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ソリューション研究会 定例会
「AI、ロボット、IoTを社会に活かす。~人がより幸せになるような未来を創る会社の使命とは?~」

ソリューション研究会 定例会


ハウステンボスにおけるロボット事業の立役者、富田 直美氏を講師にお迎えし、アシストのユーザ会であるソリューション研究会「定例会」でお話しいただきました。

ソリューション研究会とは

富田 直美 氏  プロフィール

富田直美様

株式会社 hapi-robo st 代表取締役社長

日本のメーカーで海外ビジネスを経験した後、民間の独立系コンサルティング企業において先端技術調査に基づくコンサルティング、マーケティング等を経験。その後、米国先端IT企業11社の日本およびアジア地域のトップとして経営を行う。現在はエイチ・アイ・エス(HIS)のCIO、ハウステンボス株式会社の経営顧問&CTO、HISが設立したロボット技術の開発と企業向けのコンサルティングを手掛けるベンチャー企業「hapi-robo st(ハピロボ)」の代表取締役社長。趣味のラジコンは世界チャンピオンをも誕生させているプロレベルで現在も現役。ドローンによる空撮でプロとして活躍中。


65歳の転機


アシストとは実は長い歴史がありました。私は1980年代後半、日本アシュトンテイトに経営者として在籍し、その時に日本パソコンソフトウェア協会の理事をしており、私の次に理事になられたのが、アシストの現会長のビル・トッテンさんでした。皆さん、アシュトンテイトをご存じですか。OSのマイクロソフト、表計算のロータス、RDBMSのアシュトンテイト、この3社は1980年代のPCソフトウェアベンダーのビッグ3だったのです。

私は現在69歳。外資系企業9社を含め11社の社長をやってきました。65歳の時、仕事を辞めてこれからは年金で暮らそうと決め、年金を申請してから、私が敬愛する日本総合研究所会長の野田一夫先生のところへご挨拶に行きました。先生は多摩大学を創設し、その後3つの大学の学長をされ、日本のベンチャービジネス三銃士ともいわれるソフトバンクの孫正義氏、パソナの南部靖之氏、HISの澤田秀雄の3人が師と仰ぐ、もうすぐ90歳になられる方です。引退の挨拶に行ったはずが、「それなら仕事を手伝え」と言われ、日本総合研究所の1ユニットの所長を引き受けることになったのです。

長崎県に大村湾という琵琶湖の半分くらいの湾があり、そこに「オランダ村」という閉園したテーマパークがありました。西海市がそれを再生するとのことで、その事業にハウステンボスなど数社の連合が日本総合研究所の名前で入札するということで、私にお鉢が回ってきたのでした。そこでオランダ村へ行き、ドローンで空撮をしました。結局このプロジェクトの落札にはならなかったのですが、この後、ハウステンボスもドローンで空撮をしました。私は外資系企業の社長をやってきましたが、一番自信があるのはラジコンです。今でも選手権に出ていますし、ラジコンの神だと自負しています。私がドローンで撮ったすごい写真をいくつかお見せします。すごいですよね!

自己チューな生き方


本日のテーマは「AI、ロボット、IoTを社会に活かす」ですが、この場は私にとっても皆さんにとっても、もう二度とこない人生の一時なので、大事なことをお話ししたいと思います。それは皆さんに「自己中心的な生き方をしてもらいたい!」ということです。私は人が大好きで、ここにいる皆さんはすでに私の友達。友達が不幸な顔をしていたら、幸せじゃないですよね。逆に、友達がニコニコしていたら、自分の幸せも増えますよね。だから私は皆さんにニコニコしてもらって、自分が幸せになりたいと思っています。

「へー、自己チューのすすめ?」。その通りです。私は「富田 考力塾」というのをやっていて、そこでいつもお話ししているのですが、皆さんは「考える力」が足りていないと思います。今日は私が一番年長者なので、特に強気で言わせてもらいます。だいたい、ITやIoTといった最新テクノロジーの話を最年長者から聴こう、っておかしいじゃないですか。私からみたら皆さんは「コピペ」で生きている。もはや、人間は「考える葦」ではなく、「コピペする葦」になっています。ベストプラクティス、テンプレート、本を読んだり講演を聴いたりして、うまくいきそうな模範があればそれをコピペする。どうかこれからはコピペを止めて、自分で考えるようにしてみてください。

ついでに言いますと、今はやりの「ワークライフ・バランス」という言葉は嫌いです。何のためのワークライフ・バランスですか。自分が幸せになるためですよね。やりたいことをするのがライフで、「やらねばならない」ことを嫌々やるのがワーク、だからそれをなんとかしようというのですが、バランスをとってできる人はいいかもしれませんが、とってつけたような考えだと思います。それよりも「ワーク」に主体的に参加して、全てを「ライフ」にすればいいのではないでしょうか。

皆さんが世界で一番大切な人は誰ですか。家族ですか、パートナーですか。私は自分です。あ、これが正解ではないですよ。私の言うことに従えとは言いません、コピペはだめですから。ただ、これから一生、死ぬまで、どうかご自身で考えるようにしてください。講演を聴いている時だけでなく、あらゆる場面において自分を中心に考えて、主体的に生きる。私も100%できてはいませんが、そうしたいといつも思っています。

情報のヒエラルキー


今回、事前に講演テーマの資料をくださいと言われましたが、私は出せません。これがいつも私が使うスライドですが、これを送ってもテーマはわからないですよね。このパワーポイントは、タイトルをクリックしていくと裏に約2,000枚のスライドがある、私の人生の集大成です。

このタイトルの一つ、「情報のヒエラルキー(階層)富田モデル」についてお話しします。ビッグデータの時代だと言われていますが、データを集めることが目的ではありません。データを集めないとBI(ビジネスインテリジェンス)を使って分析できないから集めているだけ。それを分析して意味のあるものにしたのが情報です。では情報はどこにありますか。自分を中心に考えると、コンピュータの中とか、自分の外ですよね。その情報のうち、自分でとっておきたいと思って脳に入れたものが「知識」になります。知識はお金と同じで、蓄積だけしていても役に立ちません。知識をたくさん持っている人、お金をたくさん持っている人は偉いでしょうか。全然偉くない。これはすごく大事なことです。持っているだけでは何の役にも立たないからです。では何があれば役に立つのかというと「知恵」です。「知」識を使って人を「恵」むというのが、私の考える知恵で、誰に恵むかというと自分自身です。知識を用いて自分を恵む。これを世界中の人がやったら、盗みや戦争は起きないでしょう。盗んで嬉しい人などいませんから。そしてこれらの最上位にあるのが「愛」です。愛は究極の知恵なのですね。アインシュタインが、自分が死んでから公開してくれと娘に宛てた手紙がヘブライ大学に寄贈されています。その手紙の中に、「相対性理論よりも大きな力が宇宙にある、それは愛だ」という内容がありました。本当ですよ。

情報のヒエラルキー(階層)富田モデル


家族の幸せが自分の幸せ、という人もいるでしょう。奥さんのお誕生日に素敵なプレゼントを2万円で買ってあげたら喜ぶだろうなとイメージしただけで、心が満たされますよね。でも実際にプレゼントをあげて、奥さんが「あら、お金の方がよかったわ」と言ったとしたら、その瞬間、幸せは消えます(笑)。幸せになるためには、皆さんリアルが大事だと思うかもしれませんが、実は、大事なのはバーチャルなのです。奥さんが病気で苦しんでいるなあ、と思うと心が痛みますし、にこやかに微笑んでいるのをイメージすると幸せな気持ちになる。だから喜ぶ奥さんをイメージしながらプレゼントを買う行為そのものが大事で、奥さんが喜ぶかどうかではないのです。これはアドラー心理学の本にも書いてあります。「私がやった行為が大事なのであって、相手がそれをどう受け取るかは、私の課題ではない」と。自分の幸せの構成要素に家族や友達がいて、その人たちがにっこり微笑んだ時が私の幸せ、だからその人たちのために何かをするけど、それは自分の幸せのため。これが私の生き方です。アシストに講演を聴きに来て、こんな話を期待していなかったかもしれませんが、自分の幸せは自分しかわかりませんから、どうかこれから、いつも考え続けてください。

ハウステンボスと「変なホテル」


皆さんがお聴きになりたいと思いますのでハウステンボスの話もしたいと思います。ハウステンボスはずっと赤字でしたが、HISが経営してから半年で黒字になりました。実は、もともとハウステンボスは環境会計では1,890億円の黒字だったんです。なぜなら、ヘドロだらけだったところを2,100億円借金して土地を改良し、水の都にしてお客様を喜ばせたのですから。ところがその借金が経営を圧迫していました。それをHISが買い取り、澤田が経営手腕を発揮して九州財界からの出資や債権者の債務放棄をとりつけて、その上で様々なコストカットを行ったのです。

澤田は世界紛争の原因はエネルギー問題にあるという考えでエネルギーにも力を入れ、地熱など自然エネルギーの電源開発も行っています。また気候変動などで食糧がとれなくなるということで、自然エネルギーを利用して野菜をつくる植物工場も作っています。そして未来の技術としてロボット化、自動化を進めてオープンしたのが「変なホテル」です。開業当初74室30人いたスタッフは1年後74室12人になりました。その後、部屋数をさらに74室増設した今、ロボットを増やし、かつ進化させることで、スタッフはわずか6人になっています。お客様がその動きに文句を言うと機能を修正していくので、ロボットの質はどんどん向上します。またハウステンボスは私有地ですから自動操縦の配達ドローンなど、なんでも実験ができます。昨年、「変なホテル」は世界で初めてのロボットがマネジメントするホテルとしてギネス世界記録に認定されました。この記録は破られることはありません。なにせ世界初ですから。

富田様


今こうしてロボットを作る会社の社長をしていますが、どんなロボットが良いのか私にはわかりません。ロボットクリエーターの高橋智隆氏は、鉄腕アトムにインスパイヤされてロボットを作ったといいますが、理想のロボットは鉄腕アトムではないということを知っておいて欲しいと思います。鉄腕アトムは世界に一つしかないし、漫画だからいいですが、もしあれが一家に一台あったら怖いと思いませんか。鉄腕アトムのエネルギーは原子炉で、足には100万馬力のジェットエンジンがついているのです。そんなロボットが各家庭にあったらどうですか。ドラえもんもそうです。どこでもドアがあったら、いきなり子供がブラジルに行っちゃいますから(笑)。IoTが人に幸せをもたらすのか。一歩間違うと人身売買にもつながる臓器移植は本当に幸せをもたらすのか。皆さんに考えて欲しいというのは、こういうことなのです。

ドローンも同じです。例えばドローン配達なんて私はありえないと思っています。もし東京でドローン配達をしたら家の上空を100機くらいドローンが飛ぶことになるでしょう。カラスが100羽飛んでも嫌だけど、指を入れたら切れてしまう大きなカーボンプロペラのついたうるさいドローンが近所の上を飛び回る近未来なんて、嫌ですよね。これは「変なホテル」でドローンを製作してわかったんです。ドローンで撮った映像は綺麗ですが、目の前にドローンがあればうるさくてみんな逃げてしまいます。どうやったら音が出ないようになるのか、危なくないようにできるかを考えなくてはいけないんです。このためには体験がとても大事です。1と0の関係で言うと、「体験しない」は0、「体験した」を1とすると、1÷0はいくつですか。1÷0.1は10、1÷0.01は100。これを限りなくやっていくと1÷0は無限大です。つまり体験するとしないでは、無限大の差があるということです。でも1回経験すれば100回経験した人の100分の1。まったく経験のないことは判断できないからコピペするしかありませんが、少しでも経験があれば判断はできるのです。

幸せのロボット会社


今、私はハピロボという会社で、人が幸せになるロボットを作りたいと思っています。ロボットはスマホと同じ、デバイスの一つにすぎません。一番大事なのは人。でも人を楽にするロボットは作りません。人の能力を引き出すロボットを作りたい。なぜなら人間は自分の能力が引き出された時に一番幸せになる、というのが私の考えだからです。私はHISのCIOであり、ロボット会社の社長です。先端技術をわかっている人間として言いたいことは、そのテクノロジーが人間を幸せにすることが大事、ということなんです。お金がいくらあっても意味はないように、儲かる技術を作っても意味がないんです。ワークライフ・バランスをなんのために目指すのかといえば、幸せになるためです。そのためには私の話も聞かなくてもいいし本も読まなくてもいい。自分の幸せとは何かを自分で考えたら、答えは必ず出てきます。

E-Trinity(自己・自然節理・環境経済)


これは私が自分の幸せを考える時に理想にしている「E-Trinity(自己・自然節理・環境経済)」です。エコノミーは地球と社会の継続に貢献するものであって、IPOでお金儲けをすることではありません。またいくら仲間がいても環境が破壊されたら幸せにはなれないからエコロジー。そして地球規模での人間の役割は、幸せになること。このすべてを同時に目指すと、すべてが良くなる、というのを今日の最後のメッセージとさせていただきます。


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