はじめに
Verticaには汎用的なデータベース製品同様に、ファンクションが提供されています。ファンクションを使うことで、与えられたパラメータで計算やロジックを行い戻り値を返す処理を実行できます。
この記事では2種類のファンクションの使い方についてご紹介します。
2種類のファンクション機能
Verticaでは以下2種類のファンクション機能が提供されています。
(1)SQLファンクション
(2)ユーザ定義ファンクション
(2)ユーザ定義ファンクション
SQLファンクションの使い方
以下の例では、myzeroifnullというファンクション名を定義して、NULL値を0(ゼロ)として表示するファンクションの実行手順をまとめています。
1)ファンクションの作成
CREATE FUNCTION myzeroifnull(x INT) RETURN INT
AS BEGIN
RETURN (CASE WHEN (x IS NOT NULL) THEN x ELSE 0 END);
END;2)テーブルの作成
CREATE TABLE tabwnulls(col1 INT);3)テストデータの挿入
INSERT INTO tabwnulls VALUES(1);
INSERT INTO tabwnulls VALUES(NULL);
INSERT INTO tabwnulls VALUES(0);
SELECT * FROM tabwnulls;
a
---
1
★NULL
0
(3 rows)ファンクションを使わない通常のSELECT文では、上記の結果になります。
4)ファンクションの実行
SELECT myzeroifnull(col1) FROM tabwnulls;
myzeroifnull
--------------
1
0
0ファンクションを使った場合にはNULL値を0(ゼロ)として表示しています。
5)その他
集計結果の実行例は以下のとおりです。
【補足】集計結果の例
SELECT COUNT(*) FROM tabwnulls GROUP BY myzeroifnull(col1);
count
-------
2
1
(2 rows)SELECT col1,COUNT(col1) FROM tabwnulls GROUP BY col1,myzeroifnull(col1);
col1 | COUNT
------+-------
1 | 1
0 | 1
| 0
(3 rows)ユーザ定義ファンクションの使い方
ユーザ定義ファンクション(User Defined Function=UDF)は、ユーザが独自に関数を定義する機能です。
C++、Java、Rを使用してCREATE FUNCTION 文で定義します。
※事前にコンパイルを実施してから下記手順を実行してください。
1)ライブラリの作成
CREATE LIBRARY ScalarFunctions AS '/opt/vertica/sdk/examples/build/ScalarFunctions.so';2)定義したライブラリを使用したUDFの作成
CREATE FUNCTION Add2Ints AS LANGUAGE 'C++' NAME 'Add2IntsFactory' LIBRARY ScalarFunctions;3)ユーザ定義ファンクションの状態確認
SELECT * FROM USER_FUNCTIONS WHERE function_name='Add2Ints';
-[ RECORD 1 ]----------+------------------------------------------------------------
schema_name | public
owner | dbadmin
function_name | Add2Ints
procedure_type | User Defined Function
function_return_type | Integer
function_argument_type | Integer, Integer
function_definition | Class 'Add2IntsFactory' in Library 'public.ScalarFunctions'
volatility | volatile
is_strict | f
is_fenced | t
comment |4)ユーザ定義ファンクションの実行例
SELECT Add2Ints(23,19);
Add2Ints
----------
42
(1 row)上記例はAdd2Ints(int_a,int_b)で指定したint_a + int_bを計算するUDFです。
まとめ
消費税の計算などの定型的な処理は、ファンクションを使うことで処理を効率化できます。是非ご活用ください。
参考情報
以下マニュアルも合わせてご確認ください。
CREATE FUNCTION (SQL Functions)
検証バージョンについて
この記事の内容はVertica 9.2で確認しています。
更新履歴
2019/08/01 検証バージョンを9.2に変更
2016/06/10 本記事を公開