生成AI実践・Gleanブログ

全社導入で企業変革チャレンジ

AIエージェント

AIエージェントを全社スケールで利用開始したらどうなった?!7ヵ月で稼働2,100本、実行回数4.6万回のリアルな実績を解説します

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AIエージェント
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アシストでは、2023年2月に「Glean Search」、2023年5月に「Glean Assistant」を全社員が利用できるように展開し、比較的早い段階から全社規模での社内AI活用を広げてきました。

そして2025年7月に、「Glean Agents」を全社一斉にリリースしました。

Glean 製品ラインナップ

  • Glean Search:SaaS横断のエンタープライズサーチ

  • Glean Assistant:AIアシスタント

  • Glean Agents:AIエージェント

AIエージェントをどの業務でどう使っていくか、適用業務やエージェントの作成、LLMの選択も現場に任せてのスタートで、ちょうど7ヵ月が経過しようとしています。

現時点でのAIエージェントの利用実績は、どうなっているでしょうか?

この記事では、実際の利用データを見ながら解説していきます。

全体の利用状況サマリ

まずは、利用状況の全体サマリから見ていきます。(2026年2月時点)

  • 稼働中のAIエージェントは 2,100本超

  • エージェントを 1回以上実行した社員は 937名(全社員の74%) 

  • 月当たりのアクティブエージェントユーザー数は 540名(全社員の43%)

  • エージェントの 総実行回数は4.6万回

エージェントは「数も利用者も」速いスピードでスケール


エージェントの稼働数は、現時点で2,000本を超えています。

この1週間だけでも100本近く増え続けていまして、社員によるエージェント作成が加速している状況です。

ライブラリに新しいエージェントが公開されると、さっそく使ってみる社員も多くいます。

エージェントの名前や説明を読むだけで何ができるのかは大方予想できますし、使い方もいたって簡単なので、お試しも兼ねて積極的に使っている社員が多そうです。

こんな発想で情報を引き出してまとめられるのか!とアイデアに感嘆することもあれば、ちょっと前に使ったエージェントを使ってみたら、改良されてさらに賢くなっていた!なんていう驚きもよくあります。

例えば、

  • 顧客向けのクリティカルな業務に組み込んで本格稼働しているエージェント

  • 働き方や目標設定のアドバイス、壁打ちをしてくれるエージェント

  • 今日のランチでおすすめのお店を提案してくれるエージェント

など、実に様々になってきました。

初心者向けに気軽に使えるものから、超優秀なマネージャーの分身のように動くエージェントまで、業務の幅や用途にも特徴が出てきています。
このあたりのエージェントの具体例は、また別の記事でご紹介したいと思います。

全体としては、「うまくいくかわからないけれど、まずは作ってみよう」「使いながら完成度を上げていこう」という空気感で、ゆるやかでありつつ業務への確かな融合が進んでいます。

お試し期間は通過。有志による「推しのAIエージェント勉強会」も


エージェントを1回以上実行したことがある社員は、総勢で937名にのぼり、全社員の7割強が既にエージェントを体験済みということになります。

リリース初期の「試しに1回使ってみた」という状況は早期に通過し、日常的に繰り返し使われているような利用状況になってきています。

つい先日も「推しのAIエージェント」をテーマにした社内勉強会が開かれていまして、社員同士でそれぞれの推しエージェントを紹介し合って、業務効率化の具体的なノウハウが共有されました。

参加した社員は、オンラインで全国から100名!
活発な質疑応答が飛び交い、最新技術を楽しみながら業務変革につなげていこうとする組織文化が醸成されているのを実感した場面でした。

常に半数の社員が、アクティブにエージェントを利用している


利用傾向について、利用実績データをもう少し詳しく見ていきましょう。

利用者数の推移を見ると、月次・週次のアクティブユーザーは 右肩上がり〜高止まり で推移しており、AIエージェントが一時的なブームではなく、日常業務に徐々に定着していることがうかがえます。

図)日次・週次・月次のアクティブユーザー推移

1日当たりのエージェント実行回数は、最多で703回。トータルでは4.6万回に


続いて、実行回数の推移を日々の実行回数から見ていきましょう。

線の傾き(緑色)がちょっとわかりにくいのですが、7月開始時点の「200前半」から徐々に「400後半」へと増加傾向をたどり、12月に「500半ば」を突破、1月には「700」を超える日が出始めています。

これに伴って、累積実行回数は2月15日時点で「45,948回」となりました。

図)AIエージェントの累積実行回数と日次実行回数の推移

国内でのエージェントの利用については、一般的な利用水準や実際の事例がまだ多くは公開されていないので、評価の拠り所はないのですが、利用の進み具合としてはまずまずの出だしと言えるのではないでしょうか。

エージェントを作っているのは誰か


エージェントを作成したことがある社員を調べてみると、200名ほどの社員の名前が挙がってきました。

技術職やエンジニアのメンバーがずらっと並んでいるのかな・・と思いきや、営業や営業マネージャー、営業アシスタント、マーケター、バックオフィスのメンバーまで、ほぼ全職種の社員が作成者になっていることがわかりました。

Glean Agentsは自然文でノーコード開発できるので、好奇心とアイデアさえあれば、まずは作り始めることができます。このハードルの低さが利用を広げた要因と言えそうです。

「まだ検証中!」と名付けられたエージェントもよく見かけるので、多くの社員がいろいろトライしている状況もうかがえます。

ちなみに技術職のメンバーに喜ばれているのが、LLMの選択

Glean Agentsは、ステップごとにLLMをGPT、Claude、Gemini、Llamaから選択することができます。
それぞれのバージョンを含めて、こまかく指定することが可能です。

そのため、モデルを変えることでどのように結果に影響するか、技術者魂をくすぐられるようで楽しみながら作っている人も多いようです。

作る人15% × 使う人85%の役割分担モデル。強めのガバナンスと全社オープンの組み合わせ

最後に、エージェントの開放と権限についても触れておきます。

Glean Agentsは全社員が誰でも利用できるのですが、エージェントを作成できるのは作成権限を持つ社員のみとしています。

作成権限が割り当てられているのは、生成AIの活用推進を担うCoEメンバーと、「ナレッジマネージャー」と呼ばれる各本部ごとにアサインされた高度なナレッジ活用を推進するチャンピオン役割のメンバーです。

そのほかの社員が作成を希望する場合には、ナレッジマネージャー経由で申請することで作成権限を付与する運用にしていまして、全社のバランスで見ると「作る人15%、使う人85%」くらいの比率になっています。

そのため、全員がビルダーになれるように開放しているわけではなく、「作る側はまずは厳しめに、使う側は最初から広くオープンに」という設計で、ガバナンスとスケールを両立して全社展開しています。

データのアクセス権、セキュリティの守りかた

ところで、エージェントの実行や回答生成では、データへのアクセス権やセキュリティも気になるポイントかと思います。

すべての実行ステップと結果の生成においては、エージェントを実行した社員のアクセス権限の範囲内としなければならないためです。

このアクセス範囲の設定を作成者が都度こまかく設定しているのか・・というと、実はGlean Agentsのエージェント作成画面にはそもそもアクセス権を制御する設定箇所がありません。

というのも、Gleanでは、接続先のBoxやGoogleドライブのアクセス権限をそのまま継承しますので、アクセス権を超えた情報は含まれようがないのです。

たとえば、Boxに役員会の議事録がある場合、エージェントを実行する一般社員にその議事録へのアクセス権限がなければ、エージェントからの回答にその議事録内の情報が含まれることはありません。

同じエージェントを役員が実行した場合は、役員会の議事録をもとにした回答が生成されます。

同じエージェントを利用しても、実行者によって回答が異なり、パーソナライズされた回答を生成できるのがGlean Agentsです。

これはGlean Agentsだけでなく、Glean SearchやGlean Assistantも同様です。

一方、このAIエージェントを誰が利用できるようにするか、という「公開範囲」は、こまかく設定することができます。社員単位、課、部、全社など、エージェント単位で公開範囲をセットし、利用に応じたセキュリティの設定が可能です。


ここまで、アシスト社内でのAIエージェントの利用実績を紹介してきました。

AIエージェントの全社展開というと、先進的ではあっても、ごく一部の限られた取り組みに見えるかもしれません。 しかしアシストで起きているのは、作る人・使う人・改善する人が循環しながら、AIが業務基盤に組み込まれていく変化です。

次回は、全社規模で支持されているトップエージェントを選りすぐって、具体的な利用事例を取り上げていきたいと思います。

AIエージェントの利用について

アシスト社内で現時点でもっとも日常的に使われている生成AIは、社内ナレッジを横断検索する「Glean Search」と、対話型で回答を得られる「Glean Assistant」で、「Glean Agents」はこれらの基盤の上に乗る『次のステップ』として、今まさに利用が広がり始めている段階にあります。

本記事では、これからの本格的なAIエージェントの利用に向けて、スタートラインに立った等身大の結果としてリアルな利用状況をお伝えしています。

執筆者情報

古賀 智美
2001年にアシスト入社。AIやBI分野のマーケティングを経て、2023年より「Glean」の日本国内での立ち上げに参加。マーケティングマネージャー。
アシストでの生成AI全社実践プロジェクト「1GAN」のCoE。