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予実管理に必要なレポートをERPからWebFOCUSで出力。会社として見るべき指標を共有できる全社情報活用基盤を構築!

安川シーメンス オートメーション・ドライブ株式会社(新社名:安川オートメーション・ドライブ株式会社)

導入製品/サービス…
WebFOCUS  


安川シーメンス オートメーション・ドライブ株式会社(新社名:安川オートメーション・ドライブ株式会社) WebFOCUS 導入事例

安川シーメンス オートメーション・ドライブは、産業機械の稼働に必要な電気品とエンジニアリングを提供しています。従来はCRMで実装していた営業の予実管理機能を全面的にリプレースし、入力・編集機能はERPに、レポート機能はWebFOCUS に移行しました。次に打つべき手を考えるための情報を素早く引き出すことで、全社の業務効率向上や付加価値の創出に貢献しています。

導入のPOINT


1.ERPのデータをWebのレポートで検索/抽出。いつでも、誰でも、どこからでも必要な情報にアクセス
2.日英の多言語対応、多彩な表現力、GUIとソースコードのハイブリッドな選択肢で短期間での開発を実現
3.200名の情報活用を安定稼働で支えるパフォーマンス。現場のアクションにつながるレポーティング基盤を構築

課題

  • CRMのパフォーマンスが低下し動作が不安定に。ダウンする前にリプレースを完了させる必要があった
  • 今後を見据えて、全社の汎用的なレポートツールとして位置付けることが可能なシステム基盤が求められた
  • 多数のレポート改修要件に、迅速、かつ低コストで対応したい

対策

  • リプレース期間短縮のため、入力関連機能は既存仕様のままSAP ERPに、レポート機能はWebFOCUSに実装
  • 多言語、モバイル対応、相手先を選ばない接続インタフェース等、将来的に必要となりそうな機能はWebFOCUSでカバー
  • Excelテンプレート機能をはじめとする製品の標準機能をフル活用し、特殊要件に対してのみ、独自にソースコード実装

効果

  • SAP ERPとの親和性が高いWebFOCUSで、200名がフル活用できる安定稼働を予定期間内で実現
  • 将来に向けた汎用的なレポーティング基盤を先行して整備
  • レポートの構築工数を大幅に削減。改修要件に迅速に対応できる仕組みが整った

システム概要


システム概要


日独ものづくり大国の老舗企業が、産業機械のドライブ製品をフルラインで提供

── 安川シーメンス オートメーション・ドライブ様は、産業機械の稼働に欠かせないモーターやドライブ製品とそのエンジニアリングを提供されています。設立の経緯をお聞かせください。

設立100年を迎えた安川電機とまもなく設立170年を迎えるシーメンスとの共同出資によって1999年に創立されました。ものづくり大国である日本とドイツという2つの国をルーツに、主に産業機械に使われるモーターやドライブ、コントローラーなどの電気品や、これまでに培った高度なシステムエンジニアリング・ノウハウ、そしてサービスを提供しています。

── 2社の製品の取り扱いによって、ラインナップはどのように変化したのでしょうか?

安川電機は汎用性の高いドライブ製品やシステム用製品を得意とし、シーメンスは高付加価値ソリューションを提供する製品や石油プラントを稼働する大容量製品にその実力を発揮します。2社の製品を掛け合わせることで、お客様に提案できる幅が格段に広がりました。これまでにない大規模なシステムを受注できるようになっています。

── 提案の具体的なシーンを教えてください。

例えばお客様から「今度新しく工場を建てて、紙やプラスチック製品を生産する機械を作りたい」と営業にご相談いただいた時には、その機械に関わる電源設備等ユーティリティをも含んだトー タルな電気品のご提案が可能です。機械の稼働には、モーターに始まり、モーターを回転させるドライブ、複数台のドライブを制御するコントローラーなど多くの装置が必要になりますが、ラインナップからただ製品を選んでお届けするのではなく、エンジニアリングの技術力を活かして製品を組み合わせ、最適な装置の設計/販売/アフターサービスを提供しています。

CRMを短期間でリプレース 予実管理の仕組みを刷新

── 今回、営業部門で使われる予実管理の仕組みをリプレースされました。どのような仕組みですか?

営業部門では、年次の予算策定後、毎月その達成状況を確認し、今後必要となるアクションを検討しています。予算達成状況は、その月度までの実績と見通しから計算され、実績については SAP ERPの受注・売上データ、見通しについては、営業員がインプットする計画値を元に集計され、その結果をレポート出力しています。

── リプレースに至った課題は何だったのでしょうか?

過去のCRMシステムでは、独自開発した処理が多数あったため、パフォーマンスが極端に悪く、システムの動作も不安定でした。また、システム構成上、このまま使い続ければ、2015年12月には システムがパンクしてしまうことが予想されました。その時期は、営業部門の次年度予算策定の時期にあたるため、それまでには何としてもリプレースを完了させなければなりませんでした。

── どのような手順でリプレースを進められましたか?

短期間でシステムを安全安心に稼働できる状態に移行することを最優先とし、現行機能の仕様は変えずに、入力系の機能はSAP ERPに移行することにしました。また、出力系の機能については、今回のリプレースのみならず、汎用的に活用できる新たなレポートツールを導入することを検討しました。

WebFOCUSを採用 Web環境、表現力、SAPとの連携がポイントに

── レポートに求められた要件を教えてください。

もともとは数字の羅列したレポートを使っていましたが、将来的には経営コックピットのような表現力や、マネジメント層が外出先から見たいというニーズも予想されました。そのニーズに応えるには、まずはWebベースであり、モバイル対応のオプションもあること、そしてグラフィカルな表現と数字の並んだマトリックスが両方とも可能で、かつデータを選択して抽出もできる仕組みを要件として探し求めた結果、WebFOCUSに行き着きました。

── Web、表現力、検索と抽出の機能を重視されたのですね。他にも選定ポイントはありましたか?

日英の言語対応も必須条件でした。展示会で1日かけて回っても、日本語と英語の両方に対応している製品は、片手で数えられる程しかありませんでした。WebFOCUSは日英の言語を切り分ける機能が標準装備されていますから、多言語対応に特段の工数をかけることなくレポートを完成できました。また、SAP ERPをはじめ、その他の既存システムとも連携可能な接続インタフェースを多数持っていることは、大きなポイントでした。

── SAP ERPとWebFOCUSをうまく連携するポイントはありましたか。

WebFOCUSは、SAP ERP側の汎用モジュールを利用できるので、SAP ERPの開発ノウハウをそのまま活用し、容易にデータの受け渡しの設定ができました。また、WebFOCUSでも複雑なデータの計算や加工は可能なのですが、今回のリプレースでは、SAP ERP側でできることはそちらに集約しました。 これまでの運用により、SAP ERPではきちんとプログラミングすれば安定したパフォーマンスが出ることや、問題発生時の詳細解析方法が分かっていたからです。その結果、高品質、高パフォーマンスかつ安定したレポートが実装できました。

もちろん、SAP側で複雑な汎用モジュールを開発すると、必要となる工数が膨らむ場合もあります。そのため、今後もレポートの要件に応じ、WebFOCUS側とSAP側との最適な住み分けを検証していきたいと考えています。

GUIでもソースコードからもレポートを作れるハイブリッドな開発生産性を評価

── レポートを作る場面ではいかがでしたか?

WebFOCUSは、標準の部品を使ってミニマムにも開発できますし、ソースコードを使っていくらでも作り込むこともできます。アシストの体験セミナーで実際に開発プラットフォームを操作した時に、どちらの道も選べることがわかったので、これなら採用しても外すことはないと確信しました(笑)。

── 実際に開発してみていかがでしたか?

他の製品では、ソースコードに相当する部分は公開されていなかったり、ログの出力が不十分だったりして、問題を解析しにくいと感じたケースもありました。WebFOCUSはソースを見ることができますし、トレース機能も充実しているので、何かあった時の安心感も大きいですね。

── レポート開発も短期間で完了し、無事にリプレースを迎えられたのでしょうか?

実は、旧バージョンのSAP R/3のサポート切れやサーバ老朽化のため、2016年1月にカットオーバすべく、SAP ERPへのバージョンアップが決まっていました。つまり、旧CRMがパンクする寸前の2015年12月にWebFOCUSをカットオーバーしたら、その1ヵ月後には新バージョンのSAP ERPと連携した状態で稼働させなければならなかったのです。

── それはタイトなスケジュールでしたね!

スケジュール的には、かなりストレッチでした。ところが実際に稼働してみると、WebFOCUSは旧SAP R/3とも新SAP ERPとも問題なく連携できましたので、2015年12月から2016年1月の予算策定業務を滞りなく進めることができました。SAP ERP側はバージョンアップと同時にUnicode化の対応も行いましたが、両システムとも、そのための調整にそれほど工数を要しませんでした。接続先が大きく変わってもWebFOCUSに特に変化はなく安定して動いている、我々の選択は間違っていなかったと稼働後に改めて評価しました。


200名のデータ活用を推進 現場にマッチした機能で情報活用を定着させる

── 現在、現場ではどのように活用されていますか?

200名が全社で使っています。営業部門では予実管理に、営業管理部門ではその支援業務全般に利用しています。技術部門では主に見積情報を、カスタマーサービス部門ではお客様の設備や修理の履歴をWebFOCUSで照会しています。

── 現場でよく使われている機能はありますか?

Excelテンプレートを重宝して使っています。ブラウザ上の検索結果をExcelのテンプレートにあわせて出力できて計算式も組み込めるので、Excelの活用度が高いユーザー部門で便利に使われています。Excelとの親和性の高さは、現場での利用促進につながっていますね。 また、レポートの検索条件を保存できる機能も、全ユーザーに使われています。作成したレポートを他のユーザーにも提供できますから、拠点間での共有や会議資料としても役立てられています。

── 現場への定着が進んでいますね。

以前はシステムが立ち上がるまでに数分、クリックしてから検索結果が返ってくるまでにさらに数分待つような状況でしたから、 ユーザーは情報活用したくてもできない環境でした。 WebFOCUSへのリプレース後は、パフォーマンスや操作方法についての問い合わせはほとんどありません。現在は200名が安定して継続的に使っている、この情報活用は会社としてかねてから目指していた状況でした。

会社として見るべき指標はWebFOCUSで見る 生産性と付加価値を創出する情報活用基盤へ

── 情報活用を支えるIT部門として、リプレースを振り返っていかがでしょうか?

以前はシステムが不安定だったので、維持するために相当なパワーと工数を割かざるを得ない状況でした。WebFOCUSは7ヵ月での導入でしたが、開発段階から現在までトラブルなく安定して稼働しています。だからこそ、今後より良いシステムとするためにどうしていくかを考えられるようになりました。

── 今後の展開についてお聞かせください。

今回のリプレースでは、スケジュールの関係で、旧レポートのレイアウトや出力内容はそのまま引き継いだため、ユーザーの利用現場では、WebFOCUSの出力結果をさらに加工して必要な資料を作成するといった低付加価値業務がまだまだ残っています。WebFOCUSを使用してできる部分はすべてWebFOCUSに任せることで、全体の業務効率や付加価値はさらに上がるはずです。また、これからは各部門独自の編集を加えたレポートをバラバラに管理するのではなく、WebFOCUSに集約されたデータしか見ない、これを基にしか話をしないというマインドに変えていくことも目指しています。

── まさにWebFOCUSが全社の情報活用基盤となるわけですね。

この項目は何の判断材料に必要なのか、この数字は何のために出しているのか、という議論をさらに進めて、WebFOCUSのレポートをただ見るだけのものではなく、今後のアクションにつなげていくためのものにしていきたいと考えています。WebFOCUSから、目的の定まったレポートをいつでもどこでも出力できるようにすることで、エンドユーザーが高付加価値業務に集中できる環境を展望しています。

── 今回のリプレースでは、アシストのパートナーであるSTNet様のレポート開発支援を採用されました。最後に、STNet様とアシストへのご評価をお聞かせください。

STNet様には、WebFOCUS側の開発を全面的にお任せし、プロジェクト全体を通じて強力なバックアップを得られました。SAP ERPとWebFOCUSの両製品に精通しているので、製品特性を活かしたレポートの開発や、汎用モジュールの制約事項が見つかった際にはうまく回避してもらい安定稼働を実現しています。 現在はSTNet様の本社(香川県高松市)にある運用部門に、 月20時間のリモート運用保守サポートを依頼しています。運用保守はこの工数で充分ですし、機能改修の相談もしています。 製品を使い続ける中では、仕様に関わる機能面のリクエストも出てくるので、アシストさんにはメーカーへの働きかけやサポート面での支援を引き続きお願いしたいです。WebFOCUSの成長に今後も期待しています。

  • 本事例は取材時の内容に基づくものです。
  • 製品内容は、予告なく変更される場合があります。
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

お客様情報

会社名 安川シーメンス オートメーション・ドライブ株式会社(新社名:安川オートメーション・ドライブ株式会社)
概要 製紙、フィルム、クレーン、繊維、印刷など、各種の産業界に最新の産業用電気品を提供。高品質の製品群を基に、卓越したエンジニアリング技術とサービスで、様々な産業のオートメーション化に貢献しています。
本社 東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎ウエストタワー
設立 1999年10月1日
従業員数 約280名(2016年4月現在)
URL https://www.yaskawa-ad.co.jp/
取材日 2016年6月

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