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アシストが実践するDX - 人事 -

アシストが実践するDX - 2. 人事

なぜ人事DXが必要か?

企業にとって「人」は最も重要な経営資源、とよく言われています。企業が経営戦略を実現し、持続的成長をしていくためには、どれだけ資金や設備が整っていても、経営方針を理解して実践する人財や能力を活かせる環境がなければ戦略実現はできません。そのため、DXにおいても推進の役割を担う人財・組織・文化を生み出す視点で、人事の取り組みに注目が集まっています。

アシストと人事が目指す姿

1983年からアシストの企業理念 矢印 「哲学と信念」の中には、「人はアシストにとって一番重要な財産です。」という言葉が明記されています。

社章は「人バッチ」というもので、その名の通り「人」の漢字がかたどられたユニークなものです。そのため社員には、お客様や協力会社に製品やサービスなどを提供する主体である自分たちを磨き続けることこそが重要だという共通のマインドが浸透しています。企業理念により人財の大切さが浸透しているアシストにおいて、人事部が掲げるビジョンは、「社員も学生も求職者もアシストファンに」です。ファンになるということについて、人事部 部長/長田 誠はこう語ります。


長田
アシストファンの定義はシンプルに「アシストが好き」です。好きなポイントは様々でいいのですが、人事で取り組むべきは、十人十色な好きになるポイントをできるだけ把握し、ファン度合いを高め、ファンを増やしていけるようにする組織や文化、プロセスをつくっていくことだと考えています。


人事DXの状況

実際のところ、アシストで「人事DX」に取り組むことを掲げて活動しているかというとそうではありません。中心にあるのは、「社員も学生も求職者もアシストファンに」というビジョンです。その実現のために組織や文化・人の課題を浮き彫りにして解決策を検討する中で、必要なデジタル技術を取り入れています。

現在、力を入れて取り組んでいるのは人事データの活用です。具体的には、データを貯めて見る前の工程として「データ活用ストーリーの設計」に力を入れています。

長田
DXという言葉にある、Dのデジタルはなければならない当たり前の存在ですが、運用を回していくのに要となるのはX(Transformation)の変革と考えており、文化や組織やプロセスや人を変えていく活動の設計が求められていると強く感じています。 Dの部分が気になるかと思いますが、本質はXの方だと思いますので、具体的な課題や活動含めていくつかご紹介できればと思います。

人事課題と取り組みのご紹介

ここからは、2017年に浮き彫りになった3つの人事課題をもとに取り組み実践の内容をご紹介します。

①マネジメント力の底上げ

より多くの社員をアシストファンにするため、優先度をあげて取り組むべき課題として挙がったのが、マネージャーの教育でした。それは、社員の日々の業務や成長に一番影響力を持つのがマネージャーであるという考えからです。

マネージャーの意識・発言・行動で社員が働きやすいか、更には「アシストが好き」「アシストで働き続けたい」という気持ちやモチベーションが変わるため、良い影響力を底上げすることを目的に下記のような取り組みがはじまりました。

社員からのマネジメントフィードバック

マネージャーの意識・発言・行動を変えていくきっかけづくりとして、社員の意見を集めてフィードバックし、改善を促す施策です。意見をフィードバックするだけでなく、改善行動につなげるためのワークショップを開催しました。

コーチングスキルの提供

コーチングスキルを養うための研修を提供するとともに、コーチングする際の課題感などを払拭するため、マネージャーと人事担当者の1on1を実施しました。

マネージャー同士がつながる場の提供

他者の取り組みから気づきや刺激を得ることを目的に、マネージャー同士が情報交換できる会を設けました。また、新任マネージャーが経験者からのアドバイスなどを得られる座談会や面談の場も提供しました。

現在もマネージャーが成長することを目的とした草の根的な支援活動が、継続的に実施されています。


課題②採用体制の強化

アシストの新卒採用では15年以上前から現在までサポーター制度という、現場社員が選考中の学生をフォローする取り組みを実施しています。サポーターの数は総勢60名、面接官を含めると約100名程の規模で推進していますが、当時依然として課題に挙がっていたのがセールス力でした。

アシストの魅力を十分に伝え、学生や求職者を集める力を強化することが喫緊の課題となったのです。この課題に対して実践されたのが、期間限定で現場のトップ営業やトップ技術を人事部に招く体制の強化でした。新たな体制で、集める採用から集まる採用への変革を目指し、実践された取り組みをいくつかご紹介します。

新卒採用に関わる社員全員の意識醸成

採用するかどうかに関わらず、学生がアシストの採用試験過程で何かしら得るものがあるように、真摯に対応することでアシストファンになるポイントを提供できるようにといった意識付けを面接官やサポーターと共有するためのガイドを準備しています。このガイドには、マインドセットや求める人物像、タイプ別の対応ノウハウなどが掲載されています。また、各年の採用活動の振り返り結果から継続的に内容が更新される仕組みです。

新卒採用データの一元化

もともとExcelで管理していた採用データを矢印 QlikというBIツールに一元化しました。Excel管理時代は、意思決定するために約80ファイルくらいの内容を確認しながら検討しなければならず、意思決定に膨大な時間を費やしていましたが、BIツールにデータを集約したことで意思決定スピードが大きく向上しました。具体的には、2時間程度の会議で課題の要因特定を行えるなどの効果が出ています。

新卒採用データの活用

 一元化したデータを様々な意思決定に活用しています。具体的な活用シーンは下記の通りです。

意識の醸成やデータ活用による意思決定の効率化といった取り組みの甲斐があり、最近では自ら応募される学生が3分の1と以前よりも増えました。また、学生向けに情報発信している第三者機関の企業評価にランクインするといった結果も出ています。今後は中途採用にもこれらのノウハウを取り入れると同時に、採用までではなく入社後の定着までを視野に活動していく方針が立てられています。


課題③企画業務の時間確保

人事では課題①②でご紹介したような企画業務とともに、勤怠管理、給与/賞与処理、入退職者管理といった定常的な業務が欠かせないものです。会社の規模拡大に伴い社員が増えていく中、限られた人員ですべての対象業務を遂行することに大きな課題感がありました。そこで検討をはじめたのが、RPA(業務自動化)の活用です。

RPAの手法を比較検討した結果、利用しているC/Sシステムのアプリケーションを自動起動したいという要件から、画像認識ではなくオブジェクト認識をベースとした確実で安定的な動作を評価ポイントに 矢印 UFT Oneというツールが採用されました。

最も効果的だった勤怠管理業務

UFT Oneで作成した自動化処理の中で最も効果が出たのが、勤怠管理における勤怠データの加工・処理業務でした。RPA適用前は、担当者が手動で勤怠管理システムなどから必要データを抽出してExcelで加工後、完成したExcelファイルをメールで各所に送付するという作業を約6時間かけて実施していました。適用後はExcelファイル完成までをUFT Oneで自動化しているため、担当者が行うのは最終工程のExcelファイルをメール添付して送信する作業のみです。時間にして約6時間かかっていた作業が、30分弱にまで大きく短縮されました。

その他RPA対象業務と効果

RPAの取り組み開始から半年経ち、下図のような業務を対象に作成した処理数は約30本になりました。その結果、人手で年間 約472時間かけていた作業が対象業務から解放され、空いた時間を企画検討に充てることができるようになりました。

RPA推進に携わった人事部/川口 琢央は言います。

川口
今まではルーチン業務が大半を占めており、人事管理の担当者から企画提案するような機会はほとんどありませんでした。RPAで余裕時間をつくることによって、自分たちから積極的に発信していくという攻めの姿勢へ変わるチャンスが得られたと感じています。

今後の取り組み

人事部が掲げるビジョン「社員も学生も求職者もアシストファンへ」の推進に向け、取り組むべきと思われる課題は未だ山積みです。アシストでは人事データ活用に向けたIT化に着手する前に、山積みの課題を人事担当者自らが整理し、取り組みべき課題を設定・解決するまでの手法を身につけることを優先しました。その手法が、データ活用ストーリーです。

データ活用ストーリーの設計

データ活用ストーリーの設計にあたり、ビジョン実現に向けた課題解決を豊富な知見と客観的な視点でリードする人財が必要でした。そこで、現場のデータ活用スペシャリストであるBIマイスターに白羽の矢が立ち、人事部への一定期間配置が決定しました。

その後、長田をはじめとした人事担当者とBIマイスターで、ビジネス視点の戦略と実践すべきことを洗い出し、実践に必要なデータを見ることができた場合に具体的なアクションが定着化するかという議論が時間をかけて行われています。こうした中でデータ活用ストーリーが固まり、直近で取り組むべきと合意した施策を1つご紹介します。

目的別人財プール構築への一歩

社員が本来のパフォーマンスを発揮するためには、人事やマネージャー、さらに社員自身が個々の特性や経歴などを深く理解する必要があります。社員に関するデータを整理し、適財適所を実現するための取り組みが目的別人財プールです。目的別とある通り、下記のような切り口でデータを整理する予定で、試行を重ねている段階です。現状ある程度のデータは揃っていますが、足りない情報を収集する手段も検討しています。


アシストでは、ビジネス課題に沿った優先度の高いアクションを具体化するということはもちろんですが、それと同じくらい業務に定着させるということを重視しています。このプロジェクトを担当した、BIマイスターの人事部/松山 晋ノ助は語ります。

松山
データ活用ストーリー=人事業務という前提のもと設計していますので、重視したのは人事担当者が腹落ちするストーリーをつくることでした。そのためにはくどいと思われても同じ説明を繰り返し、時間をかけて議論を重ねました。担当者が腹落ちしている業務であれば、自然にマニュアルなどで引き継がれ定着化していくと考えています。

データをもとにファンに繋がるポイントをつくり続ける

お客様に良い製品・良いサービスを提供したり、学生や求職者にアシストの魅力を訴求したりするためには、社員がモチベーション高く働いていることが最も重要です。社員がモチベーション高く働いている状態とは、社員が能力を最大限に発揮できていることです。前段でご紹介した目的別人財プールは、変化する社員のデータ(モチベーションやメンタル・評価・異動希望・キャリア意識など)を収集して活用する重要な一歩になると考えています。

アシストファンを増やす道に終わりはありません。今後も様々な取り組みを通して社員の心に火をつけていくようなポイントづくりを進めていく予定です。


人事の取り組み関連動画のご紹介

2021年7月開催のセミナーを収録した動画のご紹介です。
ぜひご自由にご覧ください。
【収録時間:約20分 再生速度の指定可能】




DXのひろば


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