アシストが実践するDX - 情報システム -
|
HEADLINE
お客様のカスタマーサクセスを実現するシステムを目指して
2022年3月で創業50年を迎えるアシスト。創業以来パッケージインテグレーターとしてたくさんのお客様にさまざまなツール/システムをご提案してきました。
2017年に発表した中期経営計画では「ITを含むビジネスプロセスの変革」として、ITやデジタル技術を使ってアシストの活動を更に強化していこうとしています。
一方で、自社内のシステムにはたくさんの課題を抱えていました。そこでアシストはこれまでの情報システム部門を刷新。ITサービス企画部を創設し、アシスト版DX構想のもと「お客様を起点としたデータ管理」に着手し、お客様の情報を「共有し」「つながる」カスタマーサクセス基盤実現に取り組んでいます。
「アシスト版DX構想」とは
アシストのビジネスの根幹は、製品やサービスをご契約いただいたお客様に、技術支援や製品サポートなどの活動を通してアシストの価値を経験いただくことです。お客様がアシストの価値を経験することでお客様自身のビジネスが成功し、結果的にアシストとお客様との関係が深まり、お互いのビジネスが成長していくビジネスサイクルを目指しています。
「アシスト版DX構想」では、アシストとの経験を通してお客様のビジネスが成功できる環境をつくることを掲げ、全社的にさまざまな取り組みを実施しています。
「アシスト版DX構想」では、構想を実現する上で社内とお客様それぞれに対するテーマを設定しています。
- 社内に対して 効率的な業務推進と必要な情報の蓄積
- お客様に対して これまで蓄積されたデータを生かした双方向コミュニケーションの実現
インフラ管理機能に企画機能をプラスしたITサービス企画部を創設
中期経営計画のスタートと共に、これまでの情報システム部門を母体とした「ITサービス企画部」を創設。各部門に散らばっていたシステム担当者が集められ、インフラ管理機能とシステム企画機能を強化しました。
ITサービス企画部ではアシスト版DX構想のもと「カスタマーサクセス基盤構築」に着手し、実現に向け具体的な2つのシステム構想を定めました。
「お客様を起点にしたデータ管理」で、アシストのすべての社員がお客様の情報を網羅的に把握できる環境をつくる。
「お客様とつながるシステム基盤」を実現し、お客様がご自身のタイミングでアシストとオンラインでコミュニケーションできるようにする。
2021年現在のシステム構成
|
現在アシストのシステム構成は、クラウドサービスとオンプレミスシステムを併用した構成をとっています。
コスト削減や運用負荷軽減の観点でクラウドサービスを利用する箇所を選定し、SaaS型システムも柔軟に利用しています。
「カスタマーサクセス基盤構築」にむけた第一歩とは
事務処理を最優先したデータ管理の弊害
ITサービス企画部では「カスタマーサクセス基盤構築」にむけて、アシストのIT基盤全体の見直しから着手しました。10年以上利用してきたアシストのシステム構成は、事務処理には最適な構成になっていましたが、お客様起点でデータを確認することは非常に困難でした。営業/技術/マーケティングなど各機能によって別々なシステムにデータを登録したり、アカウントプランや技術業務管理はファイル管理したりと、社内にデータが散在していました。
|
散在しているお客様に関するデータの一元化に着手
社内にお客様に関するデータが散在しているため、お客様の状況が把握しづらい状態でした。そこでITの側面から「お客様を中心において、データ・システム・活動をつくりなおすこと」を決定。第一歩として、まずお客様を起点にしたデータ整備に着手しました。
「CRM刷新でお客様起点のデータ管理を目指す
お客様を起点にしたデータ整備を行うため、アシストは2018年にCRMの検討を開始。CRM導入によって、これまで営業/技術/マーケティングの各システムやファイル管理で分断していたお客様に関するデータをCRMに一元化することを目指しました。検討の結果、アシストではSalesforceを採用し2020年から本格稼働しています。
|
現在のシステム構成では、Salesforceが案件管理から受注までのプロセスと、受注後の技術活動プロセスを管理しています。マーケティングに関する活動では別々なアプリケーションが稼働していますが、データ連携することでSalesforce上でそれらのデータにアクセスできるようにしています。
また、インフラにはデータ連携基盤に DataSpider、データ活用基盤に Vertica、 WebFOCUS、 Qlikといったアシストでの取り扱い商材を多く採用し構築しています。
Salesforceの価値を最大化するための工夫
CRMとして新しくSalesforceを活用するにあたり、アシストではその価値を最大化するためシステム面で工夫をしています。その一部をご紹介します。
つながらないデータをつなげて、お客様データをリッチ化
Salesforceではオブジェクト構造が決まっているため、Salesforce内で連携されていないオブジェクトは手動で連携させる必要があります。ユーザーが手入力することでも対応できますが、アシストではDataSpiderによる夜間バッチ処理で連携させています。これにより現場のユーザーの入力負荷が軽減されるだけでなく、データの価値も高めています。
名刺情報を企業情報データベースと突合させ、顧客データの品質を担保
日々の営業活動で入手する名刺情報をSalesforceに取り込む際、データ品質の担保が重要です。アシストではSaaS型名刺データ管理ツールとDataSpider、企業情報データベースを連携させることで、クレンジングされた顧客データのみSalesforceに取り込まれる仕組みを構築。Salesforceへのユーザー操作による顧客データ登録を禁止し、名刺管理ツールにデータ投入経路を絞ることで、データ品質を担保しています。
全社で利用できるデータ活用基盤でお客様の状況を可視化
Salesforceに一元化されたお客様データは、データ活用基盤のデータウェアハウスに連携、蓄積されています。このデータ活用基盤は、ITサービス企画部が実現に取り組んでいる「カスタマーサクセス基盤」の「お客様を起点にしたデータ管理」を担っています。
|
アシストのお客様を起点にしたデータ活用基盤
- データ連携層はクラウドにもオンプレミスにも対応可能なDataSpiderで実装。
- データウェアハウスには圧倒的なレスポンス性能を誇るVerticaを採用。各種マスタやスケジュールデータ、マーケティング系アプリケーションからのセミナー情報など、あらゆるデータが投入されている。
- レポーティング層にWebFOCUSとQlikをそれぞれの特性に合わせて活用。WebFOCUSは販売予測管理やお客様訪問管理など全社KPIに関する各種レポートを公開。QlikはKPIに対するプロセスを分析する基盤として活用。ビジネス部門の担当者自らが分析レポートを作成するケースも多い。
「お客様とつながるシステム基盤」構築へ
ただ、やはり大切だと感じるのは、業務整理によって「データの現状と理想のギャップ」を明らかにすることだなと。以前から言われていることですが、データはきれいじゃなければ使えません。
企業としてのデータ品質の担保をどう実現し管理していくか、という点は、自社のITを支える部門として正面から泥臭く取り組む命題だなと思います。
ITサービス企画部では現在「カスタマーサクセス基盤」のもう一つの柱である「お客様とつながるシステム基盤」を構築中です。
具体的には、以下の3点に取り組んでいます。
- サポートシステムの刷新
- サポート契約更新手続きのWeb化
- お客様コミュニティの導入
Salesforceへのお客様情報集約を加速
アシストにはお客様からの製品に関するお問い合わせを受け付ける、独自の「サポートセンター」を設けています。現在、このサポートセンターは独立したシステムで稼働しているため、お客様からの問い合わせ履歴をSalesforce上では確認することができません。このサポートセンターのシステムをSalesforce上で動く仕組みに刷新する準備が進んでいます。
お客様のコンタクト情報がさらにSalesforceに集約されることになり、お客様を起点にしたデータ管理がまた1歩前進します。
お客様とアシストとをつなぐカスタマーサクセス基盤の実現を目指す
これまで郵送やメールでご案内してきたサポート契約継続手続きがWebで完結する構想も検討中です。さらにアシスト製品のコミュニティ基盤構築も実装予定で、一部製品で試験的に運用を開始している状況です。
これらの実装により、お客様自身が、自身のタイミングでアシストが提供する情報に気軽にアクセスし、必要な情報にたどりつける環境になります。
情報システムの取り組み関連動画のご紹介
2021年7月開催のセミナーを収録した動画のご紹介です。
ぜひご自由にご覧ください。
【収録時間:約12分 再生速度の指定可能】
DXに関するその他の課題
- DXを加速するシステムの「内製化」- 事例で見る、内製開発を成功に導く鍵 -
- アシストが実践するDX - 人事 -
- アシストが実践するDX - 経理 -
- データドリブンの実現へ。Hondaのチャレンジを紐解く
- ビジネス現場におけるデータドリブンの現状と今後!~推進、定着の落とし穴と、その飛び越え方~
- ペーパーレスを機にデータドリブンへ!常に前進を続ける因幡電機産業の挑戦
- 日本郵船のDX推進の原動力は「人の育成」と「組織文化の変革」
- アシストが実感したDX 動画活用を通して見えた文化・風土へのアプローチ
- 異文化の対立を乗り越え見出した デジタル人材育成の最適解
- ボトムアップのアプローチでDXを推進
データ分析・活用の定着と横展開を図る浜松倉庫が掴んだ成果 - アシストが挑戦するMDS ~データ活用基盤をSnowflakeで構築~
- DX人財の育成を成功に導く:DX / AI 教育コーディネートサービス
- AIプロジェクトを成功に導くスキルアップ!AIプロジェクト・オーケストレーション:AIPO
- 「データは嘘をつかない」 アシストが実践するお客様起点のデータ活用