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社内という最前線

Yuki Nakao

 

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AITがグループ会社の統括部よりクエストを始めた理由

 

 

新しい組織が立ち上がったとき、最初に成果を出す相手は誰であるべきでしょうか。

普通なら外の顧客、あるいは実績として華やかに宣伝できる大型案件かもしれません。

 

しかし、アシストAIテラス(AIT)の滑り出しは、少し毛色が違っていました。

 

親会社の威を借りて外に売りに行ったほうが、実績作りとしては手っ取り早いのはその通りです。しかし、AITの判断は逆でした。アシストグループの各統括部は、営業、技術、サポート、バックオフィスと多岐にわたり、それぞれが固有の理屈と指標(KGI/KPI)で動いています。

 

現場を覗けば、「属人化の極み」「入力が二度手間」「確認が遅い」といった、他の大企業でもよくある泥臭い課題が積み重なっています。

 

もし、ここを動かせないなら社外の変革なんて口にするのもおこがましい。そんな覚悟がありました。

 

1月15日。創業合宿の熱が冷める間もなく、AITは動き出しました。

「統括部クエスト」という、昨日まで身内であった親会社からすれば「何だそれは」と眉をひそめたくなるような名前のプロジェクトです。

 


16の事業部窓口、その重圧


 

クエスト先のリストを眺めていると、正直、気が遠くなります。

営業戦略企画、東日本営業、西日本支社、中日本支社、社会インフラ、エンタープライズ、CX、サポートサービス、システム基盤、クラウド、DX、iLab、経営企画、業務改革、人事、広報。

 

名前だけ並べれば立派ですが、一歩踏み込めばそこは「10年選手のExcel」がのさばり、特定の人しか判別できない「謎の問い合わせ」が山積している現場。

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「本当に、全部やるの?」

 

会議室に流れた沈黙は、あまりの物量に対する純粋な怯えだったと思います。

 

西日本支社に対するクエストでは、AIT森本が「面倒、遅い、ミス多発」という現場の痛みに直接切り込んでいました。目的は、単にAIを使ってもらうことではなく、現場の長と膝を突き合わせて「何に舌打ちしているのか」。深層心理にあるものを引き出すことです。

 

「KPIに結びつかないなら、やる意味がない」

 

そんな厳しい“AITの憲法”に向き合いながら、まず成果の定義をし、そこから逆算してクエストを組み立てる。これは、前段で触れたギルドシステムの思想そのものです。

 

やり方も、いきなり大風呂敷は広げません。

 

「まずはポイントを絞って最短で結果を出す」

「最小の実装単位(MVP0)で不恰好でもいいから明日から使える「道具」をひねり出す。」

 

この「2週間」という短いスプリント単位での実装が、一つの基準です。ふわっとしたコンサルティングではなく、具体的なコードやツールを現場に即放り込むそのスピードが、統括部クエストの生命線だと考えています。

 


社内案件の怖さは、誤魔化しが効かないこと


 

社内の人間は、驚くほど手加減をしてくれません。サポート技術統括部を担当したAIT金城のログには、当時の苦い記憶がそのまま残っています。

 

scrum-01 ツールを紹介しただけで、物売りだと思われた」

「何が言いたいのかわからない」

「便利そうだけど、うちの仕事には関係ないね」

 

そんな報告が、毎日のようにスクラムで共有されました。

 

便利な道具を持ってくるだけなら誰でもできますが、AITのこだわりは相手の数字(アウトカム)に責任を持つこと。これには「狙う成果(状態変化)」を言語化した上で、相手の言葉で提案し直す必要がありました。

 

PPTを何枚作ったところで、現場の数字が1ミリも動かなければゴミと同じ。拒絶を正面から浴びるたびにAITの「型」は削られ磨かれていく。そう実感する例です。

 


まとめ


 

統括部クエストは、なぜ最初の実践の場になったのか。

 

それは、社内という場所が最も厳しく、最も学びが多く、そして最も「嘘がつけない」場所だからです。

関係者が多く、数字にシビアで、ツール紹介だけでは誰も見向きもしない。そんな環境で通用するやり方を検証するためです。

 

次は、ギルドシステムという言葉が、現場でどう「誤解」され、どう「浸透」していったのか、その生々しい変化を追ってみましょうか?

 

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