※この記事は「Qlik Cloud Analyticsの分析用データ容量」をテーマにした全2回構成の第1回です。第1回では容量の考え方と確認方法を整理し、第2回では運用判断に使える検証例をご紹介します。
Qlik Cloud Analyticsを検討・運用していると、「どのデータが容量としてカウントされるのか」「何が対象外なのか」「管理画面のどこを見ればよいのか」と疑問に感じることがあります。本記事では、Qlik Cloud Analyticsにおける分析用データ容量の基本的な考え方と、管理画面やアプリで確認すべきポイントをご紹介します。
※本記事は、2026年8月時点のQlik Cloudヘルプの情報をもとに作成しています。契約内容やエディションによって、利用できる機能や計測基準が異なる場合があります。
分析用データを計測基準とするのは、主にQlik Cloud Analytics Standard、Premium、Enterpriseです。Qlik Cloud Analytics Starterはユーザー数を基準とするサブスクリプションのため、契約しているエディションによって容量の考え方が異なります。
詳しくは、サブスクリプションの計測基準について(Qlik Cloudヘルプ)と分析用データ(Qlik Cloudヘルプ)をご確認ください。
Qlik Cloud Analyticsの「分析用データ容量」とは
Qlik Cloud Analyticsの容量ベースのサブスクリプションでは、データ容量を計測します 。ライセンス利用としてカウントされる容量は、単にQlik Cloudに保存されているファイルの容量だけを指すものではありません。「分析用データ容量(Data for Analysis)」として一定の条件に該当するデータが計測対象となります。
また、分析用データ容量は、単純な保存容量の合計ではなく、日々の使用量をもとに計測されます。毎日計測される使用量のうち、その月で最も大きかった値が該当月の分析用データ容量の値として採用されます。そのため、たとえば、月の途中で極端に大きなデータを取り込んだ日が1日だけあった場合、その日の値が月全体の容量判断に利用されます。
何がカウント対象で、何が対象外か
容量を適切に管理するには、まず何がカウント対象となり、何が対象外となるのかを把握することが重要です。
分析用データ容量の主な計測対象は、次のようなデータです。
外部ソース(Snowflakeなど)から アプリケーションにロードしたデータ
Qlik Cloudにアップロードした CSVなどのデータファイル
Qlik Cloud上に出力したQVDファイル、またはコピーされたデータファイル
アップロードされたQVFファイル
外部ソースからアプリケーションにロードしたデータは、非圧縮時のデータサイズをもとに計測されます。データファイルはファイルサイズ、QVFファイルはアプリケーションの基本メモリフットプリントをもとに計測されます。
一方で、すべての操作が追加のカウントにつながるわけではありません。たとえば、次のような場合です。
Qlik Cloud内にすでに保存されているデータファイルをアプリケーションから再読み込みした場合
[Direct Query]で取得するデータ(都度クエリで参照するパターン)
[Binary load]で取得するデータ(あるQlikアプリケーションが読み込んだデータを、別のアプリケーションがそのまま丸ごと引き継いで読み込む機能)
個人スペース上のアプリケーションやデータ※1
共有スペースでコピーされてリロードをしていないアプリケーションおよび該当アプリケーションに取り込まれたデータ※1
管理スペースに公開されたアプリケーションおよび該当アプリケーションに取り込まれたデータ※1
※1…ただし、個人スペースのアプリケーションやデータを共有スペースへ移動した場合、カウント対象となります。また、共有・管理スペース上のアプリケーションをリロードした場合、そのリロードにより取り込まれたデータ取り込みはカウントされます。
まずは「どのデータが分析用データ容量に影響するのか」を整理しておくことが、容量管理の出発点になります。
どこで分析用データ容量を確認するか
実際の確認では、まず 管理コンソールのホーム画面(Administration activity center)で全体像を把握します。そして、必要に応じて 詳細な消費レポートアプリケーション(Consumption report)で詳細を確認します。
管理コンソールでは、現在の容量使用量や、契約容量に対する使用割合などを確認できます。
一方、詳細な消費レポート※2では、日ごとの使用量や、どの種類のデータが容量に影響しているかといった詳細を把握できます。
※2…テナントが分析用データ容量をどのようにカウントしているかを、概要と詳細の両面で確認できる専用アプリケーションです。 分析用データの詳細だけでなく、自動化実行回数、レポート作成回数、生成AI実行回数など当月および過去2か月間の利用状況を確認できます。
詳細な消費レポートの「Data for Analysis」画面では、分析用データ容量について詳細を確認するための複数のチャートが用意されています。
Monthly Peak Usage(GB)棒チャート(画面上部赤枠の左側):過去12か月間の容量推移を確認できます。
Peak Daily Usage(GB)棒チャート(画面上部赤枠の右側):過去3か月間の日次の容量推移を確認できます。その月の分析用データ容量としてカウントされた日次の分析用データ容量を「Peak Day」として確認できます。
画面下部のテーブル:タブに「By App ID and Month」「By Data File IDand Month」 「Details by Day」があります。アプリIDごと、データファイルIDごと、データの種類ごとに、容量を確認できます。
確認するポイントは、現在の使用量だけではありません。次の点も確認することが重要です。
どの日が月内最大使用量になっているか
どの種類のデータ(アプリ、ファイルなど)が容量に影響しているか
月末時点の値だけでは見えない動きを把握することで、「どのタイミングで容量を意識すべきか」「どの操作を見直せばよいか」といった運用判断がしやすくなります。
なお、詳細な消費レポートは管理アクティビティセンターの[設定]>[テナント]>[詳細な消費レポート]欄にある配信ボタンをクリックすると個人スペースに配信されます。
配信ボタンをクリックすると、Consumption report YYYY-MM-DD(YYYY-MM-DDは発行した日付の前日)という名称のアプリケーションが個人スペースに保存されます。
また、Qlik Automateを利用すると、任意のスペースに自動配信することも可能です。テンプレートとして用意されている「Capacity consumption app deployer」を利用します。
設定方法等の詳細についてはQlikコミュニティ記事(https://community.qlik.com/t5/Official-Support-Articles/Automate-deployment-of-the-Capacity-consumption-app-with-Qlik/ta-p/2529176)をご確認ください。
さいごに
Qlik Cloud Analyticsの容量管理では、「何GB契約しているか」だけでなく、「何がカウントされるのか」「どの値が契約容量として計算されるのか」を理解することが重要です。
第2回では、新規取り込み、QVD再利用、アプリケーションの複製、削除、リロードという観点から、容量がどのように増減するのかを検証例で整理します。
第2回記事リンク:
出典:Qlikヘルプ
分析用データ
https://help.qlik.com/ja-JP/cloud-services/Subsystems/Hub/Content/Sense_Hub/Admin/subscription-value-meters-data-for-analysis.htm
サブスクリプションの計測基準について
https://help.qlik.com/ja-JP/cloud-services/Subsystems/Hub/Content/Sense_Hub/Admin/subscription-value-meters.htm
容量ベースのサブスクリプションの詳細な消費量の監視
https://help.qlik.com/ja-JP/cloud-services/Subsystems/Hub/Content/Sense_Hub/Admin/usage-metrics-app.htm
この記事を書いたスタッフ
DX技術統括部 DX技術統括部 データ活用基盤技術1部
今井 智恵
DX技術統括部 DX技術統括部 データ活用基盤技術1部
今井 智恵