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2025.07.25

PCの管理者権限、付与してなくても困らない!?情シスを救うEPMという選択肢

EPM

みなさんこんにちは、後藤まりです。

業務用PCのセキュリティを強化したい。でも、管理者権限を持たせていないと現場が回らなくなる…。
そんな悩みを抱えるIT部門の方は少なくありません。

サイバー攻撃対策として「PCの管理者権限を外すべき」とは理解していても、ソフトウェアのインストールや設定変更が自分でできなくなると、業務の停滞やヘルプデスクへの問い合わせが急増し、かえって運用の負担が増えてしまいます。

本記事では、PCがサイバー攻撃で狙われる理由から、管理者権限や同一パスワード運用がもたらすリスク、そしてそれらの課題を解決する手段として注目される「EPM(エンドポイント特権管理)」について解説します。



PCがサイバー攻撃のターゲットになる理由

多くの企業がサイバー攻撃の危険にさらされている中、PCは特に攻撃者から狙われやすい存在です。

PCは、企業のネットワークに直接つながっており、業務データや機密情報も保存されています。PCへの侵入に成功すれば、そこを起点にして、他のサーバーやエンドポイントに侵入を拡大することができます。その結果、ネットワーク全体へ侵入範囲を広げることができ、大量の重要情報にアクセスできてしまうのです。

さらに、コロナ禍を経て、クラウド推進やリモートワークが一気に普及したことで、PCの社外利用も増えており、セキュリティ強化の必要性はますます高くなっています。


PCの管理者権限にまつわるリスクや課題

こうした状況下では、PCの利便性を損なわずにセキュリティリスクをどう抑えるかが課題となります。
なかでも注意すべきなのが「管理者権限の扱い」です。権限の設定が適切でない場合、重大なリスクを引き起こす恐れがあります。


管理者権限を持たせるリスク

以前は、従業員にPCの管理者権限を常に持たせるケースがよく見られましたが、一般ユーザーに管理者権限を与えることは、 大きなセキュリティリスクをともないます。
管理者権限を持っていると、システム設定の変更やソフトウェアのインストールなどを、自由に行うことができます。その結果、意図せず不正なソフトウェアをインストールしてしまうおそれもあり、マルウェア感染や情報漏洩のリスクが高まります。

さらに、攻撃者に管理者権限を握られると、システム全体に甚大な被害をもたらすリスクが高まります。実際に、フィッシングやマルウェアによる攻撃を通じて、企業が大きな被害を受けた例も少なくありません。攻撃者が管理者権限を悪用すると、ユーザーアカウントの作成や変更が可能となり、「バックドアアカウント」を作成して、永続的に侵入できるようにもなります。

このように、管理者権限の悪用は、企業のセキュリティを根本から揺るがす要因となります。

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管理者権限を剥奪した際の課題

こうした背景から、最近では「従業員に管理者権限を常時付与せず、必要なときだけ一時的に付与する」運用へと変わりつつあります。これにより、不正な操作や攻撃による悪用リスクを大幅に減らすことができます。

一方で、管理者権限がないとソフトウェアのインストールや設定変更が自分で行えず、業務に支障が出るケースもあります。たとえば、業務に必要なアプリケーションを導入する際に、IT部門の対応を待たなければならず、業務効率の低下につながる恐れがあります。

また、権限を一時的に付与する運用や、都度IT管理者が対応する仕組みは、運用負荷が増すという課題もあります。そのため、「理想は権限を与えないこと」としながらも、現実には従業員に管理者権限を持たせたままの企業も多いのが実情です。


同一パスワードのリスク

さらに、管理上の利便性を理由に、ローカル管理者アカウントに同一パスワードを使用しているケースも多く見受けられます。しかし、この運用は大きなセキュリティリスクを伴います。攻撃者が一度、管理者アカウントのIDとパスワードを入手すると、他のPCに水平移動し、ネットワーク全体に攻撃を拡散する可能性があります。

このように、同一パスワードの使用は、セキュリティの脆弱性を助長し、企業全体のリスクを高める要因となります。


EPMとは? 管理者権限のリスクを減らすソリューション

こうしたリスクや課題を解決する手段として注目されているのが、エンドポイント特権管理(EPM:Endpoint Privilege Management)です。

EPMは、一般ユーザーから管理者権限を剥奪することで、サイバー攻撃のリスクを低減しつつ、業務上の負荷を最小限に抑えることを目的としたソリューションです。
EPMでは「最小権限の原則」を実現します。これは、業務に必要な最低限の権限だけを付与することで、サイバー攻撃や不正による被害を最小限に抑えるという原則です。


EPMの主要な機能

EPMの主要な機能は以下の通りです。

    1. ①ユーザー端末から管理者権限を剥奪
    2.  一般ユーザーが不正な操作を行うリスクを減少させます。
    3. ②必要な時のみ管理者権限の利用が可能
    4.  ツールで容易に管理者権限を一時的に付与することができ、業務の効率を維持します。
    5. ③管理者権限利用のモニタリング
    6.  誰がいつ管理者権限を利用したかを把握し、不正利用の防止に役立てることができます。

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EPMを導入することで、管理者権限を通常は剥奪し、必要な場合には一時的に付与することが可能になります。また、管理者権限の使用状況をモニタリングすることで、「誰が・いつ・どの管理者権限を利用したか」を把握でき、不正利用の防止やトラブル時の原因特定にも役立ちます。


iDoperation EPM Cloud による安全な運用を

アシストでは、「iDoperation EPM Cloud 」というEPMソリューションを取り扱っています。

このソリューションは、必要なときだけ従業員に管理者権限を一時的に付与し、ローカル管理者アカウントを無効化することで、攻撃者に悪用されるリスクを排除します。これにより、運用の手間を増やすことなく、セキュリティリスクを大幅に軽減することが可能です。


まとめ

以上のように、業務用PCを取り巻くセキュリティ課題には、管理者権限の扱いが大きく関わっています。リスクを抑えつつ、日々の業務を止めないためには、仕組みとしての対策が有効です。

「iDoperation EPM Cloud」は、そうした運用を現実的かつ効果的に実現するソリューションです。ご興味があれば、ぜひお気軽にお声がけください。


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※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


後藤 まり

株式会社アシストに入社以来、セキュリティ対策製品を担当。

技術者として現場で培った知見を活かし、日々プロモーション活動に奮闘中。
自身が「IT初心者」だった経験から、専門用語や技術についてわかりやすく
説明することを心がけている。

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セキュリティ製品を担当。親しみやすく、皆に可愛がられる妹的存在。


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