
AIエージェントを活用すれば、システム運用の完全な自律化は実現できるのか。
アシストでは、この問いへの答えを導き出すため、AIエージェントを徹底的に使い倒す「システム運用AIエージェントラボ」を立ち上げました。
本記事では、システム運用AIエージェントラボ立ち上げの背景や目指していること、またラボの土台となる基盤に何を利用しているのかなどを具体的にお伝えします。
なぜ今、システム運用に「AIエージェント」が必要なのか
こんにちは。アシストの中村利一です。
入社以来、ずっとシステム運用分野のエンジニアとして活動しています。最近は、AIを活用して、どうやってシステム運用の自動化・自律化を実現できるかを考える毎日です。
AIといえば、様々な質問に答えてくれたり、資料を作成してくれたり、すっかり身近なものになってきました。皆さんも、業務効率化やアイデア創出のために活用されているのではないでしょうか。
ただ、運用現場に目を向けてみると、依然として「人の手」が必要な場面が多く残っています。刻一刻と変化するシステムの状況に応じた判断や対応は、まだまだ人に依存しており、人手不足や属人化などの課題を抱えたままではないでしょうか。
そこで、私が注目しているのが「AIエージェント」です。
AIエージェントとは
AIエージェントの定義はいろいろとありますが、よく言われているのは、自律的に業務を行うAIというものです。システム運用にAIエージェントを組み込むことができれば、人手を介さずにシステム運用業務を実行でき、人手不足や属人化に悩まされる運用現場の課題を解消するための鍵となり得る、と私は考えています。
「作業の自動化」から「思考・判断の自動化」へ
これまでの自動化とは、決められたルールに従い、単純な定型作業を自動でこなすというものでした。例えば、RPAによる業務自動化、Ansibleなどによる構成自動化が該当します。
AIエージェントは自然言語ベースの抽象的な指示を理解し、その時々の状況に応じて自ら判断し、適切な処理を実行します。
AIエージェントは2種類ある!?「ワークフロー型」と「エージェント型」
一口にAIエージェントといっても、実は2つの種類に分けられます。ひとつは、あらかじめ決められた業務フローを忠実に実行する「ワークフロー型」。もうひとつは、AIエージェント自身がタスクを理解して分解し、実行まで行う「エージェント型」です。
「ワークフロー型」と「エージェント型」のハイブリッドアプローチ
AIエージェントを導入するなら、自律的に動いてくれるエージェント型がよさそうですよね。ですが、何でもかんでもエージェント型にしてしまうと、かえって仕組みが複雑となり、ガバナンス負荷が高くなるなどのリスクがあります。
システム運用の自動化では、すべてをAIに任せるのではなく、「適材適所」の考え方が重要です。手順が固定的な前後処理はワークフロー型、人による判断やイレギュラーな対応が必要な処理はエージェント型を組み込む、ハイブリッドアプローチが効果的です。
ワークフロー型の強みが活かせる作業の自動化を、無理にエージェント型に置き換える必要はありません。また、すべてをAIエージェントにする必要もなく、すでにAnsibleなどの既存ツールでパッチ適用や動作確認が事足りているなら、そのまま継続して活用すればいいのです。
従来の自動化 | AIエージェント | AIエージェント | |
|---|---|---|---|
判断の仕組み | 事前に定義したルールや条件分岐に従う | 定義されたフローに沿いつつ、各ステップは自律的に判断 | フロー自体を自律的に判断して、組み替える |
例外対応 | エラーで停止する | ある程度は吸収できる | 対応方法を自ら考える |
得意な業務 | 定型業務 | 手順は決まっているが、判断が必要な業務 | 複雑・非定型・横断的な業務 |
システム運用での活用例 | パッチ適用、ジョブ実行 | インシデント一次対応、変更管理 | 原因調査、障害対応 |
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「システム運用AIエージェントラボ」始動!
運用の現場で実際に動くAIエージェントを体験する
では、どうやって適材適所を見極めればよいのでしょうか。システム運用にどうAIエージェントを組み込めばよいのかは、私にとっても、まだノウハウも経験もない未知の領域です。
だからこそ、まずは自分たちがAIエージェントを徹底的に使い倒すための「システム運用AIエージェントラボ」を立ち上げることにしました!
このラボでは、システム運用の現場で本当に役立つAIエージェントを作り、学び、「私たちの取り組みを見に来ませんか?」と皆さんをお招きすることを目指しています。おそらく、たくさんの失敗や回り道をすると思います。そんな試行錯誤が、AI活用を検討されている皆さんの参考になればと考え、こうして共有することにしました。
実現したいのは、次世代の判断モデル「OODAループ」
完全自律化を実現する「OODAループエージェント」とは
OODAループとは、状況の変化にすばやく対応するための考え方です。Observe(観察)、Orient(方向付け)、Decide(決定)、Action(行動)の4つのプロセスをループさせることで、不測の事態にも臨機応変に対応することを可能にします。
システム運用AIエージェントラボが目指しているのは、このOODAループをAIエージェントが自律的に回す、システム運用の完全な自律化です。
OODAループエージェントの実現に向けた第一歩
私たちが目指すOODAループエージェントの実現に向けて、まずは土台となるシステム運用AIエージェントラボの基盤を構築しました。
具体的には、インフラストラクチャにはAmazon Web Services、エージェントのワークフローや順序制御を行う基盤にはDify、そしてAIエージェントの頭脳として、Anthropic社の高性能な大規模言語モデルであるClaudeを利用しました。
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IT運用の未来を共に創りましょう
システム運用の現場で本当に役立つAIエージェントを作ることができるのか、これからもシステム運用AIエージェントラボの試行錯誤をありのままに発信していきます。
次回は、「ワークフロー型AIエージェントを作ってみた」という実体験をお届けします。
次回へつづく・・
※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
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この記事を書いたスタッフ
ビジネスインフラ技術本部 システム基盤技術統括部 事業推進部
中村 利一
ビジネスインフラ技術本部 システム基盤技術統括部 事業推進部
中村 利一

