
AIエージェントに興味はあるものの、「作るのが難しそう」「詳しい人しか扱えないのでは」と感じる方は少なくありません。特に、業務で使うエージェントとなると、要件整理や設定、運用まで考える必要があり、最初の一歩が重くなりがちです。
その中でGleanの自動モードは、やりたいことを自然な言葉で伝えるところから始められる点が特長です。Builder Assistantとの対話を通じて目的を整理し、必要なツールや設定を含んだたたき台を作れるため、エージェント作成のハードルを大きく下げてくれます。
本記事では、Gleanの自動モードがなぜ始めやすいのか、どのような業務に向いているのか、そして現場で活用を広げるために何を意識するとよいのかを、わかりやすくご紹介します。
なぜ今、AIエージェント作成が身近になってきたのか
これまでのAI活用は、チャットで質問したり、文章を作ってもらったりと、その時々の業務に合わせて、スポット的なその場限りの支援が中心でした。一方で最近は、調査、要約、下書き作成、情報整理といった一連の流れを、エージェントとして再利用したいというニーズが高まっています。
ただし、これを実現しようとすると、従来は「どの手順で動かすか」を細かく決める必要がありました。そのため、現場で本当に困りごとを持っている人ほど、アイデアはあっても形にしにくいというギャップがありました。
Gleanの自動モードは、このギャップを埋めるためのアプローチです。現在ではエージェント作成時の標準的な開始地点として「自動モード」が用意されており、まずは自然文で目的を伝え、そこからドラフトを作る流れが基本になっています。
自動モードが「誰でも作れる」に近づける理由
自動モードでは、「会議メモを要約して報告文の下書きを作りたい」「関連資料を探して比較したい」といった形で、目的をそのまま言葉にできます。
Gleanがその内容をもとに、エージェントのロジックや必要な構成を考え、たたき台を作成します。

作って終わりではなく、育てられる
生成されたドラフトは、そのまま完成品として使う前提ではありません。
指示、ツール、リソース、トリガー、設定を見直しながら、自分たちの業務に寄せていけます。プレビューやデバッグを通じて挙動を確認し、必要なら追加で自然文の指示を出して調整できるため、最初から完璧を目指さなくてよいのも大きな利点です。
向いている用途がわかりやすい
自動モードは、調査、分析、要約、下書き作成のような、目的は明確でも途中の進め方に柔軟性を持たせたい業務に向いています。
一方で、厳密な条件分岐や固定手順が必要な場合はワークフローが適しています。つまり、迷ったらまず自動モードで始める、という考え方が取りやすいのです。
まずは小さな業務から始めるのがおすすめ
自動モードの価値を実感しやすいのは、日々繰り返している小さな作業です。たとえば、会議メモから要点と次アクションを整理する、複数資料を読ませて下書きを作る、特定テーマの情報を集めて比較表を作る、といった使い方です。
こうした業務は、現場の担当者ほど「何が面倒か」「どの形式なら使いやすいか」を知っています。だからこそ、技術的な専門性よりも業務理解が強みになります。自動モードは、その現場知を自然文でエージェントに渡しやすい仕組みだと言えます。
さらに、既存のワークフローエージェントをもとに、自動モードのドラフトへ変換して比較・検証する機能も提供されています。これにより、すでに運用している仕組みを起点にしながら、より柔軟な形へ発展させやすくなっています。

実際の作成イメージを持つと、自動モードはさらに使いやすい
ここまで読むと、「自然文で作れるのは分かったが、実際にはどのくらい具体的に書けばよいのか」と感じる方もいるかもしれません。自動モードを使うときに大切なのは、最初から完璧な仕様を書くことではなく、「誰の、どんな業務を、どんな形で助けたいか」を言葉にすることです。
たとえば、会議後のフォローに時間がかかっているチームであれば、「会議メモをもとに、要点、決定事項、次回アクションを整理し、参加者向けの報告文を下書きしてほしい」と書けば十分な出発点になります。
営業部門であれば、「提案前に関連資料や過去事例を探し、論点を整理して提案書のたたき台を作りたい」といった依頼でもよいでしょう。重要なのは、機能名や設定項目から考えるのではなく、現場で発生している作業から逆算することです。
Gleanの自動モードは、この曖昧さをそのまま受け取って終わるのではなく、必要に応じて問い返しながら整理してくれます。対象読者は誰か、どんな形式で返すのか、どの情報を参照するのか、といった観点が対話の中で具体化されていくため、作り手の頭の中にある業務イメージを、少しずつエージェントの形へ落とし込みやすくなります。
この流れは、実はエージェント作成そのものだけでなく、業務の整理にも役立ちます。何を入力にして、何を出力にしたいのか。どこに判断のばらつきがあるのか。何を標準化したいのか。こうした視点で見直すことで、単にエージェントを1つ作るだけでなく、チームの仕事の進め方を言語化するきっかけにもなります。
活用を広げるときに意識したいポイント
自動モードでエージェントが作りやすくなると、次に出てくるのは「どう広げるか」という視点です。
ここで大切なのは、便利そうだからといって一気に大規模展開しないことです。
まずは利用シーンが明確で、効果が分かりやすいテーマから始め、実際に使った人の反応を見ながら改善していく方が、結果として定着しやすくなります。
また、エージェントは作って終わりではありません。出力の品質が安定しているか、参照先は適切か、誰にどこまで公開するか、といった運用面も重要です。自動モードではドラフト作成の初速が上がる分、公開前の確認や、公開後の見直しをどう回すかをチームで決めておくと、安心して横展開しやすくなります。
さらに、既存のワークフローエージェントを自動モードのドラフトへ変換し、比較しながら改善できる機能も登場しています。すでに運用中の仕組みを活かしつつ、より柔軟な形へ移行しやすくなっているため、「ゼロから作るのは不安」という場合でも着手しやすい環境が整いつつあります。
つまり、自動モードの価値は「簡単に作れる」ことだけではありません。思いついた業務改善をその場で形にし、小さく試し、よりよい形に育てながらチームへ広げていけることにあります。この循環が回り始めると、AIエージェントは特別なものではなく、日常業務の中で自然に使われる存在へと変わっていきます。
まとめ
AIエージェント作成は、もう一部の詳しい人だけのものではありません。
Gleanの自動モードなら、まずは「何をしたいか」を自然文で伝え、たたき台を作り、試しながら改善するという進め方ができます。
最初から大きな仕組みを作ろうとするのではなく、身近な業務から小さく始める。それだけでも、AIエージェント活用の見え方は大きく変わります。もし「難しそう」と感じていたなら、まずは一つ、毎週・毎日くり返している作業をテーマに試してみてはいかがでしょうか。

執筆者情報

市川 慎二
CX本部 サポートサービス技術統括部
2007年中途入社。BIツールの製品検証に従事し、その後、WebFOCUS製品、Qlik製品などBIツールのフィールド技術、サポート担当を経て、Gleanのサポート技術活動に従事。