多くのお申込みをいただきました。
残暑厳しい中、多数のお客様にご参加いただき、誠にありがとうございました。

AI・人工知能を導入する企業も少しずつ増えてきました。しかし、従来のシステム開発手法しか経験がない場合、人工知能のどんな技術を使用して、どのような業務に活用すればよいのか、不明点や懸念点も多く、検討がなかなか進まないということはないでしょうか。
そこで、本セミナーでは、IBM Watson(ワトソン)を中心にAI の導入支援を行っている株式会社アイアクトのプロジェクトマネージャから、AI 導入の実際をお伝えしながら、AI とルールベースのシステムのあり方、できることの違い、共存の仕方、AI の活用の仕方を提案いたしました。
さらに、株式会社アシストのエキスパートが様々な事例を交えながら、推論型AIを利活用したルールベース・アプローチによる業務改善について提案いたしました。

目次

Watson導入支援を行うPMが語る今のAI・ルールベースの使い方


アイアクト西原様
株式会社アイアクト  
取締役COO Watsonプロジェクトマネージャ 
西原 中也様

アイアクトでは、IBM Watsonの日本正式版がリリースされた直後からWatson・人工知能事業を開始し、ECモール企業、鉄道会社、ハウスメーカーなど様々なお客様へのWatson導入を行ってきました。

2016年8月に、Watsonががん患者を救ったとしてニュースでも話題になりました。
この人工知能はどのように動いているのでしょうか?従来は、2000万もの遺伝子論文から、医者が遺伝子の変異を把握する必要がありました。そこでWatsonに学会論文や薬の特許情報を与えると、関連情報を結びつけるマップを自動的に作成し、ヒントになる論文を教えてくれ、医者が論文を確認した上で病気を診断します。つまり、人工知能とは極論すればただの検索エンジンでしかないのです。

また、AIには様々な分野がありますが、言語系AIは自分たちの会社だけで実現するのは難しいでしょう。Watsonなどのすでに大量の辞書データを持ったクラウドサービスが様々なベンダーから提供されており、AIで何かやりたいという場合はクラウド技術の活用は欠かせません。

Watsonには約20の機能(日本語対応済みは8つ)があり、 Watson導入企業は必要な機能を組み合わせて使っています。
では、各社は具体的にどのような用途でWatsonの機能を使っているのでしょうか。

ECモール企業での社内・社外のチャットボット事例をご紹介します。まず、FAQを整理し、Watsonに学習させるために文章をきれいに整理します。Watson NLC(Natural Language Classifier 自然言語分類)に入れた後、何度もテストを繰り返して学習させます。この工程を数か月実施することでFAQのチャットボット化を実現しています。
またある会社では新卒採用時の履歴書判断でWatsonを活用しています。文章の記述内容や構成からコミュニケーション能力を判断し、1週間かけていた書類選考プロセスを半日で実施できるようになりました。

他にも生命保険金の支払をWatsonで実現している事例も多く出てきています。2名体制で行っていた審査業務の片方にWatsonを採用し、コスト削減した事例もあります。ポイントは全行程をAIに任せているのではなく、AI導入効果が出る一部の業務プロセスだけに絞っている部分です。すべてを自動化するのではなく、AIは仮説を提供し、人が最終判断をしているのです。

AIは万能ではありません。AIが効果を出す部分に使うべきです。システム全体を刷新するのではなく、アドオン的にAIを使うのがポイントです。具体的には検索、意図の理解、関連発見、データから特徴探索などプログラミングでは実現できなかった部分です。AIは生まれたばかりの子供のようなものであり、育て続けることが必要なのです。そうすれば非常に優秀なAIに成長します。

ひとの知能をことばとモデルで再現
~ルールベースアプローチによる業務課題解決~


中尾さん
株式会社アシスト  
東日本技術本部 Progress認定Business Analyst 
中尾 有揮

まず「知能」とは何かを考えてみましょう。知能とは「知識とそれを使いこなす能力」です。情報を収集・整理し、判断・アクションを決定する能力が知能です。

人工知能には様々な技術がありますが、本セッションではルールベース型AIについてご説明します。すでに学習済みで、取るべきアクションも決まっている場合はルールベース型AIが効果的で、且つ早く構築できます。

ルールベースの推論型人工知能そのものは、自律学習を致しません。人間の知を、エキスパートの知を1から10まで教え込む必要がありますが、これにはモデリング手法DMN(Dicision Model Notation)に沿って整理すれば、実はいとも簡単に知能を機械に移転させることができます。人間の知識をダイアグラム(図1)で表現し、判断基準や必要情報を関連付けます。これを、知のモデル化と呼びます。
このように、依存関係やINPUTとOUTPUTを明確にできることがダイアグラムでモデル化することのメリットです。

画像1

図1:DMNで物品購入時のひとの知をモデル化

人工知能の適用箇所について考えてみましょう。
「経営戦略の決定」など戦略的な部分より、日常繰り返される人間による定型で反復型の知的業務の方が人工知能の適用には向きます。知的定型業務の頻度が多ければ、それを人工知能で高度化し、さらに工数削減やサービス品質の均一化など大きな効果を得られます。ルールや判断基準、または長年の経験に基づいた結晶性知能が活用される業務には、推論型AIの活用が効果的です。既知の事項(ルールベース)ですから、態々機械に学習させる必要がそもそもなく、知識をそのまま移転させるだけで良いからです。
時間軸という制約事項がなければ、ルールベース人工知能を活用するのではなく、人工知能がひとの知を超えるシンギュラリティの到達すると言われている数十年先まで待っても良いでしょう。

情報通信業における経理事務、保険業における査定業務、情報通信業における料金生業業務、金融機関の窓口・コールセンター事務など、ルールベース型人工知能の活用により、大きな効果を得られた事例が豊富にあります。

アシストにて販売している推論型AI:Progress Corticonは、前述したDMNモデリング手法をそのまま使えるルールベース型人工知能エンジンです。ノンプログラミングで、推論エンジンという人工知能の一種により、モデルの矛盾や抜け漏れを自動検出してくれる操作性の良さと、様々なアプリケーションやパッケージソフトと連携する柔軟性がCorticonの特長です。

意思決定の自動化(ディシジョン・オートメーション)まで包括し、業務自動化の幅を拡大するプラットフォームとして、AEDAN(エイダン)というソリューションで提供しています。AEDANは、冒頭で述べた、「判断・アクションを決定する能力」つまり「知能」の自動化を中心に、業務自動化の幅を広げるためのプラットフォームです。ご興味がありましたらぜひお問い合わせください。

アイアクトのWatson・AI導入、Cogmoシリーズの紹介


株式会社アイアクト  取締役COO Watsonプロジェクトマネージャ 西原 中也様

アイアクトではWatsonの導入支援だけではなく、Watsonをより使いやすく提供できる、検索サービスのCogmo Search、チャットボットのCogmo Attend、履歴書判断のHR Insightsの3つのサービスを提供しています。

Cogmo Searchでは、Watsonの機能を使うことでサイト内検索やファイル検索がより便利に使いやすくなります。Webページの内容を学習させることで、検索キーワードに対する結果表示順を変えることも可能になり、より使いやすい検索機能を提供できます。

Cogmo Attendは「一問一答ではないチャットボット」です。Watsonの意味理解機能を活用しています。Webサイトへの組み込み、SNS、CRM連携も可能です。例えば、前回の会話から数日経過していたとしても、お客様との会話のセッションは継続されている点、会話の文脈を保持できる点が他のチャットボットとの差別化ポイントです。過去の会話も保持したサービスを提供できることは、つまり「お客様との会話を可能にする本当のチャットボット」であり、Cogmo Attendの大きな特長です。

Cogmo Search、Cogmo Attend、HR Insight、そしてWatson導入支援にご興味ある方は、ご相談ください。



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