
最近、アシスト社内で「キャリア自律」という言葉を聞くことが増えました。なぜ「キャリア自律」が求められるようになったのでしょうか。中期経営計画「超サポ-25」の重点施策の一つ「キャリア充実プランの構築」の実行責任者である豊田 敬子さん(経営企画本部 広報・人事部)に聞いてみました。
キャリア自律/キャリアオーナーシップとは
── 社内でも、キャリア自律/キャリアオーナーシップという言葉がよく聞かれるようになりました。キャリア自律とはどういう意味でしょうか。

豊田 まず、「キャリア」について触れさせてください。一般的に仕事における経歴・昇進・昇格などのイメージで使われることが多い言葉ですが、文部科学省では「人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や、自分と役割との関係を見い出していく連なりや積み重ね」と定義されています。「生涯」というのがポイントです。人には仕事だけでなく、家族、友人、社外のコミュニティ活動などを通じて様々な役割があり、経験を重ね続けていきますよね。「キャリア」とは生涯を通じて得られる経験のこと、人生そのものを表しています。
ですから、「キャリア自律/キャリアオーナーシップ」とは、仕事(ワークキャリア)はもちろん、日々の生活(ライフキャリア)において、身に付けていく知識・経験・人脈に加えて、自分自身の生き方を自己決定し人間性を磨き成長していくことを表しています。
そこで、全ての技術職の社員がキャリアを充実させるためのプログラムとして考案したのが「技術キャリア充実プログラム=技術キャリ充」です。
── どういう仕事をしたいか、どういう生活を送りたいかなど、自分自身がどういう生き方をしていきたいかを考え、それに向けた知識・経験・人脈をどう築き自分が目指すべき生き方に向けて成長していくということですね。
キャリア自律が求められる背景
── 今までのアシストは、どちらかと言えば、会社から期待される役割を担っていく形だったと思いますが、キャリア自律が求められるようになったのはなぜでしょう?

豊田 社会的背景とアシスト社内の両面からお話しさせていただきますね。
まず最初に社会的背景ですが、経済状況やコロナなどをはじめとした不確実性の高まり、労働人口の不足、ライフスタイル・価値観の多様化、そしてそれに起因した終身雇用や年功序列制度の崩壊があげられます。入社してしまえば定年まで安泰といった認識は崩壊し、個人がどんなキャリアを積んできたかが重視される時代になってきました。
また、リンダ・グラットン著「LIFE SHIFT」にも代表されるように、人生100年時代となり、アシストでいえば60歳定年時または65歳までの雇用継続終了後の自分の人生、生き方を自分で考えなければならない時代となりました。
社会的背景に合わせ個人の価値観も変容していく中で、育児や介護・ご自身の病気・セカンドキャリアの見つけ方など、アシストの中でも日々悩み、奮闘されている方も多々いるのが現状です。
アシスト社内における課題としても、特に若手社員からは、ITという変化の早い業種において、アシストはこのまま成長していけるのだろうか、アシストで自分がどういうキャリアを積み市場価値を高めることができるのだろうか、との声が年々聞こえるようになってきました。大学生の頃からキャリアに対して学習してきている世代なので、このあたりの感覚はベテラン社員より鋭いですし、危機感も強いと感じます。
また、プラス面と捉えてきたアットホームな社風にもマイナス面があることがわかってきました。ともすれば、慣れ合いの雰囲気になってしまい、課題感の共有や問題提起がしにくいといったことや、ベテランになればなるほど周囲が尊重してくれるがあまり、逆に孤立感を生み出してしまい働きにくさを感じてしまうという課題が出てきていました。若手、ベテラン、雇用延長の方、アシストで働く人全員がイキイキとやりがいを感じ、活躍できるようにするためにはどうしたら良いか、改めて見つめ直していかなくてはいけません。
先にもお伝えしたように、一つの会社で勤め上げるというキャリア観が当たり前のものではなくなり、予測もつかない社会の変化が起きていく中で、個人・企業ともに適応していくためには、それぞれが選び・選ばれるために成長していくことが大切です。自分の望む生き方ができる企業で働けているか、そして企業からも必要とされる人財であるかどうか、企業と個人がWin-Winの関係であることが、これからの社会、そしてアシストにも求められています。
企業が個人のキャリアに対してどこまで支援をすべきか、といった言説も聞かれますが、アシストが社員にとって価値ある場として存在することで、社員もアシストに対して信頼を抱き、それがアシストのために何かしたい、頑張ろうといった想いとなって、個人が自己成長しそのことが会社の成長にもつながっていくのです。そのベースになるのが「どんな生き方をしたいか」という想いであり、これは人から与えられるものではなく、自分で考え、自分で決めるしかありません。(自己決定)これが「キャリア自律」です。アシストは、社員(個人)と会社はパートナーであり、互いに個人の市場価値や企業の存在価値の向上を目指し、共に成長し合う存在であり続けることを目指していきます。「超サポ-25」に重点施策として「キャリア自律」が組み込まれたことはアシスト経営陣がその覚悟を持って社員のみなさんと本気で共に成長したいということの現れであるということです。
キャリア自律に向けて、アシストの取り組み
── キャリア自律に向けて、具体的に取り組んでいることはありますか?

豊田 中期経営計画「超サポ-25」の一つに、キャリア充実プランの構築が挙げられています。その活動の一環として、「キャリア充実プログラム」が始動しています。このプログラムは、社員一人一人が、中長期で目指したいキャリアを考え、それを基に必要な支援を検討・提供するプログラムです。まずは技術職向けに2022年度よりスタートし、2023年度から営業職、そして2024年度からスタッフ職向けが始まります。アシストにいることでどんなスキルが身に付くのか、それぞれの部門でどんな経験ができるのかなど、スキルマップをまとめたりと、キャリアを考える土台となる情報の整備も行っています。
また、「キャリ充Lab」という、社内でキャリアコンサルタントの資格をもっているメンバーの自発的なコミュニティも始動しています。キャリアに関するコラムやセミナー、勉強会、採用チームと連携したワークショップの開催など、社員のキャリア自律支援に関して情報発信をしていますが、毎回多くの方が参加され好評をいただいています。この活動の中で、男女問わず結婚・出産・育休に不安を抱えている方がかなりいることも分かってきました。恐らく、社員数の増加やテレワークなどにより、情報が得にくくなっている面も原因かと思いますので、今後テーマごとに社員同士をつなぐような活動をして、社員が仕事をする上での不安払拭や離職防止につなげていければと考えています。
その他にも、キャリアについて相談できる「キャリ充支援窓口」もあります。相談件数も倍以上に増えてきており、キャリアに対して社員の皆さんの関心が高まっているのを感じます。個々人がどうありたいかを一緒に考え、キャリアを切り開くお手伝いをしていきたいと思っています。お話を聞く中で、組織的な課題を個人が抱えている場合もあり、そういった時には必要に応じて関係部署と連携をとり、実践的な支援に取り組むこともあります。
一般社団法人プロティアン・キャリア協会認定の4designs株式会社を通じて2023年12月に開催された、6社合同のプチ越境プログラム にアシストの入社2年目、4年目の社員も参加しました。企業の境界を越え同じ世代で対話し、自分たちのキャリアについて考える良い機会になったのではないかと思います。(2024年1月追記)
── 今後、さらにアシストがキャリア自律を進めていくにあたり、大切なことはなんですか?

豊田 キャリア自律の取り組みにおいて大切なことは、社員一人一人の意識の変化に加えマネージャーの意識変化だと思っています。若手や部下にあたる社員にいくらキャリア研修を行っても、彼らの想いをマネージャー側がきちんと受け止められなくては意味のない活動になってしまいます。
そこで、先行してスタートしている技術職向けのキャリア充実プログラム活動の中で、技術職のマネージャー向けに研修を実施しました。受講後のアンケートが今までにないほどに高評価で、特に年上の部下に対しての接し方において、相手のことを思って対すればいいんだと学びになった方が多かったようです。
とはいえ、営業職やスタッフ職向けなどはこれからスタートする活動なので、社員の皆さんがキャリア自律の重要性に腹落ちしていただけるよう、これからも丁寧に取り組んでいきたいと思います。
キャリア自律に向けて、今できること
── キャリア自律に向けて、まず社員一人一人は何をしたらいいでしょうか。

豊田 まずは、自分が何に価値を感じ、どういう働き方をしたいのかを考えてみるところから始めてみましょう。そして、それを上司や同僚、周囲の方に伝え、自分のありたい姿に近付けるよう、一歩を踏み出してみてください。そのためにも、周りの方との対話ができる心理的安全性のある環境を互いに整えることも大切ですね。
「キャリ充支援窓口」もありますので、ぜひキャリアに関するお悩みをお気軽にご相談ください。
豊田さんの想い
── 最後に、「キャリア自律」に対する豊田さんの想いをお聞かせください。

豊田 私が一番最初にキャリア自律を意識したのは、大塚さんに社長交代したときでした。これからアシストは大きくドラスティックに変化して成長していくだろうな、と直観的に身震いするほどに感じたんです。ただ、その反面、その変化についていけなくなるのではないかという危機感も感じました。私だけではなく、同じように感じている人もいるのではないかと思い、私自身も含め、零れ落ちる人を支えられるようになるにはどうしたらいいかと考え始めたのがきっかけです。
私の願いは、皆さんが健やかに働き続けられる環境にしていきたいということです。アシストで働く皆さんに、イキイキと働き充実した人生を送ってほしい、また、アシストを卒業される皆さんにもその後の人生が充実したものとなり、願わくば「アシストで働けてよかった」と思っていただけるように精一杯キャリア自律を支援したいと思っています。
社員の幸せがアシストの成長を支え、100年企業にもつながるのだと信じています。
ページトップへ戻る