TOP>事例>サービス>国内最大級の人材サービスを支えるデータベース基盤、オンプレミスとクラウドを融合したハイブリッド構成で将来的なフルクラウド化を推進

国内最大級の人材サービスを支えるデータベース基盤、オンプレミスとクラウドを融合したハイブリッド構成で将来的なフルクラウド化を推進

パーソルキャリア株式会社

導入製品/サービス…
Oracle Database  Oracle Exadata  Oracle Cloud Infrastructure  

パーソルキャリア株式会社 Exadata Cloud@Customer、Exadata Cloud Service 導入事例

転職サービス「doda」の運営元であるパーソルキャリアでは、提供サービスの規模拡大に伴い、運用面や拡張性の課題が露呈してきました。オンプレミスのOracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)の保守終了を機に検討した結果、将来的なコスト最適化を目的としたフルクラウドへの移行を決定しました。本番データベースをプライベートクラウドのOracle Exadata Cloud@Customer(以下、ExaCC)*1に移行し、パブリッククラウドの「Oracle Exadata Cloud Service(以下、ExaCS)」*2を災害対策環境に組み合わせることで、運用効率や拡張性の解決を目指しました。

パーソルキャリア株式会社

  • ※1 Oracle Exadata Database Service on Cloud@Customer (ExaDB-C@C)の旧サービス名です。
  • ※2 Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure (ExaDB-D)の旧サービス名です。

導入のポイント


1.将来のシステム規模拡張に柔軟に対応できるデータベース基盤を実現
2.Oracle Exadataのハードウェア運用が不要になり運用効率が大幅に向上
3.入念な設計と検証でクラウドへのDB移行に伴う性能低下の懸念を払拭


課題

  • 基幹DBのOracle Exadataの保守終了を迎え、次期基盤を検討する必要があった
  • Oracle Exadataのハードウェア運用に必要な人員やスキルが不足していた
  • クラウドへの移設に伴い、性能低下の懸念があった

対策

  • フルクラウド化を見据えた運用体制の確立とノウハウ蓄積のために「ExaCC」および「ExaCS」を採用
  • ハードウェアの運用管理が不要なクラウドサービスを活用
  • Real Application Testingなどの検証ツールを活用

効果

  • ビジネスの成長や縮小に合わせてシステム規模を素早く変更できるデータベース基盤を実現
  • 運用効率化に加え、確実なパッチ適用作業が可能に
  • 事前に該当アプリケーションを特定し、効率的なチューニングが可能に

システム概要図



従来システムで抱えていた運用管理における課題


パーソルキャリア株式会社は 、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。2017年7月より、株式会社インテリジェンスからパーソルキャリア株式会社へ社名変更。

パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる持続可能な社会の実現に貢献していきます。

転職サービス市場において常に高い存在感を示してきた同社の業務システムには、膨大な数の人材情報や求人情報が登録されています。これらのデータから安全かつ必要な情報を素早く抽出・参照できるように、同社ではオラクルの高速データベースアプライアンス製品「Oracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)」を用いて大量データを一括管理してきました。


佐藤 隆一 氏

しかし同社 テクノロジー本部 インフラ基盤統括部 システム共通BITA部 IT基盤グループシニアコンサルタント 佐藤隆一氏によれば、このOracle Exadataの運用管理は長らく課題を抱えていたと言います。

佐藤氏  弊社にはハードウェアの運用ノウハウを持つ人材が少なく、Oracle Exadataの運用管理にはかなり苦労していました。また弊社のビジネスモデルは、市場の影響を受けやすいことから事業成長の度合いが読みにくいため、「この規模とスペックなら5年後も問題ないだろう」と見積もって導入したハードウェアが、数年後には期待した性能を維持できなくなることも珍しくありません。そのため、製品を導入した後でも規模や性能を柔軟に拡張・縮小できるデータベース基盤が求められていました。


Oracle Exadataを クラウドサービスとして提供する「ExaCC/ExaCS」を採用


Oracle Exadataの保守終了時期が迫ってきたため、同社では運用管理の課題を解決するためにクラウド型のデータベースサービスの導入を検討することにしました。クラウドサービスであればハードウェアの運用は不要で、かつ規模や性能を柔軟に拡張・縮小できるため、これまで抱えていた課題を解決できるのではないかと考えました。

パーソルキャリアの業務システムは、Oracle Exadata特有の機能を使って性能向上を図っていたため、通常のOracle Databaseや他のデータベースサービスへの切り替えでは性能が劣化する懸念がありました。そこで、クラウド型のデータベースサービスの中でもOracle Exadataの高い処理性能はそのままに、クラウドサービスならではの効率的な運用や、柔軟なスケーラビリティなどのメリットを享受できる「Oracle Exadata Cloud@Customer(以下、ExaCC)」と「Oracle Exadata Cloud Service(以下、ExaCS)」の採用を決定しました。

ExaCSはパブリッククラウドサービスとして提供され、ExaCCはハードウェアの運用はオラクルが担うものの、機器は同社のデータセンター内に設置するというプライベートクラウド型で提供されます。既に開発/検証機として利用していたExaCCを活かしつつ、ExaCSの特徴を最大限に享受できるハイブリッドな構成を取り、最終的に本番環境はExaCCをデータセンターへ設置し、パブリッククラウド内にはExaCSを用いて災対環境を構築することにしました。

佐藤氏  弊社にはまだクラウド運用のノウハウがあまりなく、ネットワーク性能や信頼性について不安を訴える声も一部あったため、本番環境に関してはまずはプライベートクラウド型のExaCCを採用することにしました。また一足飛びにパブリッククラウドに行ってしまうと、ネットワーク面の不安や、スケーラビリティに優れるが故に制限なくシステム規模を拡張してしまうのではという懸念もありました。


アシストの支援の下に性能検証とチューニング作業を進める


こうしてExaCCとExaCSの採用を決めた同社は、2019年12月から日本オラクルの技術者を交えて机上の性能検証を開始しました。それまでオンプレミス環境で利用してきたOracle Exadataは、ディスクI/Oの性能を高めるためにオールフラッシュディスクを採用していましたが、ExaCCとExaCSでは同様のオプションが提供されていませんでした。そこで代替案を検討した結果、フラッシュディスクをキャッシュとして利用することで同等性能を確保できるとの結論に至りました。

続いてアシストの技術者とともに、机上で検討したExaCCとExaCSの構成を実機に施して性能検証を行いました。また併せてアプリケーションのチューニングも行った結果、従来のオンプレミス環境を上回るパフォーマンスだったと言います。

佐藤氏  本番環境は、3年前に検証作業用に導入していたExaCCの環境を拡張する形で構築しました。細かな技術的な作業はほぼアシストに一任し、極めてスムーズに進みました。また、ExaCCへの移行後に性能劣化が発生してしまうリスクを低減するため、アシストから提案されたアプリケーションに特化したテストツール「Real Application Testing(以下、RAT)」やアプリケーション性能管理ツール「JENNIFER」を活用しました。影響のあるアプリケーションを事前に特定できたことで、効率よくチューニング作業を進めることができました。


クラウド移行によりシステムの安定稼働と運用効率化を実現


2021年4月、ExaCCとExaCSの新たなデータベース基盤で本番システムを開始しました。社内から「移行後に性能や安定性が低下するのではないか?」との声がありましたが、アプリケーションの事前チューニングの効果もあり、移行前より安定して稼働しています。

またハードウェア関連のメンテナンス作業が不要になったことで運用業務も効率化され、以前はなかなか実施できなかったハードウェアのパッチ適用も複数回実施できました。

佐藤氏 パッチ適用作業は、クラウド環境でローリングアップデートが無停止で実行されるため、弊社では特に手を動かす必要はありません。ただしアップデート中はシステム性能が低下する恐れがあるため、ExaCSの待機系を本番系に昇格させて対応しています。

こうしてパッチ適用を定常的に行えるようになったことで、システムの安定性も担保できるようになりました。今後もExaCCとExaCSの様々な機能を生かしてデータベース運用をさらに効率化していくとともに、将来的にはExaCSのパブリッククラウド環境上に全てのデータベースを移行する計画です。

佐藤氏  もうすぐExaCCの保守終了時期を迎えるため、その後は本番環境もExaCSへ移行し、本番系と待機系の両方をクラウド環境上で稼働させる計画を立てています。またその際にはOracle Databaseのバージョンアップも行うため、アシストには引き続き、強力な支援を期待しています。



  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


パーソルキャリア様の事例記事(PDF)をダウンロード


本事例をまとめたPDF資料を今すぐダウンロードいただけます。印刷や社内共有等にご活用ください。




お客様情報

※お客様情報は取材時の内容に基づくものです。

会社名 パーソルキャリア株式会社
概要 パーソルグループの一員として転職サービス「doda」やエグゼクティブ向け人材サービス「iX」、さらには様々な転職・就職支援、採用・経営支援サービスの提供を通じて、企業ミッションとして掲げる「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」の実現を目指します。
所在地 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング27F
設立 1989年6月15日
資本金 1,127百万円
従業員数 4,540名(有期社員含む グループ会社出向中の者は除く 2021年1月末時点)
URL https://www.persol-career.co.jp/
取材日 2021年9月

関連製品/サービス

Oracle Database

Oracle Databaseは、高い性能と信頼性を誇る業界標準のRDBMS(リレーショナル・データベース管理システム)です。アシストでは1987年にOracle Databaseの取り扱いを開始し、35年以上に渡ってお客様のデータベース構築/運用を支援しています。

  • 導入効果を最大化する「アシスト品質」のサポート
  • 顧客満足度90%のプロダクトサポート
  • 国内最大級の専任技術者による全国サポート体制

詳細へ

Oracle Exadata

Oracle Exadata は、オンプレミス・パブリック/プライベートクラウドのいずれでも、Oracle Databaseを稼働させる上で最上位のパフォーマンスを最小限のコストで実現する選択肢です。

  • 世界最速のデータベース専用アプライアンス
  • DWHだけでなく基幹系や勘定系のシステムにも多数採用
  • 性能のボトルネックとなる「I/O」を徹底的に効率化

詳細へ

Oracle Cloud Infrastructure

Oracle Cloud Infrastructureは、仮想サーバ、ストレージ、データベース、Javaなどの豊富な機能を提供するクラウドサービスです。必要なリソースを、必要なときに、必要なだけ利用できます。

  • オンプレミスと同じ製品、同じアーキテクチャを採用
  • オンプレミスとクラウド間の高い可搬性を実現
  • Oracle Databaseを低コストで簡単に素早く利用可能

詳細へ

事例に関するお問い合わせ

資料請求/お問い合わせはこちら(専門の担当者が確認し、ご対応します。)

ご興味のある事例がございましたら、お気軽にお問い合わせください。より詳しい情報をお届けします。

ページの先頭へ戻る